かわいくて賢い「ラブラドゥードル」ってどんな犬なの?

2022.04.21

かわいくて賢い「ラブラドゥードル」ってどんな犬なの?

オーストラリアン・ラブラドゥードルのアニィを連れて散歩していると、以前は「なんという犬種ですか?」と聞かれていたのに、最近では「ラブラドゥードルですよね? 飼いたいのですが、実際どうですか?」と聞かれることが多くなりました。今回は、見た目のかわいさと賢さからブレイク寸前の、「オーストラリアン・ラブラドゥードル」がどのような犬種で、どんなご家庭にオススメかを解説します。

【掲載:2016.04.06  更新:2022.04.21】

ラブラドール・レトリーバーとプードルの「ミックス」ではない

走るオーストラリアン・ラブラドゥードル

オーストラリアン・ラブラドゥードルの血統は、ラブラドール・レトリーバーとプードルが起源です。
そのほかに、能力やカラーバリエーションを増やすため、アイリッシュ・ウォーター・スパニエル、カーリー・コーテッド・レトリーバー、アメリカン・コッカー・スパニエル、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの血統が取り入れられています。血統が確定しつつある現在では、オーストラリアン・ラブラドゥードル同士のみが交配されています。ラブラドール・レトリーバーとプードルが交配された「ミックス」(純血種同士の異犬種が交配されたF1ミックス)ではありません。
日本最大級の血統書管理団体である「ジャパンケネルクラブ」(JKC)や、ケネルクラブの国際的な統括団体「国際畜犬連盟」(Fédération Cynologique Internationale:略称FCI)は、オーストラリアン・ラブラドゥードルを公認していません。未だ血統は確定途上にある、という考え方のようです。従って、日本においてオーストラリアン・ラブラドゥードルは「雑種」(公認犬種以外の犬。いわゆるミックス)というとらえ方になり、JKC発行の血統書は出ません。日本では、オーストラリアン・ラブラドゥードルの血統書は日本オーストラリアン・ラブラドゥ―ドル協会(Australian Labradoodle Association Japan:略称ALAJ )が発行しています。 


アレルギーフリーのセラピードッグとして大人気

オーストラリアン・ラブラドゥードルの起源は、アレルギーフリーな介助犬を作出するため、賢くて訓練能力が高いラブラドール・レトリーバーと、抜け毛や体臭が少ないスタンダード・プードルを交配したことにあります。それゆえ、抜け毛や体臭が少なく、とても賢いワンちゃんです。老人ホームなどを慰問して、心のリハビリテーションを行うセラピードッグとして活躍するオーストラリアン・ラブラドゥードルも多いです。そのクマのぬいぐるみのような愛らしい見かけと賢さで、どこへ行っても大人気です。


オーストラリアン・ラブラドゥードルはサイズと毛色が豊富

オーストラリアン・ラブラドゥードルとトイプードル

オーストラリアン・ラブラドゥードルの大きさには「ミニチュア」(体高35~42cm程度、体重7~12kg程度)、「ミディアム」(体高42~52cm程度、体重13~20kg程度)、「スタンダード」(体高52~62cm程度、体重23~30kg程度)の3パターンがあります。ミニチュアは柴犬、ミディアムがボーダー・コリー、スタンダードがゴールデン・レトリーバーなどと似たかんじのサイズ感です。ただ、ボリューム感には個体差があり、筆者がともに暮らすアニィは体重13kgでぎりぎりミニチュアですが、毛量が豊富なのでボーダー・コリーくらいの大きさに見えます。
毛色はゴールド、チョコレート、ブラック、レッド、クリームなどの単色のほかにブラックパーティ、ゴールデンパーティなどのパーティカラー(白地に一色または二色のはっきりした色の斑がボディにあるもの)も認められており、毛色は10種類以上あります。また、毛質にはアンゴラヤギのようにやわらかいフリース、ゆるい巻き毛のウール、細毛のヘアーの3種類があります。カラバリと毛質によって見た目や触った感じが異なるのも非常に興味深い犬種です。筆者のアニィはレッドのウール。見た目はまさにクマのぬいぐるみです。


人懐っこくて明るく賢いのでお子様がいらっしゃるご家庭にもオススメ

性格は、とにかく明るくポジティブで、考えていることがすぐ尻尾に出るのでわかりやすい犬種です。怖いとき、悲しいとき、叱られたときは尻尾を巻き、嬉しいときは飾ってある花瓶を倒すほど尻尾をぶんぶん振り回します。プードルは尻尾からでは考えが読みにくいところがあるので、オーストラリアン・ラブラドゥードルのいい意味での「単純さ」にはとても癒されます。筆者は様々な犬と暮らしてきましたが、オーストラリアン・ラブラドゥードルは介助犬が起源だからかとても賢く、しつけがしやすい犬種だと思います。オヤツにあまり興味を示さない子も多いので、しつけはオヤツよりもオーバーリアクションで沢山褒める方が効果的です。
子どもが大好きなので、お子様がいらっしゃるご家庭にもオススメです。我が家のアニィは息子のいい遊び相手で、お友達が来ると仲間に交ざりたがります。もともとワンちゃんは家庭という群れの中で序列をつけたがる生き物ですが、オーストラリアン・ラブラドゥードルは賢さゆえに、特にその傾向が強いように思います。お子様からワンちゃんに「オスワリ」をさせて誉めてあげるなどして、ワンちゃんは子どもより下の序列であることを教えるようにしてください。

オーストラリアン・ラブラドゥードルと海
意外にも泳ぐのはさほど好きではありません
オーストラリアン・ラブラドゥードルと子ども
子守もお手の物です

お散歩は必須ですが運動量が豊富というわけではないです

子どもと遊ぶオーストラリアン・ラブラドゥードル

運動が好きで朝晩のお散歩は必須ですが、もともとキツネ狩りのお供だったジャック・ラッセル・テリアや、牧羊犬のボーダー・コリーほどは運動させなくても大丈夫です。
かじるのが好きで噛む力が強いので、ワンちゃん用のぬいぐるみなどは瞬時に破壊します。ワンちゃん用のガムなどをあげたほうがいいでしょう。また、かじって遊んでもいいものと、絶対にかじってはいけないものを子犬のうちに教えてあげてください。賢い子なので、すぐに覚えてくれます。


毎日のブラッシングと定期的なトリミングは必須です

オーストラリアン・ラブラドゥードルは抜け毛が少ないですが、毛が伸びるので定期的なトリミングは必須です。また、毛量が非常に多く、毛玉になりやすいので毎日必ずブラッシングをしてください。脇の下、胸毛、尻尾などはブラッシングを怠るとすぐに毛玉ができます。


オーストラリアン・ラブラドゥードルはどこから迎える?

オーストラリアン・ラブラドゥードルは血統を確定するために、交配が特に厳しく管理されています。オーストラリアン・ラブラドゥードルの血統を正しく残せると判定されたワンちゃん以外は、不妊去勢手術を施されてから譲渡されることが多いです。交配をさせたい場合は、オーストラリアン・ラブラドゥードルを迎える前に必ずブリーダーさんに相談をしてください。不妊去勢手術を施さず、交配について特に言及しないブリーダーさんから迎えることは避けたほうがいいでしょう。

かわいくて賢く、迎えればすぐその魅力の虜になってしまうオーストラリアン・ラブラドゥードル。ぜひ、ご家庭に迎えることを検討してみてください。

– おすすめ記事 –

・知っていますか?ラブラドールの遺伝病
・初めてのペットにおすすめ♪ラブラドールレトリバーの性格としつけ方について
・人と犬との憩いの場所~セラピードッグとは
・トイプードルと快適に暮らす3つのポイント

focebookシェア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
石原 美紀子

石原 美紀子

青山学院大学卒業後、出版社勤務を経て独立。犬の訓練をドッグトレーニングサロンで学びながら、愛玩動物飼養管理士1級、ペット栄養管理士の資格を取得。著書に「ドッグ・セレクションベスト200」、「室内犬の気持ちがわかる本」(ともに日本文芸社)、「犬からの素敵な贈りもの」(出版社:インフォレスト) など。愛犬はトイ・プードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。

関連するキーワード


記事に関するお問い合わせはこちら