【掲載:2015.07.13 更新:2025.05.21】
犬は反省したフリの名人

愛犬を叱った後、犬はどのような行動をするでしょう。
もしかして、愛犬がすり寄ってきたり、手を舐めてきたりすることはありませんか?
そんな反応をされたら「反省しているんだな。可愛いな。」とついつい許してあげたくなりますよね。
実はこれが大きな落とし穴。
叱った時に飼い主さんの手をな舐めてすり寄ってくるような行動の本音は、「これ以上叱られることを防ぐ」ためなのです。
犬は叱られた時に何かしらの反応を示します。
それは、何か反応を示さないと飼い主さんが「反省していないのではないか」と叱り続けるからです。
◆しょんぼりした仕草
たとえば、飼い主さんが見ていないところで、愛犬が何かをかじってボロボロにしてしまったとします。
そんな時、飼い主さんが叱るとしょんぼりしたしぐさをします。しかし、それは反省しているわけではないのです。
犬がいたずらをしている最中に叱ることができれば、この行動はいけないと認識をすることができますが、時間が経って叱ることで犬は何のことか理解できず戸惑ってしまいます。
つまり、しょんぼりしたように見えるしぐさは反省ではなく戸惑いの表れということです。
◆甘えてくるしぐさ
叱った時にいつも以上に甘えてきたり、服従の姿勢をとることもあります。
これもまた、反省しているわけではなく、そうすることによって飼い主さんの怒りをしずめたいという気持ちのあらわれなのです。
効果的に愛犬を叱る方法
犬にとって、物をかじったり落ちているものを勝手に食べてしまったりする行動は、本能からきています。
そんな行動に対して後から叱られても、なぜ叱られているのかが認識できません。
つまり、叱った後すぐに犬を許してあげるより効果的なことは、叱られた後に寄り添ってきたり、手を舐めてきたりした愛犬を無視することで「悪いことをする=飼い主さんに嫌われてしまう」という認識を与えることです。
大好きな飼い主さんから無視をされるのは犬にとってはとても辛いことです。
飼い主さんも大切な愛犬を無視をするのは辛いかもしれませんが、愛犬と過ごしやすい関係を築くためにも、ここはぐっと我慢をしましょう。
また、犬もそれぞれ気の強い子、気の弱い子など性格がさまざまです。
叱る時は、愛犬に合った叱り方で叱るようにしましょう。
また、10分も20分も長い時間叱り続けるのはやめましょう。
犬はどうして叱られているのかわからなくなり、犬にとっても飼い主さんにとっても大きなストレスになってしまいます。
愛犬に「いけない」ことを教える

ここまで叱った時の犬の本音や反応について書いてきましたが、飼い主さんもできれば愛犬を叱りたくないはずです。
大きな声で叱るということは、どうしても言うことを聞かない場合の最終手段としてとっておきましょう。
前述に「犬が家の中で落ちている食べ物を食べようとした場合」をあげましたが、犬は落ちているものは本能的に食べてしまいます。
犬を叱る、犬をしつける、という前に、飼い主さん自身が愛犬が食べてしまいそうなものは置かない、いたずらをされたくないものは見せない、など工夫をすると良いでしょう。
また、飼い主さんにストレスが溜まっている時など、ほんの些細なことが気になり、ついつい感情的に声を荒らげて叱ってしまうかもしれません。
そんな時には、一度落ち着いて本当に愛犬を叱るべきことか考えましょう。
いたずらをされないような環境をつくった上で、それでも愛犬が何かいけないことをしてしまったとします。
そんな時は、時間を空けることなくすぐに「ダメ」と短いワードで伝えましょう。
1回で覚えさせることは難しいと思うので、根気よくいたずらをしたらダメということを教えます。
また、犬のしつけには「オスワリ」や「マテ」などのコマンドがあります。
このようなコマンドに従った時には、これでもかというほどたくさん褒めてあげるようにします。
犬がいたずらしそうになった時、すぐに「オスワリ」や「マテ」と指示を出すことで、いたずらを未然に防ぐことができます。
まとめ
犬の本音や、行動の理由を知ることで、愛犬への理解が深まります。
頭ごなしに叱るのではなく、まずは飼い主さん側がどんなことに気を付ければいいのか、ということを考えることが大切です。
そして、愛犬とのコミュニケーションを積極的にとり、よりよい関係を築いていきましょう。