犬は魚を食べてもいいの?生魚がNGの理由は寄生虫とチアミナーゼ!

2021.06.29

犬は魚を食べてもいいの?生魚がNGの理由は寄生虫とチアミナーゼ!

魚はタンパク質、カルシウム、タウリン、DHA、EPAなど、犬にとって良い成分が豊富に含まれた食材です。魚を与える際は、骨が刺さらないよう取り除く、寄生虫予防やビタミンB1欠乏症予防のために加熱する、食べ過ぎないなど、注意を守って摂取することが大切です。また、魚を購入して加熱して与えるほかにも、ふりかけとして利用したり、市販の魚を使った犬用おやつを食べさせるなどで、犬に魚の栄養素を摂取させることができます。 犬と魚の栄養について、詳しく確認してみましょう。

【目次】
1.犬は魚を食べてもいいの?体に良い成分は?
 1-1.タンパク質
 1-2.カルシウム
 1-3.タウリン
 1-4.DHA(ドコサヘキサエン酸)
 1-5.EPA(エイコサペンタエン酸)

2.犬と魚のアレルギーの関係について
 2-1.魚の「ヒスタミン」がアレルギーの原因に
 2-2.魚はアレルギー食にもなる?
 2-3.アレルギー食の定番「キャットフィッシュ」って?

3.犬に魚を与えるときの注意点は?
 3-1.骨を取る
 3-2.加熱する
 3-3.味付けをしない
 3-4.適度な大きさにする
 3-5.食べ過ぎない
 3-6.いか、たこ、貝類は与えない

4.犬に生魚はあたえてもいい?
 4-1.寄生虫予防のため
 4-2.チアミナーゼ(酵素)防止のため

5.魚を簡単に摂取できるおすすめ方法は?
 5-1.ふりかけにする

6.魚の栄養素入りの犬用おやつ
 6-1.ペットにぼし
 6-2.国産たら 100g

7.魚は栄養満点食材!与え方に注意して、積極的に取り入れましょう。

【掲載:2017.08.06  更新:2021.06.29】

犬は魚を食べてもいいの?体に良い成分は?

焼き魚

海に囲まれた島国である日本にとって欠かせない食材が「魚」です。魚を原材料としたドッグフードも多く、犬が食べても良い食材の一つです。

魚に含まれる、犬の体に良い成分には、どんなものがあるのか確認してみましょう。

◆タンパク質

魚には良質なタンパク質が豊富に含まれています。その大半が、タンパク質と必須アミノ酸のバランスを表したアミノ酸スコアで100という数値を示すほど良質のタンパク質です。

魚に含まれているタンパク質は、他の食材に比べて消化しやすいため、老犬や幼犬にも安心して与えることができます。

◆カルシウム

カルシウムは骨や歯を形成させる栄養素です。魚にはカルシウムが豊富に含まれていて、犬の骨の強化や骨粗しょう症防止などに効果があります。

煮干しなど、内臓ごと食べることのできるものの場合には、内臓に含まれているビタミンDなどの栄養素も犬に摂取することができます。

◆タウリン

タウリンはアミノ酸の一種で、体を健康に保つ活動(ホメオスタシス作用)をする栄養素です。

タウリンは外気の寒さや暑さに影響されずに、犬の体内温度や血圧を一定に保つなどの維持をします。身体のバランスを保つ効果や中性脂肪の減少などの効果もあるため、犬にも積極的に摂取したい栄養素といえます。

◆DHA(ドコサヘキサエン酸)

DHA(ドコサヘキサエン酸)は必須脂肪酸の一つで、体内で生成することができないため、食材で摂取が推奨されている栄養素です。

DHAは脳や神経系に含まれている栄養素で、それらの発達に効果があるとされています。犬の脳の動きを活発にし、痴呆防止効果もあるため、特に老犬に役立つ栄養素です。

DHAは魚の油に多く含まれているため、マグロやサバなどの脂ののった種類の方がより豊富です。

◆EPA(エイコサペンタエン酸)

EPAは血液の状態をサラサラにして、血栓予防や高脂血症の予防をする働きがあります。血液を詰まらせない効果があるため、犬の動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防効果もあります。

●おすすめ商品
紗 軟骨&白身魚入り 155g

・厳選した鶏ささみと抗酸化成分(イミダゾールジペプチド)を含む胸肉を贅沢に使い、美味しさと健康にこだわりました。
・鶏軟骨と白身魚を加え、味わい豊かになりました。天然のカルシウムも摂れる自慢の逸品です。

購入


犬と魚のアレルギーの関係について

◆魚の「ヒスタミン」がアレルギーの原因に

魚には「ヒスチジン」という必須アミノ酸の一つが含まれています。ヒスチジンの適量摂取は、関節炎の予防や脂肪燃焼効果(ダイエット効果)など、様々な効果がもたらされます。

しかしながら、ヒスチジンは体内でアレルギーの原因となる「ヒスタミン」に変化することがあります。ヒスタミンによるアレルギー反応には、痒みや蕁麻疹などがあります。

◆魚はアレルギー食にもなる?

魚によるアレルギーがある反面、魚が犬の「アレルギー食」になることもあります。

魚をアレルギー食とするのは、鶏肉、牛肉などの肉類や米や小麦などの穀類に対するアレルギーを持つ犬です。

食物アレルギーの場合、原料を今まで食べていない食材に変える方法が一般的です。そのため、アレルギー食としてフィッシュ味のフードが定番となっています。

●おすすめ商品
プロフェッショナル・バランス アレルゲンケア&pHコントロール

食物アレルギーと下部尿路の健康維持に配慮し愛犬の健康をサポート。たんぱく源を魚と米に限定。<総合栄養食>

購入


メディコート アレルゲンカット 魚&えんどう豆蛋白 1歳から 成犬用 3kg

食物アレルギーに配慮して、たんぱく源はアレルゲンになりにくい魚とえんどう豆のみを選んだライフステージフード。<総合栄養食>

購入

◆アレルギー食の定番「キャットフィッシュ」って?

キャットフィッシュを猫用の魚だと勘違いする方がとても多いですが、これは間違いです。Catfish(キャットフィッシュ)とは、ナマズのことを指します。

ナマズは白身魚の一つで、アレルギー治療に用いられる「今まで食べた事が無い食材」に当たりやすいため、犬のアレルギー食の定番として用いられています。

ナマズは、高タンパク、低脂肪、低カロリー、低コレステロールで、コラーゲンを豊富に含み、消化も良い万能食材の一つです。


犬に魚を与えるときの注意点は?

ご飯を待つ柴犬

犬に魚を与えるときの注意点には、どんなものがあるのでしょうか。確認して見ましょう。

◆骨を取る

魚の骨は硬く、折れた際に鋭角に尖ってしまうことから、犬の喉や食道に刺さりやすい面があります。

そのため、大きな魚を丸ごと与えることは避けましょう。必ず、身をほぐし、骨を除去してから食べさせることがおすすめです。

◆加熱する

魚にはアニサキスやクドア・セプテンプンクタータといった寄生虫が寄生していることがあります。
寄生虫に寄生された魚を食べてしまうと、犬は腹痛、嘔吐、下痢、腹膜炎などを起こします。

寄生虫予防には、中心部までの十分な加熱が有効です。犬に魚を与える際には、茹でる、焼くなどの加熱処理をするようにしましょう。

◆味付けをしない

人間が食べて美味しいと感じる味は、犬にとっては濃すぎる味です。塩分の過剰摂取は高血圧などの病気にも繋がるため、気を付けたいポイントです。

犬に食べさせるためには、塩分を控え、味付け無しの素材本来の味で構いません。同様に、塩分過多のため干物などを与えることも避けましょう。

どうしても味付けがしたい場合には、極少量の調味料を使うと良いでしょう。

●おすすめ商品
健犬 無垢

犬の食物アレルギーに配慮して、単一たんぱく源仕立て。着色料・発色剤は無添加。水煮タイプ。

購入

◆適度な大きさにする

大きい切り身の状態で魚を与えると、犬はガツガツと一気に食べてしまい、喉に詰まらせてしまう可能性があります。

必ずほぐしたり、小さく切り分けるなどしてから食べさせるようにしましょう。

また、身を小さくすることで骨を取り除きやすいというメリットもあります。

◆食べ過ぎない

魚を食べ過ぎると、DHAやEPAなどの多価不飽和脂肪酸の過剰摂取となり、ビタミンEの欠乏で生じる黄色脂肪症となってしまいます。

黄色脂肪症とは、お腹や胸部の皮下脂肪が酸化変形して、炎症を起こす病気です。炎症による痛みや、しこりなどが症状として見られます。

犬に魚を与える際には、与えすぎないように注意しましょう。

●おすすめ商品
ささみほぐし かつお 150g×24缶

鶏ささみをフレーク状にほぐし、かつおをミックスしました。かつおにはDHAやEPAが含まれています。食品用のお肉やかつおを使用し、日本国内の工場で製造しています。

購入

◆いか、たこ、貝類は与えない

いかやたこ、貝類などは、身が固く犬にとっては食べづらい食材です。消化が悪いため、犬が下痢や嘔吐を起こす可能性もあります。
そのため、犬には食べさせない方が良いといえます。

●あわせて読みたい
犬はイカを食べてもいいの?生のイカと加熱したイカでは違いがあるの?

犬にとってイカはどんな食材でしょう?日本では縄文時代から食されていたイカ。タンパク質も多く含みDHAも豊富なので、犬が食べても問題ないと思うかもしれません。しかし、与え方によっては、犬がイカを食べることは良いどころか悪影響なのです。 今回は、犬にイカを与えてもいいのか、与え方や注意点についてご紹介します。

記事はコチラボタン


犬に生魚はあたえてもいい?

犬に生魚を与えることは、あまり推奨されていません。それは何故なのでしょうか。

◆寄生虫予防のため

先程ご紹介した通り、生の魚にはアニサキスやクドア・セプテンプンクタータといった寄生虫が寄生していることがあります。寄生虫に寄生されたものを食べてしまうと、犬は腹痛、嘔吐、下痢、腹膜炎などを起こします。

魚に寄生する寄生虫は、2~3センチの糸状だったり、胞子状だったりするため、目視で確認することは困難です。

寄生虫予防には、中心部までの十分な加熱が有効であるため、犬に与える際には、茹でる、焼くなどの加熱処理をするようにしましょう。

◆チアミナーゼ(酵素)防止のため

生の魚には、チアミンを2つの分子に代謝する「チアミナーゼ」という酵素が含まれています。

チアミナーゼを摂取し続けると、ビタミンB1欠乏症(チアミン欠乏症)に陥ります。犬のビタミンB1欠乏症(チアミン欠乏症)は、ふらつきや麻痺、瞳孔の散大、運動失調、痴呆、昏睡などの神経症状が多く見られます。

チアミナーゼは加熱することで効果が無くなる酵素のため、犬に与える際には必ず加熱して与えるようにしましょう。


魚を簡単に摂取できるおすすめ方法は?

魚を買ってきて、加熱して、骨を取りほぐす…という作業が面倒な方も少なくないでしょう。いつもの食事のまま、犬に簡単に魚の栄養素を摂取させることができるおすすめの方法をご紹介します。

◆ふりかけにする

魚を普段の市販フードのふりかけとして利用する方法がおすすめです。魚の栄養素の摂取はもちろん、フードの嗜好性も増します。

手軽にふりかけに使える食材は、かつおぶし、サクラエビ、煮干し、とろろ昆布などです。細かく刻むか、フードプロセッサーなどで粉状に粉砕するようにしましょう。

●おすすめ商品
Q-pet プレミアムふりかけ 焼魚 70g

愛犬の健康維持にDHAとEPAが含まれる【粉末魚油】を配合しました。

購入


無添加 まぐろけずり ふわふわ花 20g

低脂肪のまぐろ削り節にし旨み風味を際立たせた犬猫用のおやつです。そのままでもふりかけてもおいしい!

購入


無添加 まぐろけずり うすうす花 20g

無添加で、低脂肪のまぐろを特殊製法で薄花状にけずり、旨み・風味が際立つライトな食感。不活性ガス充てんパックで風味・食感を維持しています。

購入


無添加 かつおけずり ふわふわ花 犬猫用 20g

丁寧に血合を取った鰹を薄状に削り、苦味を抑えて旨味を際立てました。そのままでもふりかけてもおいしい。

購入


無添加いわし雪けずり 20g

乾燥したいわしを雪花状に削り、旨味・風味を際立たせました。そのままでもふりかけてもおいしい!

購入


魚の栄養素入りの犬用おやつ

魚の栄養素入りのおやつを取り入れると、手軽に栄養素を摂取することができます。おすすめの犬用おやつをご紹介します。

◆ペットにぼし

ペットにぼし

日本近海で獲れたいわしを使用しました。

購入


◆国産たら 100g

国産のたらを使用したおやつです。

購入



国産のたらのみを使用したおやつ!なんと、ワンちゃんだけでなく、ネコちゃんも食べられるというおやつになっています。

●おすすめ商品
ひめたらハードタイプ 200g

たらを乾燥したおやつです。食塩無添加。

購入

●おすすめ商品
ドギースナックバリュー フィッシュミニソーセージ 4本

DHAやEPAなどの栄養素を含む魚を使用!やわらかくしなやか!噛む力が弱いコも食べきりやすいミニソーセージ。

購入


魚は栄養満点食材!与え方に注意して、積極的に取り入れましょう。

この記事では、犬に魚を与えることによって得られる栄養や注意点などについてご紹介しました。

魚はタンパク質、カルシウム、タウリン、DHA、EPAなど、犬にとって良い成分が豊富に含まれた食材です。骨が刺さらないよう、取り除く、寄生虫予防やビタミンB1欠乏症予防のために加熱する、食べ過ぎない、などの注意を守って摂取することが大切です。

与え方をしっかり再確認して、犬の食事に積極的に取り入れましょう。



– おすすめ記事 –

・犬が虫を食べるとどうなる?食べない方が良い虫は?
・犬の食糞の原因~犬がウンチを食べるのをやめさせる方法
・犬の「ぶどう中毒」を知ってる?犬にとってぶどうやレーズンはNG食材!
・【美味しく楽しく☆Deco’sキッチン】茹でるだけ!夏野菜で彩り鮮やか「野菜たっぷりそうめん」を作ろう!


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
St.Elmos

St.Elmos

動物看護士、トリマー、愛玩飼養管理士などの資格を持っています。 家族の一員としてのワンちゃんネコちゃんにまつわる情報をお伝えできればと思います。

関連するキーワード


記事に関するお問い合わせはこちら