1.犬がケージを噛む理由と対策
1-1.歯の生え変わりでかゆくて噛む
1-2.ケージから出してほしくて噛む
1-3.注目されたくて噛む
1-4.暇で噛む
1-5.好奇心で噛む
1-6.ストレスで噛む
2.犬がケージを噛んでしまうことによるリスク
2-1.ケージが壊れる
2-2.誤飲や怪我
2-3.どんなものでも噛んでいいと思ってしまう
犬がケージを噛む理由と対策
犬がケージを噛む理由は様々ですが、その原因を探って根本的な原因解決を行うことが最優先です。
単純に「噛むな」ではなく、犬の心理をしっかりと見極めて犬にとっても飼い主さんにとってもより良い解決法を探しましょう。
◆歯の生え変わりでかゆくて噛む
子犬がケージを噛む場合、歯の生え変わりが原因でかゆみが生じて噛んでしまうことがあります。
犬によって歯の生え変わり時期には個体差が生じますが、一般的には生後8週間程度で乳歯が生え揃うことが多く、後の4~6ヶ月程度で永久歯に。
生後7ヶ月~1才程度で永久歯がそろうので、生え変わりの時期はムズムズかゆくてケージを噛むようになるので注意しましょう。
歯の生え変わりが原因でケージを噛む場合は、ケージの代わりに子犬に与えてもOKの安全性の高い噛むおもちゃや長持ちおやつを与えましょう。「噛んでよいものと噛んではいけないもの」をしっかりと区別できるようしつけを行うことが大切です。また、噛むおもちゃやおやつを与える際は、子犬の歯や歯茎に負担がかからないように商品に記載の「対象年齢(ライフステージ)」を確認して購入するようにしましょう。
◆ケージから出してほしくて噛む
ケージから出してほしくて噛むことがありますが、この場合は何故犬がケージから出してほしいのか、その原因を掘り下げて探る必要があります。
まずは飼い主さんとのコミュニケーションが十分行えているか・ケージの環境は犬にとって適切なものであるかを考えてみましょう。
ケージから出してほしい原因に応じて対策を練りましょう。愛犬とのコミュニケーションの時間が足りない場合は触れ合う時間を見直したり、ケージ内が犬にとってリラックスできるスペースであるか否か・ケージの設置場所が適切であるかの見直しが大切です。
◆注目されたくて噛む
単純に飼い主さんに構ってほしい・自分に注目してほしいという心理で犬がケージを噛むこともあります。
多くの場合、犬がケージを噛んだタイミングで飼い主さんが犬の傍に行ったこと(怒ったりやめさせるため)や噛んだらケージから出してもらえた、など過去の記憶が原因で反復的にケージを噛んで注目してもらおうと試みているケースが多くあります。
注目されたくてケージを噛む場合は、目を合わせないで無視することで犬がやめることがありますが、すでにケージを噛むことが習慣化してしまっている場合、ケージを噛むことに加えて吠えるなどの問題行動が併発しているケースもあります。しっかりと、「ケージを噛んでも注目してもらえない・ケージを噛まずにお利口にしていれば注目してもらえる」ということを犬に認識させなければいけないので、ケージを噛むのをやめたタイミングでおやつを与えたり褒めたりしてあげましょう。ケージを噛むことに限らず、問題行動が習慣化している場合は改善するまでに時間がかかるので、飼い主さんが根気よく教えてあげることが大切です。
◆暇で噛む
犬は口に何かを入れるのが大好きですので、ケージに関わらず暇さえあれば何かを噛むような犬もいますので、歯の生え変わり時同様の対策が効果的です。
ケージの代わりに安全性の高い噛むおもちゃなどを与えましょう。「噛んでよいものと噛んではいけないもの」をしっかりと区別できるようしつけを行うことが大切です。雨の日など運動量が低下しやすい時期は、室内で十分遊んであげるなどの工夫も必要です。
◆好奇心で噛む
犬は子供のように口の中に入れてそのものが何であるかを判断しようとするので、ケージに慣れない間は噛むことがあります。
一度ケージを噛むことを許してしまうと、好奇心で噛んでいた行為が習慣化して噛み続けるようになってしまうので注意が必要です。
暇で噛む場合の対処法同様、ケージの代わりに安全性の高い噛むおもちゃなどを与えましょう。「噛んでよいものと噛んではいけないもの」をしっかりと区別できるようしつけを行うことが大切です。また、おもちゃを選ぶ際は丸のみしてしまわないよう、犬のサイズに適したものを選びましょう。
◆ストレスで噛む
運動量が足りない・飼い主との関係性が好ましくない・空腹時間が長い・家族(同居犬含む)や生活環境が変わったなど、何かしらのストレスを感じていることでケージを噛むことがあります。
犬にとってのストレス原因がなんであるのかを探って、ストレス要因を犬の生活から排除してあげることが何より大切です。反復的に噛む場合は、強迫性障害(常同行動)によって同じ動作を繰り返し行うような仕草がみられるので、ケージを噛むこと以外にも自分の尻尾を追うなど、何かしらの反復的行動が繰り返されるようでしたら念のため獣医師に相談することをおすすめします。
犬がケージを噛んでしまうことによるリスク
犬がケージを噛むことで生じるリスクで一番恐ろしいことが、口腔内を中心に犬を傷つけてしまったり危険なものを誤飲してしまうことです。
◆ケージが壊れる
犬は噛むことで人が想像できないようなものを破壊することができるため、ケージを壊してしまうことも多々あります。
木製のものは特に破壊されやすいのですが、鉄製のものであっても接続部分のパーツを外してしまったりすることがあるので大変危険です。
◆誤飲や怪我
木のカスや細かなパーツを誤飲したり、噛むことで口腔内が傷つきてしまうことがあります。
木の削れた部分や鉄製のパーツ、プラスチックなどの先端部には特に注意が必要です。
◆どんなものでも噛んでいいと思ってしまう
犬は物を噛むことで様々な要求を満たしますが、噛んで良いものと噛んではいけないものの区別をしっかりと飼い主さんが教えてあげなければいけません。
これらの区別ができずにどんなものでも噛んでいいと思ってしまうと、破壊行為の原因になり犬にとっても大変危険です。
また、最悪の場合は他犬や他人を噛むようになってしまうので、しっかりと対策を行わなければいけません。
犬がケージを噛むのをやめさせるグッズ
ケージに関わらず犬が「噛む」ということは自然な行為ですので、噛んでよいもの(安全なもの)を与えて噛んでほしくないものを噛ませないようにすることが大切です。
◆噛むおもちゃ・おやつ
ハーツ デンタルボーン
楽しくデンタルケアができる犬用玩具。骨型。ベーコンフレーバー。
ウッディー・タフ・スティック
天然木チップを新技術で固めた、丈夫&安全なスティックです。噛んでも突起が出来にくく、徐々に細かく削れてささくれ立つことはありません。
牛蹄プレーンシュリンクパック
硬くて長持ちの牛のひづめです。
◆しつけ剤
ビターアップル スプレータイプ
いたずらされて困るところにシュッとひと吹きで「噛んじゃダメ!」をしつけます。広い範囲に使いやすいスプレータイプ。■家具・スリッパなどいたずらされて困る場所にスプレーしてください。■リンゴから抽出した苦味成分によって、スプレーした場所をワンちゃんがなめたり噛んだりするのを防ぎます。
犬がケージを噛む行動に関するまとめ
そもそも犬にとって「噛む」という行為はごく自然なことですが、犬がケージを噛む背景には様々な理由が隠されており、歯の生え変わりやストレスを中心に犬が自ら制御するのが難しいことが多いのが特徴です。
そのため、飼い主さんが「噛んでよいものと噛んではいけないもの」についてしっかりと区別して教えてあげなければいけません。
犬が快適に過ごすことができるよう、ごく当たり前の「噛む」という行為自体をやめさせるのではなく、しっかりと原因を探って原因に応じた対策を行ってあげましょう。
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