犬のおしっこは1日何回が普通?おしっこが増えたり減ったりする原因を解説

2024.08.17

犬のおしっこは1日何回が普通?おしっこが増えたり減ったりする原因を解説

犬は1日何回おしっこをするのでしょう? 年齢や食事内容、生活環境によって異なりますが、病気が原因になっている場合もあります。今回の記事では犬のおしっこの回数について、増えたり減ったりする原因を解説します。

犬のおしっこの回数はどれくらい?

犬のトイレ

◆通常1日3~5回程度

健康な犬は通常、1日3~5回程度おしっこをします。おしっこの量や回数は犬種、年齢、サイズによって異なります。また、同じ犬種、年齢、サイズの犬でも個体差があります。
不妊手術の影響でおしっこの量や回数が変化する場合もあります。
一度にたくさんのおしっこをする犬、散歩中にマーキングをするため少量ずつ何か所もおしっこをする犬もいます。
室内飼いの犬で、外に連れて行かないと絶対おしっこをしない犬もいます。
日頃から愛犬のおしっこの回数や量を気にかけておくことで、何かの原因で量が増えたり減ったりした際にすぐ気づくことができるので、是非チェックしておいてください。

◆子犬と成犬の違い

子犬は成犬に比べて1日のおしっこの回数が多いです。子犬は体が小さいため、おしっこを溜めておく膀胱も成犬に比べて小さく、おしっこをたくさん溜めておくことができません。そのため、少量のおしっこを何度も行います。また、母乳やミルクや流動食を食べている場合が多いので、ドライフードしか食べない成犬に比べて水分摂取量が多くなり、その分おしっこの回数も多いです。

一方、成犬になると膀胱も大きくなり、おしっこをたくさん溜められるようになるため、おしっこの回数が減ります。
また、成犬になり、食事内容もミルクや流動食からドライフードに変わることで子犬の頃に比べておしっこの回数が減ります。

◆成犬とシニア犬の違い

年齢を重ね、シニア犬になってくると、膀胱の機能や排泄に使う筋力が低下してくるため、おしっこを膀胱に溜めておくことが難しくなってきて回数が増えます。
尿道括約筋などの働きも弱くなるため、思わぬ粗相をしてしまう場合も出てきます。
食事内容をシニア犬用の軟らかいフードに変えることで、水分摂取量が増え、おしっこの回数が増えることもあります。
また、おしっこを作る腎臓の働きが弱くなり、薄いおしっこがたくさん作られるようになり、おしっこの回数が増える場合もでてきます。


犬のおしっこの回数が増える原因

おしっこの回数が増える原因には様々なものがあります。以下では代表的なものを解説します。

◆水分摂取量の増加

水分を多く摂取すれば当然おしっこがたくさん作られるために、おしっこの回数や量が増えます。
飲水用の容器を変更した場合や、水飲み場を増やした場合など、健康上問題がなくても水を積極的に飲むようになればおしっこの回数も増えるでしょう。

◆気温や運動量

気温や運動量によっても犬のおしっこの回数は変化します。
多くの犬は寒い時期はあまり動きたがらず、飲水量も減るため、おしっこの回数も少なくなりますが、暑い時期や運動した際には水をたくさん飲みたがり、おしっこの回数も増えてきます。

◆食事内容の変化

犬の日頃の食事内容の変化によって飲水量が増える場合があります。
水分の少ないドライフードに比べて、水分を多く含んだウェットフードやスープ状のフードを中心に食べる場合はおしっこの回数が増えます。

◆病気がある

おしっこの回数が増えてしまう病気もあります。
代表的なものを以下で解説します。

膀胱炎

おしっこを溜めておく膀胱に炎症が起こることで、おしっこをたくさん溜めておくことができず、おしっこの回数が増えます。この場合は、1回のおしっこの量はとても少なくなり、少しずつ何度もおしっこをするようになります。
また、おしっこが出てしまった後も、排尿姿勢を何度も取り、不快感を示します。
おしっこの色も血液の混ざった赤色や褐色になることが多いので注意しておきましょう。
膀胱に結石が出来て膀胱炎になる場合や、細菌が感染して膀胱炎になることが多いですが、原因がない特発性膀胱炎を起こす犬も多いです。
膀胱炎でおしっこの回数が増えている場合は、犬自身もとても不快な思いや痛い思いをしているため、早めに動物病院で診察・治療を受けさせてあげましょう。

慢性腎臓病

おしっこを作る腎臓には、体の老廃物をおしっこで捨てている働きと、体にとって必要な水分を失わないようにおしっこを濃縮する働きがあります。慢性腎臓病では、これらの働きが弱くなってしまい、老廃物があまり入っていない割に本来であれば体に残しておくべき水分が多く含まれた薄いおしっこをたくさんするようになってしまいます。
この結果、おしっこの回数や量が増えます。また、体から失われてしまった水分を補うために犬がたくさん水を飲むようになり、多飲多尿の状態になります。
膀胱炎などがなく、膀胱の機能が正常である場合は1回のおしっこの量もとても多くなり、おしっこの回数、量ともに多くなります。
慢性腎臓病は進行すると、尿毒症を起こし、食欲元気まで失われて命に関わってきます。早めに対処し、内服薬や食事療法を行うことで犬が元気でいられる期間が延びるので、異常を感じたら早めに動物病院を受診してください。

糖尿病

慢性腎臓病と同様に犬のおしっこの回数や量が増える病気の代表的なものが糖尿病です。
糖尿病になり、血糖値が高い状態が続くと、おしっこに水分が大量に含まれるようになるため、おしっこの回数や量が増えます。慢性腎臓病の場合と同様に、おしっこの回数や量が増えた分、水分を保持しようとして飲水量も増えて多飲多尿となります。
糖尿病も初期の症状は多飲多尿のみで、元気も食欲もあることが多いですが、急に重症化して具合が悪くなるため、早めに治療に取り掛かることが重要です。

クッシング症候群

クッシング症候群とは副腎のホルモン分泌が異常に増えてしまう病気で、ホルモンバランスの乱れにより、水をたくさん飲んで、おしっこの回数や量が増えます。
その他には、お腹が張ってきたり、呼吸が荒くなったり、脱毛が見られ、進行すると免疫力が低下して様々な病気を起こしやすくなり、状態が急変してしまう場合もあります。また、糖尿病を併発することも多く、放置しておくと重症化してしまいます。

子宮蓄膿症

避妊手術をしていない高齢犬に多く見られる病気で、子宮の中に膿が溜まってしまいます。食欲や元気がなったり、外陰部から膿が出てきたりしますが、外陰部から膿が出ずに外見では判別できないケースも多いです。
症状の一つに多飲多尿があり、おしっこの回数や量が増えます。
子宮に溜まった膿により敗血症を起こしたり、子宮が破裂して急変したりする場合もあるので、早期発見が重要な病気です。


犬のおしっこの回数が減る原因

トイレシート

◆水分摂取量の減少

健康な状態であっても、フードの変更などにより水分摂取量が減少すると犬のおしっこの回数は減ります。
ウェットフードからドライフードに変更した場合などに多く見られます。

◆暑さや脱水

暑さや脱水症状によって、犬の体内の水分が少なくなってしまうと、おしっこの回数も減ります。
健康な犬であっても、熱中症や脱水症状は命に関わるので、涼しい場所で常に新鮮な水が飲めるようにしてあげましょう。

◆病気がある

犬のおしっこの回数が減る原因として病気が潜んでいる場合もあります。以下で代表的なものを解説します。

腎臓病

慢性腎臓の初期は上述したとおり犬のおしっこの回数は増えますが、末期になるとおしっこを作る力が失われたり、脱水を起こしたりして、おしっこの回数が減ります。また、急性腎不全の場合もおしっこの回数が減ります。同時に食欲や元気も失われている場合が多いです。

尿路結石

尿路結石ができることで、おしっこが出なくなってしまい、命に関わる場合があります。犬がおしっこをしようとしているのに全くでない場合や、おしっこの際に痛がって鳴く場合は早めに動物病院を受診しましょう。


犬のおしっこの回数が異常な場合

◆回数や状態を記録する

愛犬のおしっこの回数がいつもと違う場合は、回数や状態を記録しておきましょう。こうすることで、動物病院で説明する際にスムーズに行える上、治療の過程で症状が改善しているか把握しやすくなります。
異常が出ていなくても、常日頃から愛犬のおしっこの回数や量や色などを意識してチェックしておくと、日々の変化に早めに気づくことができます。

◆獣医師の診察が必要

犬のおしっこの回数が異常な場合、原因として重篤な病気が潜んでいるケースもあります。これらは体の外側からでは判別できないことが多いですが、血液検査やレントゲン・エコー検査や尿検査を受けることで診断することが出来ます。愛犬の状態が悪くなってしまう前に早めに診断・治療を受けられるように動物病院で診察を受けましょう。


まとめ

今回は犬のおしっこの回数について解説しました。
犬のおしっこの回数は犬種、年齢、サイズによって異なる他、時期や食事内容、生活環境にも影響を受けます。また、個体差や性格の違いもあります。
ただし、犬のおしっこの回数が増えたり減ったりする原因として重篤な病気が潜んでいる場合もあるので、常日頃から愛犬のおしっこの回数や量には気をつけ、異常が見られたら早めに動物病院を受診してください。



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