1.愛犬をおんぶするタイミングとは?
1-1.外出時に「犬を歩かせたくない!」というシーン
1-2.散歩や外出時、犬が「歩かない・歩けない」などのとき
1-3.自転車で移動するとき
1-4.災害時の移動で使う
1-5.愛犬のサイズによってはおんぶしなければならないことも
3.犬用おんぶ紐を使う危険性について
3-1.危険性1.わんちゃんの身体にかかる負担が大きい
3-2.危険性2.犬が見えず、行動の予測ができない
3-3.危険性3.おんぶされてパニックになる子もいる
3-4.危険性4.後ろから起こり得る事故のリスク
3-5.危険性5.暴れた犬が落下すると大怪我をする
3-6.危険性6.飼い主さんの身体に負担がある
3-7.危険性7.飼い主さんが転ぶことも
3-8.危険性8.おんぶ紐自体のトラブル
4.犬用おんぶ紐を使うなら注意したいポイント
4-1.ポイント1.おんぶ紐を使う時間は短く
4-2.ポイント2.機能性や強度、サイズをきちんとチェック
4-3.ポイント3.犬と飼い主さん、それぞれへの負担を確認
4-4.ポイント4.おんぶ紐以外の手段を考えることも大切
4-5.ポイント5.劣化したら使わない
愛犬をおんぶするタイミングとは?
一般的に“おんぶ”と言えば、人間の赤ちゃんや幼児の姿がイメージできますよね。
犬の場合、抱っこの方が主流かもしれませんが、おんぶするタイミングとして考えられるものをいくつか挙げていきます。
◆外出時に「犬を歩かせたくない!」というシーン
散歩に出かけていると「地面の汚れがひどい」「ガラス破片など危険物が散乱している」など、屋外での汚れや危険が潜んでいるケースも多いです。安全に整備されている自宅の屋内・屋外とは違い、外出先によっては室内とは違った注意点が必要でしょう。
わんちゃん達は、肉球丸出しで地面を歩いているため、いざというときは飼い主さんが地面から離してあげることも大事です。
◆散歩や外出時、犬が「歩かない・歩けない」などのとき
散歩が大好きで、「まだまだ帰らない」と道路で寝そべっている犬、「疲れた~」と突然地面に伏して休憩したまま動かなくなる犬もいますよね。ワガママな動作も、ときには可愛らしく感じます。
犬の気持ちを優先したいところですが、そのまま放っておくわけにもいきません。無理にでも連れ帰らなければならないケースも多々あるでしょう。そんなとき抱っこやおんぶで、犬を連れ帰るケースもあるかもしれません。
◆自転車で移動するとき
犬をどこかに連れていくとき、自動車や公共交通機関などのほか、自転車で移動するケースもあるでしょう。
「隣町の友人の家まで…」「アウトドアのお供に愛犬もつれていきたい」など、飼い主さんが運転する自転車で移動するときは、たとえ小型犬でも抱っこでは難しいですよね。そこでおんぶでの移動になるかもしれませんが、そのままでは危険が伴います。
飼い主さんが両手を使うためには、安全のためにおんぶ紐を利用する方法もあります。
◆災害時の移動で使う
災害のときの犬の移動にもおんぶすることもあるでしょう。
抱っこでは飼い主さんの両手と前面が塞がりますが、おんぶ紐なら楽に移動することができるでしょう。
◆愛犬のサイズによってはおんぶしなければならないことも
さまざまな理由で犬を抱きかかえなければならないとき、体重が軽めの小型犬の場合は「おんぶ」というスタイルでなく、「抱っこ」が可能です。中型犬以上となると、“抱える”よりも“おんぶ”の方が楽なことも多いでしょう。
そこで、背中におんぶする方法もひとつの選択肢です。
犬のおんぶに大活躍の“犬用おんぶ紐”
市販されている犬用おんぶ紐には、色・デザイン・価格など豊富なバリエーションがあります。主流となっているのは、抱っこ紐・おんぶ紐が兼用になっているリュックタイプです。
- 犬の4本脚を出せるもの
- 首だけが出せて足は内部にしまったまま
- 夏におすすめの「メッシュ素材」
- 犬の体を固定させる「ベルト」
- 落下防止のための「フック」
- 飼い主さんが使いやすいような「肩掛け紐」
- 通気性のよいメッシュタイプ
- 犬の身体に優しい生地
- 飼い主さんの肩が痛くならない肩パットがついている
- 飛び出し防止のためにリードをつけられるフック
- しっぽも穴から出せる
- 小物を入れられるポケット付き
- 着用しやすいファスナーデザイン
- 犬の身体に合わせた調節ベルト
など、デザインにはいくつかのタイプがあります。
また、機能性も商品によって異なります。
など、飼い主さん目線・わんちゃん目線の設計がされている商品がたくさんです。
犬用おんぶ紐を使う危険性について
犬用おんぶ紐は、とても便利な商品です。ただし、使うときにはそのリスクについてしっかりとおさえておく必要があります。
◆危険性1.わんちゃんの身体にかかる負担が大きい
おんぶ紐を使うとき、犬の体勢はふだんとまったく変わります。本来、4本脚を着地させ、いわゆる“四つん這い”になっている犬。
おんぶすれば、体は縦向き・しかも空中に浮いているスタイルです。
人間のように直立に慣れていない犬にとって、おんぶスタイルは背骨に大きな負担となるでしょう。足や腰への負担も心配です。
また、いくら機能性に富んでいるものでも、布地やベルトなどに囲まれた“おんぶ紐”の内部は、犬にとって窮屈かもしれませんね。
足を穴から出すタイプのおんぶ紐の場合、使用中に“擦れて痛い”というケースもあるでしょう。
◆危険性2.犬が見えず、行動の予測ができない
“おんぶ”をするとき、愛犬の位置は飼い主さんの背後です。後ろを振り向けば、愛犬の気配は確認することができますが、すべてを把握するのは不可能です。しかも、後ろを向いてばかりで歩くことは、飼い主さん自身の危険にもつながります。
また、おんぶされている犬が突然背後で吠えて、びっくりすることもあるでしょう。抱っことは違い、姿が見えないおんぶ紐は、行動の予測ができない不安もつきまといます。
◆危険性3.おんぶされてパニックになる子もいる
おんぶは、犬的には足が着地していない宙ぶらりんのような状態です。ふだん着地している足もブランブランと浮き、結構なストレスとなるでしょう。しかも、おんぶは飼い主さんの背面で行われるため、「顔が見えない…」とわんちゃんとしては不安を感じることもあります。
◆危険性4.後ろから起こり得る事故のリスク
おんぶしているとき、「自動車や自転車がぶつかってくる」「何かが飛んでくる」など予測不可能な事故が起こることもあるでしょう。
特に、車通りが多い一般道、人がたくさんいる公園では周囲からの事故のリスクは高いと言えます。前を見て歩いている飼い主さん側からは、背後から起こるトラブルが見えづらいので細心の注意が必要です。
◆危険性5.暴れた犬が落下すると大怪我をする
犬は「おんぶされているからジッとしなきゃ!」などという事情は理解できません。飼い主さんがいくら「おんぶだから気をつけてね」といっても、バタバタと足をすり抜けさせ、落ちやすい体勢になることがあります。犬にとっては「この状況から脱したい」という一心の行動なのかもしれません。紐からすり抜けたら落ちるという概念は犬には一切ないため、最悪の場合「地面への急落下」が起こるかもしれません。骨を折ったり、頭や身体を強打したりなど、かなりのケガのリスクが考えられます。
また、おんぶ紐に乗せるまでが一苦労ということも多いでしょう。犬が暴れないにしても「犬の身体が重くて落としてしまった」など、おんぶ体勢にするまで落下してしまう可能性もあります。
◆危険性6.飼い主さんの身体に負担がある
人間の赤ちゃんや幼児をおんぶしたことがある場合はイメージしやすいかもしれませんが、自分以外の重みが背中にかかるため、おんぶしている人の身体には負担が大きいです。背中で動いている愛犬が落ちないように体を安定させようとすると体勢が無理になり、腕・腰・足などあらゆる部分が緊張します。
◆危険性7.飼い主さんが転ぶことも
背後に愛犬をおんぶしていると、どうしても気になるものですよね。「後ろで愛犬が動いている」「わんわんと吠えている」と、気になることばかりで後ろを振り向き過ぎると、逆に飼い主さん側が転ぶリスクもあるでしょう。
また、「転ぶ」と思った瞬間、自分ひとりなら両手をつくことができても、「後ろにいる愛犬を守らなきゃ」と無理な体勢で頭から地面に転ぶケースもあります。
転んだときに、犬の体重も加わるのでかなりの大怪我となる可能性もあるでしょう。
◆危険性8.おんぶ紐自体のトラブル
おんぶ紐自体の不具合も危険です。突然、「紐や布地が切れた」「紐が絡まった」など、突発的なトラブルが起こるケースはあります。
犬用おんぶ紐を使うなら注意したいポイント
いくつかの危険性がある犬用おんぶ紐。もし、使うときには飼い主さん自身がリスクをしっかりと認識しておくことが大事です。
そのうえで、注意ポイントもおさえておきましょう。
◆ポイント1.おんぶ紐を使う時間は短く
おんぶ紐のデザインにもよりますが、そもそも“縦向きに背負われる”というスタイルは、犬の関節や足腰に大きな負担となります。時間が長いほど犬は辛い体勢となってしまうでしょう。
また、飼い主さんの身体にも負担があります。できる限り、短時間にすることが大事です。
◆ポイント2.機能性や強度、サイズをきちんとチェック
市販されている犬用おんぶ紐には、人間の子供が使うようなものもあれば、リュックのようなものもあります。
それぞれ、
など、商品によって生地やデザイン、機能は異なります。
選ぶときには、くれぐれも価格や見た目の可愛さだけで選ばずに、「どのように安全性が保たれているか」「犬が快適に使えるか」「すぐに壊れないか」などを中心に、じっくりと選ぶことをおすすめします。
また、サイズも犬に合ったものをしっかりと選びましょう。
体に合わない大きめのタイプを選ぶと、落下のリスクもあるので注意が必要です。
犬をおんぶする頻度や時間に合わせて、犬が安心して乗っていられるタイプを選びましょう。
◆ポイント3.犬と飼い主さん、それぞれへの負担を確認
おんぶ紐の“紐”部分は、飼い主さんの身体に密着します。あまりにも細すぎると、飼い主さんの体に食い込んで痛いです。
ある程度の時間背負うわけですから、おんぶしたときに少しでも痛みがおさえられるデザインを選ぶことが大事です。
また、犬側の負担も考えましょう。細い紐や布地が関節に食い込んで痛くなる可能性もあります。
◆ポイント4.おんぶ紐以外の手段を考えることも大切
犬をおんぶしなければならないシーンもあるかもしれませんが、おんぶによるリスクと比べると、それ以外の方法も考えておくといいかもしれません。小型犬なら抱っこの方が安定して安全です。体が細い小型犬はおんぶによる落下により、骨折だけでなく、取返しのつかない事故となる可能性もあるでしょう。
「抱っこする」ほか、「キャリーケース・ペットカートを使う」なども選択肢として考えてはいかがでしょうか。
“可愛いから抱っこする”というように、特別な目的がないときは避けるべきアイテムかもしれませんね。
◆ポイント5.劣化したら使わない
素材や強度、使う期間や頻度、使い方によって異なりますが、おんぶ紐はやがて劣化します。
縫い目がほつれてきたり、留め具に不具合があったりなど、事故につながるような破損が見られたら使うべきではありません。
愛犬のためにも、使用前に確認することが大事です。
まとめ
地面の汚れや自転車での移動、犬が歩きたがらない…など、犬を背中におんぶするタイミングはいくつかあります。そんなときに活用できるのがおんぶ紐です。愛犬が後ろで可愛らしくおんぶされていると、暖かみが伝わってきて幸せな気持ちになりそうですね。
両手が塞がる「抱っこ」と比べると、おんぶ紐での「おんぶ」は安全な印象を受けるかもしれません。ただし、今回の記事でお伝えしたように、おんぶ紐は便利なようでいていくつものリスクと隣り合わせです。
「可愛いから」と安易に使えるものでもないのです。
また、いくらおんぶ紐を使っても、犬にも飼い主さんにも負担があります。
使うときには、飼い主さんがきちんとリスクを知ったうえで、注意ポイントをおさえておくことが愛犬を守ることにつながるでしょう。
おんぶ紐を使うシーンがやってきたら、「使い方を間違えない」「リードを併用することも忘れずに」「機能性と安全性があるものを選ぶ」というように、使い方や選び方などに細心の注意を払って使いましょう。
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