1.フードローテーションとは
2.フードローテーションに期待できること
2-1.食べムラの改善
2-2.栄養の偏りを防ぐ
2-3.緊急時に困らない
3.ローテーションするフードの選び方
3-1.原材料別
3-2.原産国別
3-3.季節や年齢に合わせて
4.ドッグフードをローテーションで与えるときの注意点
4-1.同じような形、成分のものを選ばない
4-2.ごはんを変えたら様子を見る
4-3.急に切り替えない
フードローテーションとは
フードローテーションとは、ペットに与えるフードを1種類に決めず、いくつかの種類を定期的に替えながら与えることです。
フードローテーションについては、動物病院によって意見が分かれており、おすすめできるという意見もあれば、不要だとする意見があります。
フードローテーションのメリット・デメリットをよく理解した上で、実際に行っていくかどうかを決めるようにしましょう。
フードローテーションに期待できること
◆食べムラの改善
フードローテンションを取り入れることで、犬がドッグフードに飽きにくくなり、食べムラを防げる場合があります。
ずっと同じフードを与えていていたとしても、毎回喜んで食べてくれる子もいますが、中には毎日食べている中で味や食感に飽きてしまい、食欲が低下したり、最悪の場合食べなくなってしまう子もいます。
犬にとって食べ物のにおいや食感の変化というのは、毎日の暮らしの中で大切な刺激となります。
1つ1つのフードに対して興味が薄れるタイミングでドッグフードを変えてあげることで、結果として長く楽しめるでしょう。
しかし一方で、種類の異なるのものを与えているうちに、食に対しわがままになり選り好みをするようになるという可能性もあります。
食べムラの原因が、そのフードに飽きたり他のおやつなどが食べたいという意思表示である場合は、フードが変わることで改善する場合もありますが、その子の性格によっては好き嫌いがはっきりとし、選り好みする可能性があることも頭に入れておきましょう。
◆栄養の偏りを防ぐ
おうちのワンちゃんに与えるのは、基本的には総合栄養食のドライフードかと思います。
総合栄養食は水とそのフードさえあれば、犬が生きていく上で必要な栄養素を十分に摂取することができる食べ物です。
そんな総合栄養食も、穀物が使われていないグルテンフリーのフードや嗜好性に特化したものなどそれぞれに特化したポイントがあります。
1種類だけを与え続けるのではなく、いくつかのフードをローテーションさせながら与えることで、様々な栄養素を過不足なく摂取することが出来ると言えます。
また、同じドッグフードだけを食べ続けていると、犬の体に合わなかった場合には、アレルギーが出たり胃腸が悪くなったりする可能性もあまります。
長い目で見れば、フードローテーションを取り入れることにより、その犬の身体に合わないような物質が体内に蓄積していくのを防ぐことにつながります。
◆緊急時にごはんに困らない
災害や飼い主の不在といった緊急時、または商品が欠品している時など、いつも与えている種類のドッグフードが用意できないこともあるかもしれません。突然それまでとは違う種類のフードを食べさせなければならないこともあるでしょう。
こういった不測の事態が起こった際にも、普段からフードローテーションをしていれば、犬自身が様々なフードを食べることに慣れている為、落ち着いて対応できるでしょう。
災害時にいつものフードが用意できない状況の時には様々なフードを食べる習慣が役立ちますし、商品の欠品も1種類だとすれば、他にローテーションしているフードを与えることが出来ます。
生活する状況の変化に伴いドッグフードが変わったとしても、犬がストレスなく食事を取れるようにしておくことは、犬の健康維持にもつながると言えるでしょう。
ローテーションするフードの選び方
ローテーションでドッグフードを与える時の選び方には、いくつかの方法があります。愛犬の様子を見ながら、バランス良い栄養が取れるように選びましょう。
◆原材料や味別
ドッグフードの原材料別にローテーションする方法があります。
原材料の主なものには、ビーフ、チキン、白身魚、サーモンといった肉や魚から、イモや穀物類などもあります。
肉類でローテーションしても良いですし、肉類の間に魚をはさむなども良いでしょう。ドッグフードは必ず総合栄養食のものを与えてください。
原材料の欄は、より多く含まれているものから記載されていますので、是非この機会によく見てみて下さいね。
◆原産国別
ドッグフードの原産国でローテーションするという方法もあります。
日本のメーカーが作っているドッグフードだけでなく、海外のメーカーが作った海外産のドッグフードを与えてみるという選択肢です。
例えばニュージーランドには「エアドライ製法」と呼ばれている、熱を加えずにじっくり乾燥させることで作られるフードがあります。日本では加熱処理がされているドライフードが主流ですが、海外にも目を向けてみるとこういったフードもあります。ドライフードよりも水分が含まれていたり、加熱処理がない分失われる栄養分も比較的少なく、栄養価が高いというところも特徴的です。
普段とは違う味、食感でワンちゃんにも良い刺激になるかもしれませんね。
反対に、普段から海外メーカーのドッグフードを与えているという方は、日本メーカーのドッグフードにも慣らしておくことで、海外産のドッグフードの価格が上がったり手に入りにくくなったりした時にも、慌てることなくリスクが回避できます。
原産国が海外のものは、信用できるペットショップや動物病院で手に入れると安心です。ネットショップで購入する時でも、正規輸入品と記載がされているものを選びましょう。
◆季節や年齢に合わせて
春(例えば3月〜5月)、夏(6月〜8月)、秋(9月〜11月)、冬(12月〜2月)の季節でドッグフードを変える方法があります。3ヶ月ずつの期間で、日本の四季に合わせてドッグフードをローテーションするというものです。
夏には水分をいつもより多くしたり、ウェットフードを追加したりする、冬には寒さに強くなれるような栄養価の高いタンパク質多めのフードにするなどの工夫も良いでしょう。
他には、犬の年齢に合わせてローテーションする方法もあります。
ドッグフードには子犬用、成犬用、老犬用というふうに年齢で分けられている種類があるので、子犬時代には子犬用のものをローテーションし、シニアになったら老犬用のものからローテーションするという方法です。
犬の成長に合わせて、体調や好みに合わせたり、獣医さんにアドバイスをしてもらったりするのも良いでしょう。
ドッグフードをローテーションで与えるときの注意点
◆同じような形、成分のものを選ばない
「犬の食べムラを解消したい」「栄養素の偏りを無くしたい」という目的でフードローテーションする場合には、同じような形や栄養成分のものを選ぶと、意味がなくなってしまいます。
犬のドッグフードに対する関心をひくためにも、できるだけ違う形状のものを選ぶと良いでしょう。
栄養素の偏りを解消を目的として行う場合は、原材料が異なるものを選ぶようにすると良いでしょう。
◆ごはんを変えたら様子を見る
1種類のドッグフードを食べ慣れている犬だと、フードを切り替えた際に体調不良を起こす可能性があります。
フードを変えてすぐは胃腸に負担がかかることがあり、子犬や老犬、体の弱い犬などは、下痢や嘔吐などの症状が出ることがあります。
特に初めてそのフードを与える場合は、「アレルギー反応を起こさないか」「嘔吐や下痢など体調に変化はないか」など、犬の様子をよく観察するようにしましょう。
もしアレルギーや体調の変化を起こした場合には、できるだけ早く動物病院で診てもらってください。その際には、変えた時のドッグフードを持参して説明すると良いでしょう。
◆切り替えは段々と
フードローテーションは短い期間でフードを変更する、犬の胃腸に負担がかかることがあります。
ある日急にドッグフードを全く別のものに変えたり、朝晩で違うドッグフードに変えたりするといったことはやめましょう。
今まで食べていたドッグフードに、少しずつ次のローテーションのドッグフードを混ぜて、新しい方の割合を増やしていき、1週間ほどかけて緩やかに切り替えることをおすすめします。
体調不良が起きた時に原因を突き止めやすくするためにも、数種類のドッグフードを混ぜるのではなく、2種類で切り替えを行うようにしましょう。
また、フード1つあたりの期間は特に決まっているわけではありませんので、犬の体調や食べる様子に合わせ、また飼い主さんのやりやすい期間で行うようにしてください。
目安としては、1種ごとに1ヶ月〜3ヶ月ほどです。
また、1ヶ月に3種類以上のフードを変えるようなやり方は、犬の胃腸に負担がかかるだけでなく、体調不良やアレルギーが起きた時に原因を特定しにくくなりますのでやめておきましょう。
犬の様子をよく観察しながら、ゆっくりとローテーションをすることをおすすめします。
まとめ
フードローテーションによって、犬がフードをよく食べるようになる、食の楽しみを作ってあげられるなどのメリットが期待できます。
さらに、緊急時などいつものドッグフードが手に入らなくなっても大丈夫なように、日頃から色々な味や食感を知ってもらい、どのようなフードでも食べられるようにしておくと安心です。
しかし、ローテーションしたことでお腹を壊したり、逆にフードを食べなくなったりすることも起こる可能性があります。
動物病院によっても、ドッグフードのローテーションをおすすめしているところもあれば、必要ないとするところもあり、世論も賛否両論あるのが事実です。
フードローテーションが必要だと感じた方は、愛犬の体調や様子を見ながら、まずは1種類増やしてみるところから始めてはいかがでしょうか。
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