1.犬かきとはどんな泳ぎ方
1-1.泳ぐというよりは…走っている?!
2.犬かきができない犬もいるのか
2-1.犬かきが得意だとされる犬種
2-2.犬かきが苦手だとされる犬種
3.犬かきを上手にさせる方法
3-1.犬かきがスムーズにできるようになる方法
3-2.泳げるようになっても常に観察を!
犬かきとはどんな泳ぎ方
犬かきと呼ばれる泳ぎ方とは、頭・顔を水の上に出して前足で交互に水を掻きながら、ばた足で進む方法のことです。
ちなみに犬かきとはいいますが、四足歩行のほとんどの動物に同じ泳ぎ方がみられます。
これは、水中に四足歩行のまま入ることで自然と頭だけが水面から出る形になり、そのまま足を動かすことで水中を進むことができるためだといわれているようです。
この泳法では早い速度で進むことは叶いませんが、いぬには他の泳ぎ方ができません。人間と違って肩の関節を自由に回転させられないことが、その理由となります。
◆泳ぐというよりは…走っている?!
犬の泳ぎ方として紹介している犬かきですが、実は「泳ぐ」というよりも「走る」に似た動作だそうです。。
犬の歩き方に「トロット」という方法があります。トロットとは、対角線上の手足同士2本を同時に動かす歩行方法です。右前足と左後ろ足、左前足と右後ろ足が、ペアになって動くという状態ですね。
前後の足を交互に出して泳ぐ姿が、まるでトロットをしているようだと例えられることがあるのです。
しかし近年の研究結果から、水中での犬の足の動きは、厳密にいうとトロットの動きとは違うとの意見が出ています。
対角線上の足が必ず一緒になるわけではなく、より複雑なパターンで動かされているため、この動きは歩き方というより、犬の「走り方」に近いというわけですね。
ちなみに犬は、犬種・体の大きさが異なっていても、水中では同じ泳ぎ方を用いると考えられているそうです。
犬かきができない犬もいるのか
犬は本能的に犬かきで泳げる、といわれています。これは、犬の祖先が泳げる動物であったと考えられているためだそうです。
しかし一般的な家庭犬は、日常において泳ぐ必要性が低いですよね。現代では泳ぎが苦手な犬種・個体がいる、ともされているのです。
例えば使役犬として活躍する、ニューファンドランドやゴールデン・レトリーバーなどは泳ぎが得意な犬種だといわれています。
反対に、愛玩犬として親しまれる小型犬や短頭種の犬種、水辺で暮らす経験の少なかった日本犬には、泳ぎが苦手な子が多いようです。
もちろん個体差はありますが、犬かきが得意な犬種と苦手な犬種について、もう少し詳しく紹介していきましょう。
◆犬かきが得意だとされる犬種
前述したように、ニューファンドランドやレトリーバー系の犬種は、泳ぎが得意な犬として広く知られています。
ニューファンドランドやアイリッシュ・ウォーター・スパニエルには、漁師と共に狩りをしたり、海の人命救助犬として活躍してきた歴史があるのです。
レトリーバー系は、水辺での狩猟を得意としてきた犬種として有名ですよね・
また、プードルも本来は泳ぎが得意な犬種の一つです。「Pudel」というドイツ語には「水の中でバチャバチャ音を立てる」という意味があり、名前の語源となっています。
ただし、近年定番のペットとして人気の高いトイ・プードルにおいては、愛玩犬として特化されたことが原因で泳ぐ機会が減少しました。このため、泳ぎが苦手な子も多いそうです。
◆犬かきが苦手だとされる犬種
愛玩犬として進化をしてきた小型犬である、チワワ・ポメラニアン・マルチーズなどの犬種は、基本的に泳ぎが不得意だといわれています。これは、泳ぐ機会の少ない環境で生きてきたことが原因の一つです。柴犬などの日本犬も、同じ理由から泳ぎが苦手とされています。
また、短足が特徴的なダックスフンド、呼吸がしづらい短頭種であるブルドッグ・フレンチブルドッグ・パグなどは、身体的特徴から他の犬種と比べて泳ぐのが得意ではないといわれているのです。
さらに嗅覚獣猟犬である、ビーグルやジャック・ラッセル・テリアなどの犬種も、水辺での狩猟をしてこなかったため、泳ぎに適していないようです。
とはいえ、犬にもそれぞれ個体差や性格があるので、該当する犬種の中にも水遊びが大好きだったり、泳ぐのが上手な子も珍しくないでしょう。泳ぎが得意な犬種とされている子の中にも、泳ぎが苦手で、水に対する恐怖心が強い子もいるのです。
泳ぎが上手なことでの利点はありますが、愛犬が水を嫌がる場合は無理に泳がせる必要はありません。
中には一緒に海で泳ぎたい、水遊びをしたいという飼い主さんもいると思いますが、無理強いをしないことが大切です。まずは、「泳げたらいいな」くらいの姿勢で、愛犬と一緒に挑戦してみるとよいでしょう。その際は愛犬の様子をしっかりチェックし、難しそうだと感じた場合は一旦中止してください。
それでは犬かきの練習をしたい方の為に、犬かきの上手な練習法について紹介していきましょう。一例をあげますので、参考にしてみてください。
犬かきを上手にさせる方法
犬かきが得意だといわれる犬種を紹介してきましたが、前述したように個体差もあり、実際に得意かどうかはそれぞれの性格・経験・身体能力によって差がでます。
今まで泳いだことがない愛犬の練習方法を紹介しますので、これから犬かきをさせてみたいと考えている飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてください。
◆犬かきがスムーズにできるようになる方法
①お家で水に慣れさせよう!
人間同様、犬にも水が得意な子と苦手な子がいます。まずは、自宅の庭やお風呂場などの、愛犬が見られた場所で水に慣れる練習をしましょう。
ただし、水が苦手な子に対して無理に水をかける、いきなり水の中に入れるといった行為はNGです。余計に水に対する恐怖心を強めてしまう可能性があります。これによってシャンプーなどの際にも、水を嫌がるようになってしまうので注意してください。
愛犬の様子を確認しながら少しずつ、足元の方から水に慣らしていくのがポイントですよ。
②水に慣れたら補助付きで練習してみよう!
ペット用アウトドアグッズには、犬用ライフジャケットがあります。このライフジャケットを利用して、まずは泳がせてみましょう。この時、飼い主さんは常に愛犬の横に付き、溺れないように手でしっかり補助をしてください。
③補助なしで挑戦してみよう!
補助付きでの泳ぎがスムーズにできるようになったら、少しずつ飼い主さんの補助を減らしていきます。いよいよ、愛犬に自分で泳がせてみるのです。とはいえ飼い主さんはすぐ側で、愛犬の様子をしっかり観察してください。無理のない範囲で泳がせることが重要ですよ。
◆泳げるようになっても常に観察を!
ワンちゃんによっては、泳げるようになるまで時間がかかる子もいれば、簡単に泳ぎをマスターしてしまう子もいるでしょう。犬かきが上手にできるようになることで、水遊びの方法もバリエーション豊かになります。ボールなどを使用して、水中での取ってこい遊びなども楽しめるようになりますね。
しかし、いくら愛犬が上手に泳げるようになったといっても、飼い主さんは常に愛犬の行動を見張っておく必要があります。
犬は息継ぎが出来るわけではありませんし、途中で身体の異常を起こす危険性も十分に考えられるのです。水遊びの後は体温の低下も考えられますので、事前に水の温度を確認したり、遊び終わった後のケアも忘れないようにしてくださいね。
またペット用プールなどでは、マナーをしっかり守ることも徹底しなくてはなりません。事前にトイレを済ませておくのも大切ですね。
エアー犬かきをする理由
泳いでいる犬を水から出してあげたり、水の上で持ち上げたりすると、まるで泳いでいる延長の様に犬かきをするような仕草がみられる場合があります。この動作を通常「エアー犬かき」と呼びます。
この行動の明確な理由は分かってはいないのですが、エアー犬かきをする犬は水が嫌いな傾向にある、といった意見もあるようです。空中で手足をバタバタしてパドリングする姿は一見可愛いく見えますが、水嫌いの子の場合はパニック状態に陥っている可能性が考えられるでしょう。
エアー犬かきについて以下のような理由が推測されているので、チェックしていきましょう。
◆びっくりしている
突然、床(水面・地面)から持ち上げられたことでパニックを起こしている。また、そこから逃げ出そうとしている。
◆飼い主さんが喜ぶため
過去にエアー犬かきをした際に、飼い主さんが喜んだことを覚えており、同じ行動を繰り返している。
◆反射的に行動
体を持ち上げられたことで安定感を失ったために、バランスを保つため反射的に手足が動いていている。
犬の行動のほとんどには、きちんと意味があります。愛犬が、エアー犬かきをした際の状態を思い返してみてください。飼い主さんに喜んでほしいというポジティブな感情もあれば、パニックなど愛犬にとっての恐怖心や悪い感情の場合もあります。また反射的に身体が動いているだけのケースもありますので、しっかりと愛犬の性格や普段の行動を理解しておく必要があるでしょう。
まとめ
最大限に水遊びを楽しめるようになる犬かき。水辺でのアウトドアが好きな飼い主さんにとっては、愛犬と一緒に思い出を作る方法が一つ増えることとなるでしょう。ペット用プールなどでのダイエットも、スムーズに進められることができます。
ただし、泳いだあとの愛犬のケアはしっかり行いましょう。被毛や肌の手入れは勿論ですが、体温や体力の状態にも気を配る必要があります。常に愛犬の様子に注意して、問題なく水遊びができる時間の目安を探ってくださいね。
初めて犬かきをさせる場合は、ライフジャケットなどの水遊びアイテムを積極的に使用すること、無理強いをしないことを徹底しましょう。
愛犬が水遊び好きだと分かった場合には、安全面に配慮しつつ、思いっきり海や川での思い出作りに励んでください。
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