ドッグフードにはどんなタイプがあるの?
ワンちゃんに食べさせるドッグフードは、大きく分けると「ドライタイプ」と「ウェットタイプ」があります。
そして、それらの中間ともいえる「セミモイストタイプ」のドッグフードも…。
種類が多いと、違いについて分かりにくいと感じている人もいるかもしれませんね。
それでは、それぞれの特徴について説明していきます。
◆カリカリと乾燥している「ドライフード」
ドライフードは、言葉のとおり、水分がほとんど含まれていないフード。
粒状になっていて、“カリカリ”とした食感です。
人間の食べ物で言うと「「スナック菓子」のようなイメージですね。
ドライフードには、「超小粒」と言われるタイプから「大粒」まで粒の形状はさまざまあります。
犬のサイズによって、粒の大きさを選んであげるといいでしょう。
一般的には、水分が10%程度、もしくはそれよりも水分含有量が少ないドッグフードをドライタイプに分類しています。
◆水分が多い「ウェットフード」
カリカリしているドライフードと比較すると水分をたくさん含んでいるのがウェットフードの特徴です。
一般的には、75%程度の水分を含んでいるものがウェットフードとされていて、缶詰やレトルトパウチで販売されています。
野菜やお肉などが缶詰化されていて、小刻みに刻まれた食材の形が残っているイメージです。
◆ドライフードとウェットフードの中間「セミモイスト」
さきほど、ドライフードとウェットフードの水分の割合を「ドライ⇒10%程度」「ウェット⇒75%」と言いましたが、セミモイストタイプは25~35%程度です。
水分量的には、ドライフードとウェットフードの中間くらいですが、見た目的には粒状でドライフードに近いかもしれません。
ウェットのように、缶詰やレトルトパウチでの販売ではなく、ドライフードのように大きな袋に小分けされた粒が入っています。
それぞれどんなメリット・デメリットがある?
3つのドッグフードの特徴が分かったところで、次にそれぞれのメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
◆ドライフードのメリット
乾燥しているので、歯石がつきにくいのがメリットです。
食べているうちに、粒の表面で歯みがき効果も期待できますよ。
粒状のドッグフードのため、ワンちゃんが食べている様子を見ると「カリカリ」とアゴや歯を動かしているのが分かります。
歯ごたえのある食感ですから、犬のアゴの動きを鍛える効果も期待できますね。
また、歯を使うので、歯の健康にも役立つでしょう。
メーカーや種類によりますが、大袋を開けた後でも長期保存ができるのが魅力です。
「開封後に数日で食べ切るように」などの短いタイムリミットがなく、一定期間、品質を保つことが可能です。
ドライフードのパッケージに「総合栄養食」と書いてあるものは、「これを食べればワンちゃんに必要な栄養がバッチリ摂れますよ」という意味です。
犬が生きていく上で欠かせない栄養分が、バランスよく入っているので安心して与えることができますね。
市販されているドライフードは、ドライフードの種類が多く、リーズナブルなものから少し高価なものまで、バラエティーに富んだラインナップです。
さまざまなメーカーから発売されているので、「量」や「価格」など、吟味して選ぶことができます。
◆ドライフードのデメリット
水分があまり含まれておらずパサパサしているドライフード。
食事のときには、たくさんの水が必要です。
一日に適量の水を飲んでいるのであれば、あまり心配することはないかもしれません。
しかし、夏場や子犬期など、体に水を多く必要とする時期には「水を飲んでいるか」とじゅうぶん配慮が必要でしょう。
硬い固形のフードなので、噛み砕くようなアゴのパワーがないと食べづらいでしょう。
また、歯でカリカリしなければならず、歯の悪いコにドライフードは向いていないかもしれません。
年齢を重ねた「おじいちゃん犬」や「おばあちゃん犬」は、ドライフードが食べられそうか確認しましょう。
ウェットフードのメリット・デメリット
◆ウェットフードのメリット
水分が多いので、フードと一緒に水分を補給できるのがメリットです。
「水をあまり飲んでくれない」という特徴のあるワンちゃんには、ウェットフードで水分摂取ができますね。
夏には、脱水症状を防ぐ意味で食べさせられるドッグフードと言えるでしょう。
缶詰やレトルトパウチに入っているウェットフードは、素材の形状も残っているので人間の目からは「美味しそう!」に見えます。
それは、ワンちゃん達の鼻にも伝わり、食欲をそそります。
缶詰を開けた瞬間、「美味しそうなニオイ!」と反応するワンちゃんも多いかもしれません。
与えたときもかなり食いつきの良さを感じるでしょう。
「食欲が落ちてドライフードを食べない」「好き嫌いが激しくドライフードを嫌がる」などドライフードが苦手なコでも、ウェットフードならペロペロと美味しそうに食べてくれることもありますよ。
ペロペロという感じでスムーズに食べることができるウェットフード。
アゴや歯が弱いシニアのワンちゃんにも向いています。
◆ウェットフードのデメリット
ドライフードのお手頃感と比べると、ウェットフードは「高級」と感じるかもしれません。
一日に必要な量と価格のバランスを考えると、ドライフードからウェットフードに切り替えると「フード代が高くなる」というのがデメリットです。
缶詰やレトルトパウチなので、開封前であればある程度保存ができます。
ただ、水分を含んでいるので、開封後に空気に触れると劣化が早まります。
開けたら、早めに食べなければいけません。
水分を多く含んでいるフード、歯石がつきやすいのがデメリットです。
歯石が増えるかもしれないので、歯みがきケアをしてあげるといいでしょう。
ウェットフードの成分には、犬に必要な栄養は入っているものの、ドライフードと比較すると少な目。
そのため、主食としてウェットフードだけを与えるのは、栄養面で不安が残るかもしれません。
だからと言って分量を増やすと、カロリー過多となり太りやすく、水分が多過ぎてお腹をこわすリスクも増えます。
セミモイストタイプのメリット・デメリット
◆セミモイストタイプのメリット
水分を含んでいるので、ドライフードよりも犬好みの香りがします。
ドライフードのように粒の形状ですが、味的には肉っぽい感じ。
そのため、ワンちゃん的には好みであるケースが多く、食いっぷりもいいかもしれません。
適度な水分を含んでいるので、シニアのワンちゃんもドライフードよりは食べやすいでしょう。
粒の形状や大きさを選んで食べさせるといいですね。
◆セミモイストタイプのデメリット
ウェットほどではないですが、水分がたくさん含まれているセミモイストタイプ。
とはいえ、ドライフードのように大袋に入っています。
保存方法を守らないと、傷みやすいので要注意です。
ドッグフードよりも「食感重視」で作られているため、しっとりした感じをキープするための保存剤、犬好みの香りを表現するための香料が入っているケースもあるでしょう。
すべてのセミモイストタイプに添加物が多いわけではありませんが、気になるときにはパッケージの成分を見ながら選ぶといいでしょう。
ウェットフードのようにドロドロはしていませんが、柔らかい食感のセミモイストタイプも歯石はつきやすいです。
どんな選び方をすればいい?与えるときの注意点は?
ドライフード、ウェットフード、セミモイストタイプと、それぞれにメリットやデメリットがあります。
毎日の食事のことなので、愛犬の年齢や食いつき、価格面、栄養分など、総合的にドッグフード選びをするのがおすすめです。
◆基本的にはドライフードがおすすめ
特別な事情がないのであれば、基本的には「ドライフード」を与えるのがいいでしょう。
総合栄養食として、犬の健康を計算された栄養素が入っています。
ワンちゃんの食いつきに問題がなければ、子犬時代からドライフードを与えるようにするといいでしょう。
◆食いつきが悪くなったらトッピングでウェットフード
ウェットフードは、多くのワンちゃんの臭覚と味覚を刺激するような「美味しい」味に作られています。
犬的には「ごちそう!」感覚なのかもしれません。
ドライフードを食べないからと言って、いきなりウェットフードばかり食べさせると味を覚えてしまい、その後ドライフードを食べてくれなくなるかもしれません。
ベースはドライフードで、上にトッピングとして「ふりかけ」のようなイメージでウェットフードを与える方がいいでしょう。
◆高齢のワンちゃんはセミモイストタイプやウェットフード
「ドライフードをあげたいけれど歯が弱くなってきた…」なんていうように、高齢のワンちゃんは体質的にドライフードが食べられないかもしれません。
噛めないまま、「ゴクン」と飲んで、喉に詰まると大変です。
ドライフードを水でふやかして与えてあげるのもいいですが、それでも食べないこともあるでしょう。
そんなときには、香りや風味が豊かなセミモイストタイプやウェットフードを与えるのもいいでしょう。
◆お腹が弱いワンちゃん…ウェットフードは向いていない
水分量が多いので、お腹を壊しがちな犬はウェットフードの食べ過ぎには注意が必要です。
◆量をしっかり守って与えること
今まで食欲がなかったコが、ウェットフードやセミモイストタイプを食べてくれると嬉しいですよね。
ついついたくさんあげてしまいそうですが、食べすぎには注意です。
それぞれのタイプによって適量が違うので、食べさせ過ぎるとカロリーが増えて太ります。
年齢や体重に合わせた「フードごとの適量」を与えるようにしましょう。
◆主食で与えるときには「総合栄養食」の表記をチェック
ウェットフードには「おかず」、セミモイストタイプには「おやつ」のように販売されているものもあります。
主食として与えるときに、「おかず」や「おやつ」として販売されているものでは栄養不足です。
「総合栄養食」と表記されているものを購入し、主食として栄養が配慮されているか注意しましょう。
◆フードごとに保存方法を守ろう
ドライフードのように室温で保存できるもの、ウェットフードのように冷蔵庫で保存が原則のものなど、開封後の保管形式はそれぞれ異なります。
開封してからどのくらいの期間で傷むかなどはしっかりチェックし、傷んだフードを与えないように気をつけましょう。
まとめ
愛犬の健康を願うなら、美味しく栄養のあるドッグフード選びが大切です。
ドライフードやウェットフードなどありますが、犬の体調面や年齢的に問題がないときには、基本的にはドライフードが無難です。
ウェットフードは「ときどき」あるいは「トッピング」など、工夫して食べさせてみるといいかもしれませんね。
また、高齢になってきたら、ドライフードとウェットフードの中間的なセミモイストタイプも候補に入れてみてもいいでしょう。
犬の食事管理をしてあげられるのは飼い主さんだけ。
それぞれのフードの特徴を理解して、愛犬の体に合ったものを選んでみてくださいね。
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