1.犬も耳垢がたまる?
1-1.耳垢とは?
1-2.犬の耳垢の特徴
1-3.耳垢がたまった犬の行動
1-4.普段から愛犬の耳チェックをしよう
2.犬の耳トラブルが起こる原因
2-1.犬の耳トラブルが起こる原因①犬種によるもの
2-1①.垂れ耳の犬
2-1②.耳毛が多い犬
2-1③.耳道が狭い犬
2-1④.皮脂分泌が多い犬
2-2.犬の耳トラブルが起こる原因②アレルギー
2-3.犬の耳トラブルが起こる原因③シャンプー後
2-4.犬の耳トラブルが起こる原因④お散歩後
3.犬の耳掃除におすすめのグッズ
3-1.【おすすめグッズ】キリカン洋行 ノルバサンオチック 118ml
3-2.【おすすめグッズ】スーパーキャット らくらく 耳そうじシート プレミアム 30枚
3-3.【おすすめグッズ】コジマペット 犬猫用綿棒 100本入
犬も耳垢がたまる?
愛犬の身体のケアというと、何を思い浮かべますか?
ブラッシングや爪切り、シャンプーやカットの他に、目やにが出ていればやさしく拭き取ってあげたりしますよね。
それらと同じように、耳掃除もしていますか?犬の耳垢がどういうものか見たことがない、分からない方もいらっしゃるかと思います。
◆耳垢とは?
耳の中の分泌物が、ホコリや細菌が奥に入っていかないようにキャッチします。それらが固まって出来たものが”耳垢”です。
犬も人と同じように耳垢がたまりますが、ペットショップやトリミングサロンなどで定期的にシャンプーしている犬は、同時に耳掃除もしてもらえるため、あまり気にならないかもしれません。
しかし、数ヶ月に一度しか行かなかったり、自宅でしかシャンプーをしない場合など、耳掃除の習慣があまりないと、耳垢がたまっていても気付かないことが多いです。
犬の耳は、外耳・中耳・内耳の3つの構造にわかれています。
外耳道(外耳から鼓膜まで)が、人は真っ直ぐであるのに対し、犬の耳はL字型をしています。そのため、空気が中でこもって蒸れやすいのです。
また、パッと見ではきれいに見えても、専用の機械を使わないと奥まで覗くことが出来ないので、耳垢がたまっていても気付きにくいです。
◆犬の耳垢の特徴
通常であれば、体をぶるぶる震わせたときに乾いた黄色い耳垢が出てきます。
しかし、耳トラブルが起きると、ベタベタした耳垢になって中にたまってしまいます。
痒みはもちろん、ひどくなると炎症を起こして痛みに繋がります。耳介(じかい)が腫れ上がり、耳掃除はおろか、耳を触ろうとするだけで威嚇する場合もあります。
◆耳垢がたまった犬の行動
耳垢がたまって痒くなると、以下の様な行動が見られます。
・ 耳を掻く
・ 壁や床に耳を擦り付ける
・ 頭を振る
・ 頭を傾ける
愛犬がこのような行動を取るようになってやっと、耳垢がたまっていたことに気付く飼い主さんが多くいらっしゃいます。
また、耳介が黒ずんでいたり、嫌なにおいがする場合も汚れがたまっている証拠です。
◆普段から愛犬の耳チェックをしよう
日頃から愛犬のボディチェックをおこない、不快に感じる前に気付いてあげたいですよね。
痒みや痛みなどの不快感がなくても触られるのを嫌がる犬もいるくらい、耳はとてもデリケートな箇所です。子犬のうちから耳を触る練習をすると、成犬になっても嫌がらずに触らせてくれるようになります。
耳を触られ慣れていない犬は、無理に触ろうとすると吠えたり噛みつくこともあります。その場合は、自宅で処置しようとせずに獣医師に相談しましょう。
トリミングの予定がある場合は、トリマーさんにお願いするのも手ですよ。
犬の耳トラブルが起こる原因
前述のとおり、耳の構造上、犬は耳トラブルが起きやすいです。
以下のような場合は、特に気を付けてチェックしてください。
◆犬の耳トラブルが起こる原因①犬種によるもの
犬種によって、耳トラブルが起きやすくなります。垂れ耳や耳の中に毛が多く生えている犬、短頭種で耳道が狭い犬は、他の犬より耳の中が蒸れやすいです。
・垂れ耳の犬
ミニチュアダックスフンド、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなど
・耳毛が多い犬
・耳道が狭い犬
・皮脂分泌が多い犬
◆犬の耳トラブルが起こる原因②アレルギー
犬の代表的なアレルギーは、ダニやノミのハウスダスト、食べ物、アトピー性皮膚炎です。また、犬も人と同様に、花粉症になります。
アレルギーをもっていたり元々肌が弱いと、耳トラブルも起きやすいです。
耳介がいつも赤みを帯びている、トリミングサロンや動物病院で耳掃除をしても頻繁に掻いているようであれば、アレルギーによるものかもしれません。
採血した血液を専門機関に送り、何にアレルギー反応を起こしているか調べることが出来ます。結果が出るまで日数を要しますので、アレルギーを疑う要素があれば早めに診察を受けて相談してみましょう。
◆犬の耳トラブルが起こる原因③シャンプー後
自宅でシャンプーをしたあとは、体だけでなく耳もしっかり拭きましょう。耳に水が入ったり、浴室の湯気で耳の中が蒸れてしまいます。
綿棒やコットンを使って耳掃除してあげると、なお良いですね。
耳の付け根を揉んだときに、クチュクチュと音が鳴るときは耳の中に水が入っています。
そのときは、コットンを耳の穴に軽く差し込み、体をブルブルさせます。その衝撃で、コットンが中の水を吸収してくれます。
コットンを奥まで入れすぎないように注意してくださいね。
◆犬の耳トラブルが起こる原因④お散歩後
・雨や雪の日
・じめじめした日や、夏場のとても暑い日
・マダニやノミが気になる季節
体が濡れてしまったり蒸し暑い日などは、耳の中が蒸れやすいのでケアが必要です。
また、春や秋はマダニが気になる季節です。マダニは、耳やまぶたなどの柔らかい場所を好みます。お気に入りの場所を見つけるまで被毛の中をもぞもぞ歩き、たどり着くと噛みつきます。
その違和感で掻きむしったり、噛まれた箇所が炎症を起こして赤く腫れたりすることもあります。
マダニやノミを家の中に持ち込まないためにも、お散歩から帰ってきたら、家に入る前に必ずブラッシングしましょう。
犬の耳掃除におすすめのグッズ
ペットショップでは、様々な耳掃除グッズが販売されています。キレイな耳を保つためには、普段から自宅でケアすることが大切です。
では、筆者おすすめの耳掃除グッズをご紹介します!
◆【おすすめグッズ】キリカン洋行 ノルバサンオチック 118ml
犬の耳掃除の定番用品で、動物病院やトリミングサロンでもよく使用されている洗浄液です。
サラサラした液体で耳の奥までしっかり届くので、目には見えない奥の汚れもキレイに落とすことができます。
〈使用方法〉
① 耳の穴に液体をたっぷり入れる
② 耳の付け根をやさしく揉む
③ 頭をブルブルすると、中に入れた液体と一緒に汚れが出てくるので、コットンや綿棒でやさしく拭き取る
コットンにノルバサンオチックを染み込ませ、耳介のお掃除にも使用できます。
爽やかないいにおいが特徴のイヤークリーナー!自宅での耳掃除にとっても便利な商品ですよ!
◆【おすすめグッズ】スーパーキャット らくらく 耳そうじシート プレミアム 30枚
消臭・抗菌作用のある、ウェットシートタイプの耳掃除グッズです。サッと汚れを拭き取れるので、手軽にケア出来るのがうれしいですね。
天然由来成分のグレープフルーツ種子抽出エキス配合で、愛犬が舐めても安心です。
◆【おすすめグッズ】コジマペット 犬猫用綿棒 100本入
適度な弾力性があり、長さが15cmと持ちやすく使い勝手がいいです。なかなかじっとしていてくれない愛犬の耳掃除におすすめです。
便利なチャック袋入りなので、衛生的でうれしいですね!
犬の耳掃除をする時に気を付けること
自宅で耳掃除をする時に気を付けていただきたいのは、以下のとおりです。
・ゴシゴシ擦らない!
・耳掃除のやりすぎに注意!
私が以前勤めていた病院でのお話です。
飼い主さんは「耳がただれている」と、ヨークシャーテリアを連れて来院されました。機械を入れて中を覗こうとすると、耳介が真っ赤に腫れ上がっていて、耳の穴が狭まっていました。とても痛々しく、耳に触れようとするだけでキャンキャン鳴いて痛いアピールをしてきます。
飼い主さんにお話を聞くと、愛犬のにおいが気になり、1週間に一度のシャンプーに加え、毎日洗浄液で耳掃除をしているとのことでした。
原因は、耳掃除のやりすぎでした。耳介も耳の中もすっかりキレイなのに、毎日繰り返しおこなうことで傷付けてしまっていました。
炎症を抑える点耳薬を1日1回塗り、飼い主さんに頻繁な耳掃除を控えていただくだけで、すぐに症状が改善されました。
ゴシゴシ強く擦ったり頻回な耳掃除による炎症や、綿棒で取ろうとして余計に耳垢が奥までいってしまうなど、病気予防のつもりが、かえって病気に繋がってしまうケースがあります。
また、耳の処置のひとつとして、耳の中の蒸れ予防で耳毛を抜くこともありますが、痛がったり炎症を起こす危険性があります。
気を付けていただきたいのは、愛犬を無理やり押さえつけて耳掃除をしないことです。「耳掃除=嫌なこと」と記憶してしまい、耳を触らせてくれなくなるかもしれません。
耳毛が多くて気になる方、嫌がって耳掃除をさせてくれなくて困っている方は、ぜひ動物病院またはトリミングサロンで相談してみてくださいね。
犬の耳垢と耳掃除に関するまとめ
健康的なきれいな耳を維持するために、定期的なケアの大切さをお話させていただきました。
犬の耳は耳垢がたまりやすく、奥まで見えないので汚れに気付きにくいです。日頃からのボディチェックや自宅でのケアをすることで、愛犬を耳トラブルから守ることが出来ます。
理想的なのは、毎日のスキンシップの延長で確認・予防・早期発見することです。
正しい耳掃除のやり方を覚えて、愛犬を耳の病気から守りましょう。
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