1.犬は畳の部屋がある家で飼える?
1-1.畳の特徴
3.犬を畳の部屋で飼うデメリット
3-1.粗相
3-2.畳を傷つける
3-3.畳を食べる
犬は畳の部屋がある家で飼える?
ペットと生活する上で、愛犬と飼い主さんの両者が快適に過ごすためには、室内環境を整える必要性があります。
例えば、家具へのイタズラやトイレ以外での粗相、思いっきりスキンシップが図れない状況などには、何らかの対策が必要となりますよね。愛犬が自由に動けるスペースにおいては、床材も注目したいポイントの一つです。
それでは、畳は犬を飼う上で向いている床材だといえるのでしょうか。結果からいうと、対策を興じれば畳のある部屋でも十分犬を飼うことが可能だといえます。他の床材と同様、メリットもデメリットも存在するのです。
適切に掃除・手入れを行うためにも、まずは簡単に畳がもつ特徴について紹介していきましょう。
◆畳の特徴
イグサを使った畳という床材は、日本の風土に合った固有の文化だといわれています。
畳表(たたみおもて/表面のゴザ部分)・畳床(たたみどこ/中心の芯となる部分)・畳縁(たたみべり/側面の布生地部分)といった各パーツが組み立てられて作られているこの畳。実は以下の様な機能・特徴をもった素晴らしい床材なのです。
◎高い断熱性と保温性をもつ
◎吸湿能力と調質機能に優れている
◎適度な弾力により座り心地が良い
◎自然な優しい色でリラックス効果をもたらす
◎吸音・遮音効果をもつ
ペットと暮らす上でも、断熱性・保温性の高さや、吸音・遮音効果というのは嬉しい特徴ですよね。ただし、適切な手入れを行うためには、デメリットも頭に入れておく必要があります。
畳は、経年劣化に伴って、色褪せ・イグサのささくれが起こってしまう床材でもあるのです。裏返し・張り替え・新調など、状態に応じたメンテナンスが必要な物だということを覚えておきましょう。
現代では、畳表が化学繊維やパルプでできている物や軽量化された畳風カーペットなども販売されていますが、畳の種類によってはメンテナンスや修理、交換に専用業者さんへの依頼を検討しなくてはいけない場合もあります。
犬を畳の部屋で飼うメリット
犬にとって床が畳であることからもたらされる一番のメリットは、足腰の負担が軽減されることでしょう。
畳はフローリングと違って、滑りにくく柔らかい材質をしています。犬は足の怪我が慢性的になると、関節炎などの病気に直結するケースもあるので、それらを予防する意味でも、畳は犬にとって優しい床材といえるのです。
洋室にジョイントマット・コルクマット・カーペットなどを敷きたくないという方や、愛犬用スペースの確保が難しいという家庭では、和室をメインの飼育室として利用するのも一つの手段だといえますね。
犬を畳の部屋で飼うデメリット
愛犬の体にとって優しい床材である畳ですが、やはりデメリットも存在します。以下の点をしっかり頭に入れておきましょう。
◆粗相
まずデメリットとして挙げられるのは、臭いの染み付きです。室内全体が動物臭くなってしまう場合も実際にあります。特にトイレのしつけが適切でなければ、マーキングや粗相をされてしまい、尿の臭いが充満する結果となってしまうでしょう。
野生時代から草むらで排泄する習性をもつ犬にとって畳は、草むらに近い感触を足裏で感じられる地面の様なものです。畳が、排泄場所として最適なスペースと認識されてしまう可能性が十分にあるでしょう。
犬にとっては本能からくる当然の行動ではありますが、人間にとってはたまったものではありません。畳の上に粗相をされると掃除がとても大変です。
トイレトレーニングをしっかり行うことがもちろん大切ですが、万が一に備えて対処法の一例を紹介しておきましょう。
●愛犬が畳に粗相をしてしまった場合の対処法
①粗相をした場所に、お湯を垂らす。
②乾いた雑巾を置いて、お湯を染み込ませる。
③②の作業を複数回繰り返した後、酢と水を1対1の割合で混ぜたスプレーをかける。
④ドライヤーで該当箇所を乾かし、よく換気する。
この方法を用いると、3日後にはアンモニア臭が消えているそうです。酢と水さえあれば簡単にできるので、是非試してみてください。
◆畳を傷つける
愛犬が畳を傷つけてしまう問題も考えられます。特に好奇心旺盛で歯の痒い時期の子犬や、ストレスが溜まることで物を破壊してしまう子を和室で飼育すると、畳が真っ先に餌食となってしまう可能性が高いのです。寝床を整えるために、床面を前足で掘ったり引っ掻いてしまう子も少なくありませんよね。
カーペットや毛布などであれば、引っ掻かれてもそこまで傷むことはありませんが、畳の場合は引っ掻かれるとボロボロに傷んでしまうのです。この点においては、耐久性に期待はできません。
畳が傷つかないように対策法を取り入れる必要があるでしょう。方法については後述しますので、しっかりチェックして参考にしてください。
◆畳を食べる
愛犬が畳を食べてしまうというリスクも頭に入れておく必要があります。畳をかじり、そのまま食べてしまう子も少なくないのです。特に好奇心旺盛な子犬期の子には注意が必要でしょう。成犬であっても、運動欲求が満たされていない状態であれば、退屈しのぎに畳をかじってしまう可能性はあります。
少量程度であれば食べても便として排出されますが、大量に食べてしまうと嘔吐や下痢などの原因となるケースがあります。健康被害を防止するためにも、対策を興じることが重要でしょう。
また愛犬が畳を舐めることで、衛生面において問題が発生する場合もあります。犬の唾液がダニや細菌の繁殖・カビ発生の原因となり、室内が不衛生な空間になってしまう可能性があるのです。
畳の掃除は簡単ではありませんが、こまめに畳の裏側まで状態を確認したり、定期的なメンテナンスをすることが大切です。
畳の部屋で犬と快適に暮らすための対策
畳み特有のメリット・デメリットはありますが、和室のある賃貸住宅も多いですし、畳が好きという理由から自宅に和室を作ったという家庭も沢山あるでしょう。
愛犬との暮らしを気持ちよく快適にするためには、ポイントを押さえて効果的な対策法を用いることが大切です。以下対策法について解説していきますので、しっかりチェックしていきましょう。
◆マーキング対策
犬は本来キレイ好きな動物のため、寝床付近では排泄をしたがらないものです。その習性を利用することがポイントの一つとなるでしょう。
愛犬に畳の部屋を、寝床、心地よく過ごせる空間として認識させるように配慮し、畳敷きではない他の部屋に犬用トイレを設置するのがおすすめの方法となります。
排泄のタイミングの多くは、起きた直後や飲食後です。それらを見計らって、トイレスペースへ連れていきましょう。そしてトイレトレーニングで覚えさせた「ワンツー」などの合図で排尿させます。これを習慣化することで、畳の部屋での粗相を防止できるでしょう。
それでもマーキングを防止できないという場合は、市販されているマーキング対策グッズを利用したり、該当箇所に防水シートを敷くなどして、その子、その家庭にとって最適な対策法を探す必要があります。
和室に限らず、室内のマーキング問題に対する関連記事などをチェックしてみるのも良い方法です。様々な対策法がありますので、記事の目次をみて愛犬に適した方法がないか探してみましょう。
◆掘る・かじる対策
犬の掘る・かじるなどの行為に弱い畳には、敷物を敷くことが最も有効な対策法となります。
愛犬が引っ掻いても畳がむき出しにならないように、分厚いカーペットやラグなどを畳の上に敷きましょう。これにより、引っ掻きによる破損や誤食対策ができます。
粗相をしがちな子であれば、洗濯可能で防水効果のあるマットを敷くなど、愛犬に合わせた敷物の選び方をしてください。裏面に滑り止め加工が施されているジョイント可能なタイルマットなどもあります。ペット用として特化した機能をもつマットやカーペットなども様々な種類が販売されていますので、ぴったりの物を探してみましょう。
また、退屈によるストレス発散行動の一つとして畳を傷つけてしまうワンちゃんには、畳よりも興味を引くアイテムを与えるのもおすすめです。例えば、フードを仕込めるタイプの知育玩具であれば、愛犬がひとりでも長時間遊ぶことができます。脳に心地よい疲労感も与えられるので、効果的なストレス発散方法となるでしょう。
◆畳を張り替える
近年では、イグサ以外の素材で作られた畳も珍しくありません。中には、ペット専用畳・犬用畳として、抗菌撥水加工や滑り防止加工が施された耐久性の高いタイプも販売されています。
一軒家やマンションなどの持ち家であれば、リフォームするタイミングで新たにペット用畳に張り替えるのも一つの手でしょう。
張り替えを業者に依頼する場合は、価格相場も様々なので事前に値段を確認してくださいね。ペット用のタイプを希望する旨を専門業者に相談してみると良いでしょう。
ちなみに畳の張り替え費用は、畳の状態や素材、畳縁によって大きく変わってきますが、一般的な料金相場を紹介しますので目安として参考にしてみてください。
◎畳を表替えした時の相場…1畳あたり5,000~15,000円程度
◎新畳にした時の相場…1畳あたり10,000~25,000円程度
まとめ
畳には愛犬の足腰に優しいという利点もあれば、耐久性やメンテナンスが大変であるといったデメリットもあります。
ペットを飼いたいけど和室があるからどうしよう…と、不安に思っている愛犬家さんもいるかもしれませんが大丈夫です。しっかりと対策をすれば、畳のある和室でも犬を飼育することは可能だといえるでしょう。
敷物を敷いたり、トイレトレーニングをしっかり行うこと、定期的に掃除やメンテナンスをすることで、和室があっても愛犬と快適に生活することはできるのです。
畳のメリット・デメリットを事前に頭に入れておき、愛犬とリラックスしながら過ごせる居住空間作りに挑戦してみましょう。
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