1.犬がトイレを覚えられない理由
1-1.犬がトイレを覚えられない理由①トイレ環境に問題がある
1-2.犬がトイレを覚えられない理由②キレイ好きのため、寝床と認識したケージでしたくない
1-3.犬がトイレを覚えられない理由③残ったニオイや感触で粗相を繰り返す
1-4.犬がトイレを覚えられない理由④トイレを失敗して怒られた
2.犬にトイレを覚えさせる工夫
2-1.トイレシーツの感触に似ているマットを使わない
2-2.トイレの場所を変える
2-3.トイレの形を変える
3.〔ドッグトレーナー監修〕犬にトイレを覚えさせる方法
3-1.トレーニングの手順
3-2.失敗しないような環境をつくる
3-3.目を離さない
3-4.トイレのタイミングを予測する
3-5.正しいタイミングで褒める
3-6.粗相したら淡々と後始末する
犬がトイレを覚えられない理由
はじめに、犬がトイレを覚えない4つの理由を見ていきましょう。
◆犬がトイレを覚えられない理由①トイレ環境に問題がある
排せつの時は、非常に無防備な体勢になります。このため、落ち着かない場所では排せつをしたがらないことが少なくありません。
などの場合、粗相するケースがあります。
また、犬はクルクルと回ってから排せつをすることが多いため、十分なスペースがない場合も粗相をしやすいです。
その他、犬にとって嫌な臭いがする、トイレが汚れている、不安定であるなど、トイレ環境に問題がある場合があります。
◆犬がトイレを覚えられない理由②キレイ好きのため、寝床と認識したケージでしたくない
犬は、本来きれい好きです。
このため、寝床や食事を摂る場所の近くでの排せつを嫌う習性があります。
トイレと寝床が近くにあると、ケージの外で排せつすることがあります。
ケージ内のトイレでできていた愛犬が、成犬になってから粗相をするようになったケースでは、成長につれてキレイ好きになったのかもしれません。
◆犬がトイレを覚えられない理由③残ったニオイや感触で粗相を繰り返す
犬は、視覚より、足の裏の感触やニオイでトイレを認識します。
クッション性のあるカーペットやマットは、踏んだ時に土や芝などのクッション性に近いため、粗相をしやすいです。
さらに、犬は嗅覚が鋭く、粗相をしたところに残った排せつ物のニオイで、その場所をトイレだと認識してしまうこともあります。
◆犬がトイレを覚えられない理由④トイレを失敗して怒られた
トイレを失敗した愛犬を、思わず怒ってしまうこともありますが、これはNGです。
飼い主さんは「トイレではない場所に排せつしたことを叱った」つもりでも、犬は「排せつしたこと自体を怒られた」と勘違いすることがよくあります。
大きな声を出したり、ブツブツ言ったりするのもNGです。
犬はびっくりしたり、飼い主さんが構ってくれると勘違いしたりして、粗相を繰り返します。
犬には、過ぎ去った出来事と現在を関連づけて理解することは難しいです。
粗相をした場所に連れていって叱っても、犬には理由が分かりません。
排せつしたことを叱られたと勘違いして、排せつ自体を我慢したり、隠れて排せつしたりと、逆に失敗につながってしまい、食糞行為につながることもあります。
犬にトイレを覚えさせる工夫
犬にトイレを覚えてもらうための3つの工夫をご紹介します。
◆トイレシーツの感触に似ているマットを使わない
カーペットやマットなどの上での粗相が多いなら、足の裏の感触でトイレを認識している可能性が大きいです。
犬の行動範囲をサークルなどで囲い、中にはトイレシーツと感触が似ているマットやラグなどを置かず、シートを敷き詰めます。こうすることで、シートの感触だけを覚えられます。
トイレトレーのみを囲い、トイレトレーの下には人工芝を敷いてクッション性をつくります。
トイレトレーのシーツ又はメッシュの四隅にオシッコの臭いを付けて、排泄のタイミングにトイレトレーに連れていくと覚えてくれます。
◆トイレの場所を変える
子犬の頃はできていたのに、成犬になってからケージの中のトイレで排せつしなくなったケースでは、トイレの場所を変えてみるとよいでしょう。
トイレの場所を選ぶときには、下記のポイントに注意してみてください。
- 犬が自分で自由に行き来できる
- 人が確認できる場所
- クルクル回れるだけのスペースがある
- 足元が安定している
◆トイレの形を変える
使っているトイレそのものが、愛犬に合っていない可能性もあります。
犬のサイズに対してトイレが小さければ、トイレを理解していても排せつ物が外に出てしまうことがあります。
クルクル回っても足がはみ出さず、方向転換できる大きさが必要です。目安は、体長のおよそ1.5倍以上とされています。
また、おしっこをする時に足を上げる癖がついているオスも、おしっこが外に出てしまいます。
L型やポール付きのものがおすすめです。
〔ドッグトレーナー監修〕犬にトイレを覚えさせる方法
ここでは、子犬にトイレを教える方法を解説します。時間をかければ、成犬も基本的には同じ手順で教えられますよ。
◆トレーニングの手順
◎準備
①クレートを置いた場所以外のケージ内全面にトイレシートを敷き詰めて、どこでも排せつできるようにしておく
最初のうちはいろいろな場所で排せつしますが、次第に排せつする場所が限定されてくるはずです。
②トイレをしない場所のシートは取り除いていき、最後の1枚まで減ったら、そこをトイレスペースとする
ペットシーツを破いたり、齧ったりしてしまう子には、できるだけ大きい、枠やメッシュのついたトイレトレーを用意しましょう。
トイレ以外の空いているスペースで排せつをする場合には、その場所にゴハンと水を置くといいでしょう。
犬は、通常、食べ物のある場所では排せつをしないので、その習性を利用しましょう。
ケージ内では排せつを成功するのに、外では失敗する場合は、場所で認識しているのかもしれません。
「トイレシートのあるところ」がトイレだと覚えさせましょう。
普段とは異なる場所にシートを敷き、そこで排せつをする経験をさせます。
また、自分のニオイがある方が排せつしやすいので、ケージの外では使用後のペットシーツを使うのもおすすめです。
おしっこを拭いたティッシュなどで新しいシートにニオイを少しだけつけてあげても、トイレを認識しやすくなります。
◆失敗しないような環境をつくる
子犬の1日の排せつ回数は10回ほどで、「月齢+1時間程度」しか排泄を我慢できません。
飼い主さんが見ていなくても自由に排せつできるように、トイレはケージの中に置いておきましょう。
犬はきれい好きなため、トイレは寝床と離しておきます。
ふかふかのベッドは、粗相をしやすいです。
寝床として、毛布やタオルを敷いたクレートを置いてあげましょう。
◆目を離さない
トイレを覚えるまでは、子犬をフリーにさせるときに目を離さず、タイミングを見計らってトイレに連れていきます。
目を離すときには、短時間であっても、ケージやサークルに入れましょう。
犬は、寝床の近くでの排せつは嫌がるので、排泄をコントロールできます。
◆トイレのタイミングを予測する
排せつのタイミングは、
などです。
食後や寝起きにトイレに誘導して排せつさせたり、排せつを済ませた後に遊んだりすると良いでしょう。
また、遊びの最中にも、何度かトイレに連れていきましょう。
愛犬の排せつパターンを把握するためには、ゴハンをあげる時間を一定にして、1週間ほど排せつの記録をつけると把握しやすいです。
犬は排せつの前に、床のニオイをクンクンと嗅いだり、そわそわと落ち着きがなくなったりといった行動をします。
このような行動が見られたら、トイレに連れていくのもポイントです。
排せつのタイミングを把握できたら、そのタイミングで「ハウス」と声を掛けて、おもちゃなどでサークルへ誘導しましょう。
この時、トイレまでのルートを覚えられるように、抱っこで連れていくのは避けます。
犬がサークルに入ったら扉を閉め、排せつをしたら褒めて外に出します。
犬は、サークルに入って排せつするとまた自由になれることや、排せつしたくなったときにトイレに行くルートを理解していきます。
◆正しいタイミングで褒める
正しい場所で排せつできたら、その場ですぐ褒め、おやつや遊びといったご褒美を与えます。
おやつを与える目安は、排せつの成功から3秒以内です。すぐに与えられるように、サークルの近くで犬が届かない場所におやつを準備しておくといいですね。
タイミングを外すと、トイレの成功と褒められたことを関連付けられず、効果が得られません。
◆粗相したら淡々と後始末する
粗相をしたら、何事もなかったように淡々と後始末をして、消臭します。
片づける間、犬はハウスに入らせておくなどして、掃除しているところを見せないようにしましょう。
雑巾などで拭く動作は、遊んでいるように見えてしまいがちです。
犬の嗅覚は鋭いため、人間が排泄物のニオイを感じなくても、犬には感じられることも少なくありません。
失敗した場所は、界面活性剤が含まれた洗剤などでしっかり洗浄してから、消臭スプレーをしましょう。マーキング防止のスプレーが、より効果的です。
カーペットや畳は完全に洗浄することが難しく、ニオイが残りやすいので、トイレのしつけには適していません。
トイレを覚えるまでは、カーペットの上には撥水加工がされた薄いマットなどを敷く、畳の部屋には入れないようにするといった対処も重要です。
まとめ
犬がトイレを覚えないのは、足の裏の感触やニオイでトイレを認識しているからかもしれません。また、トイレの環境が愛犬に合っていないケースもあります。
適切なトイレを覚えさせるには、根気よくトレーニングに取り組む必要があります。この時、絶対に叱ったり、大きな声を出したりしないようにしましょう。
成功したら、すぐに褒めて、おやつや遊びといったご褒美をあげることを繰り返していると、きちんと覚えていけるのが犬という生き物です。
失敗ではなく成功に目を向けて、愛犬と一緒にトレーニングしてみてくださいね。
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