犬が前足を出してちょいちょいするのはなぜ?
愛犬がみせる行動の一つに、飼い主さんに向かって前足を「ちょいちょい」と上下させたり、その前足でタッチしてくるような仕草があります。
上目遣いで前足を動かすこの様子はとても可愛らしく、何かを訴えてきているようにも見えますよね。実はこの行動、犬たちがきもちを示すための手段の一つなのです。
人間に対する愛情表現や催促・不安など、そこには愛犬のさまざまな表情や家族への大好きの気持ちが秘められているかもしれませんよ。
どんな意味があるのかを知ることで、愛犬との暮らしに笑顔が増えることは間違いないでしょう。それでは、前足をちょいちょいする理由にはどんなものがあるのか、紹介していきましょう。
犬が前足を出してちょいちょいする理由
犬が前足をちょいちょいする理由は一つではありません。愛犬にこの行動が頻繁に見られる、と感じる飼い主さんも多いと思いますが、いつも同じ理由から何かを要求しているわけではないのです。
前足をちょいちょいする行動から考えられる理由を挙げていきますので、愛犬の気持ちをよく理解するためにもしっかりチェックしてみてください。
◆構ってほしい
愛犬が構ってほしくて、前足をちょいちょいしている可能性があります。飼い主さんや家族と一緒に遊びたくて、このような行動をしている場合があるのです。特に人間が大好きな子には、よくみられるかもしれませんね。
いつも一人遊びでは飽きてしまいますし、飼い主さんに構ってほしい、自分に注目して欲しい、といった気持ちからみられる行動だといえるでしょう。
犬は賢い動物です。過去に前足をちょいちょいした際に、飼い主さんが注目してくれたり、遊んでくれたといった、良い思い出があるのでしょう。その嬉しい経験を覚えているからこそ、繰り返しこのような行動をみせてアピールしてくるのです。
◆甘えたい
甘えたい感情を、前足をちょいちょいすることでアピールしている場合もあります。
基本的に犬は、飼い主さんや家族のことが大好きですよね。特に母犬から離れて子犬の頃に家族として迎え入れた子であれば、母犬に対するように甘えたいと感じているのかもしれません。
頭を撫でれば満足する子もいれば、いつまでもベタベタしてくる子もいます。甘えたいレベルは個体や性格によってそれぞれですので、その子のタイプに合わせて可能な限り甘やかしてあげましょう。飼い主さんの愛情を愛犬に伝えることも、信頼関係を築く上でとても重要なことです。
◆ごはんや散歩の催促
ごはん・散歩などを催促する時に、前足ちょいちょいを使う子も多いです。
食事や散歩の大体の時間帯を覚えていて、早く食べたい!早く行きたい!というアピールの手段としてこの行動をとっているのでしょう。
ごはんやおやつの場合は、お腹が空いて待ちきれないために、飼い主さんに「そろそろ時間だよ!」と食べ物が欲しいことを訴えているのかもしれませんね。催促の仕方があまりにエスカレートして問題だと感じる場合はきちんとしつける必要がありますが、一度、食事量が適切であるかを確認してみるのも良いでしょう。おやつなどの催促でカロリーが気になる場合は、代わりに野菜を与えるなどして対応するのもOKですよ。
また散歩も食事同様、ほとんどの犬にとっては楽しいイベントの一つです。散歩の時間帯がいつも同じであれば、愛犬がその時間帯を覚えることも珍しくありません。また時間に限らず、飼い主さんの動きから散歩に行くことを察する子も多いです。散歩の準備に気付いて、前足をちょいちょいしてくる愛犬も沢山いるでしょう。リードを持っただけで興奮して吠えてしまう子も中にはいますが、その点は近所迷惑を回避するためにも、しっかりし付けておきましょう。
アピールされても、日によっては散歩に行けない場合もあると思います。そんな時は撫でたり室内で遊んであげるなどして、気を紛らわせてあげてください。愛犬のサイズや犬種によって差はありますが、散歩ができない日が続くと犬のストレスが溜まってしまいます。他の方法でストレスを発散させる必要があるのです。小型犬であれば、おもちゃなどを利用した室内遊びでも十分運動やストレス発散ができますので、しっかり対処してあげてくださいね。
◆不安がある
前足でちょいちょいする行動は、不安を感じている時にもみられる場合があります。例えば雷が苦手な子であれば、雷の音に驚いてこの行動を見せることがあるでしょう。
犬は普段と違う様子を、敏感に察知する動物です。不安な気持ちを伝えたくて前足をちょいちょいとしてくる場合は、愛犬の不安を軽減させられるように、できる限り安心させてあげてくださいね。
不安な状態が長い時間続くと、それはストレスの原因ともあります。優しく声を掛ける、撫でたり抱っこをしてあげるなどして、愛犬が訴えてきた不安を受け止めて対処してあげましょう。
犬が前足を出してちょいちょいされた場合どうすればいい?
犬のこの行動はほとんどの場合、何かを要求している時にみられます。
前足をちょいちょいされた時にどう対応すればよいか迷ってしまう方もいるかもしれませんが、応えられる要求であれば、基本的に応えてあげてよいと言えるでしょう。特に不安が原因であれば、いち早くそれを取り除いてあげる必要がありますよね。
しかし、食べ物やおやつを要求している場合は、飼い主さんがきちんとその量を管理しなくてはいけません。おやつなどを与えすぎると、肥満の原因ともなり、健康被害を招く可能性があります。
愛犬が何を訴えているのか、愛犬の目線になってまずはその意味を探ることが大切です。それが対応可能なことであれば応えてあげましょう。
ただし、要求に応じる場合にも注意点はあります。その点についても解説していきますので、しっかり覚えておきましょう。
前足でちょいちょいされた時の注意点
飼い主さんからすると、愛犬の前足ちょいちょいの仕草はとても可愛く感じる行動の一つでしょう。
前述したように、要求によっては応えてあげるべき場合があります。
しかし、応じる際には以下の内容に注意して、上手にコミュニケーションをとる必要があるのです。
◎大型犬の場合は怪我などに注意!
小型犬と大型犬では、力の強さが全く違います。ポメラニアンや柴犬などの小・中型犬ほどのサイズの子が前足をちょいちょいするのと、バーニーズなどの大型犬種がするのでは、その強さが違うことが容易に想像できるでしょう。
愛犬が大型犬の場合、本人に悪気はなくとも前足をちょいちょいするだけで、人間に怪我をさせてしまう可能性があるのです。中には力加減が上手にできない子もいるでしょう。特に子供や来客が相手の場合は注意が必要です。
この行動を完全に止めさせることは難しいですが、普段から飼い主さんのコマンドに従うようにしつけをしておくことで、他の人に怪我をさせることを防ぐことができます。
愛犬が興奮して我を忘れないように、コントロールできる状態を保つことが大切ですね。
◎要求によっては無視をすることも大切!
散歩やごはんの催促が目的で何度も前足をちょいちょいしてくる場合、この行動が激しくなったりエスカレートしてくると危険信号が灯っていると考えましょう。後に吠えるなどの問題に繋がる恐れもあります。
愛犬が問題行動によって不当な要求をしてくる場合は、すぐにそれを止めさせる必要があるでしょう。そのまま要求に応え続けてしまうと、飼い主さんの言う事を聞かない子になってしまうかもしれません。
愛犬が激しく要求をしてくる時は、無視をすることも大切なのです。いけない行動やダメな事をしても、要求は通らないということを教えてあげなくてはいけません。
まとめ
犬の行動には必ず意味があります。自分の気持ちをどう伝えるかを考えた結果、様々な行動の選び方で飼い主さんに思いを伝えようとしているのでしょう。そう考えると、とても愛らしく幸せな気持ちになります。
今までこの行動の意味を考えたことがなかった方も、2021年を振り返ってみてください。愛犬は毎日、あなたになんらかのアピールをしていたかもしれません。
前足をちょいちょいする仕草を見たことがないという方は、愛犬家さんの体験談やペット系相談室などのアンケート記事、写真や動画などを探してみるのがおすすめです。専門家や獣医師の監修記事も参考になりますよ。
愛犬からの人気を得るためには、日々観察し、些細な変化に気付けるように一緒に時間を重ねていくことがコツでもあります。そうすることで、愛犬の体調の不調にいち早く気付けるようにもなるでしょう。年齢と共に訪れる免疫力の低下や、皮膚の病気による匂いの変化など、日々のコミュニケーションから気付けることも沢山あるのです。愛犬の身体に異変を感じた場合は、できるだけ動物病院を受診して先生に相談してみてくださいね。
愛犬との生活には、苦労も沢山あるでしょう。トイレやシャンプーなどのお世話はもちろん、しつけが上手くいかないことで落ち込む日もあるかもしれません。
しかし、幸せな時間も数えきれない程得られます。そのためにも、愛犬の気持ちをしっかり理解することが大事なポイントとなるのです。
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