犬のてんかんについて…

2015.11.11

犬のてんかんについて…

「犬のてんかん」についてです。 人間と同様「犬」にも「てんかん」はあります。 「てんかん」には重度なものから軽度のものまで、様々なケースがあります。 大きくわけると2つの発作があります。 犬の神経疾患の中では最も多いと言われています。 今回は「てんかん」についてお話します。

通常、脳起源の痙攣(けいれん)する発作を「症候性てんかん」と呼び、脳に何ら病気がないてんかん発作を「特発性てんかん」と言います。
ただ、てんかんと言われる疾患は大脳の神経細胞の過剰な放電に由来する反復性の発作であり、犬の神経疾患の中では最も多いと言われています。
重度なものから軽度のものまで、様々なケースがあります。
大きくわけると2つの発作があります。

全般発作

しびれる

非常に様々な発作症状を示しますが、代表的なものに
突然前足と後ろ足がピーンと伸び、横転したり後ろへのけぞったりする:強直発作
口を細かくガタガタと震わせながら、手足の屈伸運動や犬かきをして泳ぐような運動をする:間代発作があります。
前兆には不安、落ち着きがない、流涎、嘔吐などが見られます。
この時、意識が無く、眼の瞳孔は開き、失禁したり脱糞したり口から泡を吹いたりします。
通常、数十秒から2~3分間で終わって、普段の状態に戻る場合と、しばらくもうろうとした後に普通の状態に戻ったりします。
重度の場合は短い間隔で何度も繰り返す場合もあり、てんかん重積状態と言った危険な状態に陥ります。

部分発作

瞳孔が開く

脳の一部分だけが興奮した状態になります。興奮した部分の脳と関係する体の一部だ けが変化し、発作となります。
例えば前足を動かすことを命令している脳の部分だけが興奮すると、前足だけが痙攣します(運動発作)。
意識に関連する場所の脳が興奮した場合では、呼びかけても反応しない。
咀嚼(そしゃく)運動(歯を噛む動作)や顔面痙攣、大量のよだれ、散瞳(瞳孔が開く)などが起こります。
他に筋肉が瞬間的に動くミオクロニー発作もあります。

治療方法としては…

特発性てんかんの場合は、抗てんかん薬による薬物治療を行ないます。
また、症候性てんかんの場合は抗てんかん薬に加え原因疾患の治療が必要になります。
いわゆる対症療法です。対症療法とは、てんかんを起こす原因となる何らかの障害、例えば脳腫瘍・脳炎・水頭症などに対し、病気により治療を変える治療法です。      
てんかんかどうかわからないなど、症状も混在しますのでかかりつけ獣医にてしっかり相談してみてください。

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Dr.佐藤 貴紀

Dr.佐藤 貴紀

幼い頃から大の動物好きで、獣医を志す。 麻布大学獣医学部卒業後、西荻動物病院、dogdaysミッドタウンクリニックにて副院長をつとめる。 また、獣医生命科学大学内科学教室において循環器を主に学ぶ。 2008年7月に「白金高輪動物病院」開業。 2011年4月に「中央アニマルクリニック」開院。 専門は「循環器」。全国に約60人しかいない(2013年5月現在)「日本獣医循環器学会認定医」の一人。 専門外来を特徴とし、確定診断にもこだわり、かかりつけ医を推進している。 誠実でやさしい人柄と確かな技術に惹かれて、全国の飼い主さんから相談が絶えず寄せられている。

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