犬との暮らしに床暖房は大丈夫?床暖房を使用する際の注意点

2023.11.19

犬との暮らしに床暖房は大丈夫?床暖房を使用する際の注意点

寒い季節になると活躍する床暖房。部屋全体をじんわり暖めてくれる優秀な床暖房ですが、愛犬との暮らしで使用する際にはいくつか気をつけたいポイントがあります。この記事では、犬がいるご家庭で床暖房を使用する際の注意点を紹介します。

犬のいる家で床暖房を付けても良いの?

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犬がいるご家庭でも、床暖房を使用して大丈夫です。
ですが、床暖房にはメリットとデメリットがあります。

これから床暖房の導入を検討している方はぜひ一読を御願いします。
すでに床暖房を使用している方も再確認のためにご覧ください。

◆床暖房のメリット

床暖房の最大のメリットは、火を使わないことです。
燃焼式の暖房器具と比べると火事のリスクがとても低く、犬がいても安全に使用できるのが飼い主にはうれしい特徴です。

また、床暖房は足元から効率よく部屋全体を暖めてくれます。
部屋は乾燥しづらく、床暖房一つで暖を取れるので、他の暖房器具を部屋の中に置かなく済む点もメリットです。
犬が暖房器具にあたって家具が転倒するなどの事故のリスクが下がります。
子犬期のやんちゃも安心して見ていられますね。

暖房器具といえば石油ファンヒーターをイメージする方は多いですよね。石油ファンヒーターは、熱風の吹き出し口が最大で70℃前後にもなります。
一方、床暖房は表面温度が25~30℃くらいなので長い時間一点を当て続けなければ、やけどをすることがほとんどない安全な暖房器具です。

また、低い温度で部屋を暖めるので、結露が発生しにくいという点もポイントです。結露が続くとカビやダニの発生の原因になりますので、結露しづらいのは犬の健康にも良いです。

設定機能があり、室温を一定に保つことができるので、犬の皮膚が乾燥しづらく温度変化や乾燥が少ない分、犬の体への負担も少なくなります。

◆床暖房のデメリット

床暖房だからこそ気をつけたいポイントがいくつかあります。

まず、床暖房が犬には暑すぎることがあることです。
犬は床に近い場所で生活しているため、飼い主にとって快適な温度になっているときは、犬には暑いです。犬が暑がっていないかこまめに観察しましょう。

また、床暖房でもやけどのリスクはゼロではないです。
何時間も同じ場所が床に接し続けていると、低温やけどするリスクがあります。
特に、1日20時間以上寝る子犬、暑さ寒さを感じにくくなったシニア犬は注意しましょう。

床暖房は特別な仕様を除いてはほとんどがフローリングです。カーペットなどを敷かなければ犬が滑りやすくなり、犬の足腰に非常に負担がかかります。ですので、犬が滑らないような対策が必要です。

そして、床暖房がある部屋で犬が水やおしっこを垂らせないことです。
床暖房が入っている床はとにかく水濡れに注意する必要があります。
多少の水分やおしっこのこぼしで床暖房がすぐに故障するとは考えにくいですが、飼い主の留守中に水分が長時間放置されれば、床の隙間から床下に水分が漏れ、床暖房の故障の原因になりかねません。


犬の最適な室温

犬にとって最適な室温は、

◎小型犬や短毛の犬種(チワワ、ダックスフント、フレンチブルドッグなど)
 23~26℃前後

◎大型犬や長毛の犬種(ハスキー、ゴールデンレトリイーバーなど)
 20~23℃前後
です。

大体どの犬の体温も37.5~39℃と人間よりやや高いくらいです。
人間がちょうど良いと感じる暖かさのときは犬には暑いと考えてあげましょう。

犬が寒がっているときは、暖房器具から離れない、毛布などにずっとくるまっているなどの様子が見られるので、室温の再チェックをしてみてください。

どの犬種でも寒い冬は20~25℃くらいにしてあげましょう。
ちなみに湿度は、40~60%が理想です。

あまりにも室内の湿度が下がってしまうときは、加湿器や洗濯物、水分補給がいつでも出来るようにしておいてあげると犬の体調不良を予防できます。


床暖房を付ける時の注意点

床暖房

犬は床に近い場所で過ごしていますので、人間より床暖房の影響を受けやすいです。

人間はやや寒い程度の床暖房の温度設定にして、人間は1枚余分に着込むなどしましょう。
床暖房のほかに暖房器具を併用するときは、室温が上がりすぎていないかこまめに温度計を確認してください。

冬でも室内に熱がこもると、犬は熱中症になるリスクがありますので気をつけてください。

床暖房も基本的には飼い主が外出するときは消すか、オフタイマーをセットするのが犬にとって安全です。


床暖房を使う時の対策

◆カーペットやマットを使う

床暖房を使う時は、床に直接犬が触れないよう、床暖房の上にカーペットやマット、タオルを敷いてあげましょう。
床と体の間に1枚何かあるだけで、低温やけどのリスクがぐっと下がります。

◆涼しい場所も用意する

床暖房を使用するほどの寒さでも、犬が暑いと感じたときにいつでも自由に場所移動ができるよう床暖房がない場所を用意しておいてください。

おすすめは、玄関です。
玄関に、移動用のケージなどを置いてあげると安心してまた涼しく過ごせます。
とても寒い日以外は冷却マットをケージの中に敷いておくのも良いです。
とにかく犬が暑いと感じたときに涼むことができる場所を用意してあげましょう。


犬が床暖房で低温やけどした時の対処法

万が一、犬が低温やけどをしてしまった時は、
◎やけどしたところをタオルなどで巻いてから冷水や氷を使って冷やす
◎冷やした後できるだけ早く動物病院へ行く

これが応急処置になります。

低温やけどは、短い時間なら触れてもやけどをしない温度なのに、一部分が長時間触れることで起こるやけどですので、通常のやけどより気づくのが遅くなり、重傷化しやすいという特徴があります。

また、低温やけどは皮膚の薄い場所にできやすいのも気をつけなければならない点です。

犬が低温やけどしたかもしれないサインは、
●やけどした部分をなめつづける
●やけどした部分を飼い主が触ろうとすると嫌がる
●やけどした部分をかばうように動く
●やけどした部分の皮膚が赤くなっている
●やけどした部分の皮膚に水ぶくれができている
●やけどした部分の皮膚がむけて、白や黄色のフケがある

です。

低温やけどは、冷やした後に痛みが出やすくなるため、犬は患部を舐めたがります。
患部を舐めさせてしまうと傷口から細菌感染する恐れがありますので、病院で処置してもらうまでおもちゃやおやつで犬の気を引き、なるべく患部を舐めさせないようにしておきましょう。

病院受診後は、飼い主の日々のケアが必要になります。
獣医さんの指示に沿いながら、こまめに犬の様子を観察しましょう。

やけど等をした動物にはよくエリザベスカラーといって、患部を舐めたりいじったりしないよう動物の首につけるカバーをすることが多いです。
自宅に帰ってそのエリザベスカラーを愛犬が嫌がって取ってしまぬよう注意してみておきましょう。

低温やけどをした部分によっては、汚れやすい手足だったりしますので、犬がトイレを済ませた後や、歩き回ったあとに、患部に汚れがないか確認することも悪化させないためには大事です。常に患部を清潔に保てるようにしてください。


床暖房以外の暖房器具

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床暖房のほかにも寒い季節を犬と快適に過ごせるアイテムはたくさんあります。
こたつ

こたつは空気が乾燥しづらく、足元を集中的に温めてくれるので大変便利な暖房器具です。
犬もこたつが大好きです。
こたつを用意すると中に入ったり、こたつ布団の上で寝る犬が多いと思います。

こたつ布団の上でくつろぐ分には良いのですが、こたつの中に入るのはあまりおすすめできません。

こたつの中は犬には暑すぎ、うっかりしていると犬の体温が上がり脱水に、そして被毛が加熱部分に接していることもあり、低温やけどになる恐れがあります。
こたつの中に犬が入ってしまったときは気をつけましょう。

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エアコン

部屋全体を暖めてくれるエアコン。火事のリスクがほぼなく、愛犬がいても安心して使える暖房器具のひとつです。

ただし、エアコンを使用するときは室内の温度と湿度に気をつけましょう。

冬であれば、エアコンの設定温度は21~24℃くらいが理想です。湿度は、40~60%です。
なるべく湿度は40%以下にならないように、換気もしながら加湿をして調節しましょう。

エアコンは留守中でも使用できます。留守中犬はケージやサークルの中が多いと思います。
エアコンの風が直接犬に当たらないように気をつけましょう。

ホットカーペット

床暖房に似ているのがこのホットカーペットです。
ホットカーペットは部屋の一部や、ケージの中でも、犬がいる場所だけを暖めることができる便利なものです。

ホットカーペットは火事のリスクもとても低いというメリットがあります。また、他の暖房器具同様に、ホットカーペットを使用するときは犬が長時間暖まりすぎて低温やけどをしないように注意しましょう。

ホットカーペットを選ぶ際は、
●犬にいたずらをされない形状か
●設定温度は何度になるか
●温度変化はどのくらいか
●手入はしやすいか
をよく調べてから購入することが大事です。

ストーブ

部屋を一気に暖めることができるのがストーブです。

しかし、燃焼式の場合も電気式の場合も、ストーブは火事のリスクがとても高いですので、使用する時は必ず飼い主がいるときのみにしてください。

短時間の外出でも犬だけになるのであれば、ストーブをつけ続けるのは大変危険ですのでやめましょう。

このように、床暖房をはじめ、犬との暮らしで使える暖房器具はたくさんあります。
それぞれにメリットとデメリットが存在しますので、特徴をよく吟味し、各暖房器具をうまく活用して、寒い季節を犬とともに快適に過ごしましょう。

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まとめ

犬がいる家庭でも床暖房は、使い方と温度設定に気をつければ使用しても問題のない暖房器具です。温度は人間に合わせるのではなく、犬に合わせてあげましょう。床暖房は滑りやすい、直接床に長時間触れると低温やけどのリスクが高くなる、というデメリットはありますが、カーペットを敷くなどの一工夫で安心して使用できるようになります。床暖房をはじめ、こたつ、エアコン、ホットカーペットなどをうまく併用して、寒い冬を犬と共に乗り越えましょう。



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今まで飼育したペットは、アヒル、ニワトリ、うさぎ、ハムスター、カメ、犬 と多種にわたります。飼育経験を生かしみなさまのペットに役立つ情報を正し く、わかりやすくお伝えしていきます。


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