・子犬を迎えるときに
子犬を迎えるのはどこからでしょう?ペットショップですか?ブリーダーですか?保護センターからですか?
どちらにせよ、可能であれば子犬を迎える際に先住犬を連れて行けたらそれが一番手っ取り早いかもしれません。
人間と同じく犬にも相性があります。どんなに努力しても仲が悪いものは悪い。
お家に迎えてから「やはり駄目だった」と返すより、最初に迎える側に事情を話して一緒に連れて行って相性を見ることが出来ればベストですよね。
連れて行く上で必ず寄生虫の有無・駆除を行っていること。
感染するような病気を持ち込まないよう混合ワクチンや狂犬病ワクチンを済ませていること。
連れて行けるときはクレートに入れ、相手先で勝手に外に出さない。これが最低限のマナーになります。
これらの事を相手先に相談して了解を得てから連れて行くようにしましょう。
ただし、どうしても衛生上の問題(病気の持ち込みを防ぐ)や近隣への考慮(見慣れない犬が来ることで他の犬が吠える)など理由があって断られることもあります。
決して無断で勝手に連れて行くことはしないでください。
犬は群れで子育てをする習性が残っていますので、よっぽどの事が無い限り子犬を受け入れやすい動物です。
絶対にとは言い切れませんが、比較的うまくいく組み合わせがあります。
先住犬がまだ不妊していないメスの場合、より子犬を受け入れる可能性は高くなります。
先住犬がオスの場合でも、子犬がメスだと興味を示しやすいです。
1歳未満の子犬同士なら大きな問題は起こらないと思われます。
逆に問題が起こる可能性がある組み合わせもあります。
2,3歳くらいのオスで縄張り意識が強く、甘えん坊な性格だと「部外者」として後から来た子を攻撃することがあります。先に居る子の方が気が弱く後から来た子が気が強いと、後から来た子に支配される場合もあります。
もし順位が逆転してしまったとしてもそれは犬の社会の問題なので、気にする事はないのですが、それは後ほどご説明します。
先住犬の性格が大らかで好奇心の強い遊び好きな子なら性別も関係なく何歳であってもすぐに子犬と一緒に遊ぶでしょう。
もう一つ気をつけなければならないのは先住犬が高齢犬である場合です。
ゆっくりと自分のペースで過ごしている所にキャピキャピの子犬がまとわりつくと、うるさがって怒る場合もあります。
ストレスにもなりますから高齢犬が受け入れられないようなら無理をせず、過ごさせてあげるように時間差で子犬を出すなどの工夫が必要です。
とにかく言える事は「こうだから仲良くなれる・なれない」とは言い切れないということです。
個体差がありますのであくまでもこればかりは「相性」だと考えてください。
・先住犬に会わせてみよう
今回は子犬を迎えるというテーマなので、まず家に着いたら子犬を休ませましょう。
いきなり先住犬に会わせるのではなく、子犬の居場所を作り、そこでゆっくり子犬を落ち着かせます。
子犬も初めての場所、知らない所に連れてこられたのですから不安でいっぱいです。
先住犬をフリーにしてみて興味を示し子犬の居るケージ等の周りに来るようならそのまま好きなようにさせてください。
好奇心を示し、尻尾を振りながら匂いをかいでいる、遊び始めるようなら相性はバッチリです。
子犬は新しい環境になじむまで、ゆっくり出来るスペース内に置いてあげてください。先住犬とは今まで通りに接して、極端に環境を変えない事が大切です。
新しく来た子犬に気持ちを奪われ、かまいたくて仕方なくなってしまう事が無いように。犬もやきもちを焼きます。
先住犬が子犬の存在に慣れた頃から少しずつ二人で遊ぶように会わせてみましょう。
・飼い主が出来ること
少し前の本に良く書いてあったことがあります。
「先住犬を優先すること」
しかし、この言葉には固執する必要はありません。臨機応変で大丈夫です。
私は9匹のパピヨンと一緒に暮らしています。
同じ犬種だと仲良くなりやすいという事もありますが、新しい子が来ても誰かが居なくなっても特にいつもと変わりなく皆過ごしています。
仲の良い子同士は一緒に良く遊び、そうでない子はマイペースでたまに誰かと遊んだり、一人で居たり様々です。べったりしているのは母犬と子犬くらいなもので、あとは微妙な距離感を保っているようです。
私が犬の世界に大きく干渉する事はありません。犬の世界の上下関係、友好関係を築くのは犬です。
見ていると比較的言える事は、犬たちも自然と「年功序列」を保っているなという事です。
その犬たちの関係を見極めて、こちらも対応するようにしています。
犬は自分たちの群れを作ります。群れて生活する動物だからです。
人間は群れのリーダーでなければならない。という説もありますが、私の持論は少し違います。
人間は犬の群れの一員ではなく、一頭一頭と信頼関係を結んでいる存在でなくてはなりません。
私はすべての犬たちの躾けや世話をしたりご飯を上げる事で彼らの信頼を受けています。
飼い主というのは各犬たちときちんとした信頼関係を築き、全体を見守る存在で良いのです。
きちんと躾けされ、飼い主を信頼している犬は精神的にも落ち着いており、飼い主が認めた新入りなら「まぁしょうがないか」的な感じだったとしても無下に嫌がることはありません。
そして、後から来た犬も、すぐに飼い主が大きな存在であるという事に気づき、先住犬の真似をしてくれます。躾けもとてもしやすくなります。
逆に飼い主の言うことをまったく言うことを聞かない、躾けも出来ていない先住犬が居るのに次の子を迎えると、その子も先住犬の真似をして好き勝手にするようになりやすいものです。
他頭飼いをする時に先住犬の躾けが出来てないという事は一番避けなければならない問題です。
・仲良く出来るかな?
犬同士が仲良くできるか、心配しすぎることはありません。
微妙な距離感はどの犬でも(人間でも)あって当然なのです。
仲が悪いというのは流血沙汰になるほど噛み合いするような状態を言います。そうでなければ大丈夫です。
犬たちの社交性に任せて飼い主はドンと構えて犬から信頼を得て、犬たちを信用して過ごさせてあげてください。
飼い主が心強い存在になる事で、犬たちも仲間と安心して生活出来るのです。
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