愛犬にナスは与えてもよい?メリットや注意点とは?

2021.08.15

愛犬にナスは与えてもよい?メリットや注意点とは?

夏野菜としても代表格のナス。人間にとっても魅力的な食材の一つだといえるでしょう。このナス、犬にとっては安全に与えられる食材なのでしょうか?今回は、人間界でも馴染みのある野菜「ナス」に注目です。ナスがもつ栄養素や、与えることで愛犬に与えられるメリットやデメリットなどを紹介していきましょう。与える上での注意点も存在します。しっかりチェックして、正しく愛犬の食生活を支えていきましょう!

犬がナスを食べても大丈夫?

画像④

結論から言うと、ナスは犬に与えても大丈夫な食材だといえます。生のままでも、加熱して与えても問題はありません。
しかし、天然毒素を有する野菜でもあるため、その与え方や量には注意点があります。愛犬に茄子を与える前に、しっかりと覚えておく必要があるでしょう。

◆ナスに含まれる主な成分

ナスの成分の93%は水分で、ビタミン類はあまり含まれていないそうです。
ナスに含まれているという主な栄養素は以下の通りです。

【ナスの主な栄養素(100gあたり)】

◎エネルギー → 22.0kcal
◎水分 → 93.2g
◎タンパク質 → 1.1g
◎脂質 → 0.1g
◎炭水化物 → 5.1g

◆期待できる効果は?

ナスには、様々な栄養素からの健康面への効果が期待できます。

◎身体の酸化防止に効果的なナスニンが豊富!
ナスの特徴でもある紫色の皮には、「ナスニン」というアントシアニン系の色素が含まれています。
このナスニンはポリフェノールの一種で、身体の活性化酸素を除去するという抗酸化作用があるのです。加熱してもこの働きは衰えないので、料理次第で効果的に、簡単に栄養素を摂り入れることができますね。
老化防止や動脈硬化予防、ガン予防などに効果があると言われています。

◎血圧低下を促すカリウム!
ナスには、カリウムが豊富に含まれています。このカリウムには、身体の中に摂りすぎた塩分を外に排出し、血圧を下げる働きがあるのです。このため、血圧が高めの犬にとっては大きなメリットをもつ野菜だといえるでしょう。
利尿効果により、尿と一緒に身体の老廃物を排出してくれるため、身体を冷やす効果も期待できます。愛犬が夏バテ気味の時には、持ってこいの夏野菜です。尿の少ない愛犬や、糖尿病の予防にも効果的です。
ただし、カリウム制限が必要な個体にとっては注意すべき食材ともなります。その点に関しては、ナスがもつデメリットとして詳しく後述しますので、チェックしてみてください。

◎眼精疲労に効果的なアントシアニン!
ナスにはアントシアニンという栄養素も含まれています。このアントシアニンは、眼精疲労に効果があるといわれているのです。毛細血管を強くしてくれることで、生活習慣病の予防にも効果的だそうですよ。

この他、脳細胞の活性化を促し、認知症の予防効果が期待できるコリンや、便通をよくする食物繊維なども豊富に含まれているナス。
愛犬の健康のためにも、摂り入れたい栄養素がたくさんの魅力的な野菜ですが、与える上では注意すべき点も存在します。
次にナスを与える場合のデメリットを紹介していきましょう。

◆犬にナスを与えるデメリット

魅力的な成分をもつナスですが、上記のようにカリウム制限が必要な犬にとってはデメリットとなってしまいます。
前述したように、ナスはカリウムを豊富に含む野菜です。ナスのカリウムには利尿作用があり、尿と一緒に塩分を外に排出して血圧を下げる働きがあるのです。
しかし腎臓病などを患っている場合、カリウムの量を制限する必要がある個体もいるので、該当する場合は事前に獣医師の指示を仰いでくださいね。
さらに、関節炎を患っている犬もナスは避けた方がよいといわれています。理由としてナスが有する天然毒素のアルカロイドが挙げられているのですが、これに関しては諸説あり、関節炎の炎症とアルカロイドの関係性については科学的に証明されていないのが現状です。
気になる飼い主さんは避けた方が無難かもしれませんね。

◆ナスの種や皮は大丈夫?

ナス特有の栄養素である「ナスニン」は、ナスの皮部分に多く含まれています。
ポリフェノールの1種で抗酸化作用が豊富、ガン・生活習慣病の予防に効果的だといわれるこの栄養素は、ぜひとも愛犬に与えておきたいものの一つです。
せっかくナスを与えるのであれば、やはり皮ごと与えるのが効果的です。
しかし、ナスの皮は固く、犬にとっては消化しにくい部分であることも確か。本来であれば、避けるべき部分だともいえるでしょう。またナスの場合、種を取り除くのは至難の技ですよね。
ナスニンを消化しやすい状態で摂取させるためには、皮を細かく切ったり、しっかり加熱するなどの一工夫を加えることがポイントだといえます。
皮や種、実ごと、ミキサーやフードプロセッサーなどを使用してペースト状にすると、消化に優しい状態で与えられるかもしれませんね。

◆ナスをあげすぎない

ナスには天然毒素のアルカロイドが含まれていることもあり、長期間に渡って大量に食べることで、体調不良を起こす危険性が考えられます。適度な量であれば問題はないので、与える量には注意が必要でしょう。
また、ナスは水分と食物繊維が豊富な野菜でもあります。便通を良くするメリットがある反面、与えすぎると便が緩くなる可能性が考えられるでしょう。犬は人間よりも食物繊維の消化を苦手とする動物です。与える量をきちんと管理することが大切です。以下の目安量を参考にしつつ、愛犬の様子をしっかり観察しながら与えてくださいね。

≪ナスを食べる際の適量/1日当たりの摂取可能目安≫
●超小型犬(2kg程度) → 198g(大1本)
●小型犬(3~5kg程度) → 268~394g(大1.5本)
●中型犬(6~15kg程度) → 452~899g大2~4.5本)
●大型犬(20~30kg程度) → 1115~1512g(大6~8本)
●超大型犬(30~50kg程度) → 1512~2217g(大8~11本)

ナスは脂質・炭水化物が少なく、カロリーの低い食材です。ドッグフードにプラスしてトッピングなどとして与えたり、手作り食の材料やおやつとして活用しやすい野菜だといえます。主成分は水なので、あまり水を飲まない子にはごはんに混ぜたりスープにして、水分補給をさせる目的で利用するのも良いでしょう。暑い季節には熱中症の予防にも繋がります。
与える量をきちんと管理し、効果的に栄養素を摂取させてくださいね。
ただし、おやつは犬の1日の摂取カロリーの20%までが良いとされています。愛犬が適正体重を上回っている場合は、現体重を参考にするのではなく、適正体重に基づいた量を与えることを頭に入れておきましょう。


犬にナスを与える時の注意点

22005132_s

適正量を守ることはもちろん、他にもナスを与える場合には注意点があります。誤った与え方をして体調不良を招かないように、しっかりチェックしていきましょう。

◆ナスがもつ天然毒素に注意する!

犬にとっても良い栄養素を含む有用な野菜であるナスですが、前述したように「アルカロイド」という天然毒素が含まれている食材でもあるのです。犬に与えても良いのは実の部分だけで、葉や茎の部分にはアルカロイドが含まれていると言われています。
アルカロイド系の毒素をもつ野菜でいうと、代表的なものとしてジャガイモが挙げられます。ジャガイモの芽を食べてはいけない、というのは知名度の高い話ですが、これはジャガイモの芽や緑色に変色した皮部分に「ソラニン」というアルカロイド系の毒素が含まれているためです。
ジャガイモと比べてナスは実の部分に毒素は含まれていないのですが、葉・茎の部分にアルカロイドが含まれているため、庭や畑でナスを栽培している家庭では、愛犬が葉や茎をかじってしまわないように十分注意しましょう。
犬がアルカロイドを摂取した場合、下痢・嘔吐などの中毒症状を引き起こす可能性があります。愛犬にナスを与える際には、実のみを与えることを徹底してくださいね。

◆食物アレルギーに注意する!

ナス科の野菜にアレルギー反応を起こす個体も実際にいます。事前にアレルギー検査を受けておくのが一番安心ではありますが、アレルギー検査で問題なくとも、体調の状態で異変が生じる場合もあるでしょう。
初めてナスを与える時は、少量から始めてください。少量を与えて問題が無ければ、少しずつ量を増やしていきましょう。
アレルギー反応による症状としては、下痢・嘔吐・皮膚の痒み・元気消失・目の充血などが挙げられます。
また、既にナス科の野菜(トマト・ピーマン・ジャガイモなど)にアレルギーがある場合は、ナスによってアレルギー反応が起こる可能性がとても高いので、十分気を付けてください。
愛犬に何らかの異変を感じた場合は、一度動物病院を受診してみましょう。

●あわせて読みたい
【獣医師監修】犬にも起こる食物アレルギー!対処法や適切なドッグフードは?

人間社会でもアレルギー症状に悩まされている方は多いでしょう。今やアレルギーという言葉は日常生活でもよく耳にしますよね。犬も人間と同じで、アレルギーに悩んでいる子は沢山います。 今回は、アレルギー症状の中でも「食物アレルギー」にスポットを当て、どのような症状が起こるのか、どう対処したらよいのかをご紹介。アレルギー体質の愛犬に困っている、どんなドッグフードを与えればいいの?と悩んでいる飼い主さん必見です!

記事はコチラボタン


ナスの与え方

4461804_s

与え方を誤ってしまっては、効果的にナスの栄養素を摂り入れることができません。それどころか、体調不良を招く恐れがあるので、しっかり一工夫することを忘れないようにしなくてはいけません。
適量を守ること、アルカロイドが含まれる葉・茎を与えないことを徹底して厳守し、加えて以下のポイントを念頭に置いてください。

◆加熱する

ナスは生のままでも犬が食べられる野菜ではありますが、消化しずらいため、消化器官への負担が大きくなってしまいます。
このため、できるだけ加熱して与えることがすすめられます。
ナスに含まれる栄養素は、加熱によって壊れることはないので、加熱して食べることに向いている野菜だといえるのです。
また油との相性が良い食材でもあるため、揚げる・炒めるなどの調理法を用いることが多いでしょう。ただし、犬に与える場合はカロリーオーバーに気を付けてくださいね。カロリーが心配な飼い主さんには、茹でる・蒸すなどして調理するのがおすすめですよ。

◆皮は付けたままで細かく切る

前述したように、ナス特有の栄養素「ナスニン」は、皮部分に多く含まれています。このため、皮を剥くのは栄養成分を取り逃がすこととなるので、皮ごと与えることが理想的です。
ただし、皮は犬の胃腸に優しいものとはいえません。ナスの皮をつけたまま、細かくみじん切りしたりペースト状にして与えるのが一番のオススメ方法です。


体調を崩した場合の対処方法は?

ナスに限ったことではありませんが、摂取後に愛犬が体調を崩した場合は、一度獣医師に相談することがすすめられます。
大量に食べすぎたことで、下痢や嘔吐を発症している可能性もありますし、アレルギー症状を引き起こしている可能性も考えられます。
動物病院では、どんな食材をいつ、どれだけ食べたのかをしっかり伝えましょう。
嘔吐や下痢をしている場合は、嘔吐物・排泄物を持ち込むと、原因究明やその後の処置に役立ちますよ。


まとめ

お伝えしてきたように、ナスには愛犬の身体にとって魅力的な栄養素がたくさん含まれています。
健康に効果的な働きをもつ食べ物を使ってペットフードに一工夫することで、愛犬の長生きをサポートすることができるのです。
ナスは与える量や与え方をしっかり守ることで、メリットに加えて食事に彩りをもたらしてくれる野菜だといえるでしょう。
調理法やレシピも豊富なので、ネットで記事を探してみるのもおすすめですよ。解説やコメントなどの情報も集めて、愛犬にぴったりの「なすびメニュー」を見つけてくださいね。



– おすすめ記事 –

・愛犬にきゅうりを与えてもよい?そのメリットやデメリットは??
・愛犬ににんじんを与えても大丈夫?!効果や注意点を知ろう!
・じゃがいもは犬が食べても大丈夫?そのメリットやデメリットは?
・愛犬にトマトを食べさせても良い?与え方には注意が必要!


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!


記事に関するお問い合わせはこちら