1.犬に話しかけると寿命が長くなる!
2.犬に話しかけるメリット
2-1.犬の幸福度が上がる
2-2.不安を解消し、安心感を与える
2-3.飼い主さんの幸福度もアップ
4.話しかける際のポイント
4-1.やさしく穏やかに
4-2.高く楽しそうな声で褒める
4-3.撫でたりコミュニケーションをとる
4-4.寝ているときはNG
【掲載:2021.06.12 更新:2023.02.16】
犬に話しかけると寿命が長くなる!
犬に話しかけると、犬の寿命が長くなるという話を聞いたことがありますか?
たくさん話しかけられた犬とそうではない子では、たくさん話しかけられた子の方が2~3年長生きだったという調査結果があるそうです。
この結果だけで、話しかけると犬の寿命が長くなると結論付けることは難しいでしょう。しかし、犬も人と同様に、ストレスのない生活の方が長生きにつながると考えるのは、あながち間違っていないのではないでしょうか?
犬の長生きのためには、飼い主さんとの間に信頼関係が築かれていて、食事や運動量が適切で、健康もきちんと管理されていることが大切です。そのうえで、ストレスのない生活を送ることができれば、おのずと病気のリスクは軽減されるでしょう。
また、たくさん話しかける飼い主さんは、愛犬のことをよく観察しています。ちょっとした不調にも気づきやすく、病気の早期発見・早期治療につながり、結果として長生きにつながるという面もあるでしょう。
犬に話しかけるメリット
ここでは、犬に話しかけるメリットを具体的にご紹介します。
◆犬の幸福度が上がる
犬は、本来、群れで生活をする動物です。その中で、鳴き声やカーミングシグナルなどを使って、互いにコミュニケーションを取っていました。
家庭で飼われている犬にとっては、家族である人間が群れの仲間と言えます。その仲間とコミュニケーションを取ることができなければ、犬は孤独や寂しさを感じるでしょう。飼い主さんに話しかけられることは、犬にとって、仲間とコミュニケーションが取れているということであり、孤独や寂しさを感じることが無くなります。
また、犬は、褒められることや嬉しいことが大好きです。飼い主さんが「いい子」「かわいい」と話しかけてくれれば、「自分に注目してくれている」「自分を構ってくれている」と感じて、犬は嬉しくなります。
孤独や寂しさを感じることなく、嬉しいことがたくさんあれば、自然と幸福度は高まるでしょう。
◆不安を解消し、安心感を与える
犬は、基本的に寂しがり屋のため、飼い主さんが側にいないだけで不安を感じてしまうことがあります。また、いつもと違う様子を敏感に感じ取って、不安な気持ちになってしまうこともあります。
このような時に飼い主さんが話しかけると、愛犬の不安を解消することができます。また、大好きな飼い主さんの声を聴くことで、犬は安心感を得られます。
不安が解消され、安心感を得られれば、ストレスがかかることもありません。ストレスのない生活は、上述したとおり、犬の健康にもつながります。
◆飼い主さんの幸福度もアップ
愛犬が幸せそうにしているのを見ると、飼い主さんも幸せを感じるものです。たくさん話しかけられることで犬の幸福度が高まれば、飼い主さんの幸福度もアップし、絆や愛情もさらに強くなるでしょう。
また、人に話を聞いてもらうことで、気持ちが楽になったり、考えを整理できたりといったことは、よくあることです。犬に話しかけることでも同じような効果が得られるので、困ったことがあるときや悲しいときに話しかけてみると、解消されることもあるでしょう。
ただし、感情的な言葉をぶつけたり、怒鳴りつけたりすることは、犬にストレスをかけてしまうので、やめておいてくださいね。
犬は人の言葉が分かるのか
犬は、人の言葉を、人が理解しているような形で理解することはできません。
犬が人間の出すコマンドに従うのも、言葉を理解しているからではなく、その音と状況を結びつけ、「この音が聞こえたときに、こうすれば、飼い主さんが喜ぶ・褒めてくれる」と学習していくからです。
また、犬は様々なことを察知する能力に長けているので、人の感情も読み取ることができると考えられます。つまり、言葉自体を理解するのではなく、その言葉を発した人の話し方や声のトーンから、その人の感情やニュアンスを読み取り、何が言いたいのかを理解しているのです。
◆犬の脳の反応
磁気の力を利用して体内の状態を撮影するMRI(磁気共鳴映像法)は、獣医学の世界でも検査のために使われています。
このMRIを利用して犬の脳の働きを解明する研究から、様々な刺激に対する犬の脳の反応が明らかになりつつあります。
ハンガリーの大学では、人間から話しかけられたとき、脳のどの部分がどのような順番で反応するかを確かめる実験が行われました。
話しかけたときの言葉と声のトーン、MRI画像にあらわれた反応を分析した結果、犬の脳は、まず声のトーンに反応してから、言葉の意味を理解していることが分かったそうです。これは、人間の脳が、他の人が話しているのを聞いた時に見せる反応と同じ順番だそうです。
つまり、犬も人も、まず単純で感情的な手掛かりを処理し、その後、複雑で学習によって得た手掛かりを処理しているのです。
話しかける際のポイント
犬に話しかけることにはメリットがありますし、犬は人の感情を読み取ることで、その人が何を言いたいのかを理解しています。
せっかく話しかけるなら、そのメリットが最大限になるようにしたいですし、伝えたいことを理解してもらいたいものです。
そこで、ここでは、話しかける際のポイントをお伝えします。
◆やさしく穏やかに
優しく穏やかに話しかけましょう。
前述の通り、犬は話し方や声のトーンから、人の感情を読み取っています。早口であったり、大きな声であったりすると、怒られているように感じて、逆にストレスを与えかねません。
また、犬はいわゆる「ベイビートーク」を好むという研究結果があります。ベイビートークとは、大人が赤ちゃんや幼い子供に話しかけるときのような、高いトーンでゆっくりとした話し方のことです。
犬に話しかけるとき、ついつい「ゴハンでしゅよー」のような「赤ちゃん言葉」で話しかける飼い主さんは少なくないでしょう。赤ちゃん言葉を使うときに、イライラ・せかせかした感じで話すことはありません。犬は、その感情や雰囲気を感じ取るので、ベイビートークをする人と交流したがると考えられます。
優しく穏やかに、少し恥ずかしくても赤ちゃん言葉で話しかけてみましょう。愛犬に安心感を与え、伝えたいことも伝わりやすくなるはずです。
◆高く楽しそうな声で褒める
前述の実験結果の通り、犬は声のトーンを理解した後で、言葉の意味を理解しています。したがって、犬に話しかけるときには、目的によって声のトーンを変えることで、伝えたいことをよりよく伝えることができるでしょう。
褒めるときや遊ぶときには、高い声で話しかけるのがおすすめです。一方、「まて」「おすわり」などのコマンドを出すときに落ち着いた声にすると、理解しやすく、混乱しません。
また、犬にとって、人間は自分よりもずっと体の大きな存在です。その人間に大きな声で怒鳴られると、恐怖でしかなく、強いストレスを感じるでしょう。威嚇に聞こえる場合もあり、犬が攻撃的になることもあります。興奮して大声を出すと、逆に犬にとって「応援」に聞こえて、問題行動を助長することも少なくありません。
たとえ叱るときでも、大きな声で怒鳴ることはやめておきましょう。低い声で短く「ダメ」と伝えるだけで十分です。また、徹底的に無視することも効果的です。
◆撫でたりコミュニケーションをとる
犬はたいてい、撫でられることが大好きです。撫でることには、マッサージ効果も期待でき、愛犬もリラックスできるでしょう。
リラックスしているときに、優しく話しかけられれば、幸福度がさらに増します。
できれば毎日、スキンシップを取りながら、たくさん話しかけてあげましょう。言葉の意味を文章として理解するわけではありませんが、そこに込められた愛情は犬に伝わり、幸福感や安心感を与えることができます。
◆寝ているときはNG
犬は長い時間を眠って過ごしていますが、その80%は浅い眠りとされています。また、非常に聴覚が優れていることもあり、寝ているときに話しかけられると、起きてしまいます。
犬にとっても十分な睡眠をとることは大切ですし、何より、気持ちよく寝ているところを起こされてしまうのはストレスです。
愛犬が寝ているときには、話しかけず、そっとしておいてあげましょう。
まとめ
犬に話しかけると、幸福感や安心感を与え、不安や孤独を解消することができます。この結果、ストレスを軽減でき、病気になるリスクも軽減することができると考えられます。長生きにつながると考えることもできるでしょう。
犬は人間と同じように、人の言葉を理解しているわけではありません。しかし、声のトーンや表情から、人の感情を読み取り、言葉と状況を結びつけることで、人の言葉を理解しています。
犬に話しかけることは、飼っていない人から見ると「変な行動」かもしれません。しかし、犬に話しかけることには多くのメリットがあり、飼い主さんも犬も幸福度が増します。科学的に解明されたわけではありませんが、たくさん話しかけられた犬は長生きの傾向にあるとも言われています。
ぜひ恥ずかしがらずに、たくさん話しかけてあげてくださいね。
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