1.犬に豆苗を与えても大丈夫
1.豆苗ってどんな食べ物?似た野菜はある?
2.豆苗の栄養素
2-1.たんぱく質
2-2.ビタミンA
2-3.ビタミンK
2-4.ビタミンC
2-5.葉酸
2-6.β-カロテン
3.犬に豆苗を与える際の注意点
3-1.食べやすく切る
3-2.与えすぎない
3-3.なるべく加熱をする
3-4.アレルギーに注意する
犬に豆苗を与えても大丈夫
結論からいうと豆苗は、犬に与えても基本的には問題のない食材だといえます。
現在では犬は雑食動物と位置づけられているため、肉だけでなく野菜・果物を食べて栄養バランスを整えることが理想的。その点、豆苗は栄養豊富な野菜の一つですし、安価で手に入れることができる上に、1度カットしても根を水につけておけば新たな芽を出すため再収穫が可能な、お財布にも優しい便利な食材でもあるのです。愛犬に与えても良いのであれば、積極的に与えたいと思う方も少なくないでしょう。
ただし、犬には野菜・果物を消化するための酵素がありません。このため、ビタミンや栄養を体内に取り入れることが難しいといわれています。しかし、野菜を摂取することで便通の改善や調整作用が働くことは期待できるので、可能な範囲で正しく与えていくことがすすめられるでしょう。
豆苗の魅力あふれる栄養素を上手に取り入れるためにも、適切な与え方をするよう飼い主さんが徹底しなくてはいけませんね。
◆豆苗ってどんな食べ物?似た野菜はある?
文字通り豆苗とは、えんどう豆の苗のことです。発芽したばかりのえんどう豆の新芽を、豆苗スプラウトと表示して販売されていることもあります。緑黄色野菜の中でも豊富な栄養素が含まれている野菜なので、人間はもちろん愛犬にも健康維持のために与えたい食材だといえるでしょう。
ちなみに、えんどう豆の若葉を豆苗として食べ始めたのは、中国が始まりだそうです。日本に登場したのは1970年代でした。当時は収穫時期と量が限られることから、高級中華料理店でした食べられない貴重な食材だったのです。水耕栽培で新芽を食べられるよう改良されたことで、現在ではスーパーなどで時期を問わず購入することができるようになりました。
栄養満点な上、安価で手に入れることができる豆苗は、まさにコストパフォーマンス抜群の食べ物として人気を集めてきたのです。
そんな豆苗に似た野菜に、かいわれだいこんやブロッコリースプラウトなどがありますが、これらも犬に与えても大丈夫な食べ物だとされています。
かいわれ大根は生で食べた方が栄養価も高く、細かくカットすることでその効果が得られるそうです。愛犬に与える際には、細かく刻んで生のままで与えるとよいでしょう。
そして、ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトも、栄養価が高いため犬におすすめの野菜だといえます。スルフォラファンという成分が含まれているため、ガン抑制効果・動脈硬化予防・貧血予防、などの効果が期待できるそうです。
いずれも愛犬の健康サポートに力を発揮してくれそうですよね。では、豆苗の方はどうでしょうか。どのような栄養素が含まれ、犬に与えることでどんなメリットが得られるのか、解説していきますのでしっかりチェックしてみてください。
豆苗の栄養素
豆苗に含まれる主な栄養素をいくつか紹介していきましょう。併せて、愛犬にとってどのような効果が期待できるのかも紹介していきますので確認してみてください。
◆たんぱく質
筋肉・血液・皮膚・被毛など、体を作るために必要な栄養素であるたんぱく質。体の調子を整えてくれる作用ももっています。
ただ一方で、たんぱく質の過剰摂取が腎臓への負担になるという側面もあるため、特に腎臓病などを患っているワンちゃんには与える上での注意が必要でしょう。不安な方は獣医師に相談してみてください。
◆ビタミンA
目のビタミンともいわれるビタミンA。白内障の予防、角膜の健康維持などの効果が期待できる栄養素です。
明るい場所から暗闇に目が慣れるための明順応を正常に保つ働きももっています。
また、皮膚・被毛の健康状態を保つ効果があり、表皮のターンオーバーや皮脂の調整をしてくれます。脂漏症などによるフケを抑える効果も期待できるでしょう。
◆ビタミンK
健康な血液と骨の維持に欠かせない成分であるビタミンk。骨のカルシウム不足による石灰化や、止血する血液凝固作用などにも必要不可欠な栄養素です。
不足すると、骨が弱くなったり、出血した際に血が止まりにくくなってしまいます。更に貧血を引き起こす原因ともなるため、しっかりと摂取しておくことが大切です。
◆ビタミンC
若々しい体を保ち、ガンを抑制する働きをもつビタミンC。
犬は人間と違って体内でビタミンCを生成することができるのですが、年齢・体質によっては不足してしまう場合も。抗酸化作用と免疫機能増加作用をしっかり得るためにも、定期的に取り入れたい栄養素の一つだといえるでしょう。
◆葉酸
体の細胞の生まれ変わりや、成長をサポートするという大切な役割をもつ葉酸。
妊婦さんに必要不可欠な栄養素としても有名ですね。
◆β-カロテン
抗酸化作用が高く、ガン・心臓病の予防や、コレステロールの酸化防止作用をもっている栄養素がβ−カロテンです。
犬の体内においてはビタミンAに変換され、皮膚・粘膜の強化、視力の維持、呼吸器系を守る働きをしてくれます。
犬に豆苗を与える際の注意点
魅力的な栄養素を豊富に含む豆苗ですが、正しい与え方をしなければ効果を得られないどころか、愛犬の体にデメリットをもたらす原因となってしまう可能性があります。以下の注意点をしっかり抑えておきましょう。
◆食べやすく切る
愛犬に豆苗を与える場合は、出来るだけ細かくカットしてから与えましょう。消化吸収がよくなりますし、喉に詰まらせる可能性も少なくなります。特に子犬やチワワのような小型犬は、身体の小ささからも食べ物を喉に詰まらせるリスクが高まります。
豆苗に限らず他の食べ物やドッグフード・おやつなどもそうですが、安心して与えるためにも小さく刻んだり、体のサイズにあったものをご飯として選ぶようにしてくださいね。
◆与えすぎない
栄養価が高い豆苗ですが、与えすぎると消化不良を起こす可能性があります。
これも他の食べ物にもいえることですが、愛犬に与える際には与える量に十分注意することが大切なのです。
犬は毎日のごはんとして総合栄養食であるペットフードを食べていれば、基本的にはそれ以外のものを与える必要はないのです。おやつとして与える際には、1日の最適カロリー量の10%以内にすることが目安となります。
豆苗も与えすぎることで、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす原因となる場合がありますので、最適量を与えることを徹底してくださいね。
◆なるべく加熱をする
豆苗は生のまま与えても大丈夫ですが、加熱してから与えた方が消化しやすくなります。さっと湯がいてあげることで、消化不良のリスクを軽減できるのでおすすめですよ。
シャキシャキとした歯ごたえが魅力の一つでもありますが、犬にとっては噛みにくい場合もあるのです。特に、老犬などはあごの力が衰えてくるため、噛まずに飲み込んでしまう可能性もあるでしょう。
消化機能を促進させるためにも、加熱して与えるよう心掛けてください。
◆アレルギーに注意する
どんな食べ物に対しても、アレルギー反応が起こる可能性がゼロだとはいえません。初めて豆苗を与える際にも、初めは少量を与えて様子をみるようにしてください。
主なアレルギー症状には、下痢・嘔吐・皮膚の痒み・元気減退・目の充血などがあります。
愛犬に異変が見られた場合は、かかりつけの動物病院を受診した方がよいでしょう。
簡単手作り豆苗レシピ
少し加熱してフードと一緒に与えるなど、トッピングとして与えるのも手軽でおすすめですが、手作りごはんを与えたい!という方にぴったりの、豆苗を使ったレシピを一つ紹介していきましょう。ぜひ参考にしてみてください。
【材料】
◎豆苗…10g
◎かぼちゃ…70g
◎ひき肉…100g
◎醤油…小さじ1
◎塩…小さじ1/3
◎砂糖…適量
◎水…100cc
【作り方】
① かぼちゃをレンジ(600w)で1分ほど加熱する。
② かぼちゃを食べやすい大きさにカットする
③ 豆苗をみじん切りする
④ 熱したフライパン(油は引かない)にひき肉を入れて炒める
⑤ フライパンに水を入れ調味料を加える
⑥ 豆苗を入れて加熱して出来上がり
野菜は愛犬のサイズに合わせて、食べやすい大きさにカットしてください。普段食べているフードに混ぜれば、特別な日のご馳走にぴったりです。
他にも豆苗を使ったレシピ記事などはたくさんありますので、ぜひ探してみてくださいね。
まとめ
豆苗は栄養価がとても高く安価であるため、トッピングや愛犬の手作りご飯の食材としてもおすすめの野菜です。
ただし与え方や量には注意しなくてはいけません。愛犬の様子を見ながら適量を探ること、初めて与える時はアレルギー反応に気を付けることを忘れないでくださいね。
中にはシャキシャキした食感が苦手だったり、ニオイが好みではない子もいるかもしれません。そういった場合は無理に与える必要はありません。
もし愛犬が好んで食べるようであれば、注意点を守りながら一緒に豆苗を使った食事を楽しんでみてください。
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