【掲載:2019.02.19 最終更新:2025.05.30】
赤ちゃん返りした猫に見られる行動は?

一言で赤ちゃん返りといっても、猫に見られる行動はさまざまです。しっかりとしつけのされた猫の態度が急に変わったり、大人しく穏やかだった子の性格が急に変わってしまったり…。
もしかしたらそのような変化も、猫の赤ちゃん返りの可能性があります。
次のような行動が見られるようでしたら、「もしかしたら赤ちゃん返りをしているのかも?」と疑ってみてもよいかもしれません。
◆前足でフミフミ
子猫の授乳行動から起きる「フミフミ」は、赤ちゃん返りの特有の行動ともいえるでしょう。
この行動を猫がしている時は遠い子猫の時の記憶や、あたたかい母猫のことを思い出しているのかもしれません。同時に指先をグーパーしているのも、同じように当時の感情や感覚に浸っているのかも。
幸せだった頃の記憶は、前足の動きと同時に蘇っているのかもしれません。
何はともあれ幸せな感情に浸っている時間だと思いますので、邪魔をしないように見守ってあげましょう。
◆指や毛布に吸い付いてくる
フミフミする行動と一緒によく見られる行動が、飼い主さんの指やお気に入りの毛布に吸い付く行動です。中には軽快に「チュッチュッ」と音を立てながら、必死に吸い付いてくる子も。
そのまま眠りについてしまう子もいるので、本当に赤ちゃんを見ているような気持ちになってしまうことでしょう。
◆喉をゴロゴロ
甘えたい時、嬉しい時、気持ちよい時、心地よいときなどに鳴る、猫の喉笛。この音を聞けるだけで、飼い主さんはまるで母親のような、優しい気持ちになることでしょう。
諸説ありますが、このゴロゴロという音は、自分の気持ちを伝える音であるともいわれています。そのため、この行動をあえてしている時は、飼い主さんに何かメッセージを伝えたいのかもしれません。
◆長めの声で鳴いてくる
短めの鳴き声を出すイメージの猫ですが、何かを求めるように長めの鳴き声を出す時は、自分の構って欲しい気持ちを主張していることが多いです。
「こうして欲しい」「反応して欲しい」などの気持ちでいるのにも関わらず、実際にはまったく構ってもらえない時などに、自分の意志を主張するために長い鳴き声で訴えているのです。
飼い主さんが応えるまで続けてくることもあるので、気に障ることがあれば泣き続ける赤ちゃんにそっくりですよね。
◆粗相やイタズラをしてくる
いつもはしないイタズラや粗相をしてくる行動は、飼い主さんの気を引きたいという気持ちの表れです。
もちろんトイレが汚れていたから別の場所で粗相をしてしまう場合もありますが、原因が見当たらずにこのような行動をしたのならば、赤ちゃん返りの可能性が高いです。
自分に関心をもってもらうための行動なので、一方的に怒ったり叱ったりするのは止めておきましょう。
◆攻撃性が増す
新しい猫(または他の動物)や、飼い主さんが妊娠し子供が産まれた場合などに赤ちゃん返りをすることも多いです。
これは飼い主さんの愛情が全部自分に向かなくなってしまったことへの、抗議とも取れる行動といえるでしょう。
必殺の猫パンチで、イライラしている気持ちを払拭しようとしているようにも見えるので、偏らない愛情を注いであげることが必要です。
猫が赤ちゃん返りする理由は?

猫が赤ちゃん返りの行動をするようになるには、何かしらの理由が存在しているはずです。
猫はどんな気持ちで赤ちゃん返りをし、自分の気持ちを飼い主さんに主張しているのでしょうか?
◆自分だけを見てほしい
赤ちゃん返りの行動で「攻撃性が増す」と挙げたように、新しい家族を迎え入れた際に自分への関心が薄れたと感じて、赤ちゃん返りをしてしまう子が多いようです。
攻撃性が増すだけでなく、人間との距離を上手にとっていた子が急にベタベタと甘えるようになってしまうなども、猫の赤ちゃん返りの特徴といえるでしょう。
今まで自分はその家の中心だと思っていたのに、急に蚊帳の外のような感じになってしまえば、関心を取り戻すために必死になるのも当然といえるのではないでしょうか。
◆とにかく寂しくて甘えたい
普段から1匹でお留守番をすることが多かったり、飼い主さんにあまり構ってもらう時間がなかったりする子は、寂しい気持ちから赤ちゃん返りをしてしまうことも。
もっと長い時間一緒に居て欲しいのに、それが叶わない場合は、せめて一緒に居られる時間は思いっきり甘えたい!と思ってしまうのは当然の感情ともいえるでしょう。
猫が飼い主さんを思うあまりの行動となりますので、一概に赤ちゃん返りをされて困ったとはいえなくなってしまいますよね。
◆普段と違う状況が不安
飼い主さんが妊婦の時期や、産まれたばかりの子供を面倒しているときなどにも、猫は赤ちゃん返りをしてしまうことがあります。
猫は嗅覚や聴覚が発達しているので、普段と違う変化にも敏感に反応してしまうのです。明らかに飼い主さんの様子が変わっていると感じるので、不安を覚えてしまうのでしょう。
◆歳を取って性格が変わった
人間でもお年寄りの方が赤ちゃん返りをした、という話はよく耳にしますよね。
猫も高齢になればなるほど、赤ちゃん返りをする子は多く居ます。若い頃に甘えることが少なかった子でも、長年連れ添った飼い主さんへの愛情は深いものなといえます。
体力も筋力も衰えてきた老猫は、体力維持のためにあまり無理をしないようになります。そのため、絶対的な信頼を寄せている飼い主さんのそばを離れず、無駄な感情は抜きとして本能的に甘えているのかもしれませんね。
猫が赤ちゃん返りする時の対策は?

基本的に猫の赤ちゃん返りは、寂しさや甘えたいなどの気持ちや、自分への関心を取り戻すためにしているように思えます。
飼い主としてはどれもこれもかわいいと思える行動ばかりですので、赤ちゃん返りをしてくれても結構!なんて気持ちになってしまうところですが、猫の不安な気持ちは取り除いてあげなくてはいけません。
猫が不安や不満を抱かず、安心して暮らしてもらうためにできる対策として、どんな方法が有効的なのでしょうか?
◆関心が猫に向いていることを示す
猫が飼い主さんの気を引くために色々な振る舞いをするのであれば、自分の関心はあなたに向いているよ、という気持ちを示してあげましょう。
言葉がたとえ通じないとしても、猫が「ニャー」と何かを話しかけてきたのなら、しっかりと言葉でお返事してあげましょう。自分の言葉に反応してくれていることが感じられただけで、意外と満足してくれることもあるのです。
気付いたらそばにいるということが多いようでしたら、気付いた時に優しくなでてあげるようにしましょう。
猫はなでてもらうことが大好きなので、それだけで満たされることも少なくはありません。
◆スキンシップを怠らないようにする
猫に関心を向けてあげることと同時に、普段からのスキンシップを怠らないようにしましょう。スキンシップを心掛けることによって、猫の変化にもすぐに気付きやすくなります。
ストレスを溜めさせないためにも、猫の心の声に耳を傾け、何が言いたいのか、何を求めているのかを汲み取ってあげてください。
猫が普段から満たされれば、赤ちゃん返りの対策にもなるはずです。
◆1匹になる時間を減らすようにする
お留守番の時間が長い猫は、その分寂しい気持ちが募りがちです。可能であればもう1匹猫をお迎えするなどをして、家族を増やしてあげることも、1つの対策として考えられます。
ただし、難しいようでしたらやはり1匹の時間を減らす努力をしてあげるべきです。
猫を迎え入れると決めた時点で、一生を添い遂げる決心をしたはずです。仕事などで家を空ける時間は仕方ないとしても、仕事が終わったらすぐ帰宅したり、休日は猫と一緒にいれる時間をなるべく多くしたりすることによって、寂しい気持ちは少し軽減できるかもしれません。
寂しい環境に慣れさせすぎない努力は、飼い主さんにしかできないことなのでしっかりと猫と向き合うようにしましょう。
まとめ
猫の赤ちゃん返りも人間の心理と一緒で、寂しさや不安を感じると飼い主さんの気を引く行動に出てしまうようです。ごく自然な行動であり病気ではないので、さほど心配は要らないとはいえますが、寂しい思いをさせておくのは気が引けてしまうことでしょう。
猫に意志がある時点で、何を思って考えているのかは、常に考えてあげるべきですよね。
急な赤ちゃん返りや高齢化によって赤ちゃん返りをするようになったのなら、猫の気が済むまで相手にしてあげてください。さらに信頼は深まり、よりお互いの絆も深まっていくことでしょう。
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