1.犬用品の洗濯で柔軟剤を使ってはいけない
1-1.香料が含まれている
1-2.犬が好まない香り
1-3.「香害」の症例もある
3.犬用品のニオイが気になる
3-1.犬用品のニオイが気になるのは何故?
3-2.ぬるま湯につける
3-3.60℃以上のお湯で浸け置き洗い
3-4.ペット用の柔軟剤を使用する
4.犬用品の洗濯のやり方
4-1.毛を取り除く
4-2.ペット用洗剤を使用する
4-3.すすぎを1回増やす
4-4.洗濯表示を確認する
4-5.しっかりと乾かす
犬用品の洗濯で柔軟剤を使ってはいけない
まず、知っておいていただきたいのは、犬用品の洗濯に人間用の柔軟剤を使ってはいけないということです。
では、何故使ってはいけないのでしょうか?
◆香料が含まれている
近年、様々な香りの柔軟剤が流行っています。香りが長続きすることなどが、人気の理由のようです。
この香りは柔軟剤に含まれる「香料」によるものですが、香料とは化学的に合成または抽出された化学物質のことです。
香料には、揮発性のアルコール類やアルデヒド類、芳香性エステル、合成ムスク、天然植物由来のエッセンシャルオイルなどがあります。
これらの物質には、犬にアレルギーや皮膚障害を起こす物質が含まれている可能性があるため、注意が必要です。
◆犬が好まない香り
犬に限らず、嗅覚に優れた動物は刺激臭が苦手と言われています。具体的には、酢、柑橘類、香辛料、香水、シップなどのメントール、タバコなどです。
香水や柑橘類のように飼い主さんには良い香りであっても、犬にとっては嫌な臭いに感じられるものも少なくないと言えます。
柔軟剤にも、香水のような香りや柑橘類の香りのものは少なくないので、気をつけてあげたいですね。
◆「香害」の症例もある
香りの強い商品が増えるにつれ、「香害」という言葉を見聞きすることが増えました。
香害とは、香りが長く残る柔軟剤や消臭除菌スプレー、家庭用洗剤などによる健康被害のことであり、化学物質過敏症の一つと考えてよいでしょう。
主に人の健康被害として訴えられる香害ですが、人間より小さな体の犬や猫はより香料などの影響を受けやすいです。SNSなどでの口コミのほか、2019年には獣医師専門誌に症例が掲載されており、軽視することはできません。
これらの症例では、香りが長く残る柔軟剤を使い始めて数日で飼い猫の体調が悪くなって受診、使用をやめたところ症状が改善したというものや、柔軟剤と香り付きの消臭除菌スプレーを使用していて、飼い犬が呼吸困難の発作などを繰り返して受診、使用をやめると症状がすべて消えたというものなどです。
香り付きの商品の使用をやめると症状が改善したり消えたりしていることから、香料との因果関係は強いと推測されます。
犬が柔軟剤や洗剤を誤飲してしまった
柔軟剤や洗剤の容器を倒して、こぼれたものを舐めてしまったり、シートタイプのものを食べてしまったりと、誤飲事故の危険性は少なくありません。
第一に、柔軟剤や洗剤を犬が届く範囲に置かないことが大切ですが、思わぬことで誤飲してしまう可能性を完全に排除することは難しいですね。
ここでは、柔軟剤や洗剤を誤飲してしまった場合の対処法をご紹介します。
◆対処法
洗剤の誤飲の対処法
少しの量の誤飲であれば、問題になることはほとんどないと言われています。トイプードルやチワワなど小型犬でも、小さじ1杯ほどの量であれば、特に心配する必要はないそうです。
しかし、誤飲した量が多ければ、中毒症状を起こすことがあります。
中毒症状としては、
・よだれ
・嘔吐
・痙攣
・呼吸困難
などがあります。
大量に誤飲した場合や、不安な場合には、念のため動物病院で診察を受けることをおすすめします。
中毒症状は、誤飲して15分~1時間ほど経ってから出始めることが多いので、誤飲した後はよく犬の様子を観察するようにしましょう。
柔軟剤の誤飲の対処法
柔軟剤には陽イオン界面活性剤が含まれているため、誤飲すると胃や腸が炎症を起こす可能性があります。
症状としては、
・よだれ
・嘔吐
・口腔や食道の潰瘍
・発熱
などが挙げられます。
応急処置として、粘膜を保護するために水を飲ませます。その後、すみやかに動物病院を受診してください。
すぐに症状が出なくても、少し経ってから容体が急変することもあり得ます。症状がなくても、必ず獣医師さんに診てもらってください。
犬用品のニオイが気になる
犬用品は、どうしても犬特有のニオイが気になってしまいますね。
ここでは、ニオイが気になる時の洗濯方法をご紹介します。
◆犬用品のニオイが気になるのは何故?
犬に限らず、ペットには独特のニオイがありますが、これは、ペットの皮脂に菌が繁殖してしまって発生しています。特に犬は、脂っぽい汗をかくため、体臭が強くなります。
ペットの皮脂は人の皮脂とは異なるため、人用の洗剤では落としにくいです。ペット用の洗剤や柔軟剤を使うことをおすすめします。
◆ぬるま湯につける
汚れやニオイが強い場合には、浸け置き洗いをしてみましょう。
ぬるま湯にペット用の洗濯洗剤を適量入れて、揉み洗いします。そのまま30分~1時間ほど浸け置きをしてから、手洗いまたは洗濯機で仕上げ洗いをします。
◆60℃以上のお湯で浸け置き洗い
衣類などは、洗濯しても犬独特のニオイが残りがちです。
この場合、60℃以上のお湯で浸け置き洗いをしてみましょう。ただし、色落ちしたり生地が傷んだりすることもあるため、注意が必要です。
60℃以上のお湯にペット用の洗濯洗剤をいれて、30分~1時間ほど浸け置きをしてから揉み洗いをします。手洗いまたは洗濯機で、仕上げ洗いをします。
◆ペット用の柔軟剤を使用する
人用の柔軟剤は、犬にとって良くない成分が含まれていますが、ペット用に開発されたものであれば安心して使えます。
ペットの布製品専用 抗菌仕上げ柔軟剤 360g
ペット用のタオルやマット、毛布、洋服、ベッド、ハンモックなどの布製品に使用できる柔軟剤です。
人用の柔軟剤と異なり、微香性でワンちゃんにもやさしいです。また、香りはグリーンフローラルのマイルドなものなので、飼い主さんも気持ちよく使えます。
洗濯機の柔軟剤投入口に入れて使えるため、特別な手間もかかりません。
ニオイの原因となる雑菌の繁殖を99%以上抑制するので、犬独特のニオイをしっかり防ぎ、清潔も長続きします。
アレルゲン物質となるダニなどの付着を99%以上防ぐ静電気防止効果があり、この効果で毛の付着も防ぐことができます。
成分はペットに優しいものなので、もしワンちゃんが舐めてしまっても安心です。
さらに効果がアップするので、「ペットの布製品専用洗たく洗剤」とセットで使用することをおすすめします。
犬用品の洗濯のやり方
ここでは、犬用品の洗濯のやり方について、ポイントをご紹介しますので参考にしてみてください。
◆毛を取り除く
犬用品には、抜け毛が付着しています。
抜け毛は、洗濯機が故障する原因になりやすいので、粘着テープなどを使用して洗濯前に取り除いておきましょう。
◆ペット用洗剤を使用する
犬用品の洗濯には、必ずペット用の洗濯洗剤と柔軟剤を使用します。
人間と犬では、汚れやニオイの成分が異なります。特にペットの皮脂は人の皮脂と異なり、蝋のように固まってしまいます。このため、ペット用に開発されたものの方が、汚れやニオイをよく落とすことができるのです。
人用の洗剤では犬独特の汚れやニオイが落ちないことがあり、これに香料の入った柔軟剤を使うと、残ったニオイと柔軟剤の香りが混ざって嫌なニオイになることもあります。
◆すすぎを1回増やす
洗濯洗剤や柔軟剤のすすぎ残しは、犬のアレルギーや皮膚炎を引き起こす恐れがあります。
手洗いの場合は、流水ですすぎ洗いをしましょう。洗濯機を使う場合には、すすぎの回数を1回増やすのがおすすめです。
◆洗濯表示を確認する
洗濯前に、洗濯表示を確認しましょう。
犬用の服やブランケット類は、水洗い可のものがほとんどです。
基本的には手洗い表示がされているものが多いですが、洗濯ネットに入れ、ドライ洗剤やおしゃれ着洗い機能を使うと洗濯機で洗っても傷みにくいです。
犬用のベッドは、水洗いできないものが多いですが、手洗い可のものであれば、タライや浴槽で洗うとよいでしょう。大きなものは、踏み洗いをすると汚れや洗剤の落ちがよくなります。
◆しっかりと乾かす
犬用品は、生乾きになると雑菌が繁殖しやすく、異臭の原因にもなります。
よく晴れた日に洗濯して、風通しの良い場所で陰干ししましょう。直接日光に当てると、生地が傷みやすいです。
まとめ
犬用品の洗濯には、人用の柔軟剤ではなく、ペット用の柔軟剤を使いましょう。
人と犬では、ニオイや汚れの元である皮脂が異なるため、人用の洗濯洗剤と柔軟剤では、十分にニオイを落とすことができません。
さらに人用の柔軟剤に含まれる香料は、犬にアレルギーや皮膚炎を引き起こす可能性があります。また、嗅覚のすぐれた犬が好まない香りの場合も多く、ストレスの原因となることもあるので注意が必要です。
もし、愛犬が柔軟剤を誤飲してしまったら、症状が出ていなくても動物病院で診察を受けてください。柔軟剤に含まれる界面活性剤は、胃や腸に炎症を起こしたり、口の中や食道に潰瘍ができたりする原因となります。
ペット用の洗濯洗剤と柔軟剤は、ペットショップやホームセンター、インターネットで購入することができます。使い方も、人用の柔軟剤と同じ商品がほとんどで、特に手間が増えるということもありません。
飼い主さんもワンちゃんも気持ちよく過ごすために、犬用品の洗濯にはペット用の製品を使用するようにしてくださいね。
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