3Ｄプリンターで義足が誕生！犬のダービー君が走ることの喜びを知った日

生まれつき前脚の悪い犬のダービー君

生まれつき前脚の両方が悪く湾曲してしまっているため、走るどころか立っている事さえさえままならない状態でした。
懸命なリハビリをしましたが、アスファルトのような硬い場所では前脚をすりむいてしまいます。

犬にとって前脚は「体重を支える」「方向転換」「重心の維持」と、複雑な動きを担う重要な役割となっていますので、後ろ足の義足を作るより技術が必要となります。

また一般的な義足は、切断した部分や成長しなかった部分にはめるように作るのですが、ダービー君の場合湾曲してしまっているため、装着するタイプの義足では前脚の役割を上手く担えないだけでなく、前脚を傷つけてしまう可能性もあります。

ダービー君のための犬用義足開発

犬を救助する団体「Peace and Paws in Hillsborough,N.H.」でボランティアをしていた3Ｄ　Systems社プロダクトマネージャーのタラアンダーソンさんが、3Ｄプリンティング技術を使って、ダービー君のために義足を設計することになりました。
ダービー君の脚の3ＤスキャンやGeomagi Freeformでスムーズな湾曲を描きながら、データ作成をしていきます。

そのデータを3Ｄプリンターで形にしていくのですが、ダービー君の義足作成に使われた3ＤプリンターProJet5500Xは素材の違うパーツを一度に作る事ができるので、柔らかい部分と硬い部分のパーツの同時作成を実現する事ができました。

ダービー君が犬用義足を装着

湾曲した腕（肘からつま先にかけて）を包み込むような義足が出来上がり、いよいよ義足をつける日がやってきました。

「義足をつければ歩けるようになる」という思考は犬には難しく、“怖い”と感じてしまう場合もあります。少しずつ慣れていくしかありませんが、ダービー君は不安がることなく義足を装着する事ができました。

3Ｄプリンターで詳細なデータを取っていたので、ダービー君の脚にしっくり馴染んだようで、すぐにコツをつかみ元気に走り回る姿を見せてくれました！

嬉しそうに走り回るダービー君の顔が、喜んでいるように見えますね♪

今では毎日３～５キロの散歩を、飼い主のポルタノーバさんと一緒に楽しんでいるようです。

3Ｄプリンターの犬用義足の費用は？

以前は犬用の義足を作る人も少なく、1つ1つ職人さんの手で作っていたため、コストも時間もかかってしまいました。すぐに作って履かせてあげたいのに…ともどかしい思いをしていた飼い主さんもいるかもしれません。

3Ｄプリンターでの製作の場合コスト削減になりますので、7～8割ほど安くなったと言われています。
しかし、どの会社も費用は愛犬の体重や足の具合で変動するため、「問い合わせで」とのことですので、必要な場合は確認してみるといいかもしれません。

まとめ

• 義足製作時のスキャンなどの技術で的確な義足を作ることができる。
• 3Ｄプリンターでの義足の製作はコストが安くなる。

生まれつきであれ病気や事故であれ、不自由な部分はどうにか改善してあげたいのが飼い主さんの思いです。
しかし、今までの義足ではあまりにもコストが高く、諦めるしかなかった飼い主もいたのではないでしょうか。

今回ご紹介したのは海外でのお話ですが、コスト削減やスピーディーに仕上がるということから、3Ｄプリンターが主流になりつつある日本でもダービー君のように笑顔になる飼い主とワンちゃんが増えると嬉しいですね。

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