1.コーギーとダックスのミックスは『ドーギー』
1-1.ドーギーが誕生するまでの経緯と歴史
1-2.『ダックスコーギー』と呼ぶ人もいる
2.コーギーの特徴3選
2-1.むちっとした体
2-2.大きな立ち耳
2-3.社交的で活発
3.ミニチュア・ダックスフンドの特徴3選
3-1.スッと伸びたマズル
3-2.大きな垂れ耳
3-3.3種の被毛
4.ドーギーをお迎えするにあたって知っておきたいこと
4-1.家の段差を出来るだけ排除する
4-2.好奇心が旺盛で運動好きな子が多い
4-3.抱っこの方法にも注意を払う必要がある
コーギーとダックスのミックスは『ドーギー』
コーギーとダックスのミックス犬は、「ドーギー」という名前で呼ばれることが多いです。その背景には、イギリスのエリザベス女王の愛犬の存在が大きく関わっています。
◆ドーギーが誕生するまでの経緯と歴史
動物好きのエリザベス女王が、生涯に渡ってコーギーをこよなく愛していたことはとても有名です。
ドーギー誕生のきっかけは、そんなエリザベス女王の愛犬であった小柄なウェルシュ・コーギーの「タイニー」と、女王の妹であるマーガレット王女が飼っていたロングヘアーのミニチュア・ダックスフンドの「ピップキン」が、思いがけず交配してしまったことが始まりでした。
コーギーとダックスのミックス犬として生まれた子犬を女王はとても可愛がり、コーギーの繁殖だけでなく、このミックス犬の繁殖も積極的に行うようになります。
女王の元で生まれたコーギーとダックスのミックス犬であるドーギーたちは、「ウィンザー・ドーギー」とも呼ばれ、女王の愛犬としてそばにい続けました。
ドーギーは純血種として認められた犬種ではありませんが、エリザベス女王がきっかけとなり、コーギーとダックスのミックス犬は世界でも名の知られた存在となったのです。
◆『ダックスコーギー』と呼ぶ人もいる
このような経緯から、コーギーとダックスのミックス犬はドーギーという通り名で呼ばれることが多いものの、本来は特定の犬種名が決められているわけではありません。
そのため、あくまでコーギーとダックスのミックス犬として扱われることもあれば、「ダックスコーギー」という2犬種の名前をつなぎ合わせた呼び方をされることもあります。
この点は特に決まりがないため、それぞれが呼びやすい名称を使用すると良いでしょう。
コーギーの特徴3選
異なる外見や性格の特徴を持つ2犬種を親に持つため、コーギーとダックスのミックス犬は、どちらの要素が強く出るかは生まれてみないと分かりません。
コーギーとダックスのミックス犬を飼ってみたいという人は、親犬であるコーギーとダックスそれぞれの特徴を理解した上で、どんな子犬が生まれるか楽しみに待ってみると良いでしょう。
まずはコーギーの特徴からご紹介します。
◆むちっとした体
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、がっしりとした四肢にむちっとしたボディを持つ胴長短足犬です。
低い位置から牛の足に咬みついて誘導する「牛追い犬」として活躍するため、この体型に改良されたとも言われています。
元は牧畜犬・牧羊犬なだけあって、その体は筋肉質です。メスで9~11kg、オスで10~12kg程度と、体高は低いですが中型犬に分類されるほど、がっしりとした体格になります。
◆大きな立ち耳
コーギーは大きな立ち耳も特徴的な犬種です。生まれてすぐは垂れていても、一般的には成長するにしたがって徐々に立ち耳になっていきます。
大きな耳がよく動いて情報収集したり、感情を表現する様は、コーギーの魅力の1つと言えるでしょう。
中には耳が垂れたままの個体もいますが、ショードッグとして活躍させたいなどの理由がなければ、その子の個性として受け入れてあげれば問題ありません。
◆社交的で活発
コーギーはとても遊び好きで、明るく社交的な子が多い傾向にあります。他の犬にも好奇心旺盛に近寄り、一緒に遊ぼうとする様子もよく見られるでしょう。
牧畜犬・牧羊犬として飼い主さんと協力しながら仕事をこなしてきたため、飼い主さんの言うことをよく理解し、きちんとルールを守るお利口な面も、この犬種が人気の理由です。
ミニチュア・ダックスフンドの特徴3選
ミニチュア・ダックスフンドもコーギーと同じ胴長短足犬ですが、元は地面の巣穴にいるアナグマやウサギの猟で活躍するためにこの体型に改良されてきたという、まったく異なる歴史を持つ犬種です。
見た目の印象がバラエティー豊かなミニチュア・ダックスフンドの特徴を3つご紹介します。
◆スッと伸びたマズル
獲物を追う猟犬だったミニチュア・ダックスフンドは、スッと伸びた鼻筋と口元(マズル)が特徴的です。優れた嗅覚で飼い主さんの猟を手助けしていました。
今ではダックスフンドならではの優美な顔つきの要素として、ファンから愛されているポイントの1つです。
◆大きな垂れ耳
ミニチュア・ダックスフンドは、立ち耳のコーギーとは反対に、垂れ耳が特徴的な犬種です。
細長い顔にこの大きな垂れ耳がチャームポイントとなって、ミニチュア・ダックスフンドの見た目の可愛らしさがアップしていると言っても過言ではありません。
垂れ耳である分、蒸れやすいという一面もあるので、耳が汚れている時のお手入れは丁寧に行ってあげる必要があります。
コーギーとダックスのミックス犬では、立ち耳の子、垂れ耳の子のどちらもいるようです。
◆3種の被毛
ミニチュア・ダックスフンドの被毛タイプは、光沢感のある短い毛を持つ「スムースヘアー」、なめらかで長い毛を持つ「ロングヘア―」、少しゴワゴワとした硬い毛を持つ「ワイヤーヘアー」と3種類あります。
こういった被毛の違いから、スムースヘアーは活発、ロングヘア―は優美、ワイヤーヘアーは凛々しい印象を持たれることもあるでしょう。
コーギーとダックスのミックス犬では、短毛が顕性(優性)遺伝となることもあって、誕生する子犬も短めの被毛になることが多いと言われています。しかし、親であるダックスフンドの毛質の遺伝子によっては、短めと長めの中間とも言うべき毛の長さとなることも考えられます。
ドーギーをお迎えするにあたって知っておきたいこと
コーギーとダックスのミックス犬であるドーギーを迎え入れる時には、体型や性格傾向の特徴をもとに、生活上の注意点をきちんと理解しておくことが大切です。
次に紹介する点に気を配りながら、コーギーとダックスのミックス犬との暮らしを楽しんでみてください。
◆家の段差を出来るだけ排除する
胴長短足犬であるコーギーとダックスのミックスとなる子犬は、親犬からその体型を受け継ぎます。段差の上り下りを繰り返すことで、背中や腰に負担がかかる可能性は高く、椎間板ヘルニアなどの発症に気をつけなければいけません。
コーギーとダックスのミックス犬と暮らす室内は、大なり小なりの段差となる家具や階段をできる限り排除し、愛犬の背骨に負担がかかりにくいようにしておきましょう。また、歩いたり走ったりする時に滑らないように、滑りにくい床材にしておくことも重要です。
そして、室内だけでなく、屋外でも段差には要注意です。散歩ルートを選ぶ時には、段差や階段が多い道は避けてあげてください。
◆好奇心が旺盛で運動好きな子が多い
コーギーもダックスも、犬種のルーツから運動好きな子が多いです。どちらも人と一緒に仕事をこなしてきたため賢い犬たちですが、運動不足に陥ってストレスが溜まると、よく通る声で吠えたり、咬む行動が目立つ犬になる可能性があります。
コーギーとダックスのミックス犬でも、きちんとその点を理解して、散歩や遊びで楽しく運動欲求を解消してあげないと、退屈感から思いもよらない問題行動が現れることも多いでしょう。
一方で、好奇心旺盛で運動好きな子が多いということは、愛犬と一緒にお出かけを楽しみやすいということでもあります。
他の犬や人との関わり方を幼い頃から教えつつ、しっかり運動させて余分なパワーを発散させてあげることができれば、いろいろな場所で愛犬との思い出をたくさん作ることができますよ。
◆抱っこの方法にも注意を払う必要がある
段差に注意が必要であることをお伝えしましたが、コーギーとダックスのミックス犬では、抱っこの仕方にも配慮が必要です。
縦向きの抱っこや、犬が後ろ足で立ち上がった状態で飼い主さんが前足から持ち上げるような抱っこの仕方は、背中から腰にかけての負担を減らすべきコーギーとダックスのミックス犬では避けてあげてください。
理想は、できるだけ地面と平行になるように横向きに抱っこし、お尻をしっかりと支えてあげる方法です。犬自身も抱っこ中の体勢が安定するので、落ち着いて抱かれてくれることが多いでしょう。
まとめ
コーギーとダックスのミックス犬は、イギリス王室でも愛された犬であり、ドーギーという名前で有名になりました。
しかし、純血種として確立された犬種ではないので、ペットショップなどで見かけることはほとんどないでしょう。特定のブリーダーが繁殖・販売している子犬を購入したり、偶然にもコーギーとダックスのミックス犬が保護団体などにいた場合に里親になるなど、迎え入れる手段はやや少なめです。
もしもコーギーとダックスのミックス犬を迎え入れた時には、胴長短足の2犬種の血を受け継いでいることを理解し、段差や床材、抱っこの仕方への配慮など、暮らしやすい環境を整えてあげましょう。
そして、運動好きで活発な性質をふまえて、日頃からよく遊び、愛犬を満足させてあげてくださいね。
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