【獣医師監修】猫が震える時に考えられる病気9つ。痙攣した時の対処法は?

2017.11.09

【獣医師監修】猫が震える時に考えられる病気9つ。痙攣した時の対処法は?

急に猫がブルブルっと震える。眠っている最中にピクピクと痙攣する。愛猫が震えたり痙攣したりすると、少し気になります。夢を見ているの?ひょっとして病気?猫は犬などに比べて震える、という動作は見られません。そんな猫が震える時は何らかの病気の可能性もあります。猫が震えたり痙攣を起こす時、私たち飼い主はどのような対応をすれば良いのでしょうか?

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猫が震える理由は?

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猫が震える時に考えるパターンは「意識がある時」「意識がない時」の2つがあります。

– 意識がある場合 –

・低体温
・痛みを我慢している
・代謝の低下
・ストレス
・緊張、不安感、不信感
・衰弱

◆猫は基本的に寒さで震えない

猫がブルブル震えているが、意識があって食事も食べる。こんな場合は、寒くて低体温になっている、体のどこかが痛いのを我慢している、体の代謝が低下している等が理由かもしれません。

猫は寒さによって震えるということはほとんどありません。猫は寒さが得意な動物ではありませんが、寒ければ暖かくなる方法を考えます。背中を丸めて、足と手足をくっつけるという方法で寒さをこらえます。
また、温かい場所を探し求めて移動するので、寒い場所でずっと震えて我慢するということはありません。

震えるほど体温が低下しているというのは、寒さ以外の原因で体温が低下しているのです。

【猫が寒さで震える時は?】
まずは猫の体温を上げるために毛布などで猫の体を包み、保温します。その上で猫の状態を確認します。下痢、嘔吐の有無、黄疸の確認(猫の白目や口内の色を見ます)をします。

体温を上げても体調が悪い様子が続くようであれば、すぐに獣医師の診断を受けましょう。

◆筋力低下などで震える老猫

歳をとって、筋力の低下した猫も震えることがます。筋力の低下により、少しの事で身体が疲弊して震えることがあります。

体温調節が苦手な高齢猫の場合、低体温症を起こしている可能性もあるので、身体をしっかり温め、呼吸数を確認する等しっかり様子を観察しましょう。

◆ストレスが原因で震える場合も

猫はストレスが理由で震えたり、ぐったりすることもあります。他にもひどい緊張、不安感を抱いた時も同様に震え、痙攣を起こし、あるいはぐったりとしてしまいます。

猫は強いストレスや恐怖を感じると、震える以外にも瞳孔が開く、耳やヒゲが後ろに向く、うずくまるなどがあります。

あくまでも一過性の震えであるので、特に心配することはありません。お風呂に入れたときにブルブルと震えるのも強いストレスを感じてしまっているからです。

– 意識がない場合 –

名前を呼んでも反応しない、息が荒い、筋肉が収縮している場合は、てんかんなどの病気の発作で痙攣を起こしているのかもしれません。あるいは脳の腫瘍や脳炎、重度の腎臓病や肝臓病、低血糖などの病気の可能性もあります。

3分以上痙攣が続くようならすぐに病院へ連れて行きましょう。食中毒や頭の打撲、外傷による脳神経障害が起こっている可能性もあります。


猫が震える・痙攣する時に考えられる病気

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猫が痙攣を起こす時の理由は、感染症、内分泌系、神経疾患、代謝性疾患など様々です。

震える、痙攣するなどの症状が現れる病気は以下のようなものがあります。

◆てんかん

原因が特定されない先天的なてんかん発作である「特発性てんかん」の発生率は犬にくらべて少なく、ケガや病気などによる脳への器質的な障害が原因で起こる「症候性てんかん」が主であると考えられています。
症候性てんかんの原因となる病気は、脳炎や脳腫瘍のほか、肝不全による肝性脳症や、腎不全、猫伝染性腹膜炎などのウイルス感染症等が挙げられます。

てんかん発作の症状は、意識がなくなって倒れ、全身を強直させて痙攣を起こすほどの重度なものから、顔面など、体の一部分だけがピクピクと痙攣する軽度のものまで様々です。

通常、発作は数秒から数分間続き、突然終了します。痙攣発作を何度も繰り返す場合(重積発作)もあります。重積発作は脳に深刻な障害を与え、ときに命に関わることもあるため、発作が30分以上続く場合には緊急処置が必要です。

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◆水腎症

水腎症は、腎臓と膀胱をつなぐ尿管や尿道といった尿路がふさがれてしまい、腎臓から尿路を通って体外に排泄されるはずの尿が、腎臓内の腎盂と呼ばれる部位にたまることにより発症します。

尿路がふさがれる原因は、尿管結石や尿道結石、膀胱の尿管開口部近くにできた膀胱腫瘍による圧迫、尿管を巻き込んだ腫瘍、外傷や先天的な奇形など様々です。

尿が腎盂にたまると腎臓が腫れ上がり、お腹にしこりを認めることがあります。

◆尿毒症

尿毒症は、腎不全などの進行によって腎臓の機能が低下し、本来なら尿として体の外に排泄されるはずの老廃物が排泄されないことにより生じます。放置すると毒素が体内に蓄積して、やがて全身の臓器に障害をもたらします。

尿毒症になると、食欲低下、嘔吐、下痢、口臭、体重減少等が認められるようになります。さらに症状がひどくなると、痙攣や昏睡などの神経症状を起こし、命に関わることもあります。

◆熱中症

熱中症は、体温が急激に高くなり、正常な体温を保てなくなることで発症します。本来猫は暖かいところを好む動物ですが、汗腺が人間にくらべると少なく、発汗によって体温を調節することができません。そのため体温が急激に上昇すると、下げることが難しくなります。

熱中症になると急激な体温の上昇(40℃以上)にともない、口を開けてハァハァとあえぐように呼吸をし、よだれが口から流れ出します。目や口腔粘膜が充血してきます。吐き気、嘔吐や下痢をしたり、一時的にふらついて倒れてしまうことがあります。
熱中症がさらに進行した場合、虚脱や失神、筋肉が震える、意識の混濁等の症状が現れ、呼びかけにあまり反応しなくなります。完全に意識を失ったり、全身性の痙攣発作を起こしたりすることもあります。

さらに症状が進行すると、吐血や下血(血便)、血尿といった出血症状や、酸素をうまく取り込めないためにチアノーゼが認められたり、最悪の場合はショック症状を起こし、命に関わることもあります。

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◆急性腎不全

急性腎不全は、急激に腎臓の働きが低下する病気です。

食欲の低下、元気がなくなる、尿の量が明らかに減る、あるいはまったく出ない、頻繁に嘔吐する、などといった症状が見られます。病状は急激に悪化することが多く、治療が遅れると脱水を起こし、アンモニアのような口臭がし、嘔吐がさらに酷くなります。痙攣や体温の低下、昏睡といった重度の症状が現れ、命に関わる場合もあります。

急性腎不全の原因は腎臓疾患だけでなく、猫下部尿路疾患や心不全など様々です。

◆肝リピドーシス

肝リピドーシスは、脂質代謝異常により肝臓に過度の脂肪がたまった状態です。

脂質の代謝異常は糖尿病などのホルモン異常や膵炎、栄養バランスの取れていない食事や急激なダイエットなど、様々な原因が引き金となって起こります。また、引っ越しやよその家に預けられる、入院など、生活環境の急激な変化がストレスとなって食欲不振に陥ったりすると発症することもあります。

肝リピドーシスになると元気がなくなり、食欲が減退してほとんど何も食べなくなり、眠っていることが多くなります。さらに下痢や便秘、嘔吐といった胃腸障害、体重減少や脱水といった症状が見られ、黄疸が現れてくることもあります。症状が進むと、意識障害や痙攣などの神経症状が引き起こされることがあります。

◆猫伝染性腹膜炎

猫伝染性腹膜炎は、ネココロナウイルスの一種である「猫伝染性腹膜炎ウイルス」の感染が原因で発症します。
他の感染症にかかっている猫、ストレスの大きい猫、子猫や老猫など、免疫力の弱い猫が発症しやすい傾向にあります。感染しても発症しないケースもあれば、後に何らかのきっかけで発症するケースもあります。

猫伝染性腹膜炎を発症すると、発熱、食欲の低下、嘔吐や下痢が見られ、次第に体重が減少します。
ウエットタイプ(滲出型)とドライタイプ(非滲出型)という2つの型に分かれ、多くの猫に見られるのはウエットタイプです。前述の症状のほかに、腹膜炎や胸膜炎を発症し、腹水や胸水が貯待って腹まわりが膨らんだり、呼吸困難を起こす等の症状が見られます。
ドライタイプでは、ウエットタイプと同様に発熱や食欲不振等が見られるほか、中枢神経系(脳・脊髄)に炎症が起こり、麻痺や痙攣、行動異常などの神経症状が現れます。目にも症状が現れることがあり、ぶどう膜炎や脈絡網膜炎などを起こし、失明する場合もあります。腎臓や肝臓に障害が現れ、腎不全の症状や黄疸などの症状が認められます。

どちらのタイプも症状が重い場合には数日から数ヵ月の間に亡くなります。

◆低血糖

猫の低血糖症は、血液中の糖分(グルコース)が少なくなることで細胞への栄養補給が不完全になった状態を言います。

糖尿病にかかっている猫は血糖値が上昇しすぎているため、インスリンや投薬によって血糖値を下げる治療を行います。その際に血糖値が下がりすぎてしまうと低血糖症を引き起こす可能性があります。

元気がない、食欲不振、ぐったりしている、立てない、ふらつく、震える、などの症状が現れます。症状が進むと痙攣、昏睡、失明といった重度の症状が現れます。かなりの重度になると回復する見込みが難しい程に脳が損傷したりする危険性もあり、最悪亡くなってしまうこともあります。

◆中毒

人用のサプリメントや医薬品類の不適切な投与、腐りかけの魚肉中の細菌やキャットフードに生えたカビの摂取、薬品類や観葉植物などの誤飲・誤食など様々なことが中毒の原因となります。

症状は、原因となる物質や食べ物によって異なります。よだれを流す、瞳孔が縮まる、震える、運動失調、痙攣発作、高体温といった神経症状を示すものもあれば、嘔吐や下痢、あるいは口腔内のただれといった消化器症状が強く出るもの、出血傾向や可視粘膜の蒼白化、頻脈といった貧血症状を起こすものもあり、原因物質によって多種多様です。中毒の原因によっては、腎不全や肝不全に進行することがあります。

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猫が痙攣する時の対策、対処法は?

猫が震える理由は、あまり心配のいらないものから、飼い主さんが自分で判断するには危険なものまで様々です。

1. 獣医師に連絡

痙攣発作を起こした場合は、命に関わることがあります。かかりつけの獣医師と連絡が取れる場合にはかかりつけ獣医師に、連絡が取れない場合は夜間救急動物病院などに連絡し対処法を聞くようにしましょう。

2. てんかん発作の場合

泡を吹いているようなてんかん発作の場合は、一刻も早く病院へ連れて行きましょう。
飼い主さんが咬まれたり引っ掻かれたりしないように注意しながら、猫をそっとタオルや毛布で包み、キャリーに入れて連れて行きます。

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3. 持続時間と頻度をチェック

震える、痙攣を起こすといった症状がどれくらい続くのか、何度も繰り返しているのか、「持続時間」「頻度」が極めて重要です。必ずチェックしてください。可能であれば動画を撮影しておくと病院で症状を報告するときに便利です。

ただし、症状が重篤な時はチェックしている場合ではありません。すぐに病院へ連れて生きましょう!

4. 原因究明

震える、痙攣を起こすなどの理由は病院で検査をして突き詰めていかないとわかりません。急に震え出した場合は全般的な「血液検査」と「尿検査」が必須です。理由がわからない時は抗アセチル抗体、筋電図、内分泌等の検査や全身のレントゲン、MRI検査が必要になることもあります。

結果、異常が見つからなければ定期的な健康診断で様子を見て行くこともあります。


まとめ

今、愛猫に気になる震えや痙攣があって、不安になっている飼い主さんは、愛猫の様子を動画に撮ってすぐにでも病院で相談してください。

我が家の愛猫はてんかんでした。最初は顔が小さく震える、といった軽い症状から、失禁、よだれを垂らす、急に走り出して家具にぶつかり倒れこむ、等と症状が進みました。さらに症状は進み、痙攣を繰り返す重積発作を起こして昏睡状態に陥りました。
随時病院での診察は受けていたものの、対応が症状に追いつかず後手後手になった感があり、愛猫には大変苦しい思いをさせてしまったと申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

震えや痙攣を放置するのは、大変危険です。健康診断を受けていないのだったら、この機会に全般的な血液検査と尿検査を受けましょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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そらにゃん

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猫が大好きなおばさんです。猫、いいですね! 我が家には「そら♂」「すず♀」「りん♀」のニャンズがいます。 ずっと犬を飼っていて猫暦はまだ二年そこそこと短いのですが、長年の願いだった猫との暮らしに今もウハウハ状態です。ニャンズのおかげで仕事や家事や寄る年波の疲れも吹っ飛びます。 病気がちな「そら」のおかげで獣医さんと懇意になり、通院の度に先生から様々な猫情報を教えていただいてます。 いかにニャンズを満足させられるか、猫じゃらしの振り方を日々研究中。 得意技は猫に錠剤を飲ませること。←ただし「そら」限定!?

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