1.ボーダーテリアの特徴
1-1.歴史
1-2.大きさ
1-3.毛質や毛色
1-4.寿命や気を付けたい病気
2.ボーダーテリアの性格
2-1.人懐こく従順
2-2.温厚で穏やか
2-3.運動が好き
4.ボーダーテリアの飼い方
4-1.飼育環境について
4-2.しつけについて
4-3.散歩について
4-4.お手入れについて
4-5.ご飯について
ボーダーテリアの特徴
ボーダーテリアは、小さな体に反して猟犬としてのスタミナを備えた、とてもタフな小型犬です。カワウソに似ているともいわれている、素朴な表情が特徴的な可愛らしいワンちゃんですよ。
JKCの2015年時点での登録数は16頭で、日本では飼育頭数が少ない犬種なのですが、ヨーロッパやアメリカでは人気があり、イギリスの柴犬といわれるほどポピュラーな犬種だそうです。
それでは、ボーダーテリアの特徴について詳しく解説していきましょう。
◆歴史
ボーダーテリアは、14世紀頃から存在が確認されている古い歴史をもつ犬種です。現存する最古のテリア犬種だとも考えられているそうですよ。
ダンディ・ディモント・テリア、ベドリントン・テリア、古いワーキング・テリアの混血によって生まれたものと想定されています。
農夫・猟師・羊飼いなどに飼育され、キツネなどの小害獣の狩りをして人々の助けとなっていました。
ちなみに、スコットランドとイングランドの国境地帯チェピオット・ヒルズ地方(ボーダーズ地方)に住み着いていたことから、国境という意味のボーダーが名前に付けられたといわれています。
この土地の人々は、ボーダーテリアを他の犬種と交配させずに外にも出しませんでした。このため現在のボーダーテリアは、何百年もの間姿を変えずに姿を留めていた純血種だと考えられているようです。
イギリスのケネルクラブに認められたのは1920年と遅いのですが、正式犬種として公認されると、ペットとして家庭内で飼育されることが増えました。1930年にはアメリカでも登録されて、あっという間に人気犬種となったのです。
◆大きさ
ボーダーテリアは、小型犬で扱いやすい大きさをしています。体高は約33cm~38cm、体重は5.1kg~7.1kgです。
なんといっても特徴的なのが、他の小型テリア種よりも長くて逞しい足を持っているという点でしょう。
短い足をもつダンディ・ディンモント・テリアとは、対照的な体型をしていますね。
◆毛質や毛色
ボーダーテリアの被毛の種類は、粗く針金のように丈夫な上毛と、密生した柔らかい下毛をもつダブルコートです。
寒冷地帯で産まれた犬種ため暑さに弱く、特に夏の時期は熱中症などに注意が必要でしょう。
毛色には以下のバリエーションがあります。
- タン(黄褐色)&ブラック
- タン&ブルー(黒みがかった灰色)
- グリズル(黒と灰色、赤色の混合色)
- レッド
- ウィートン(小麦色)
- ブルー
子犬の頃はブラックが多いのですが、成長するにつれて明るい色が増えてくることが多いそうです。成長段階の楽しみも大きいですね。
◆寿命や気を付けたい病気
ボーダーテリアの平均寿命は、約12~15歳です。もちろん個体差はありますが、一般的な犬種と比べても平均的でしょう。
身体が丈夫な子が多いですが、定期的な健康診断などを受けて、変化を見逃さないようにすることがおすすめです。
また、以下の病気には特に注意してください。
- 股関節形成不全
- てんかん
- 僧帽弁閉鎖不全
ボーダーテリアの性格
猟犬として活躍してきた古い歴史をもつ犬種、ボーダーテリア。古代の姿を保っている、とても稀少なワンちゃんだといえるでしょう。
それでは、ずっと人間をサポートしてきたこの犬種はどんな性格をしているのか、魅力的なポイントを紹介していきましょう。
◆人懐こく従順
ボーダーテリアは人懐こくて従順な性格をしているため、家庭犬としてもとても人気があります。
家族を愛し、子どもとも友好的によく遊んでくれるので、小さな子供がいるファミリーにもぴったりの犬種だといえるでしょう。
さらにとても賢いので、服従訓練も忠実にこなしてくれます。
◆温厚で穏やか
温厚で穏やかであり、争いを好まない性格でもあるボーダーテリア。この点も、家庭犬に向いているといわれるポイントの一つでしょう。
やんちゃな性格をもつ子が多いテリア種の中では、寡黙で落ち着いた印象を感じる性格をしています。
単独でのネズミ狩りやキツネを追い詰める仕事をしていたため、自分で思考し状況判断ができる犬種です。いたずらされても怒らないような優しさも持ち合わせているので、やはり子供のいる家庭には魅力的な家族の一員になってくれるでしょう。
◆運動が好き
元々猟犬として活躍していたボーダーテリアは、タフでスタミナのある犬種です。狩猟本能が強く、勇猛果敢でがむしゃらの一面もあるでしょう。
愛犬との散歩やアウトドアを楽しみたい、と考えている飼い主さんにはおすすめです。
活発なので定期的にドッグランなどに連れて行ってあげるとよいでしょう。
ボーダーテリアをお迎えするには
ボーダーテリアに限ったことではありませんが、犬を迎える前にはしっかりと準備をしておく必要があります。
室内飼育環境の整備や、必要なペットグッズの準備、家族全員の心構えや認識の統一、十分な費用の確保など、やることは沢山あるのです。
その子の命を最期までお世話する、共に生活していく、という覚悟が何よりも大切です。
ちなみにボーダーテリアは友好的で初心者でも飼いやすく、多頭飼いにも向いています。先住犬や猫がいる家庭でも、仲良く過ごしていけるでしょう。
ただし大変活発でエネルギッシュな犬種の為、しっかりと運動に時間を割いてあげる必要があります。
まずは、ボーダーテリアの習性や飼育方法などの知識を深めてから、家族として迎え入れられるかどうか、その子を幸せにできるかどうかを考えてみてくださいね。
ボーダーテリアの飼い方
ボーダーテリアを迎えるために、まずは正しい飼育方法を学んでおかなくてはいけません。
以下のポイントをしっかり、おさえておきましょう。
◆飼育環境について
ボーダーテリアは小型犬の為、マンションなどでも飼育が可能な犬種です。吠えることも少ないので、室内飼いにはぴったりでしょう。
ただ暑さには弱いので、室内でも熱中症になる危険性はあります。室内温度や湿度の調節がしっかりできる環境づくりをしてください。
また活発なので、フローリングなどの滑りやすい床の素材はあまりよくありません。マットを敷くなどして、怪我を予防できるよう配慮してくださいね。
◆しつけについて
毎日が知恵比べといわれる程、ボーダーテリアは賢い犬種だそうです。
前述したように、自分で思考し判断できる子が多いので、時として飼い主さんの思惑通りに進まないこともありますが、訓練生は高く飲み込みは早いです。正しくしつけを施せば、優秀なパートナーとなってくれるでしょう。
ただし、記憶力のいい犬種であるため、しつけは慎重に行ってくださいね。一度覚えたことを矯正するのは、中々難しいので注意しましょう。
愛玩犬ではなく、立派に仕事をしてきた使役犬ですので、アジリティやショードッグなど、目的を持った訓練をするのもおすすめです。メンタル的にも良い刺激を与えてくれるでしょう。
賢いだけに単調な物事には飽きてしまいがちなので、愛犬の様子を見ながら上手にしつけをすることが大切です。
◆散歩について
ネズミやキツネなどの動物を追って、1日中野山を駆け回っても体力が尽きない程タフなボーダーテリアには、十分な時間の散歩・運動量が必要です。毎日朝晩30分程度の散歩を欠かさずに行いましょう。
散歩はもちろんですが、室内でも素早い動きをするおもちゃなどを利用して遊ばせてあげてくださいね。
一緒に遊ぶ時間を増やすことで信頼関係も深まりますので、ぜひ毎日コミュニケーションをとってください。
ドッグランで思いっきり走らせたり、ボール遊びをすること、アジリティに挑戦することもおすすめです。
運動不足はストレスに繋がりますので、ストレスが溜まらないようしっかり適度に運動量を確保しましょう。
◆お手入れについて
ボーダーテリアはダブルコートですが、短毛なので比較的抜け毛の少ない犬種です。
週2回から3回ほどの頻度でブラッシングをするようにしましょう。シャンプーは月1回程度を目安にして行ってください。
被毛は硬いので、獣毛ブラシを使用するのがおすすめです。伸びすぎた被毛が気になる場合は、プロのトリマーにお願いしてお手入れしてもらいましょう。
◆ご飯について
主食には、総合栄養食であるドッグフードを与えましょう。フードと水のみで、栄養のバランスがとれるように作られています。
一般食は、栄養バランスよりも嗜好性が重視されている傾向にあるので、主食には不向きなのです。必ず、フードのパッケージに「総合栄養食」という記載のあるものを選んでくださいね。
また、ライフステージに合ったフードを選ぶことも重要です。子犬用・成犬用・シニア犬用・体重管理用など、年齢と目的別に様々なドッグフードが販売されているので、愛犬にぴったりのものを探すようにしましょう。
子犬の間は適正量を1日3回に分けて与えます。成犬になったら、1日2回で適正量を与えましょう。
手作りフードを与えたい方も多いと思いますが、手作りフードだけでは栄養バランスをとるのがとても難しいです。基本的に総合栄養食を与え、時々特別な食事として手作りフードを与えたり、トッピングとして利用するなどして与えることをおすすめします。
現代では犬用サプリメントも豊富に販売されているので、そういったもので栄養を補うのも良いでしょう。
まとめ
日本ではまだまだ珍しい犬種だといえるボーダーテリア。しかし、家庭犬としても魅力が溢れる、素晴らしい種類のワンちゃんなのです。
ペットショップで見掛ける機会は中々ありませんので、ブリーダーがいないか確認してみるとよいでしょう。
賢く穏やかで優しい性格をしているボーダーテリアは、小さなお子さんのいる家庭にも、多頭飼いをしている飼い主さんにもぴったりの犬種です。
ぜひ、家族の一員として迎えるワンちゃんとして検討してみてはいかがでしょうか。
– おすすめ記事 –
・ケアーンテリアってどんな犬?テリア種最古の狩猟犬をご紹介! |
・穏やかな頑固もの!セントバーナードの魅力と飼うときの注意点を徹底解説 |
・熊みたいなワンちゃんを10種紹介!熊犬と呼ばれる犬種とは? |
・ドイツ原産の犬9選!ドイツがペット先進国と呼ばれている理由と犬事情を知ろう! |