1.庭にドッグランを作ることはできるのか
1-1.メリット
1-2.必要な庭の広さ
2.庭にドッグランを作るための費用
2-1.手作り(DIY)
2-2.業者依頼
3.手作りで庭にドッグランを作る
3-1.材料
3-2.手順
3-3.ポイント
【掲載:2021.02.09 更新:2023.03.08】
庭にドッグランを作ることはできるのか
基本的に犬は、広い場所を走り回ることが大好きな動物です。毎日1~2回の散歩が理想的であるように、気分転換・ストレス発散のためにも、必要な運動量をおぎなう必要があるのです。
その点からも分かるように、ドッグランは積極的に有効活用したい貴重な場所であるといえるでしょう。
しかし居住地によっては、頻繁にドッグランへ通うことが難しい場合もあります。公園などにある無料で提供されているドッグランスペースもありますが、近所に有料の施設しかない場合は都度利用費用も掛かりますよね。
もしも自宅にドッグランさえあれば、これらの懸念は全て解消されるのです。
自宅の敷地内に庭がある場合は、ドッグランへと改造することを検討してみましょう。業者や専門家に相談して設置工事をしてもらうこともできますし、飼い主さん自身で手作りすることも可能です。近年では、DIYを趣味とする方も多いですよね。興味のある飼い主さんは、是非挑戦してみてください。
庭にドッグランを作るにあたって、そのメリットや必要面積をまずは紹介していきましょう。
◆メリット
自宅敷地内の庭にドッグランを作ることで得られる最大のメリットは、やはり気軽に利用できるという点でしょう。
材料・設置などに関わる初期費用や、定期的なメンテナンス費用は掛かりますが、都度利用料金を支払う必要はありませんし、何より飼い主さんにとって都合の良いタイミングで愛犬を遊ばせてあげることができます。ドッグラン利用のためにお出掛けや、外出の準備なども必要ないので、時間の短縮にも繋がりますね。
他の犬とのトラブルが心配な方や、毎日の散歩が難しい飼い主さんにとっても、庭のドッグランはもってこいの環境となるでしょう。
◆必要な庭の広さ
庭にドッグランを作るために、やはり愛犬が動き回れるくらいの広さは必要です。庭の敷地が広ければ広い程、必要な設備を整えることもできますし、愛犬が好きなように走り回れるでしょう。
しかし、庭の広さは家庭によって様々です。小さい庭だから…といった理由で、ドッグラン作りをあきらめる必要はありませんよ。
少しのスペースでも、愛犬が外の空気を感じられる自然の場所を作ってあげることには重要な意味があります。ノーリードで外を動けること、屋外の空気や匂い・音などを感じられるスペースで自由にできることが、ストレス軽減に大きな効果をもたらします。
自宅の庭の敷地面積でどれくらいの広さのドッグランを作れるのか、頭の中でイメージしてみてください。しっかりと計画を練って工夫を凝らしてみましょう。
庭にドッグランを作るための費用
自宅の庭にドッグランを作るにあたって、材料費やメンテナンス費用、場合によっては工事・設置費用などがかかります。使用する材料や作る方法によって、かかる費用には大きな差が出るでしょう。
ドッグラン設置を叶えるためには主に、手作りをするか、業者に依頼するかのいずれかを選択することになりますよね。それぞれどのくらいの費用を要するのかチェックしておき、予算内で収まるよう計算しておきましょう。
◆手作り(DIY)
材料の調達や設置を自分で行うDIYの方法を選んだ場合、数万円~十数万円程で、ドッグランを作成することができるでしょう。ただし、使用する材料のレベルや、庭の広さによって費用には差が出ます。
もちろん、杭・ネットなど手軽に手に入る比較的安価な材料を使用すれば、さらに費用を抑えることも可能でしょう。ただし、安価なものにはやはり安全性や耐久性に問題が生じる可能性も考えられます。
材料費に少しお金をかけても、頑丈な材料を選ぶ方が愛犬のためにもよいでしょう。折角作った柵がすぐに壊れてしまっては、更に材料費や時間を消費することとなりますし、何より愛犬に危険が及びます。
使用する床材にも種類があるので、素材によっては定期的なメンテナンス費用がかかることも頭に入れておいてくださいね。初期費用を高めに設定することで、長期間のメンテナンスを不要とするか、定期的な修理・交換を念頭に置きながら初期費用を抑えるか、飼い主さんにとって良いと思える判断をして計画を立てましょう。
◆業者依頼
業者に依頼してドッグランを作ってもらう場合、最低でも20~30万円程の費用がかかります。本格的な設備などを想定すると、100万円近い費用が掛かる場合もあるでしょう。
もちろん、作成するドッグランのレベルや敷地面積、依頼する業者によっても費用は変わってきます。
業者に依頼する場合は、複数の業者に見積もり・相談をしてから決定することをおすすめします。
DIYと比べると費用はかさみますが、安定した安全性を求められることと、飼い主さんの時間が節約できるというメリットがあるでしょう。
手作りで庭にドッグランを作る
ドッグランを作るにあたって、まずは綿密な計画を立てることが重要です。
ドッグランに定義はありませんし、手作りするとなると自由もききます。そのため、安全面を重視した囲いさえあれば、ドッグランとして愛犬を遊ばせることは可能でしょう。
しかし、敷地や費用に余裕があるのであれば、以下の5つを用意すると本格的なドッグランができますよ!
①柵(鍵つきの出入り口含む)
②水場(足洗い場)
③飲み水
④休憩場所(日よけスペース)
⑤トイレスペース
実際にどのような材料が必要なのか、どういった手順で作ればよいのか、例を挙げて紹介していきますので、是非参考にしてみてください。
◆材料
柵
まず何よりも必要なのは柵です。自宅の敷地内から愛犬が外に出てしまわないように環境を整えなくてはいけません。きちんと囲われた安全面の高い柵ができれば、愛犬をノーリードで遊ばせてあげることができます。きちんと囲われていない場所で犬を放すのは法律違反です。自宅のドッグランで自由に遊ばせるためには、しっかりと柵を作ることが重要なのです。出入り可能な鍵付きの扉は必須となるでしょう。
柵の材料としては、木材・杭・ネット・鉄柵など、様々な種類が挙げられます。飼い主さんが求める機能性や見た目、費用などを念頭に置き、ピッタリの物を選びましょう。
水場
ドッグラン内に愛犬の足を洗える水場があると、飼い主さんもとても便利です。水が引ける状態であれば、立水栓を設置するとよいでしょう。飲み水としていつでも新鮮な水を汲んであげることもできますし、足を洗うのにも役立ちます。蛇口などの購入や受け口部分のDIYも可能ですが、様々なデザインの屋外用立水栓も販売されています。予算を計算しつつ、それらを利用するのも一つの方法です。
水洗設備の有無で、便利度は大きく変わってくるでしょう。
休憩場所やトイレスペース
走り回れる場所の他に、日差しや風を遮る休憩スペースがあると愛犬にとって尚良い環境となるでしょう。屋根があると、急な雨の場合や夏の暑い日にも重宝します。
また、トイレスペースを限定し、そこで排泄するようにしつけをしておくと、後片付けやお手入れの手間が楽になります。衛生面においても、これはおすすめです。敷地内に余裕があれば、これらの設備を用意しておきましょう。
床材
ドッグランにおいて重要な材料の一つが床材です。床材には種類があり、愛犬が走る上での安全性や、メンテナンス方法などに大きな差が出てきます。詳細は後述しますので、しっかりチェックしてください。
◆手順
手順、計画、整地、柵、床材、その他設備、使用前の点検など
ドッグランを作成するための主なステップを紹介します。
①計画
前述したように、最初に必要なのは計画です。全体のイメージを明確にし、予算に応じてどのくらいのスペースで作成できるか、設備を整えられるかを検討しましょう。愛犬がどう過ごせるかシュミレーションすることも大切ですよ!
②材料選び
柵・床材、その他設置する設備に必要な材料を選びます。ホームセンターで実際に素材を見たり、直接触ってみるとイメージも湧きやすいでしょう。ネットショップで価格を比較したり、手作りドッグランの紹介記事でおすすめ素材などをチェックするのも重要なポイントです。様々な情報を参考にして、飼い主さんがイメージする見た目や好みの素材、条件に合うものをしっかり選びましょう。
③庭の片付け
愛犬が走り回れる環境を作るためにも、できるだけ広いスペースを確保したいですよね。庭に未使用の鉢植えやプランター、不要な雑貨や置物などがある場合は処分しましょう。植物・木などは、まとまった場所に植え替えるスペースの確保と見た目の向上に効果的です。
④地面の整地
ドッグランスペースを整地しましょう。雑草を抜いたり、小石・砂利などをしっかり拾いましょう。地面に凹凸がある場合は、土を敷いて穴を埋めるなどして可能な限り平らにならしてください。
⑤柵作り
そのまま設置できる柵やフェンスなども販売されています。この場合は、使用方法にのっとって手順通りに設置しましょう。杭を打つ時は、敷地に沿って等間隔に穴を開けていきましょう。コンクリートブロックを地面に埋め込む方法をとる際には、大きめの穴を掘り、土台をしっかり設置します。
杭にネットを張るタイプの柵を作る場合は、地面との接地部分に隙間ができる可能性が高いです。この隙間から愛犬が外に出てしまう危険があるため、接地部分をしっかり杭で固定しましょう。隙間ができてしまう箇所には、ブロックなどでカバーをするなどして対応してくださいね。
⑥床材を敷く
床材にウッドチップや人工芝を選んだ場合は、雑草対策として防草シートを敷きましょう。
人工芝の場合は、スペースに合わせて敷き詰めて、縁をU字型の杭でしっかり固定します。
ウッドチップは地面側に湿気が溜まってしまいがちです。適度な厚さで敷き詰めるのがポイントとなるでしょう。
天然芝を使用する場合は、肥料をまいてから芝を並べて、たっぷり水をまいてください。
床材の特徴や種類する詳細に関しては後述しますので、そちらも是非チェックしてみてくださいね。
尚、ドッグランを作るために必ず床材が必要だというわけではありません。土・砂利が混ざった地面の状態でも、柵があればドッグランとして使用することは可能です。床材に対する出費や手間が抑えられるというメリットもあるでしょう。しかし、地面が硬すぎる場合は愛犬の足に負担がかかったり、室内に土・砂などが入りやすいといったデメリットがあるのも事実です。天候によっては、使用する度に愛犬が泥だけになってしまうという結果をも招きかねません。
それらの条件を考慮しつつ、どのような地面にするかをしっかり選びましょう。
⑦休憩場所
屋根のある部分を作り、日差しや風を防げる休憩スペースを用意します。既製品を応用するのも一つの手ですし、犬小屋を設置するのも簡単でおすすめです。
⑧トレイスペースの設置
トイレスペースは、走り回れる場所との区切りをつけたり、専用のトイレパンを設置するなどして確保するのがよいでしょう。
⑨水場や他の設備を作る
水飲み場、足洗い場として立水栓などを設置しましょう。敷地に余裕があれば、トンネルやジャンプできる場所などを作ってみるのもおすすめです。コンパクトなアジリティとして愛犬が楽しめる環境が作れますよ。
⑩完成・安全確認
ドッグランが完成したら、改めて安全性を確認しましょう。柵にぐらつきや隙間がないか、扉に鍵はかかるかをしっかりチェックしてください。また、柵の高さは愛犬の大きさに比例します。大型犬であれば、柵の高さも相当必要となるでしょう。愛犬が飛び越せない高さ、飛びついてもぐらつかない強度であることをきちんと確認してください。
安全確認ができたら、愛犬を遊ばせてみましょう。いきなりノーリードにするのではなく、始めは愛犬と一緒にスペース内を回り、安全に過ごすことができるか様子をみてくださいね。
◆ポイント
ドッグランを作る上で最も重要なのは、愛犬にとって安全な環境であるかどうかです。
柵には愛犬が敷地外に出るのを防止するだけでなく、外部からの侵入者から愛犬を守るという役割もあります。庭が通りに面した立地条件の場合は、悪意を持つ他人から危害を加えられる危険性もあるということを頭に入れておきましょう。柵で目隠しをすることで、愛犬を危険から遠ざけることができます。
また、子犬の内にドッグランを作る場合は、成長することを前提としたスペース作りが重要です。子犬の内は完璧な役割を果たしていた柵が、身体が成長するにつれて意味をなさない囲いとなってしまっては一大事。定期的なメンテナンスや柵の交換を怠ないよう気を付けたり、始めから十分なサイズ・強度をもった策を設置するなどして、常に安全面に留意するようにしてくださいね。
さらに、出入り口にも注意を払いましょう。前述したように、鍵付きの扉を設置することが推奨されます。
立地条件によっては、出入りを窓に限定するなどの方法もありますが、出入口があることで庭から直接散歩に行く場合などに、重宝します。有料ドッグランなどでは二重扉が採用されていることが一般的ですが、自宅でそれだけのスペースをとるのが難しい場合も多いでしょう。その分、愛犬がいたずらして開けられないように、しっかりした鍵を扉につけておくことが重要なポイントとなります。また、万が一鍵が開いてしまった場合に備えて、扉は内開きの状態になるよう設置しておくとよいでしょう。
床材の種類
愛犬が安全に思い切り走れる環境を作るためには、適した床材選びが重要です。
選ぶポイントとして注目したいのは、足・腰に負担がかかりにくいもの、肉球を痛めない素材、滑りにくいもの、天候に左右されにくいもの、といった点でしょう。
これらのポイントを踏まえながら、床材として使用できる素材の種類や特徴をチェックしてきましょう。
◆天然芝
犬の足や腰に負担をかけない床材としては、芝生が一番のおすすめです。クッション性が高くて動きやすいですし、肉球を痛めることもほとんどありません。寝転がったりしても身体や足が汚れにくいので、愛犬が遊んだあとのケアも簡単!といった、飼い主さんにとってのメリットもあります。
このように大変魅力的な天然芝ですが、デメリットとしてメンテナンスに手間がかかる、という点が挙げられるでしょう。しっかり管理していなければ雑草だらけになったり、芝生が枯れて土がむき出しの状態に陥る可能性があります。日陰や風通しの悪い場所では、芝の枯れや腐敗に注意ましょう。
◆人工芝
天然芝よりも費用はかさみますが、人工芝を選ぶのもおすすめの一つです。柔らかく毛足の長い素材が使われているタイプであれば、愛犬は快適に過ごせますし、天然芝と違って手入れの手間もかかりません。防草シートを人工芝の下に敷けば、雑草対策も可能となりますよ。
ただし人工芝には種類がありますので飼い主さんが実際に触って、触感を確かめてみてください。固めのものではなく、必ず柔らかい素材のものを選びましょう。
◆ウッドチップ
有料のドッグランなどでは、ウッドチップが採用されていることが多いでしょう。細かい木の破片でできており、犬への負担が少ないこと、水はけがよく手入れが簡単であることが大きなメリットとして挙げられる素材です。ただし定期的な入れ替えが必要なため、多少費用がかかってきます。
◆パークチップ
ウッドチップと同様のメリット・デメリットをもつ素材で、ウッドチップより少し大きく、丸みのあるものがパークチップです。大型犬に向いているといわれる床材の一つです。
ドッグランに向いていない床材
石・タイルを貼った庭は、オシャレな雰囲気づくりをするには適しています。しかし滑りやすいため、ドッグランの床材としては不向きだといえるでしょう。さらに固いので、足腰への負担も考えられます。
また、コンクリートは水はけがよく、メンテナンスも不要でとても便利な素材となります。しかしこちらも犬への負担が大きいため、ドッグランの床材としてはおすすめできません。
庭のドッグランで遊ばせる際の注意点
好きなタイミングで気軽に使用できるという利点をもつ、庭のドッグランですが、使用する上ではやはり注意すべき点もあります。
愛犬を遊ばせている間、飼い主さんは必ず様子をチェックできる場所にいるようにしましょう。設備に問題がなく、メンテナンスもしっかりしていると自負していても、予想外の事態が起こる可能性はゼロではありません。
愛犬が遊んでいる様子が常に視界に入る状況であれば、問題発生時にいち早く対処することができて安心です。
安全を守るためにも、愛犬をドッグランに長時間放置するなどのNG行為は決してしないでください。
まとめ
自宅の近くにドッグランが無い場合、庭のドッグランは飼い主さんと愛犬の両者にとってとても嬉しいスポットとなります。犬種によってその運動量はもちろん違いますし、性格も個体によってそれぞれではありますが、外で自由に走り回れることが、愛犬にとっては大切な時間となるのです。
DIY好きな愛犬家さんは、是非ドッグラン作りにチャレンジしてみてください。手作りは苦手という方は、プロにお願いして完璧なドッグランを作成したり、お家のリフォームのタイミングでついでに庭をドッグランに作り替える!といった方法もとれるでしょう。
愛犬が、健康的で充実した毎日を過ごすためにも効果的なドッグラン。お庭に余裕のある方は、是非作成を検討してみてくださいね。
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