【獣医師監修】犬にチョコレートは厳禁!食べた時の下痢などの症状や対処法、誤食を防ぐ3つのポイントとは?

2018.01.27

【獣医師監修】犬にチョコレートは厳禁!食べた時の下痢などの症状や対処法、誤食を防ぐ3つのポイントとは?

私達人間にとってはとても美味しいチョコレートですが、犬には厳禁であると知っていましたか? 犬がチョコレートを食べた場合、下痢や嘔吐の症状が出るほか、大量に摂取した場合は死に至る可能性もあります。 今回は、犬にチョコレートをあげるのはなぜいけないのか、チョコレートを食べてしまった場合の対処法についてお話します。 バレンタインなどでお家の中にチョコレートが常備される季節に読んで欲しい記事になっていますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

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犬にチョコレートは厳禁!その理由とは?

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犬の飼い主であれば、犬が食べてはいけない物をご存知のはず。
ネギ、タマネギは犬に食べさせてはいけない物としてかなり一般的に知れ渡っている事実です。

そして我々人間にとって甘くておいしいチョコレートも、犬にとっては厳禁で、絶対に食べさせてはいけません。
その理由は、チョコレートに含まれるテオブロミンという成分が原因です。

◆犬には強い毒となる「テオブロミン」

チョコレートに含まれるテオブロミンは、植物に含まれる窒素を含む塩基性の化合物「アルカロイド」の1種です。
アルカロイドの有名なものとして、タバコのニコチンやお茶のカフェイン、ケシの実のモルヒネなどが挙げられます。

テオブロミンの主な作用として、カフェインを思い浮かべてみるとわかりやすいと思います。
人間がコーヒーなどでカフェインを摂取すると、眠気覚ましなどの神経興奮作用やおしっこに行きたくなる利尿作用が発現されますが、犬の場合はこの作用が病的にとても大きく出てしまいます(感受性が高いと表現します)。

人間はテオブロミンに対する感受性があまり高くないため、食べたりしても問題ないのですが、犬はテオブロミンに対する感受性がとても高いために、食べたりすると下痢、嘔吐などに代表されるような中毒症状を起こします。

また、犬はいったん食べてしまったテオブロミンを分解したり排出したりする能力が非常に低いため、体内に毒素が長くとどまっている状態になってしまいます。
そのため、毒素を体の外へ早く出す自然な行為の下痢や嘔吐が、毒素を薄める一番早くて手っ取り早い作用になります。下痢はお尻から外へ、嘔吐は口から外へと毒素を出す仕組みです。つまり、下痢や嘔吐は体の中に入った異物を外へ出そうとする生理作用だということです。

◆犬がチョコレートを食べた際の中毒症状

では、もし犬がチョコレートを食べたりしてしまった場合、下痢や嘔吐に代表される症状以外にどんな中毒症状が現れるのでしょうか。

以下に主な中毒症状を挙げてあります。

・下痢
・嘔吐
・興奮する
・おしっこを頻繁にする(頻尿)
・尿失禁を起こす
・パンティングをする(喘ぎ呼吸)
・痙攣をおこす
・脈がおかしくなる(不整脈、徐脈、頻脈)
・ふるえ
・運動失調(ふらつく)
・ぐったりする(昏睡状態)

テオブロミンは、犬の大脳興奮作用や呼吸の興奮作用をおこしたりしますが、中でも一番強いとされるのが、心臓の鼓動が激しくなる心悸亢進作用です。
犬が大量にチョコレートを食べた時、ひどい場合だと、6~24時間以内に死に至る可能性もあります。


チョコレートの致死量は?

では、一般的に犬がチョコレートをどのくらい食べると死に至ってしまう=致死量なのでしょうか。

◆チョコレートの致死量

10kgの体重の犬は、500mg~1000mgにあたるテオブロミン量を食べると中毒症状を起こします。
あなたの愛犬の体重から一度計算してみて下さいね。

◆チョコレートによってテオブロミン

実はチョコレートと一般的に言われるものでも、様々な種類のチョコレートが存在します。
バレンタインなどではたくさんの種類のチョコレートが店頭に並びますね。ホワイトチョコレートやミルクチョコレート、ビターチョコレートやブラックチョコレートなどなど。

この中で、犬にとって有害なチョコレートに含まれるテオブロミンが多く存在しているのは、「カカオ含有量が多い物」です。
つまり、人間が食べてあまり甘くないチョコレート程、テオブロミン量が多く含まれています。

チョコレートの種類によってテオブロミン量が異なりますので、以下の表を参考にしてください。

チョコレートの種類 テオブロミン量(板チョコ1枚当たり)
ホワイトチョコレート 無視できる程度
ミルクチョコレート 150~180mg
ビターチョコレート 450~600mg
ブラックチョコレート 1000~1200mg

例えば、体重10㎏の犬がビターチョコレートの板チョコを1枚食べてしまえば、中毒症状が起きてしまうということです。

ただし、犬によって感受性に個体差がありますので、記載よりも少ない量を食べたからと言って安心は禁物です。
ほんの少し食べただけでも下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす危険性がありますので、チョコを食べてしまったとわかった際にはすぐに動物病院に行って下さいね。


こんなチョコレートに要注意!

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犬は飼い主が食べている物=美味しい物だと認識して、自分も食べたがります。チョコレートの香りもとてもいいにおいなので、匂いを覚えてしまった犬は、片付けられたチョコレートを探し当てて勝手に食べてしまうかもしれません。また、チョコレートそのままなら食べてはいけない物だと飼い主さんも注意出来るでしょうが、チョコレートを全面に押し出した商品名が無いような以下のものには注意が必要です。

バレンタインが近づいて店頭で様々な種類のチョコレートが並びだす時期は特に注意してくださいね。

◆チョコレートパン

パンには、チョコチップが入っていたり、マーブル状のチョコ生地が練りこまれているものがあります。また、コルネなどのパンの中にチョコクリームとして入っている場合も。
外見からはチョコだと判断しづらく、飼い主さんが気を抜いてしまいがちですので、注意してくださいね。

子どもが食べているチョコパンを、飼い犬が勝手に取ってしまったという場合もあるようです。
大人は注意して犬に与えないようにできますが、子供は犬に無理やり取られてしまう危険性もありますよ。

◆チョコレートアイス

チョコのアイスも注意が必要です。
アイスは子供の食べ方が下手だと、ぽたぽたと床に垂れてしまい、その垂れたチョコを犬が舐めてしまう危険があります。
アイスの中にもチョコチップや、カカオ成分が入っていますので、犬に食べられないように注意しましょう。
また、食べ終わったごみのカップやスプーンを犬が探し当てて、ぺロペロと舐めてしまう場合があります。
チョコアイスのカップなどのごみは、犬の手が届かないようなごみ箱、あるいは密閉した状態で捨てて下さいね。

◆ココア

チョコレートの原料であるカカオ豆から同じように作出されるココアにも犬は注意が必要です。
ココアにはブラックチョコレート並みにテオブロミンが含まれていますので、犬にとっては少量舐めただけでも危険な食べ物です。

ココアは飲み物としてだけではなく、パウダー状で様々なお菓子に混入しています。
飼い主さんの手作りお菓子にもココアパウダーは活躍しますし、バレンタインの時期には欠かせない材料の1つです。
ココアも誤って犬が食べてしまわないよう、隔離した場所に保管して、お菓子作りの作業中では絶対に目を離さないようにしてくださいね。

◆製菓用チョコレート

バレンタインが近づくと、手作りチョコを使用する飼い主さんが多くいると思います。
この製菓用チョコレートは、一般的に発売されている板チョコに比べるとカカオ成分が多いために、テオブロミン量も多くなっています。
もし犬が食べてしまった場合は、動物病院へ製菓用チョコレートの成分表が載っているパッケージなどを持参すると、獣医師の判断が仰ぎやすくなります。一刻も早く動物病院へと駆け込み、食べてしまったチョコレートがどんなものなのかを伝える工夫をしましょう。

◆一口大チョコレート、包み紙に入っていないチョコレート

大きな板チョコ1枚を犬が食べるのには時間がかかり、食べている最中に飼い主に見つかりそうですが、一口大に加工されたチョコレートは、飼い主が気づかないうちに口の中に入れてしまう場合があります。
包み紙に包装されていれば、包装袋があちこちに散らばっている状態からチョコを食べたかもと判断しやすいですが、一口大チョコでなおかつ包み紙に1つずつ包装されていないアーモンドチョコや粒チョコは、犬の口の大きさに入るだけチョコを食べてしまいます。

飼い主が「コラ!」と叱ると同時に、ごっくんと飲み込んでしまう危険性もあります。

チョコレートは、犬が触る事が出来る位置に置かない、チョコレートを入れておく棚も人間だけが開閉できる高さへと変更する工夫をしましょう。


犬がチョコレートを舐めてしまった時の対処法は?

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犬はテオブロミンを分解する能力が非常に低く、完全に分解できるまでに24時間も必要ですので、摂取してから24時間以内が一番危険な時間です。

チョコをなめてしまったとわかれば、一刻も早く動物病院に行くことが重要です。

◆どんなチョコレートをどれだけ食べたかチェック

犬がチョコレートを食べたり舐めてしまったりした際には、どんな種類のチョコを食べたのかチョコのパッケージや食べかけのチョコそのものを持って動物病院に駆け込みましょう。

◆動物病院でチョコレートを吐かせる

動物病院では、催吐処置といって胃の中に残っている物を吐かせる処置を行うのが一般的です。
チョコレートに含まれるテオブロミンを分解する解毒剤は存在しませんので、体の中に入ってしまったテオブロミンを物理的に口から外へ出す「吐く」という行為を行わせます。

また、催吐処置がうまくいかなかった場合は、胃の内容物を洗い流す胃洗浄を行います。

血液検査や点滴も同時に行い、普段とは違う興奮状態に陥った犬の体を休ませるような薬や補液も行います。
下痢や嘔吐、その他の症状が出た場合は、対処療法で乗り切ります。

◆家で無理に対処しようとしない

食べたものを吐かせればいいのかと、動物病院へ行かずにお家で吐かせようとする飼い主さんがいらっしゃいますが、決して行わないでください。
お家で飼い主があれこれと処置をするのはプロが行わない限り犬にとって負担になりますし、家で吐くか吐かないかを繰り返している時間が、結果的に犬の体の中に毒素が回ってしまう時間になってしまうこともあります。一刻も早く動物病院へと行って下さいね。

◆少量の場合でも動物病院で検査が◎

チョコレートをなめた量が少しだからと言って安心することも禁物です。様子を見ればいいかと思っている時間も、犬にとっては命の危険にさらされる時間になるかもしれません。
下痢や嘔吐などの症状が出ていないかを確認しながら、まずは動物病院に行って容態を見てもらいましょう。
外見からでは重症化しているかどうか判断できない場合は血液検査などをして、愛犬の体調に問題が無いかチェックできます。


犬にチョコレートを食べさせないために

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犬がチョコレートを食べてしまうのは、100%人間が悪いと言っても過言ではありません。
では、犬にチョコレートを食べさせないためにはどうすれば良いのでしょうか。

主な改善方法を3つあげてあります。これは、チョコレートに限らず、食べてはいけないどんなものにも当てはまりますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

1、留守番時はゲージに
2、犬の近くに人間の食べ物を置かない
3、しつけをし直す

では、1つずつ説明します。

1、留守番時はゲージに

誤飲・誤食で一番多い時間帯は飼い主が外出している、留守番時です。
お留守番の時間、1人でお家の中で過ごしている犬は、部屋の中をウロウロと歩き回り、戸棚や引き出しを上手に開けてしまう犬もいます。
犬は鼻がとても良いため、飼い主がチョコレートをどこに隠したかを知っています。
部屋の中を物色させないようにするためにも、留守番時にはゲージで過ごさせるしつけが必要です。

2、犬の近くに人間の食べ物を置かない

室内で人間と一緒に暮らしている犬は、チョコレートだけでなく、どんなものも魅力的に見えてしまいます。
美味しそうな匂いのする人間用のお菓子やチョコレートは、愛犬が絶対に届かない位置へとしまいましょう。
誤飲・誤食で責められるべきは、飼い犬ではなく、飼い犬の手の届きやすい所に食べてはいけない物を置いておいた飼い主であることを忘れないようにしてください。

3、しつけをし直す

どんなに気を付けていても、飼い主の口から、戸棚からチョコレートがぽろっと落ちてしまう時もあるかもしれません。
そんなとっさの時に「マテ」のしつけがきちんとできている犬なら、勢いよく落ちたチョコレートを拾い食いする事はありません。
チョコレートを食べたい気持ちよりも、飼い主のいう事を聞かなければという判断が出来る犬に育てて下さいね。


まとめ

どんなに美味しいにおいがしようとも、チョコレートは犬にとって毒物と変わりありません。
バレンタインの日に犬へ愛を伝えたい場合は、チョコレート以外のものをあげて下さい。
チョコレートと同じ香りがするマメ科のキャロブから出来た「キャロブパウダー」なら、愛犬にも安心してお菓子を作ってあげる事が出来ますよ。

家族同然の愛犬と長く一緒に暮らしていく上で、犬が食べると害になる食品などの必要な知識は、ぜひ自分で身に着けて下さいね。

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※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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根っからの動物好きで、散歩で出会った犬は必ず声をかけて触らせてもらいます! 犬といると幸せ過ぎて顔がにやけてしまいます。皆さんがもっと犬好きになるよう、心に残る記事を書いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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