1.これからの季節に気をつけたいペットの熱中症
2.熱中症とは
3.熱中症になりやすい犬猫の特徴
4.犬猫の熱中症の症状
└重篤化した場合
5.熱中症の恐れがある場合の対処法
6.屋外での注意点
7.室内での注意点
8.車内での注意点
【掲載:2024.05.16 更新:2024.05.16】
これからの季節に気をつけたいペットの熱中症
近年の地球温暖化の影響もあり、暑い季節のはじまりが少しずつ早まってきています。気象庁では、最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上の日を真夏日、25℃以上の日を夏日と区分しており、2022年の東京都は猛暑日が16日、真夏日は50日ありました。
ワンちゃん・ネコちゃんも熱中症になります。今回は暑い季節に気をつけて欲しい熱中症について、症状や対処方法などを踏まえながらお話しします。
犬猫の熱中症とは
高い気温や湿度によりカラダが熱を下げられなくなり、脱水を起こします。重症化すると、脳や腎臓などに後遺症が残る場合や死に至るケースも少なくありません。カラダが熱くなるとワンちゃんは大きく口を開けてハアハアと呼吸したり(パンティング)、ネコちゃんはカラダをなめたりして体温を下げます。しかし、ワンちゃん・ネコちゃんは汗が出る分泌腺が鼻付近や足の裏などの一部にしかなく、たくさんの汗をかくことができないため体温の熱発散が効率的にできず、人よりも熱中症になりやすいです。
熱中症になりやすい子の特徴
下の7個の特徴が当てはまるワンちゃん・ネコちゃんは特に熱中症になりやすいため注意が必要です。
犬猫の熱中症の症状
ワンちゃん・ネコちゃんの熱中症は主に下のような症状があらわれやすいです。小さな変化に早めに気づけるように、気温・湿度が高い日などは注意してみてあげましょう。
重篤化した場合
症状が進行してくると重篤な状態におちいります。熱中症のワンちゃん・ネコちゃんの死亡率は25~50%というデータもあり、迅速な対応が生死を分けます。
熱中症の恐れがある場合の対処法
熱中症の恐れが考えられる場合にはすぐに対処をしてあげる必要があります。
・日の当たらない涼しい場所に移動する
・部屋を涼しくする
・太い血管が通っている首や脇、内股などを冷やす
・水でカラダを冷やす
冷水をかけ続けると血管が収縮してしまい、体温が下がりにくくなるので必ず常温の水を使用します。水をかける時は心臓から遠い足元から冷やしていきます。水に慣れていないネコちゃんは、急にかけるとショック症状を起こす危険性がありますので注意してください。
・冷やしたタオルで全身を覆う
タオルが体温で温まらないように、こまめに取り換えたり、タオルの上から風を送って冷やしましょう。
・水を飲ませる
多量の水を飲むと誤嚥(ごえん)してしまったり、嘔吐してしまったりする可能性もあるので注意しましょう。
・動物病院へ連絡する
外出先の場合は近くの動物病院を探します。
屋外での注意点
日中の強い日差しの中、お散歩に行くのは大変危険です。人とワンちゃんとは同じ気温でも体感温度に差があります。大人が30℃程の体感の場合、地面により近いワンちゃんは40℃程、地面のアスファルトの温度は55℃程になり、炎天下だと60℃以上になるというデータもあります。熱を蓄えたアスファルトの上を歩くと肉球がやけどする危険性もあります。お散歩はアスファルトの熱が冷めている早朝などの涼しい時間帯に、短時間で行きましょう。水分補給もこまめにし、暑さ対策のグッズを活用しましょう。
室内での注意点
室内でも熱中症になる恐れがあります。風通しが悪い、日光が直接当たる、湿度が高い場所は要注意です。ワンちゃん・ネコちゃんが自由に動ける環境なら、暑ければ自分で涼しい場所に移動できますが、お留守番などでケージの中に入っている場合は移動ができないだけでなく、興奮などによって危険性が高まります。ケージ内の環境やケージの設置場所について再度見直してみましょう。
暑い季節は室温と同時に湿度にも配慮が必要です。冷房や除湿を活用しましょう。エアコンは風が当たる場所によって温度差がありますので、部屋の温度を安定させるために扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させるのがよいです。エアコンの冷気が直接ワンちゃん・ネコちゃんにあたってしまうと、冷え過ぎることもあるので注意しましょう。
車内での注意点
エンジンを切った車内はもちろん、エアコンをつけていても夏場の日中車内温度は40℃を超えることがあります。さらにキャリーバッグの中は熱がこもりやすいので、車内でキャリーバッグに入っていると二重に熱中症の危険性があります。ワンちゃん・ネコちゃんを暑い車内に置いていくのは短時間でも絶対にしないでください。移動中なども車内で快適に過ごすために、温度・湿度管理やこまめな水分補給をしましょう。
ワンちゃん・ネコちゃんは体温調節が人よりも苦手です。暑い季節はいつもよりも愛犬・愛猫の体調を意識し、異変があれば早めに動物病院へご相談ください。
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