1.犬の口輪って何?
2.犬の口輪の役割は?
2-1.創傷を舐めさせない
2-2.拾い食い防止
2-3.犬や人を噛まないように
2-4.無駄吠え防止のために
2-5.口輪は犬によっては受診時のマナー行為にもなる
4.犬に口輪をさせるときの注意点は?
4-1.熱中症
4-2.ストレス
4-3.ヨダレ
4-4.サイズ
4-5.素材によっては噛まれる
4-6.短頭種
4-7.怪我
犬の口輪って何?
口輪とは、犬の口に付ける器具のことを指します。リング状になっている部分を、鼻先から口に向かったマズルにはめて使用します。
輪の大きさ以上に口が開かないことから、口を開けさせたくない時に使用します。
犬の口輪の役割は?
犬の口輪には、どんな役割があるのでしょうか。確認してみましょう。
◆創傷を舐めさせない
犬は傷付いてしまった時に、傷口をペロペロと舐めてしまう癖があります。人間と違い、これ以上舐めてはダメ、というラインがわからないので、一晩経過したら肉が見えるほど舐め壊してしまっていた、ということも少なくありません。
そのため、創傷を舐めさせない処置を取ることがあります。どうしても目を離さなければいけない外出時や就寝時など、常用ではなく一時的に口輪を使うことが一般的です。
◆拾い食い防止
拾い食いが癖になってしまっている犬には、散歩時に拾い食い防止アイテムとして口輪を使用できます。
人間より目線の低い犬は、落ちているものを見付ける力もあるため、思いがけないものを拾い食いしてしまうことがあります。人間が捨てた食べ物やガムなどの食べカス、ゴミ、さらに農薬などがかかった草など危険も沢山あります。
拾い食いという問題抑制のために口輪を使用することで、安心して散歩を楽しむ事が出来ます。
◆犬や人を噛まないように
人嫌いの犬や臆病な犬、逆に強気の犬など、犬や人に対して攻撃的になってしまう犬の場合、とても有効なアイテムです。輪の幅以上に口が開かないため、大きく吠えることも出来ないですし、勿論噛みつくこともできません。
唯一グルグルグル…と喉を鳴らす威嚇行動は止めることができませんが、咄嗟の事故を防ぐことが出来ます。
◆無駄吠え防止のために
口輪は犬の無駄吠え防止にも効果があります。吠えてほしくないシーンではとても便利に使う事が出来ます。
しかしながら、口輪をしても呼吸ができるほどの口の余裕は有る状態なので、完全に吠え声を防止できるという訳ではありません。
そのため、本当に無駄吠えを辞めさせたいのであれば、犬のしつけを頑張るしかありません。
◆口輪は犬によっては受診時のマナー行為にもなる
動物病院では、精神的にも落ち着かなくなり牙をむいてしまったり、吠え声が止まらなくなる、という犬が多々います。
しかし、待合室などでトラブルの原因となったり、周りの方の迷惑になったり、何よりも獣医師や動物看護師に対して暴れたりするとスムーズな診療、治療をすることが不可能になります。
そのため、吠えたり、噛みつこうとしたりする癖のある犬の場合には、先に口輪を装着しているとスムーズに診療を行うことができます。
勿論、動物病院にも口輪はサイズ豊富にあります。口輪をしたうえで、更に噛みつかれないようエリザベスカラーをすることも多々あります。
ただし、すでに興奮状態になった犬に装着するのは、とても大変です。
診療をスムーズに行えるように前準備として口輪を装着することは、犬自身、飼い主、動物病院にとってもメリットの大きいことです。是非試してほしいおススメの受診方法です。
口輪を正しく使用している犬はかわいそうではない
口輪をしていると、ギューギューに締め付ける拘束具に見えて、かわいそうだと言う声もあります。中には人間のエゴだという声も少なくありません。
しかし、実際の口輪は呼吸をするスペースもありますし、そこまでの拘束感はありません。サイズや犬に合う素材のものを選べば、犬も快適に過ごすことができます。
しかも、今まで連れていけなかった場所への散歩や治療なども、吠えたり、噛みついたりを抑えられるおかげですることが出来る様になります。
そのため、口輪は正しく利用すれば犬にとってもメリットのあるグッズなのです。
口輪を正しく使用している犬はかわいそうではない、と言えるでしょう。
犬に口輪をさせるときの注意点は?
では、犬に口輪をさせるときの注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。確認してみましょう。
◆熱中症
口輪には、装着後隙間があり呼吸も楽にできるタイプのものと、マズルにピッタリと装着して最低限の隙間しか開いていないタイプのものがあります。
後者のタイプは、長時間の使用は向いていません。それを考慮せず、装着したまま夏の散歩や暑い室内にいる場合、犬は舌をハッハッと出して呼吸をして体温調節する、ということが出来なくなります。
そのため熱中症になってしまう可能性があります。
◆ストレス
口輪をすることが、精神的、肉体的に負担に思う犬もいます。そういった性格の犬の場合、装着すること自体がストレスになってしまいます。
犬がストレスを抱えると、病気の原因になったり、より口輪を付ける原因となった問題行動などが酷くなったり、と精神的に不安定になってしまいます。
◆ヨダレ
口輪は、種類や素材にもよりますが呼吸が出来る程度に口を開くことが出来る隙間がある製品が多いです。
そのため、隙間からヨダレがだらだらと垂れてしまうことが多々あります。
特に大型犬は、下に水溜まりができるほどヨダレが垂れることもありますので、クレートなどに入れておく場合には注意が必要です。
◆サイズ
犬に口輪をさせるにあたって、大切なのはサイズです。
その犬のマズルの大きさよりも大きすぎては、自由に口が使える状態になるため意味がありません。逆に小さいものだと、犬が窮屈な思いをしてしまいます。
そのため、しっかりと犬のサイズに合うものを選ぶことが大切です。
◆素材によっては噛まれる
特にナイロンのメッシュ型になっている口輪は、一見ペラペラの布状になっています。そのため、犬が少し力を入れれば歯が貫通してしまったり、口輪自体がズレたり、取れたりして噛まれてしまうなどのトラブルが起こる可能性があります。
口輪を選ぶ際には、使う犬の性格やサイズなどを考慮したうえで素材を選ぶことをおすすめします。
◆短頭種
マズルの長さが極端に短いブルドッグやパグ、シーズーなどの短頭種は、気道が狭く短いため熱中症になりやすい犬種です。そのため、装着することで興奮してしまうタイプの犬は注意が必要です。
はめるマズルの長さが無いため、メッシュタイプなどのピタッとしたものを使うことが多いため、それもまた原因の一つといわれています。
◆怪我
頑固な性格だったり、装着を極端に嫌がる犬の場合、暴れて口輪の角などで怪我をするリスクがあります。
また、歯がメッシュや網状ワイヤーの隙間に挟まる、前肢で取ろうとして爪が引っかかる、爪が抜けてしまう、といった怪我も考えられます。
あまりに口輪を嫌がる場合には、別の方法を考えるなど飼い主側にも工夫が必要です。
人気の口輪「quack(クアック)」って何?
quack(クアック)とは口輪に見えない口輪を謳う商品で、装着するとまるでアヒルのような可愛い姿になるグッズです。シリコン素材のため犬に優しく、先端は舌の出しいれも可能なため飲水もできます。
自由度が高い反面、長いくちばしのような部分のおかげで拾い食いや口を大きく開けて吠える行為などは抑制することができます。
何よりも「口輪はかわいそう」という気持ちがどうしても拭えない飼い主の方には、罪悪感が軽くなる可愛らしい外観でピッタリの商品です。
口輪を使わないで生活するためには?
正しく使用すれば犬も人間も快適に過ごすことのできる口輪ですが、装着の手間がかかったり、そもそもの問題行動を改善したいと考える飼い主の方も少なくありません。
口輪をしない生活になりたい場合には、どうすれば良いのでしょうか。
それは、元々の問題行動の改善しつけをすることが一番早い解決法です。
装着理由が噛みつきだとしたら、犬や人と会う経験を増やしたり、チェーンリードを使ってしつけをしたり試すことが良いでしょう。
装着理由が吠え声だとしたら、吠える理由を探ったうえで、その原因を克服する方法を使いしつけしていくことが良いでしょう。
問題行動の矯正は、根気と時間が必要です。しかし、しっかりと取り組めば結果が出やすいパターンが大半です。
口輪に頼らない生活をしたい場合には、問題行動としっかり向き合ってみましょう。
犬の口輪はかわいそうではない!正しく使って快適に過ごしましょう
口輪をしていると、ギューギューに締め付ける拘束具に見えて、かわいそうだと言う声もあります。
しかし、口輪の装着は吠え声を抑制したり、拾い食いを出来なくさせたり、噛みつかないようにするなど犬にとってもメリットが沢山あります。
それらの問題行動が抑制されれば、犬の生活範囲も広がります。犬の口輪はかわいそうなものではなく、犬との生活を便利にするアイテムなのです。
なんだか見た目がかわいそうだな、と感じていた方はこの記事を読んで、考え方を改めてみてくださいね。
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