【獣医師監修】猫の過剰なグルーミングの原因は何?やめさせる方法が知りたい!

2020.09.28

【獣医師監修】猫の過剰なグルーミングの原因は何?やめさせる方法が知りたい!

暇さえあれば、体をペロペロと舐める猫のグルーミング。 日常的な光景ではありますが、もし愛猫が過剰にグルーミングをしていた場合、毛並みを整える以外に原因があるのか心配になってしまいますよね。 猫の過剰なグルーミングには、どんな原因が隠されているのでしょうか? そしてそのようなグルーミングを、止めさせる対策方法があるのかを考えてみました。


なぜ猫はグルーミングをするのか

一日の大半を眠って過ごす猫ですが、起きている時間はしきりに体をペロペロと舐めていますよね。

このような行動を「グルーミング(毛繕い)」と呼び、体を衛生的に保ち、機能維持を目的として行うとされています。

猫だけに見られる行動のように思われがちですが、そのほかの動物もグルーミングは行いますし、私たちも顔を洗ったりお風呂に入ったりしますので、意味合いとしては同じと言えるでしょう。

ですが明らかに猫はほかの動物よりも、グルーミングの頻度が多いので、どんな意味合いがあるのか気になってしまいますよね。

猫のグルーミングには、どんな意味が込められているのでしょうか?

飼い主の手を舐める猫

◆皮膚や被毛の健康維持

猫はとてもキレイ好きの動物としても知られ、常にツヤツヤで毛並みが揃った美しい容姿をしていますよね。

それは猫の生まれ持った習慣の賜物とも言えるでしょう。

グルーミングを行うことによって、皮膚や被毛に不着した汚れや不要な毛を取り除く働きをしているのです。

◆温度調節

暑い季節でも被毛で覆われている猫は、平熱も高く暑さの調節が難しい動物でもあります。

グルーミングを行うことによって、自分の唾液で被毛を濡らし、毛と毛の間に気化熱を発生させ、体温を下げているとも言われています。

冬場は被毛の間に空気を含ませ、保温効果も期待できるようです。

◆マッサージ効果

猫の舌には「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」と呼ばれる突起がたくさんあるので、この舌でグルーミングを行うことによって、マッサージ効果を得られます。

この舌の突起が猫の皮膚を刺激し、血流を促進してくれるので、マッサージ効果を得られる上に、健康の維持にも繋がるので一石二鳥と言えるでしょう。

◆ストレスの軽減

マッサージ効果の得られるグルーミングは、リラックスできることからもストレスを軽減させることも可能です。

また、強いストレスや不安を感じた際にも、猫は自分の体を舐めて落ち着きを取り戻すといった葛藤行動を見せることがあります。

このようなことからもグルーミングは、気持ちを落ち着かせるために有効と言えるのではないでしょうか。

◆コミュニケーションの一環

グルーミングは自身に行うだけでなく、猫同士で行うこともあります。

これはコミュニケーションの一環として考えられ、主に親子や兄弟間で行われることが多いです。

強い絆がないとこのようなグルーミングは行われないので、飼い主さんのことを愛猫が舐めてくれる場合は、仲間だと思ってくれているのかもしれません。

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猫にとって大切なグルーミングの意味と飼い主さんができること

猫はせっせと自分でグルーミングしていることが多いものです。体をきれいにして、落ち着くという猫の本能的な行動ですが、やはり、届かないところの手入れや病気の早期発見の為には、丁寧にグルーミングしてあげたいところです。猫に合わせたブラッシングを用意し、無理のない範囲で少しずつ猫の体をキレイにする習慣を作ってあげてはいかがでしょうか?

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グルーミングの種類

猫のグルーミングにはさまざまな意味が込められており、ただ毛並みを整えているだけではないことが明確ですよね。

これらのグルーミングは、その種類によって名前が付けられているのをご存知でしょうか?

グルーミングの種類は、以下の通りです。

◆アログルーミング

猫のグルーミングは猫同士で行うことがあると前述しましたが、これらのグルーミングを「アログルーミング」と呼びます。

仲間同士で行うことからも愛情表現として受け取られるので、信頼関係が築かれた者同士の親和行動と言えるでしょう。

自分の舌では毛繕いできない部分も舐めてもらえるので、もしかしたら助け合いの意味も込められているのかもしれません。

◆セルフグルーミング

アログルーミングは猫同士間で行うグルーミングですが、猫が自身に行うグルーミングのことを「セルフグルーミング」と呼びます。

基本的に自分のことを舐めているときは、何かしらの意味を持ってグルーミングを行っていることが多いですが、その舐め方が過剰な場合は少し注意が必要です。


猫が過剰グルーミングをしているのは病気?

愛猫のグルーミングが過剰な場合、飼い主さんはとても心配になってしまうことでしょう。

基本的に猫のグルーミングは、換毛期(春と秋頃)に回数が増えると言われていますが、普段は起きている時間に気ままに行うことが多いので、どれぐらいの頻度が過剰かの判断も難しいところですよね。

見極め方としては、グルーミングを行うことによって、リラックス感を得られているのではなく、イライラしながら舐める場合や、同じ箇所を執拗に舐めている場合には注意が必要です。

同じ場所を過剰に舐めてしまえば、本来抜ける必要のない毛が抜け毛となり、その箇所がハゲてしまうことがありますし、猫の突起した舌で皮膚を傷付けてしまうことになりかねません。

被毛に何かしらの異変を感じているか、皮膚に異常を感じている、または皮膚の下に何かしらの病気を患っており、その箇所が気になっている可能性が高いと言えるでしょう。


猫が過剰グルーミングをする原因

猫が過剰なグルーミングをする場合には、以下のような原因が考えられます。

少しでも愛猫に異変を感じた際には、そのグルーミングが過剰ではないかを確認するようにしましょう。

グルーミングする白猫

◆ストレス

猫が過剰なグルーミングを行う原因としてもっとも多いのが、ストレスが原因となっている場合です。

生活環境の中でほかにストレス発散できる場所や物があれば良いのですが、そのような環境が整っていなければ、自分の体を犠牲にしてしまうことも多いです。

飼い主さんに構ってもらえない、留守番が多い、急な引っ越し、家族が増えるなどのストレスから過剰なグルーミングを行って、気持ちを落ち着かせようとすることがあるようです。

◆皮膚病

なにかしらの皮膚病を患っている場合にも、猫は過剰なグルーミングをすることがよくあります。

皮膚に炎症を起こしている場合や、アレルギーなどで皮膚が反応している場合など、意外と猫の皮膚のトラブルは多く見られます。

外に出ることがある猫ちゃんであれば、寄生虫による感染症の危険性も高いですよね。

気にはなるものの、自分では治すことができないので、過剰にグルーミングを行ってしまい、悪循環に陥ってしまうことも。

このような皮膚病やストレスなどの心因性による過剰なグルーミング以外にも、甲状腺機能亢進症などといった病気によって、過剰グルーミングを行うことがあるそうです。

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そのままグルーミングを続けるとどうなるの

猫が過剰なグルーミングを続けてしまった場合、舐め続けた箇所は抜け毛が多くなることから、ハゲてしまうことがほとんどです。

このようなハゲるといった脱毛は、過剰グルーミングの第一段階の症状となります。

その後の第二段階は、被毛がなくなった箇所を舐め続けることによって皮膚を傷付け、炎症を起こしたり、傷になったりします。

第三段階として傷口からばい菌が侵入し、化膿して別の病気を引き起こしてしまうことも。

過剰なグルーミングは皮膚だけに悪影響を出すのではなく、大量に抜け毛を飲み込んでしまうことによって、嘔吐の回数が増えてしまうこともよくあります。

嘔吐の回数が増えるということは、胃や食道にもダメージを与えてしまうので、猫に辛い思いをさせてしまうことにも繋がってしまうのです。


過剰グルーミングをやめさせるには?

猫の過剰なグルーミングを放置させてしまえば、結果として辛い思いをさせてしまうことにも繋がってしまいますので、できることなら止めさせてあげたいものですよね。

どのような対策をして、愛猫の過剰なグルーミングを止めさせてあげれば良いのでしょうか。

◆ストレスの原因を取り除く

ほんどの場合、過剰なグルーミングは心因性のことが多いので、その原因となっているストレスを取り除いてあげることが大切です。

本来の緊張状態に直面した際のグルーミングは、自分の体を舐めることによって徐々に落ち着きを取り戻しますが、過剰なストレスを感じている場合は、なかなか落ち着きを取り戻すことができません。

そのため延々とグルーミングを続けてしまうので、そのようになってしまう前にストレスの原因を探って、不安な気持ちを解消してあげるようにしましょう。

◆エリザベスカラーを利用する

執拗にグルーミングを繰り返してしまう場合には、エリザベスカラーを利用するのも有効です。

エリザベスカラーを首に装着することによって、猫は自身でグルーミングをすることができなくなるので、皮膚にハゲができていたり、傷になっている場合には活用してみるのもおすすめです。

エリザベスカラーの代わりに、ペット用の服を着せることも良いですが、服を着せられることによってストレスを感じてしまう子も多いので、猫ちゃんの性格によって使用を試みてはいかがでしょうか。

自身でグルーミングができない状態が続くと、それこそストレスの原因となってしまうので、飼い主さんの手でブラッシングを行うようにしてください。

◆動物病院も視野に入れて

どうしても飼い主さんの手で、過剰なグルーミングを止めさせるのが難しい場合には、動物病院に連れていくことも視野に入れておきましょう。

病院によっては気持ちを落ち着かせてくれる薬を処方してくれたり、行動治療を施したりなど、治療方法も確立されているので、親身に相談に乗ってくれるので安心です。

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まとめ

猫にとって大事なルーティンとも言える「グルーミング」ですが、過剰であればあるほど、飼い主さんは心配になってしまいますよね。

本来気持ちを落ち着かせるためのものなのに、原因が心因性や病気となると、そのまま放置してしまえばどんどん過剰になってしまうでしょう。

そのようにならないためにも、飼い主さんは毎日のグルーミングの様子を観察し、適切なグルーミングなのかを判断してあげてください。

自身のグルーミングと併せて、飼い主さんと行うアログルーミングも、猫にとっては至福の時間となるはずなので、コミュニケーションを兼ねてブラッシングをしてあげるのもおすすめですよ。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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