【獣医師監修】猫が誤飲した時の症状、対処法は?吐かせることはできる?

2019.07.28

【獣医師監修】猫が誤飲した時の症状、対処法は?吐かせることはできる?

猫と生活をしていると思わぬトラブルが起こることがあります。猫は好奇心から様々なものを口にしてしまうことがあり、異物を誤飲してしまうこともそのひとつです。年々、猫を飼う人が増えているにつれて、異物の誤飲で動物病院に来院する猫の数も増えてきています。 猫が異物を誤飲した時にみられる症状、また飼い主さんはできる対処法、予防法について紹介します。

【目次】

猫が誤飲した時にみられる症状は?

ぐったりする猫

猫が異物を誤飲してしまうと、まず喉に違和感があり、誤飲した異物が胃に移動することもあります。誤飲した異物が移動していく順番は、喉・食道・胃・小腸・大腸・肛門です。

猫が異物を誤飲した時にみられる症状はいろいろあります。猫が異物を誤飲した場合、どういった症状がみられるのでしょうか。

◆消化管に異物がある場合の主な症状

・元気がない、ぐったりする
・食欲不振
・呼吸が苦しそう、呼吸困難
・吐こうとするが何もでない
・嘔吐

このような症状がみられる場合は、消化管のどこかで異物が詰まっている可能性があります。

異物を誤飲した時は、喉・食道・胃に異常がみられることが多いです。喉に異物が詰まると気道を圧迫するので、息ができなくなってしまいます。また、異物が胃に詰まると胃の粘膜に傷がつく恐れがあります。

特に腸管で異物が詰まっている場合、1日に10回以上も吐くことがあります。日頃、吐かない猫が1日に何度も激しく吐くことがあれば、異物が腸管に詰まっている可能性を疑いましょう。

◆腸閉塞を引き起こす危険も

異物が腸まで到達してしまうと、腸閉塞を引き起こす場合があります。腸閉塞を起こしてしまうと、その場所から壊死を起こすことがあり、命に関わることがあります。

大腸まで到達すれば、そのまま通過することが多く、便として排出されることが多いです。


猫が誤飲しやすいものとは?

猫とねずみのおもちゃ

猫が異物を誤飲しやすいものが家の中にたくさんあります。基本的に、猫の口の中に入るものはすべて誤飲の可能性があります。

◆ゴム(輪ゴム・ヘアゴム)

特に誤飲しやすいものはヘアゴムです。ヘアゴムは飼い主さんのニオイもついていて、サイズも飲み込みやすいです。猫がヘアゴムで遊んでいる場合はすぐに片づけましょう。

◆ビニール

買い物の袋に使われているビニール袋の持ち手部分、お菓子やタバコについているフィルムなどは猫が好む素材でできています。口の中に入れることが多いので注意が必要です。

◆衣類(服・布)

靴下、ニット素材、Tシャツなどは飼い主さんのニオイがついていて、食べてしまう猫がいます。また、飼い主さんのニオイに関係なく、ウールを好んで食べてしまう「ウールサッキング」という病気があります。

ウールサッキングはなかなか治療をしても改善しないことが多いです。そのため、猫が届く場所には衣類や毛布を置かないようにしましょう。

◆紐(リボン・糸)

おもちゃについている紐、靴紐、包装用のリボン、手芸用の糸、その他には釣り糸など細いものを飲み込むことがあるので注意が必要です。

紐状の異物を誤飲した場合、腸管が紐に締めつけられるため、腸が裂ける危険性があります。そのため、一般的な異物の誤飲よりも危険性が高くなります。

ビニール、ゴムも紐状になっている場合危険なので注意が必要です。

◆おもちゃ(猫が噛みちぎれるもの)

猫用のボールやおもちゃのネズミにも注意が必要です。猫がおもちゃで遊んでいる間に噛みちぎってしまい、そのまま飲み込んでしまうことがあります。また、猫のおもちゃが5cm以下ぐらいのものであれば飲み込む可能性があります。

猫のおもちゃで特に危険性が高いものは本物の毛(鳥の羽など)を使っているおもちゃです。本物のニオイがするために食べ物だと思って飲み込んでしまうことがあります。

◆スポンジ(ウレタンマット・フロアマット)

家の中にスポンジはないと思いがちですが、ウレタンマット、フロアマットなど家の中にもスポンジがあります。

子どもが家にいる人は子どもが転倒してもケガをしないように転倒防止用の丈夫なマットなどがあると思います。また、バスマットも日常的に使うマットです。

ウレタン生地は猫が好む食感になっているので噛みちぎってしまう恐れがあります。

◆アクセサリー(ピアス・イヤリング・ネックス)

アクセサリー類は、キラキラと光る、音が鳴るなど猫の興味をひくものが多いです。また、ピアス、イヤリングなどは小さくて猫の口の中に入りやすいので注意が必要です。


猫が誤飲した時の対処法は?

猫が異物を誤飲した時は、どのように対処すればいいのでしょうか。

◆猫の意識がある場合

猫が異物を誤飲して喉に詰まらせている場合は、猫の身体を抱きかかえて下を向かせます。猫の背中を軽くたたいて異物を吐き出せます。背中をたたいても吐かない場合は、すぐに動物病院に行きましょう。

誤飲した異物が針や尖ったものを無理に出そうとすると、口や喉などに傷がついてしまう恐れがあり、とても危険です。また、紐状のものを誤飲した場合は、絶対に引っ張り出さないようにしましょう。

猫が異物を口の中に入れた瞬間に飼い主さんが見つけた時は、「ダメ」などの大きな声をかけると猫が驚いてしまい、誤飲してしまうことがあります。

そういう場合は、ご飯やおやつ、他のおもちゃで猫の気を引くようにすると猫の注意がそれます。その間に異物を猫から取り上げましょう。

◆猫の意識がない場合

猫が異物を誤飲して意識のない状態、痙攣など神経症状を起こしている重症な場合は、吐いたものを喉に詰まらせることがあるので、家で応急処置はせずにすぐに動物病院に連れていきましょう。

動物病院に連れていって処置をしてもらう場合、猫が飲み込んでしまったものの残り、パッケージなどを一緒に持っていきましょう。何を飲み込んだのかわかるので早く処置ができる可能性があります。


猫が誤飲した時の検査と治療

猫が異物を誤飲したことが疑われる場合には、最初にX線検査や超音波検査で画像診断を行います。

◆猫が誤飲した時の主な検査

・X線検査
X線の透過性を利用して体内を写すことができる検査です。金属などの硬いものを検出するのが特徴です。

・超音波検査
超音波の反響を利用して体内を診ることができる検査です。消化管の働きをリアルタイムでみることができるので、胃や腸がしっかりと動いているか観察することができます。

◆猫が誤飲した時の主な治療

・催吐処置
胃の中に異物がある状態で吐きだせる異物であれば、催吐処置を行いことがあります。催吐処置とは、催吐剤とよばれる嘔吐を誘発する薬を使って吐かせる処置のことです。

・内視鏡
催吐処置で異物を取り出せない場合は、必要に応じて消化管バリウム造影検査を行い、消化管の通過状態を確認することがあります。

食道から胃にかけての異物がある場合は、内視鏡で異物を取り出すことがあります。内視鏡は全身麻酔が必要になります。内視鏡で異物を取り出せる場合は、猫の身体に傷をつけることがないため、当日か翌日入院になることが多いようです。

・開腹手術
内視鏡では取り出せない異物、または十二指腸より後ろに異物がある場合は開腹手術を行うこともあります。開腹手術をした場合は、傷口の状態から数日~7日間の入院が必要となります。


猫の誤飲を予防するには?

猫とビー玉が散らばった部屋

猫は人と同じ空間で生活をします。猫はいろいろなものに興味をもちます。特に好奇心が強い幼猫の時期には異物を誤飲することが多いようです。

猫と一緒に暮らすためには、生活環境の見直しをしましょう。

◆物を置く場所を考える

まず、猫の目に届く場所に危険なものを置かないということが1番の予防方法です。

猫は身軽なので、棚の上などに上がることがあります。そのため、高い場所に置いたからといって安心はできません。

猫が興味をもちそうなものは、蓋がついている入れ物、引き出しなど猫が安易に手を出せない所に整理しましょう。

◆おもちゃは片づける

猫と遊んだおもちゃなどは、そのまま放置せずに遊んだ後は必ず片づけることを徹底しましょう。1人遊びをする猫がいる場合は、飼い主さんが見守りましょう。

◆ものを落としたら拾う

猫は飼い主さんが落としたものに興味をもつことがあります。それが、薬など小さくて猫の口の中に入りそうなものだととても危険です。食べ物も同じように人が食べても害はないですが、猫にとっては害になる食べ物があります。

ものを落としてしまったらすぐに拾うように飼い主さんの注意が必要です。

◆猫の生活範囲を把握する

猫が生活している行動範囲を把握することも大事です。猫が留守番をする時に役に立ちます。

留守番をさせる時は、柵やサークル、ケージなどを使って行動範囲を制限することも予防法のひとつです。また、猫が1度でも異物を誤飲したことがある場合は、何回も繰り返す傾向が高いのです。

飼い主さんは猫が異物を誤飲しないように気をつけてください。


猫の誤飲まとめ

猫は飼い主さんが思ってもいないものを誤飲してしまうことがあります。

嘔吐がひどい以外にも、下痢をするなどの症状がみられる場合があります。便の状態を見ることで猫の腸管の状態がわかります。下痢がひどい場合は何かしら原因が考えられるので動物病院に連れていきましょう。

猫が異物を誤飲してしまうには、ご飯が足りなくてお腹が空いている、ストレスがたまっているといった理由もあります。飼い主さんは、普段から猫の様子をみて、何かストレスになっていないかなどの生活環境を見直すことも必要です。

●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

<<コジマ動物病院 獣医師が監修した記事一覧はコチラ>>



– おすすめ記事 –

・猫がティッシュで遊ぶ理由は?誤飲する危険性や対策法について
・猫が紐を誤飲してしまったら?飲み込んだ時の対処法と治療法について
・猫がビニール袋をなめる・噛む理由と食べてしまった時の対処法は?
・猫にケージが必要な理由5つ!正しい使い方を知ってケージを有効活用しよう


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
munoco

munoco

猫を飼いはじめて20年。完全な猫派です。 今まで4匹の猫と過ごしてきました。現在は2匹の猫と楽しく過ごす毎日です。 ツンデレされて20年。猫の行動1つ1つが大好きで、ずっとツンデレにやられてしまっている人間です。

関連するキーワード


記事に関するお問い合わせはこちら