1.犬がひとり遊びをするメリット
1-1.ストレスが少ない
1-2.留守番が得意になる
1-3.飼い主の時間の自由が増える
2.犬のひとり遊びの種類
2-1.穴を掘る
2-2.床にゴロゴロする
2-3.走り回る
2-4.噛む
2-5.おもちゃで遊ぶ
3.犬にひとり遊びをさせる際の注意点
3-1.ぬいぐるみや破壊しそうなもの
3-2.おもちゃのサイズ
3-3.すぐに水分補給ができる環境
3-4.おもちゃに執着させない
4.犬のひとり遊びにおすすめのおもちゃ
4-1.クランチコア・ボーン
4-2.JOYSele音のなるテニスボール
4-3.プラー
4-4.コング
犬がひとり遊びをするメリット
◆ストレスが少ない
散歩やドッグランで犬同士で遊ぶのは良い運動になります。ですがおもちゃの取り合いやケンカが起きてケガをするかもしれません。またあまり社交的でない犬にとっては仲間に入れずかえってストレスになることもあります。ひとり遊びならおもちゃを誰かに取られる心配はなく、ケガをする可能性も低くなります。
家の中で遊ぶとなると狭くなってしまいますが、時間が長ければ犬も体力を消耗します。ストレスが溜まりにくくなり、家具をかじる、無駄吠えなどの問題行動も起こしにくくなります。
◆留守番が得意になる
留守番をさせると部屋を散らかしている、日用品を壊しているという犬は多いです。これらはひとりになった寂しさや退屈しのぎが原因と考えられます。留守番中に遊ぶものがあれば犬は気が紛れ、イタズラをすることもなくなります。
飼い主さんはすぐ帰ってくるつもりで家を出ても、思いのほか長時間の外出になってしまったということはあります。そんなときでも近くにあるおもちゃで遊ぶ習慣があれば、飼い主は安心して家に帰れますね。
◆飼い主の時間の自由が増える
犬を飼うと毎日散歩に行くことになり、飼っていない人より忙しくなります。散歩だけでなくいけないことはダメとしつけもしなければいけません。忙しさやしつけが上手くいかないなどが続くと、人によってはノイローゼになってしまうこともあります。人間の子育てに起こるものと思われがちですが、犬を育てていても起こります。
上手くいかないことがあってもひとり遊びができる犬なら、飼い主の自由時間ができて負担が減ります。気持ちに余裕ができると良いしつけもできるようになります。
犬のひとり遊びの種類
◆穴を掘る
犬の祖先は生活するうえで穴を掘る機会がたくさんありました。土の中にいる獲物を狩る、寝床を作る、食べ物を隠すなどです。現在の犬がソファなどを掘るのはこの行動の名残とされています。穴掘りによって犬は安心感を得たり、ストレスを解消したりすることができます。
近年は穴掘りに近い動作ができる知育玩具が販売されています。おもちゃの中におやつをいくつか隠し、犬はニオイでおやつを探して取り出すという遊び方です。嗅覚だけでなく前足や口を使うので犬は頭脳を必要とします。
◆床にゴロゴロする
床や地面で寝転がって体を汚す犬はたくさんいます。犬の祖先は狩りをする際、獲物に気づかれないように地面でゴロゴロして自分のニオイを消していました。本能的に自分のニオイを消して周囲に溶け込むと落ち着くのです。人間もどうしようもないときに床や布団に寝転がって手足をバタバタさせることがありますね。犬もゴロゴロすると精神的に落ち着くと考えられます。また人間の嫌う腐ったニオイは犬にとって良いニオイです。良いニオイに包まれ背中を掻くこともできて犬はリラックスしています。
◆走り回る
犬は走ることが大好きです。広い場所でノーリードにするととにかく走り回ってしまう犬は多いと思います。何もなくても楽しめるのは飼い主にとっても嬉しいですね。犬は人間と暮らすようになっても狩猟犬や牧羊犬など、走ることを仕事に改良されてきた犬種がたくさんいます。そのため走ることでストレス発散ができ、走りやすい筋肉のつき方をしている犬が多いです。家の中で走り回ることは難しいですが、なるべく全身を使うおもちゃを与えてあげましょう。
◆噛む
犬はものを噛むのがとにかく好きです。犬に家具をかじられるのはどの飼い主も経験すると思います。人間も小さい子どもが文房具をいじって壊すことがあります。犬にとって口は手と同じなので、暇つぶしに遊んでいるような感覚なのでしょう。
現代の犬はオオカミよりも体が小さく、見た目もかなり穏やかになっている犬が多いです。しかしどの犬にも狩猟本能が残っており、噛むことで欲求が満たされ、不安を解消することができます。残っている本能を利用したおもちゃで遊ぶと犬は非常に満足できます。噛むおもちゃには歯磨き効果がある素材でできているものもあります。歯磨きが苦手な子にはとてもおすすめです。
◆おもちゃで遊ぶ
飼い主と一緒に遊ぶタイプ、犬だけで遊ぶタイプものがあります。犬だけで遊ぶものは留守番のときに便利です。噛むと音が鳴るもの、噛み心地を楽しむものなら犬はすぐに遊び方がわかります。
ただし知育玩具の場合は与えても犬は遊び方がわからないので、最初は飼い主さんが一緒に遊んでください。中におやつを入れて犬に出させるものが多く、まずはここにおやつがあるよと教えます。これに蓋をするよ、こうやって出すんだよと難易度を上げて教えていきます。犬が理解できたらその都度褒めてあげます。遊び方をマスターしたら留守番の前におもちゃをセットし、飼い主は安心して外出できるようになります。
犬にひとり遊びをさせる際の注意点
◆ぬいぐるみや破壊しそうなもの
犬の噛む力はとても強いので、おもちゃは必ず壊れます。おもちゃの破片を誤飲する事故は多く、窒息や胃腸を傷つけて死亡する危険性があります。人間の子ども用のぬいぐるみがあるから使いたいという人もいますが、丈夫な素材でできている犬用をおすすめします。
飼い主が見ているときは取り上げることができますが、犬だけのときは危険です。知育玩具は時間をかけて楽しむものが多いですが、犬が夢中になってしまうと破壊してしまい、事故が起きる可能性があります。壊れそうだと感じたら長時間与えるのは避けましょう。
◆おもちゃのサイズ
チワワのような小型犬に大きなおもちゃを与えても楽しめません。反対に大型犬に小さなおもちゃを与えると誤飲してしまう危険性があります。犬用のおもちゃにはS・M・Lサイズや小・中・大型犬といった種類があるものが多いです。犬の大きさについてのはっきりとした定義はありませんが、小型犬は体重10㎏未満、中型犬は25㎏未満、大型犬はそれ以上としています。購入の際には商品詳細をよく読み、愛犬に合ったおもちゃを選んでください。
◆すぐに水分補給ができる環境
犬の飲み水は常に置いておくことが多いと思います。だいたい体重15㎏から1日に1ℓ以上の水分補給が必要です。これは目安で季節によって気温が高くなったり、運動して体温が上がったりすると更に多くの水分が必要になります。飼い主が家にいるときは飲み水がなくなったら足すことができますが、留守番をさせる際には多めに用意しておかなければいけません。
遊んで興奮してくると、人間と同じで犬も喉が渇きます。体温が上がるだけでなく夏は留守中に室温が高くなってしまうことがあるので、犬の飲み水は余分に用意しておいてください。容器が小さい場合は複数用意しても良いでしょう。
◆おもちゃに執着させない
犬がおもちゃを気に入ってくれるのは嬉しいですが、片付けるから取り上げようとすると唸って渡さない犬がいますね。犬は生後半年くらいから思春期になり、飼い主に反抗するようになります。他にも小さい頃は好奇心旺盛だったのに犬や人を警戒するようになるなど変化があります。
口に咥えたものを離す「ちょうだい」は犬に覚えさせるべきコマンドのひとつです。危険なものを咥えてしまったとき「ちょうだい」をしてくれれば飲み込まずに済みます。子犬時代にきょうだいでごはんやおもちゃの取り合いをしていたらおもちゃへの執着心が強いかもしれません。体力のある犬からおもちゃを取り上げるのは大変ですが、誤飲などの事故を防ぐためにも遊び終わったらおもちゃは片付けましょう。
また飼い主と一緒に遊ぶときは、犬が興奮してきたら休憩させるようにしてください。興奮すると犬は力が入ってしまい、うっかり飼い主を噛んでしまうという事故が起こることがあります。相手は動物なのでケガには注意してください。
犬のひとり遊びにおすすめのおもちゃ
◆クランチコア・ボーン
噛むとペットボトルのような音がするおもちゃです。ペットボトルの硬さが好きな子におすすめで、犬の大好きな噛みたい欲求を満たすことができます。留守番に使えて長時間遊べるおもちゃですが大型犬はすぐに破壊してしまうようです。
◆JOYSele音のなるテニスボール
2個セットになっています。飼い主と一緒のときにはレトリーブやちょうだいのトレーニングもできます。飼い主はボールを手に1個ずつ持ち、どちらかを投げて犬に取ってこさせます。犬が取ってきたらもう1個を犬に見せ、興味を示したらボールを投げます。犬は投げたボールを取ってくるために必然的に咥えているボールを離すようになります。
ボールが好きな犬なら留守番中に噛んだり転がしたりするだけで退屈しのぎができます。大型犬は噛んでボールを破壊し、誤飲する可能性があるので注意が必要です。
◆プラー
レトリーブやひっぱりっこができるおもちゃです。ドーナツ型なので咥える部分が多く、水にも強い軽くて丈夫な素材でできています。歯型はつきますが割れにくいので力が強い子にもおすすめです。大きさの種類も豊富です。
◆コング
ロングセラーのおもちゃです。巻き貝のような形状で不規則に転がり、ゴム製で丈夫です。中に小さいおやつやフードを入れ、転がして出てくるようにすると長時間楽しめます。子犬用からシニア用まであり、大きさの種類も豊富です。
まとめ
おもちゃで遊ぶことによって運動不足解消、トレーニング、コミュニケーションがとれるなどたくさんのメリットがあります。ですが犬によってはおもちゃにあまり興味がない子もいます。破壊や無駄吠えなどの問題行動がなければ、一人遊びができないからといって心配する必要はありません。そのような子は散歩に行けるときによく運動させ、ストレスを溜めないようにしてあげてください。