犬に里芋を与えても大丈夫!与え方や注意点を紹介

2023.11.05

犬に里芋を与えても大丈夫!与え方や注意点を紹介

ホクホクねっとり食感がたまらない里芋。日本人には馴染み深い食材ですよね。 そんな里芋ですが、犬は食べられるのでしょうか? この記事では、里芋の知られざるパワーについてお話したいと思います。 里芋を食べるメリットや食べる時の注意点を知って、愛犬も飼い主も元気いっぱいになりましょう!!

犬に里芋を与えても良いの?

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ホクホクでねっとりとした食感の里芋。
定番の筑前煮や煮っ転がしなど日本人には馴染み深い食材ですよね。
旬は秋ですが、貯蔵性が良い事から1年を通して手に入りやすい食材です。
里芋は縄文時代には主食として食べられていたとの説もあり、とても歴史ある作物でもあります。

そんな里芋ですが、“身近な食材すぎて何となく体に良さそう…”としか知らない人も多いと思います。

里芋は食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富含まれます。
また、芋類の中でも断然カロリーが低く、サツマイモの半分程度しかありません。
もちろん犬にも与えても大丈夫です!!
スーパーで簡単に手にはいる食材です。愛犬のおやつやフードにトッピングしても良いでしょう。
しかし、与え方に注意点がありますので、里芋について学んだ上で愛犬にも食べさせてあげましょう!!

それでは、今回は里芋に含まれる栄養素や食べるメリット、愛犬に与える時の注意点など詳しくお話していこうと思います。

◆里芋に含まれる栄養素

里芋には食物繊維、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれており、低カロリーな食材だとお話しました。
一つずつ説明していきます。

①食物繊維が豊富!!
里芋には食物繊維が豊富に含まれおり、腸内環境を整えてくれます。
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
不溶性食物繊維は便の嵩を増し、大腸の蠕動運動を良くしてくれる働きがあります。
水溶性食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やします。また、糖質や脂質の吸収を抑えてくれるので、食後の血糖値の上昇や血中の悪玉コレステロール値を抑える働きもあります。
また、食物繊維はバランスが大切です!!
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の割合は2:1が理想と言われています。
里芋には不溶性食物繊維1.5gと水溶性食物繊維0.8g入っており、とてもバランスが良いです。
芋類の中では珍しく水溶性の食物繊維が多く含まれています。

※実は、里芋特有のぬめりや粘りの正体は水溶性食物繊維です。
里芋に含まれるグルコマンナン、ムチレージ、ガラクタンという水溶性食物繊維の成分が関係しています。
これらの成分に関しての説明は後程詳しく説明します。

②ビタミン・ミネラルが豊富!!
里芋には「ビタミンB1(チアミン)」と「カリウム」というミネラルが豊富に含まれています。

ビタミンB1:糖質をエネルギーに変換する時に重要な働きをしてくれるビタミンです。
疲労回復効果が期待でき、若くて活動的な犬におすすめです。
カリウム :体内にある余分な塩分を体外に排出させる働きがあり、高血圧やむくみの予防になります。

③低カロリー食材!!
芋類の中ではカロリーが低く、脂質とタンパク質も少ないです。
主成分はデンプンですが水分の含有量が85%ととても多いので、ダイエット中のワンちゃんやあまり水分を取らない子もおすすめです。

◆里芋を食べるメリット

里芋に含まれる栄養素についてお話した通り、里芋には疲労回復効果のあるビタミンB1、高血圧やむくみ予防になるカリウム、腸内環境を整えてくれる食物繊維など多くの栄養素が含まれていました。

しかし、里芋を食べる最大のメリットは『水溶性食物繊維』に隠されています!!
食物繊維の所で少しお話しましたが、里芋特有のぬめりや粘りの原因である「グルコマンナン・ムチレージ・ガラクタン」という水溶性食物繊維にその秘密が隠されていますので、これらの成分についてもう少し詳しくお話します。

◎グルコマンナン
こんにゃくの主成分ともいわれる「グルコマンナン」は腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整えます。腸内で水分を吸収することで便が嵩増しされ、便秘予防になります。また、血糖値の上昇や血中コレステロール値を抑える効果もあります。

◎ムチレージ
納豆やオクラにも含まれるムチレージは、体内に入るとグルクロン酸という成分に変化し、鼻や喉、胃や腸の粘膜を保護する働きがあり、免疫力アップが期待できます。また、肝臓や腎臓の機能を高める効果も期待できます。

◎ガラクタン
正式にはアラビノガラクタンといい、アラビノースとガラクトースの二種類の糖で構成される多糖類です。白血球を活性化させる効果があり、免疫力アップやがん細胞の抑制などが期待できます。
また、アラビノガラクタンは腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やすことで腸内環境を整えてくれます。

◆アレルギー

アレルギーは主に食物に含まれるタンパク質が原因で起こります。
里芋には少ないですがタンパク質が含まれます。
初めて食べる場合は少量から始め、食後1~2時間は様子をよく見てあげましょう。
皮膚の赤みや痒み、下痢や嘔吐などの消化器症状、呼吸困難など異常がある場合はすぐに獣医師に相談しましょう。

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◆里芋中毒

里芋に含まれるシュウ酸カルシウムという物質が原因で起こります。
シュウ酸カルシウムは0.1㎜程度の針状の結晶をしており、口の中に刺さることでエグ味や渋味の原因にもなります。
また、里芋を調理した事がある人はご存じだとおもいますが、里芋を触っていると手に痒みや痛みが出てきますよね?これもシュウ酸カルシウムの仕業です。
このシュウ酸カルシウムを多量に摂取してしまうと、口腔内や胃粘膜などに刺さり、消化器官がダメージを受け中毒症状を起こします。
嘔吐や下痢、口腔内の痛み、元気消失などの症状が見られる場合はすぐに獣医師に相談しましょう。

※里芋の生食はNGです!!

シュウ酸カルシウムは里芋の表面に近い部分に多く含まれるので厚めに皮を剥き、熱に弱いのでしっかり茹でることで量を減らすことが出来ます。


里芋はぬめりがあるけど大丈夫なの?

里芋には「アク」と「ぬめり」があります。
里芋の「アク」はエグミや苦みの原因になり、シュウ酸カルシウムとホモゲンチン酸という物質が関与しています。
「ぬめり」にはグルコマンナン・ムチレージ・ガラクタンという水溶性食物繊維が関与しており、里芋に特有のぬめりや粘りを与えます。
里芋のぬめりにはアクも含まれますが、アクとぬめりは似て非なるものです。
アクは抜く必要がありますが、ぬめりに関してはその栄養価が高く評価されており、完全に取り除く必要はないでしょう。


里芋の与え方

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里芋の事について学んできましたが、愛犬にも食べさせてあげたいと思いましたか??
里芋には体に良い成分と摂取しない方よい成分がありましたね。
では、どのように与えればよいのでしょうか?与え方についてお話していきます。

◆里芋の最適な量

里芋をおやつや主食のトッピングとして与える際には、「1日に与えるフードの量の10%程度」を目安にあげましょう。
里芋は食物繊維が豊富なことから満腹効果がでます。与えすぎてしまうとフード(総合栄養食)の量に影響が出て、適切な栄養素が摂取できず、バランスが崩れてしまいます。注意しましょう!

◆加熱する

必ず加熱調理してから与えましょう!
里芋中毒の所でもお話しましたが、里芋にはシュウ酸カルシウムが含まれます(アクの原因)。
多量に摂取すると中毒症状を起こす危険性があり、違えてもサラダ感覚で生の里芋を与えないようにしましょう!
里芋の下処理の方法は基本的に人間が食べる時と同じで良いと思います。
しかし、ぬめりを取る際に塩を多く使うので、塩の代りにお酢を使ってぬめりを取る方法もあります。

★アク抜きの方法
1. 皮を厚めに剥く
皮の下にシュウ酸カルシウムが多く含まれるので、厚めに皮を剥く事が重要です。
2. 塩で揉み洗い&水洗い(ぬめり取り)
里芋5~6個に対して大さじ2の塩で揉む。粘りが出てきたらよく水で洗う。
3. 茹でる
茹で時間は15分程度。(水の代りに米のとぎ汁で茹でるとアク抜き効果アップ)

※この際に、2リットルの水に対してお酢大さじ2を加えて茹でると塩を使わなくてもぬめりやアクを抜くことが出来ます。

◆味付けしなし

犬に与える際に味付けは不要です。
犬の味覚は人間の1/5程度と言われています。塩味や旨味を感じるとは難しく、人間のような濃い味付けを必要としません。むしろ調味料よる味付けで体調を崩してしまいます。
また、犬は人間よりも嗅覚が優れているで、味よりも食材の香りに気を付けてあげると食欲がアップします。


犬に里芋を与える際の注意点

犬に里芋を与える際の注意点についてまとめます。

里芋を生で与えてはいけません!

⇒シュウ酸カルシウムによる里芋中毒やデンプンを生食することで消化不良を起こしてしまいます。必ず加熱処理いたものを与えましょう。

尿路結石の犬は要注意!

⇒シュウ酸カルシュウムを多く含むので、シュウ酸カルシウム結石になりやすく、尿石症の原因となります。
シュウ酸カルシウム結晶による尿石症は療法食で治療出来ません。症状がひどい場合は外科的除しか治療方法がありません。

※シュウ酸カルシウム結石の好発犬種も注意!
シーズー、ミニチュアシュナウザー、ビションフリーゼ、ヨークシャーテリアなど…

腎臓病、シニア犬は要注意!

⇒カリウムが多く含まれるので、腎臓病の犬や腎機能が低下いているシニア犬はカリウムを適切に排出することが出来ません。カリウムを適切に処理できないと高カリウム血症になる危険性があります。
高カリウム血症になると不整脈になり心停止を起こします。


生で食べてしまった場合はどうしたらいい?

どれだけ注意していても誤飲事故は起きます。
もし愛犬が里芋を生で食べてしまった場合はすぐに医療機関に連れて行くか、かかりつけの獣医さんに相談しましょう。
少量しか食べておらず案外ケロッといているケースもありますが、アレルギー症状などは時間が経ってから起こる事もあるので、まずは獣医さんに相談して適切な指示を受けましょう。


まとめ

日本人には馴染み深い食材である里芋には、食物繊維やビタミンB1・カリウムなど様々な栄養素が含まれていました。
免疫力を高める効果もあり、昔から人々が好んで食べていた理由がよく分かりましたね。
シュウ酸カルシウムやカリウムを多く含む事から、注意すべき点はありますが、下処理をしっかりと行い既往歴のある犬には注意して与えれば、人間も犬も一緒に楽しく食べる事の出来る食材でした!



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