【掲載:2020.06.01 更新:2022.02.01/2024.09.18】
犬にささみを与えても大丈夫?
◆アレルギーが無ければOK!
基本的に、犬に鶏肉のささみを与えることは問題がないといえるでしょう。犬は元々は肉食に分類されていた動物なので、肉が大好物だというワンちゃんも多いですよね。
ささみは他の肉類と比較して安く売られていることも多く、飼い主さんとしても経済的なメリットがあります。
更に、ヘルシーな食べ物として人気も高く、調理もしやすいので、ありがたい食材の一つだといえますよね。
ささみには主役にも脇役にもなれる万能性があり、低脂肪で高タンパク質な食材なので、ダイエット食品としても人気があるのです。
肥満に悩んでいる愛犬や、ドッグフードの食いつきが悪くて悩んでいる家庭にとっても、大きな助けとなるでしょう。
しかし、与えすぎや与え方には注意が必要です。食事を与える上で忘れてはいけないのが、全体的な栄養バランスをとることですよね。万能な食材といえども、与えすぎて栄養バランスが偏ってはいけません。
主食として与えるのではなく、トッピングとして利用したり、特別な日のご飯として時々与えるのが一番良いかもしれませんね。注意点については詳しく後述しますので、そちらも是非チェックしてください。
また、中には鶏肉にアレルギーを持つ子もいます。メリットのある万能食材とはいえ、アレルギーを持つ子にとっては避けなくてはならない食べ物となるでしょう。
初めて与える場合は、まず少量(1cm程)を与えて様子をみてください。ささみによるアレルギーの主な症状として、口・目などの粘膜や肉球が赤くなる、痒みがでるなどの状態が挙げられます。更に、嘔吐や下痢などを発症する可能性もありますので、これらの症状がみられた場合はアレルギーを疑った方がよいでしょう。
少量を与えて問題がないようでしたら、徐々に量を増やしてください。与え始めはしっかりと愛犬の様子を観察し、異変を感じた場合は早めに獣医さんに相談してくださいね。
◆鶏肉のささみを使用した手作りレシピ
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◎ささみとキャベツの簡単ヘルシーごはん
- ささみを茹でる。
- キャベツを食べやすい大きさにカットしてから茹でる。
- 茹でたキャベツに、ささみを手でほぐしながら混ぜ合わせる。
- 熱いうちに犬用チーズをふりかける。
- 少し冷まして完成!
<材料> ささみ・キャベツ・チーズ(各適量)
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◎特別な日のささみおやつ!
- ささみ2本を、そのまま切らずに茹でる。
- 冷ましてから食べやすい大きさにカットする。
- 170度のオーブンで、15分焼く。焼き具合をみながら、足りないようであれば更に3分焼く。
- 冷ましたら完成!
<材料> ささみ 2本
犬にささみを与える4つのメリット
◆たんぱく質を摂取できる
鶏肉のささみを与えることで、動物性たんぱく質を摂取することができます。
たんぱく質は筋肉の発達に欠かせない、犬にとって必要不可欠な栄養素の一つです。
更に、皮膚の健康や、美しい毛並みの維持、内蔵機能や、血液・骨を作るうえでも、たんぱく質は欠かせない栄養素となります。
たんぱく質が不足すると、免疫が下がったり、皮膚疾患を発症したり、下痢などの症状が起きる可能性が高まるといわれています。
丈夫で健康的な身体を作るための基礎としても、たんぱく質は重要な存在だといえるでしょう。
◆肥満防止に役立つ
犬が肥満になってしまうと人間同様、心臓への負担がかかる、血液がドロドロになるなど、病気のリスクが上がってしまうのです。
現代では犬用品としても嗜好性の高い美味しいおやつが増えていますし、愛犬の肥満に悩む家庭も珍しくありません。犬を飼う上で、愛犬の体重管理や肥満防止に取り組むことは、とても重要なのです。
ささみは基本的に、1本60Kcal程しかないといわれる、低カロリーの食材です。更に、炭水化物・脂質があまり含まれていないことから、食べても太りにくいとされています。
そして前述したように動物性たんぱく質が摂取できるので、筋肉の働きを高めて代謝を上げ、脂肪燃焼効果をも期待できる、ダイエットにとっては適した食材なのです。
また、ささみには脂質・糖分を分解するナイアシンという成分が含まれています。これにより、コレステロールが下がるので肥満防止にも繋げることができますよ。
愛犬の肥満に悩んでいる、日頃から肥満防止に努めたい、という飼い主さんは、是非ささみを摂り入れた食事を考えてみてくださいね。
◆疲労回復とリラックス効果がある
ささみには、たくさんのビタミン類も含まれています。これにより、皮膚の若々しさの維持や毛並みが良くなる効果に加え、疲労回復効果があるともいわれているのです。
ビタミンによって血行がよくなり、新陳代謝があがることで疲れにくくなり、元気の良さがアップする可能性が考えられます。先に挙げたように免疫力の向上も期待できることから、元気な身体を維持することが健康促進に大きな力を発揮します。少しの体調不良が大きなダメージとなる老犬にとっても、ありがたい食材だといえますよね。
更にささみには、トリプトファンというアミノ酸の1種が含まれています。この成分には、リラックス効果を促す働きがあるのです。愛犬の日頃のストレス軽減にも、効果が期待できるといえるでしょう。
◆抗酸化作用がある
ささみには、活性酸素を取り除く役割をもつ、「セレン」というミネラルが含まれています。これがもたらす抗酸化作用によって、老化を抑えたり、ガンの発症率を下げることが期待できるのです。
人間同様、犬にとってもガンは命を脅かす危険性のある恐ろしい病気です。そのリスクを下げる役割があるのですから、やはり健康維持のためにも重要な食材だと考えられますよね。
またセレンの不足は、筋力低下・動脈硬化・乾燥肌などの症状にも影響するようです。これらを予防するためにも、与え方に注意しつつ積極的に食事に摂り入れたい食材ともいえるでしょう。
犬にささみを与えるときの注意点は?
◆必ず茹でてから与える
ささみ肉は生のままではなく、必ず茹でてから与えるようにしましょう。生のまま与えてしまうと、付着しているサルモネラ菌によって、愛犬がお腹を壊したり、下痢などの症状が起こる可能性があります。
また、人間用であれば塩を入れてささみを茹でる場合もありますが、愛犬用の食事に使用する際に塩はNGです。人間と一緒の調理法では、犬にとって塩分過多となる可能性が高いので注意してくださいね。必ず、塩分無しでささみを茹でるようにしましょう。
◆ささみのみを与えすぎない
ささみのみを与えては、栄養が偏ってしまいます。前述したように、栄養バランスを考えて与えることが必要です。ドッグフードのトッピングとして与えたり、時々与えるご褒美として、ささみを利用することを念頭に置きましょう。
ささみだけを継続して食べさせてしまうと、ささみ以外の食べ物への食いつきが悪くなる可能性もあります。量もそうですが、与える頻度にも注意が必要です。
調理する場合も、ささみを単品で与えるよりは、カルシウムが摂取できるように犬用チーズやサプリメントを併せて与えた方がよいかもしれませんね。
◆リンの過剰摂取に注意
低脂肪高たんぱく質とメリットのたくさんあるささみ肉ですが、「リン」には注意が必要です。ささみにはこの「リン」という成分が多く含まれているのです。
ミネラルの1つで必要な栄養素でもあるリンですが、過剰摂取すると骨が脆くなってしまう可能性があります。
カルシウムが不足している状態でリンを過剰に摂取すると、骨からカルシウムを摂取してしまうために、骨が弱くなるのです。骨粗鬆症や骨折しやすくなるなどのリスクがあるため、与えすぎには注意が必要というわけですね。
またリンの過剰摂取は、尿路結石症や腎不全などの腎臓病の発症に影響を及ぼす原因ともなります。
腎不全となれば食欲の低下・嘔吐・元気減退・痩せてしまうなどの症状が発生したり、排尿が減るために体内の老廃物が排出されにくくなり解毒作用の働きが悪くなるなど、様々な危険が及ぶのです。
可能な限り予防に努めなければ、愛犬の寿命に大きく影響する病気の一つだといえるでしょう。
しかし、リンは身体にとって不要な成分というわけではありません。リンが体内に足りない状態が続くと、内臓などにカルシウムが付着して取れなくなります。
リンとカルシウムをバランスよく摂取することが最も重要となるわけです。前述したように、ささみを与える際には、カルシウムを一緒に摂取できるように工夫することがすすめられます。
犬にささみを与えるときのまとめ
愛犬の健康維持にとってもたくさんのメリットがある「ささみ」。食生活に摂り入れたい食材の一つですね。
もちろん与え方には注意が必要です。適切な効果を得るためにも、栄養バランスに気を付けながら、愛犬の身体を守っていきましょう。
今回紹介したレシピの他にも、様々な調理法が紹介されている記事もたくさんあります。愛犬にぴったりのメニューを探したり、参考にして新たにレシピ開発をしてみるなど、色々と挑戦してみてくださいね。