1.犬がくるくる回る理由
1-1.犬がくるくる回る理由①嬉しくて興奮している
1-2.犬がくるくる回る理由②回るのが楽しい
1-3.犬がくるくる回る理由③排泄をしたい
1-4.犬がくるくる回る理由④寝る場所を決めたい
2.犬がくるくる回ってしまう病気
2-1.犬がくるくる回ってしまう病気①精神的ストレス
2-2.犬がくるくる回ってしまう病気②認知症
2-3.犬がくるくる回ってしまう病気③耳や脳の異常
2-4.犬がくるくる回ってしまう病気④前庭疾患
4.犬がくるくる回るのをやめさせたい
4-1.ストレス発散をさせる
4-2.叱らずに落ち着かせる
4-3.老犬は滑らないようにする
【掲載:2021.06.05 更新:2022.11.11】
犬がくるくる回る理由
愛犬家の皆さんにはお馴染みかもしれませんが、彼らは時折、何かの理由でくるくる回ることがあります。
大きく分けて下記のような主な原因は下記のようなものになるでしょう。
- 嬉しくて興奮している
- 回るのが楽しい
- 排泄をした
- 寝る場所を決めたい
- 精神的ストレスや脳の病気の場合
考えられる理由は様々ですが、その理由によって対処法も変わってきます。ここでは、その理由を挙げていきたいと思います。
◆犬がくるくる回る理由①嬉しくて興奮している
ご飯や散歩など、おおよそ犬が好きなことをする時に感情表現としてくるくる回ることがあります。他にも飼い主さんが帰って来た時、ボールなどで遊ぶ時なもありますね。
この場合は犬の運動にもなりますし、頻繁にやりすぎている場合を除き問題はありません。
しかしながら、万が一の可能性もあるので、愛犬の挙動を注意深く見守っていきたいところです。
◆犬がくるくる回る理由②回るのが楽しい
これは回る行為、または自分の尻尾を追いかける行為そのものが楽しいというパターンになります。
少しならば問題ありませんが、あまり頻繁に回ったり尻尾を嚙んだりしている場合はストレスからの行動の可能性もあるため、対処が必要になってきます。対処法に関しては、後述の「ストレス発散をさせる」の項目にて書いていきます。
◆犬がくるくる回る理由③排泄をしたい
犬の散歩中によく見られる光景ですが、犬はトイレの前にもくるくる回る習性があります。
理由としては、排泄時は無防備な為、周囲の安全を確認しているということが挙げられます。場所が定まって排泄を始めた後は飼い主の方を見つめてくることがありますが、こちらは飼い主が周囲に気を配っている(犬の代わりに警戒をしている)かどうかを見ている、と言われています。
この際、排尿・排便がない・ほとんどしない場合は膀胱炎や重い便秘などの可能性があるので、特に排尿に関して異常が見られる場合はすぐに動物病院の受診が必要になってきます。
排泄関係の疾患に関しては、食物繊維が多めの食事・水分補給・適度な運動・マッサージなどである程度予防できるので、調子を崩す前に意識してみるのもいいかもしれません。
◆犬がくるくる回る理由④寝る場所を決めたい
犬がタオルやクッションなどの寝床の上でくるくる回っている時の理由は、その場所を自分好み整えようとしている為です。
タオルなどの布製品の場合は上でくるくる回るだけではなく、前足で布を押しやったり、布を咥えて形を整えたりと、なかなかベッドメイクに凝っている様子が見られることもありますね。寝る場合は倒れこむように座る場合もあるので、寝床は柔らかめのクッションや布などを用意しておくのをお勧めします。
犬がくるくる回ってしまう病気
ただ単にくるくる回るだけならば問題はありませんが、あまりに頻発したり、回りながらふらつく等のおかしな挙動が見受けられた場合は、病気が原因であることも考えられます。愛犬の命を守るためにも、注意して見守っていきたいところです。
ここでは、犬にとっての主な病気・疾患などを挙げていきたいと思います。
◆犬がくるくる回ってしまう病気①精神的ストレス
何もない所でくるくる回っている場合は、ただ単に遊んでいるという以外に、ストレスからの逃避行動であることも考えられます。尻尾を追いかけたり吠える・唸るといった行動も見られますね。
尻尾を追いかける場合は回りながら自分の尻尾を噛んでしまい外傷を負ったり、それ以外も含めストレスで体調を崩してしまう恐れもあります。
ストレス自体は散歩や遊びである程度発散できますが、あまりにひどい場合は動物病院を受診してみる必要があるかもしれません。
◆犬がくるくる回ってしまう病気②認知症
犬も人間と同じように、高齢になれば認知症を患うこともあります。
この場合、尻尾を追いかけたりして激しく回るというよりも、その場でよたよたと回ったりすることになります。
回る以外にも、壁に向かっていってぶつかってもそのまま壁に向かって行ったり、家の中で迷って動けなくなったりなどの症状も併発するようであれば、認知症の可能性が高いと断定できます。犬は10歳を超えるとガンができやすい、足腰が弱ってくるなど、色々な疾患や衰えが見えてきます。認知症の場合は平均して13歳頃から症状が見られることがあります。
認知症は即座に死に繋がる訳ではないですが、ふらついた際の怪我などがきっかけで体調を崩すこともありうるので、特に老犬の挙動には注意しておきたいところです。
◆犬がくるくる回ってしまう病気③耳や脳の異常
中耳炎や脳炎、脳腫瘍などの疾患がある場合、本人の意図に関わらずくるくる回る「旋回運動」という挙動が見られることがあります。
頻繁に吐く・食欲不振や痙攣など、諸々のおかしな挙動がある場合は上記のような重い疾患の可能性があるので、出来る限り早くに動物病院の受診をお勧めします。
◆犬がくるくる回ってしまう病気④前庭疾患
前庭疾患とは、耳の奥の「前庭」と呼ばれる器官に異常をきたしてしまう疾患です。前庭は三半規管と繋がっている物で、ここに異常があると平衡感覚が失われていきます。
具体的な症状としては、「耳や脳の異常」の項目で書いたようなくるくる回る「旋回運動」の他、常に首をかしげているような状態で目の位置が水平にならない「捻転傾斜」、眼球が小刻みに揺れる「眼振」があります。
前庭は耳の奥~脳の近くの延髄にも繋がっている器官であり、疾患の原因が耳の奥ならば比較的軽症で済むこともあります。脳の近くが原因であれば腫瘍や脳梗塞の可能性も有り、どちらが原因にせよ危険な状態ですので、早め早めの治療が必要です。
特に老犬に見られやすい傾向ですので、実年齢が10歳を過ぎた辺りからはより注意深く見守っていきたいですね。
犬がしっぽを追いかけてくるくる回る
犬が尻尾を追いかける「テイルチェイシング」と呼ばれる光景はそれなりに見られる行動ですが、原因によってはあまり良くない状態であることも考えられます。
特によくあるのがストレスからの行動で、尻尾に何か違和感や痛みがある場合にこういった行動をすることがあります。その場合、放置していると犬に見られる「常同障害」という同じ行動をし続けてしまう症状に繋がり、尻尾に嚙みついて傷付け、その痛みの為に更に尻尾を追ってしまうといった悪循環に陥ることもあります。
その他に「てんかん発作」の可能性もあり、くるくる回る以外によだれが止まらなかったり痙攣を起こしたりなどの症状が見られた場合は投薬が必要なケースにもなりえます。
犬がくるくる回るのをやめさせたい
頻繁にくるくる回っている場合、重い症状でなくとも周囲にぶつかって怪我をしたり、滑りやすい床や地面であれば滑って転んだりといったこともあります。ここでは、くるくる回ることを抑制する方法を書いていきたいと思います。
◆ストレス発散をさせる
「回るのが楽しい」や「犬がしっぽを追いかけてくるくる回る」の項目でストレスからくるくる回ってしまうことがあると書きましたが、ストレスの原因は運動不足や環境変化による不安、大きな音に対する恐怖など、様々な原因が考えられます。
ストレスを発散させるためには原因を出来る限り取り除く必要があるので、運動不足であれば散歩、退屈などであれば遊ぶ時間を作る、音などの刺激に対する恐怖ならばなるべく離れた場所に移動など、色々と試してみる必要があります
人間も同じですが、大きなストレスがかかり続ければ精神的にも滅入ってしまいますし、身体的な疾患にも繋がります。全くのストレスフリーは難しいですが、飼い主・飼い犬ともにストレスを溜め過ぎないことが重要です。
◆叱らずに落ち着かせる
犬の性格によっては、回るのを抑えようとすると余計に興奮してしまい、更に激しく動き回ってしまうパターンもあります。
その場合は、飼い主側が落ち着いて冷静になだめたり、場合によっては犬の相手をせずに放置することで行動が収まる場合があります。これは犬の性格によるところも大きいので、色々と試してみるといいかと思います。
犬を叱る場合は、それそのものがお互いのストレス要因になることもあるので、飼い主側も興奮しすぎずに対応していきたいですね。
◆老犬は滑らないようにする
犬の足の裏の肉球の面積はそれほど多くなく、滑りやすいフローリングの上で生活していると滑りを抑えようとする分足腰に負担がかかってしまいます。特に老犬は足腰が弱ってくるので、転んで怪我をしたりしない為にも対策が必要になってきます。
滑りやすい床に対して手軽かつ有効な対策としては、上にカーペットやマットを敷いてしまうことが挙げられます。
床の見た目にこだわるのであれば、透明なビニールシートでもある程度のすべり止めにはなるので、こちらも有効です。
その他、犬の爪にはめるような滑り止めグッズもあるので、そちらは動物病院を受診した際などに聞いてみるのもいかもしれません。
まとめ
今回は、犬がくるくる回る原因と対処法をご紹介しました。
一概にくるくる回ると言っても原因は様々で、場合によっては命に係わるものもあるので、明確な症状や不安を感じたら早めに動物病院の受診をお勧めします。
愛犬と長く付き合っていくためにも、何かあれば注意して見守っていきたいですね。
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