【獣医師監修】愛犬の骨折に動揺しない!骨折の症状や治療法を知っておこう。

2017.07.18

【獣医師監修】愛犬の骨折に動揺しない!骨折の症状や治療法を知っておこう。

交通事故や高所からの落下、衝突や喧嘩、栄養不足を原因とするものなど、犬の骨折は様々な原因で起きることがあります。 歩き方がおかしかったり、触ろうとすると怒るなど、普段と愛犬の様子が違う場合は骨折の可能性が考えられるのです。 骨折がもたらす症状や、応急処置の方法など、予備知識を持っていれば、突然の事態にも冷静に対処できます。 今回は犬の骨折について、紹介していきます。

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犬の骨折の症状

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犬が骨折をすると、その部位によって様々な機能障害が生じます。
まずは痛みが出るので、愛犬が普段とは異なった動作をとるようになるのです。
基本的には人間同様に、痛み・腫れ・熱を持つ・内出血・変形といった症状がでてきます。
骨折箇所が四肢であれば歩行不能等の症状が起こり、脊椎骨であれば神経機能や、後肢・腰の麻痺、排便・排尿の困難を伴う可能性があります。大腿骨の場合、大量出血による出血性ショックが起こることもあるのです。
愛犬に骨折の疑いがある場合は、以下のような行動をとっていないか、症状が出ていないかを注意深く観察しましょう。

【骨折が疑われる犬の様子や症状】

◎脚を引きずったり、脚を上げて歩くなど、歩行に異常がみられる。
◎患部を気にして舐めている。
◎抱っこしようとしたり触ると、痛がって怒る。
◎排泄や排便に困難が生じる。
◎患部に変形・異常が見られる。
◎運動を避けて、動こうとしない(動けない)。

これらいずれかの様子が愛犬にみられる場合は、すぐに獣医さんに相談しましょう。
骨折は原因によって、外傷性骨折や病的骨折などに分類されます。更にその状態によって単純骨折や複雑骨折などに分かれ、症状や状態によって、適切な処置を施す必要があるのです。
骨折には様々な種類が存在するので、それぞれどのような状態であるのかを頭に入れておきましょう。

【外傷性骨折】

本来骨が持つ抗力を上回る大きな力が加わることで起こります。外傷性骨折には以下のような種類があります。

◎圧迫骨折…外からの強い力で骨が押しつぶされた状態。
◎亀裂骨折…骨に亀裂(ひび)が入った状態。
◎疲労骨折…弱い力が繰り返し骨にかかることで起こる。
◎剥離骨折…筋肉や靭帯が強い力で骨から引っ張られることで起こる。
◎開放骨折…折れた骨が皮膚を突き破った状態。

この他にも、生後1歳未満の成長期に起こりやすいとされる、成長板骨折があります。骨が成長する時期に、成長板がなんらかのダメージを受けることで発症し、生涯足の痛みを伴ったり、患部が変形したまま成長する可能性があります。
骨折がもたらす悪影響は、骨のみに生じるとは限らないということですね。
原因となった外からの力が強大であれば、患部周囲の皮膚・皮下組織・筋肉などが同時に破壊されることもあります。
骨が剥き出しとなる開放骨折には、骨膜・骨髄・周囲の軟部組織への細菌感染により、重篤な状況に陥る危険性も潜んでいるのです。ちなみに、折れた骨が外界に接しない状態を閉鎖骨折といいますが、この場合でも、患部周囲の軟部組織がダメージを受けている場合が多いです。

【病的骨折】

病気が原因となり、軽い力がかかっただけでも簡単に骨折が起きてしまいます。原因となる病気の一例を紹介します。

◎くる病
栄養障害によって骨に異常をきたす病気です。体内のカルシウムとリンが不足することで起き、1~3カ月の子犬に多くみられるといいます。
日光浴・免疫・栄養などの不足により、ビタミンDが十分に体内で生成できない場合、カルシウムの欠乏を招きます。また、たくぱく質・リンの摂り過ぎで起こることもあるそうです。
関節の腫れ、四肢の変形、歩行障害などが起き、痛みがあるため、愛犬が運動や触られるのを嫌がります。胃腸炎を併発している場合は栄養状態が更に悪化します。結果、骨がもろくなり骨折をしやすい状態を招くのです。

◎骨の腫瘍
大きく分けて、原発性と転移性の2種類に分類されます。原発性骨腫瘍は骨自体から腫瘍が発生するもので、転移性骨腫瘍は体の他の部分にできた悪性腫瘍が、骨に転移するというものです。
犬の場合は、原発性の方が発症率が高いとされているので、頭に入れておきましょう。

<原発性骨腫瘍>

骨を構成する組織に成分の異常増殖が起きることが原因で、腫瘍が発生する病気です。
腫瘍には良性と悪性があり、代表的な良性の腫瘍に骨種があります。
骨種とは、骨の形成異常により、本来骨の無い部分に骨ができてしまう病気です。前足手首・肩の付け根部分・大腿骨辺りに発生し、痛みはほとんどありません。ただし、骨種が大きくなることで歩行障害を招く可能性があります。
腫瘍が悪性の場合は更に深刻性を増します。代表的な悪性腫瘍の一つに骨肉腫があります。
骨肉腫とは骨にできる癌で、激しい痛み・腫れを生じます。原発性骨腫瘍の7割以上がこれになります。骨の奥深くに発生するため、判明した時点で、既に多臓器など体の他の部分に転移しているケースは9割以上。肺への転移などで呼吸困難を招き、ほとんどの場合が死に直結します。
更に、骨肉腫に続いて多いとされる悪性腫瘍に軟骨肉腫があります。発症率は原発性骨腫瘍の約1割です。骨肉腫と同様、激しい痛み・腫れを伴い歩行困難を招きます。骨肉腫と比べると急死するリスクは少なく、ある程度の延命はできますが完治は難しく、最終的には死を招く結果が多いといわれています。

このように種類や状態によって様々な症状を引き起こす犬の骨折ですが、合併症をもたらす可能性も潜んでいるのです。

【骨折が原因で起こる合併症】

◎感染
前述した通り、開放骨折の際に発症率が高まります。患部から細菌に感染し全身へ広がることもあるのです。感染が骨髄に及んだ場合、化膿性骨髄炎が起きて治癒遅延に繋がります。

◎皮膚・筋肉・血管の損傷
皮膚と筋肉の損傷も開放骨折により生じます。皮下剥離や皮下血腫で二次的壊死が起き、皮下骨折が開放骨折になる場合もあります。血管が損傷を受けた場合は、患部での血腫形成が起こります。太い動脈が損傷を受けてしまうと、患部に蒼白化・冷却が生じ、広範囲の壊死がみられる場合もあります。

◎脂肪塞栓
骨髄の損傷により、脂肪が静脈に入って肺に達することで、広範囲の小動脈・毛細血管に塞栓を生じるものです。稀なケースといえます。

◎外傷性皮下気腫
肺などの空気を含む器官が損傷した場合、皮下に空気が漏れて皮膚が膨れる症状です。

他にも前述した神経損傷で麻痺が起きたり、発熱が生じたりと、様々な合併症を引きを起こす可能性が認められています。状態によっては後遺症として、犬の体に症状や変形が残ってしまうこともあるのです。
即座に適切な治療が必要となるので、飼い主さんは愛犬の様子に十分な注意を払ってください。

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家での応急処置方法

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愛犬が骨折した場合は、直ちに獣医さんに診てもらう必要があります。しかし、可能であれば応急処置をした上で病院へ連れていきましょう。ただし、愛犬が痛みで我を忘れて凶暴化する場合があります。基本的には患部を触らせようとしないでしょう。処置ができる状態でなければ、安静にしてすぐに愛犬を病院へ連れていきましょう。

処置が可能な場合は、副木(添え木)を行います。
板が一番適していますが、なければ段ボールなどで代用しましょう。患部に一番近い関節に、綿布などで巻き付けて副木します。この時、強く巻きすぎないように注意してください。更に愛犬に痛みが生じますし、血流が止まってしまうと二次被害を招く可能性があります。これらの処置をした上で、患部を動かさないように注意しながら動物病院へ急ぎましょう。
愛犬の骨折で飼い主さんも動揺していると思います。しかし、犬に不安が伝わらないように、落ち着いて対応してください。何度も優しく愛犬に声を掛けながら、病院へ向かって下さい。

病院へ行かなくとも、自然治癒できるのでは?という考えもあるかもしれません。確かに動物には自然治癒力が備わっています。しかし、全く治療を行わずに完治する可能性は極めて低いです。骨折を放置すれば、折れた骨がそのまま固まるなどして、結果、犬に歩行困難を招く可能性が高まります。
飼い主さんが勝手な判断をするのではなく、必ず獣医さんの診断を受けて愛犬の治療を行ってください。

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完治までの過ごし方

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骨折の部位や症状にもよりますが、基本的な治療法は患部の固定で、10日前後の入院後に自宅療養となります。
病院での処置はレントゲン・血液検査・麻酔・手術などで、骨の位置を戻して骨同士を直接ピンやプレートで留める固定法や、軽症の場合ギブスなどで固定する治療法が用いられます。
犬の骨折の完治には、平均1カ月~3カ月程度かかるといわれていますが、これも骨折部位や愛犬の年齢によってばらつきがあります。場合によっては半年以上かかるこもあり、脊髄の骨折であれば1年が目安とされています。
完治するまでは、安静にして過ごすことが何より重要です。愛犬を無理に歩かせたり、不適切なリハビリをすると、再度症状を招く可能性があります。

治療費は病院や治療法にもよりますが、10~20万円以上と高額です。何より、愛犬は痛みと戦い、苦痛を感じます。完治までには長い時間も要します。飼い主さんは、愛犬の骨折予防に可能な限り努めましょう。

勿論、想定外の事故などが原因となることもあるでしょう。しかし、飼い主さんが注意することで予防できる場合もあります。
犬の骨折の原因のほとんどが、交通事故と高所からの飛び降りです。
外出時は必ず愛犬にリードをつけて短めに持つこと、道路への飛び出しなどには常に注意を払うことを忘れないでください。
室内であれば、床には絨毯やマットを敷いておく、愛犬を普段から高い場所には登らせない、といった対策をとれます。
犬の骨折は主に前脚に起こることが多いとされており、小型犬であれば特に前脚の「とう骨」「尺骨」が細く折れやすいので注意が必要です。また若い頃から肥満状態が続くと、骨の発達が不十分となり、骨折をしやすくなる場合もあるそうです。
愛犬との健康的な生活を守る為に、飼い主さんが十分注意してあげましょうね。

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※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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