1.犬に昆布を与えてもいいのか
1-1.与えても良い
1-2.効果
2.昆布に含まれる栄養素
2-1.水溶性食物繊維
2-2.ヨウ素
2-3.ミネラル
2-4.ビタミンK
5.犬に昆布を与える際の注意点
5-1.与えすぎに注意する
5-2.アレルギーに注意
5-3.持病のある犬
5-4.おしゃぶり昆布(乾燥昆布)NG
犬に昆布を与えてもいいのか
早速ですが、昆布と犬の相性について結論をお教えします!
◆与えても良い
昆布は数ある食材の中でも、犬に与えても良い食材の一つです。
昆布は人間の健康食品としてよく知られている通り豊富な栄養素を含んでおり、犬の健康においても様々な効果をもたらしてくれるのです。
◆効果
昆布に含まれている水溶性食物繊維には、人間だけでなく犬の整腸作用や便秘解消を促す効果があることが知られています。
加えて、昆布には海藻類特有のヨウ素という栄養素が豊富に含まれています。
ヨウ素はあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、甲状腺に取り込まれることで甲状腺ホルモンを合成し、身体の新陳代謝を促す効果が期待できる、とても大切な栄養素です。
さらに、昆布にはカリウムやナトリウムといったミネラルも数多く含まれています。
これらのミネラルは体内の塩分量を適度に調節するのに役立ちます。
他にも、昆布には血液や骨の生成に必要不可欠なビタミンKも多く含まれています。
これら多くの栄養効果を持つ昆布は、犬に与えても人間と同様のメリットが期待できるのです。
昆布に含まれる栄養素
ここでは先にも述べた昆布に含まれる栄養素について、より詳しくみていきましょう。
◆水溶性食物繊維
食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の2種類に分かれます。
昆布に含まれる水溶性食物繊維は、粘着性があり腸内をゆっくり移動することから、糖質の吸収を抑えて食後血糖値の急激な上昇を防ぐ働きを持ちます。
また、水溶性食物繊維は吸着性が高く、小腸でコレステロールや胆汁酸を吸収して体外に排泄するのを助けます。
しかしながら、犬は繊維質の多い食材の消化が苦手な傾向にあるため、水溶性食物繊維を含む昆布は与え過ぎないように注意する必要があります。
◆ヨウ素
昆布、わかめ、海苔などの海藻は、ヨウ素(ヨード)と呼ばれる栄養素が多く含まれています。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの主成分となり、交感神経に働きかけて体内の基礎代謝を促す効果があることで知られています。
運動量を必要とする犬にとって基礎代謝を促すことは人間以上に大切なことだと言えるでしょう。
◆ミネラル
昆布にはカリウムやナトリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
ナトリウムやカリウムは体内の塩分量を調節し、水分バランスを維持する働きを持つほか、細胞外液量や循環血液の量を維持することで血圧を調節する効果もあります。
しかしながら、ミネラルを多く含む食品を過剰に摂取してしまうと、それが結晶化して尿結石の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
◆ビタミンK
ビタミンKには血液を凝固させる働きがあることから、「止血のビタミン」と呼ばれています。
加えて、カルシウムが骨に沈着する際に必要なたんぱく質を活性化させる働きも持っています。
ビタミンKは骨と血液の健康維持に必要不可欠な栄養素なのです。
昆布の与え方
数多くの栄養素を豊富に含み、人間だけでなく犬にも多くの効果をもたらす昆布ですが、水溶性食物繊維を多く含んでいるため摂りすぎると下痢や嘔吐の原因となってしまいます。
そのため、犬に与える際には適量を守らなければなりません。
ここでは、犬に昆布を与えるやり方についてみていきましょう。
◆適量
犬に昆布を与える際は、適量を守ることが大切だと説明しました。
豊富な栄養素を含む昆布ですが、犬に必要な栄養素のほとんどは毎日のドッグフードでカバーできるため、実は栄養摂取を目的として犬に昆布を与える必要はありません。
あくまで補助食品としてとして与えることを考えると、ドッグフードを含む1日の食事量の10%程度が適量だと言われています。具体的な量は、犬のサイズや体重によって異なります。
超小型犬の場合
ヨークシャーテリアやマルチーズ、チワワ、ポメラニアン、マメシバやトイプードルなどの犬種は、体重4kg以下の超小型犬に分類されます。
超小型犬の食事量は、1日あたり100g〜200gと言われているため、昆布などの副食を与える場合は水で戻した状態で10〜20g/日を目安にしましょう。
小型犬の場合
パグやミニチュアシュナウザー、ミニチュアダックスフンド、狆(チン)、ペキニーズ、ボストンテリアやシーズーなどの犬種は、体重が10kg以下の小型犬に分類されます。
小型犬の食事量は1日あたり300g〜500gが適量と言われているため、昆布などの副食は30g〜50gを目安に与えましょう。
中型犬の場合
日本スピッツやボーダーコリー、ブルドッグやフレンチブル、バセットハウンド、ビーグル、テリアなどの犬種は、体重25kg以下の中型犬に分類されます。
中型犬の食事量は1日あたり500g~1000gなので、副食量の目安は50g~100gが適量と言えます。
大型犬の場合
ラブラドルレトリバーやゴールデンレトリバー、秋田犬、セントバーナード、ダルメシアン、ドーベルマンなどの犬種は、体重25kg以上の大型犬に分類されます。
大型犬は1日あたり1000g以上の食事を与える必要があるため、昆布を含む副食は100g前後が目安と言えます。
子犬は注意が必要
子犬はまだ消化器官が十分に発達していないため、昆布を与える際は注意が必要です。
成犬でも水溶性食物繊維を多く含む昆布を摂取しすぎると、下痢や嘔吐などの消化不良を引き起こしてしまいます。
子犬に昆布を与える場合は、サイズや体重にかかわらずほんの少しの量に抑えましょう。
◆小さく切る
大きいサイズの昆布をそのまま犬が丸飲みしてしまうと消化不良につながります。
そうならないように、犬に昆布を与える時には小さめのサイズにカットするなど食べやすい状態にして与えてあげましょう。
特に、乾燥昆布には注意が必要です。
硬い乾燥昆布をそのまま犬に与えてしまうと、犬の喉を傷つけてしまう恐れがあります。
柔らかくなるまで煮てからあげるなどの工夫も必要になります。
また、煮た昆布をあげる際には、犬がやけどしてしまわないように、必ず適温に冷ましてからあげるようにしてくださいね。
とろろ昆布やだし汁は犬に与えてもいいのか
これまで普通の昆布は犬に与えても良いことが分かりましたが、とろろ昆布や昆布のだし汁はどうなのでしょうか。
とろろ昆布は基本的に犬に与えても問題ありません。
しかし、商品によってははちみつや砂糖、食塩などで味付けされているケースがあります。
犬によっては、はちみつに含まれるボツリヌス菌に対して中毒症状が出る場合があるため、味付けられたとろろ昆布を与えるときは必ず少量に留めましょう。
不安な場合は与えることを避けるのがベターです。
だし汁は、調味料や香辛料が含まれていない無塩昆布からとったものであれば犬に与えても問題ありません。
タコやイカなど、犬にとって危険な食材と一緒に煮ていないか、内容に気をつけましょう。
昆布からとった出汁はドッグフードにトッピングして与えてあげるのがおすすめです。
犬に昆布を与える際の注意点
犬に昆布を与えるときには、何よりもまず味付けされていない無塩昆布を選ぶことが大切です。
調味料や添加物が使われている昆布は、犬に与えると塩分過多となる恐れがあります。
そのほか、飼い主さんとして注意してほしいのが以下の4点です。
◆与えすぎに注意する
繰り返しになりますが、昆布を犬に与えるときは、犬のサイズに応じた適切な量を守るようにしましょう。
昆布は水溶性食物繊維を多く含むため、過剰摂取をすると嘔吐や下痢などといった消化不良を引き起こしてしまいます。
犬の健康を思ってした行動がかえって体調に悪影響を及ぼすことがないように、注意する必要があります。
◆アレルギーに注意
犬は昆布を含め特定の食材にアレルギー反応を示す場合もあります。
万が一、昆布を与えた後に下痢、嘔吐、発熱、元気がない、皮膚のかゆみ等の異変が見られる場合は、すぐに動物病院で適切な治療を受けることをおすすめします。
昆布に限らず、新しい食べ物を与える際には、与えた後に犬の様子に異変がないかしばらく観察することが大切です。
◆持病のある犬
もし愛犬が腎臓に疾患を持っていたり、過去に尿路結石になったことがあったりする場合には、昆布は与えない方が良いかもしれません。
昆布に含まれるカリウムやナトリウムなどのミネラルは、そうした疾患を持っている犬にとっては負担となってしまいます。
◆おしゃぶり昆布(乾燥昆布)NG
昆布の中でも、おしゃぶり昆布は犬に与えるのに適していないため注意が必要です。
おしゃぶり昆布は砂糖や醤油などで味付けされた昆布を指しており、犬にとっては塩分や糖分の過剰摂取となります。
そのため犬に昆布を与える時にはおしゃぶり昆布ではなく、味のついていない無塩昆布を選びましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、犬と昆布について徹底解説しました。
昆布には、これまで愛犬に昆布を与えるなんて考えたことのなかった飼い主さんも「与えてみよう!」と思うような魅力が豊富にあったのではないでしょうか。
与え方に十分に配慮し、適切な量で与えれば、昆布は犬にとっても素晴らしい食材です。
ぜひ、この記事を参考にして、愛犬の昆布デビューを検討してみてくださいね!
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