当時まだ8か月の子犬でした。
我が家に来た時はまだ、「ここはどこ?僕の知らないお家。帰りたい」と言いたげで、「良い子にしてたらお家に帰れるの?」と言うように吠える事もなく静かにご飯を食べてお散歩に行くだけの生活でした。
ずっと室内で育った犬で外にはほとんど出た事がない。
活発なビーグルなのでお散歩もさせたかったんだけど、お散歩にも行ったことはない。
前飼い主さんに言われていたので、外を歩く助六はおっかなびっくり、車の音や工事現場の音に怖がって、おどおどとした様子のお散歩でした。
我が家に来て5日目のある日、父が散歩に行ったのですが、
「助六の首輪が外れて、お散歩をした事がない方向へ走って行ってしまった」と青い顔をして帰ってきました。
犬は鼻がきくし、前の犬も脱走をしたことがあるけど帰ってきたし・・。
そうは思っても、まだ我が家に来たての子。
匂いもそうそうついていないだろうし、ましてやいつもと違う方向に行ってしまった。
そして一番怖いと思ったことは、外に出たのが我が家に来て初めてに近いので事故にあうのではないか。
外をあちこち探しながら、脳裏を嫌な考えがぐるぐる駆け巡りました。
暗くなりかけの中、徒歩で探して2時間、お散歩中のワンちゃんを連れた人や、歩いている人に
「ひとりで歩いているビーグル犬見ませんでしたか?」と尋ね歩き、中には親切に一緒に探してくださる方もいたのですが、もう2時間も経っているのならきっと遠くに行っているかもしれないから車で探すか明日にした方がいいと何度も言われる中、あきらめきれず車に乗り換えて探すことさらに2時間がたちました。
夜も更けてきて、明日の朝に再び探そうと思い家の駐車スペースに車を止めた時、バックミラー越しに玄関の前にもそもそ動く丸い物体を発見。
「!!!!!」
慌てて車を止め、外に出て玄関の前を見ると、そこには普通に鎖につながれているかのような助六がいました。
外れた首輪は私が持っていたので、鎖につながれているハズもないのに、
何事もなかったかのように、おかえり~というように伸びあがってこちらを見ていました。
嬉しくて涙が出るのをこらえながら、「助六!」と呼ぶと、ようやく自分がつながれていない事に気が付いたのか、思いっきり私に飛びついてきました。
まるで、「僕ね、今日少し遠くまでお散歩してきたんだよ!すごく楽しかったんだよ!!」と言うかのように大興奮していました。
翌日から、吠えるようにもなり(少し近所迷惑でもありますが)、ずっと入らなかった犬小屋の中で眠るようになり、前よりも食欲が出て、お散歩中も自分からこっちに行く!とぐいぐいと綱を引くようになりました。
あ~ようやく、「ここが新しい僕のお家」と認識してくれたんだな。と嬉しく思いました。
今でもあの時はよく自力で戻ってきたな~。と、結果的に脱走補助?をしてしまった父は感心して話をしています。
そして7年がたち、今でも前の家の事を思いだすのかな?でも、ここの方が楽しい!と思われるような飼い主になれていれば私は幸せだな~と思います。
言うことがわかるようで、とてもおりこうに育ってくれている事を、飼い主として・・飼い主ではなく家族として、とてもうれしく思っています。
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買い物中にお店の外に犬を繋いで待たせたら、もう二度と会えなくなるかも、、、犬誘拐に気を付けて!