病気の子供たちをサポートする犬、ファシリティドッグとは?!

2018.06.03

病気の子供たちをサポートする犬、ファシリティドッグとは?!

ファシリティドッグという言葉を聞いたことがありますか?警察犬や救助犬、盲導犬など、国内でも様々な仕事をこなす犬達が沢山いますよね。ファシリティドッグも同様に、人間たちのために活躍をみせる、ある職種に務める犬のことを指します。そもそもファシリティドッグとはなんなのか、どのような仕事を行っているのか?気になりますよね。 今回はそんなファシリティドッグについて知り、みんなで応援しましょう!

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人々に癒しを与える「ファシリティドッグ」


医療現場での専門的な治療行為として、動物を介した補助療法を行うことを「動物介在療法」といいます。そして、この動物介在療法に常勤で関わっている犬を「ファシリティドッグ」と呼ぶのです。

◆ファシリティドッグとは?

ファシリティドッグとは、医療現場などで施設のスタッフとして勤務し、患者さんへ癒しを与えたり、個々のニーズに合わせた活動を行う、専門的なトレーニングを積んだ使役犬です。

国内では、現在までにファシリティドッグとして活躍している犬は3頭しかいません。その為、ファシリティドッグという言葉に聞き馴染みのない方は、まだまだ多いのが現状といえるでしょう。

これを機に、ファシリティドッグについての知識を広げて頂けると幸いです。

◆7/1はファシリティドッグの日!

一般社団法人日本記念日協会の認定を受けて、2016年より7月1日は「ファシリティドッグ」の日として登録されました。
これは、初代ファシリティドッグ「ベイリー」が、2010年7月1日に静岡県立こども病院にて常勤で働き始めたことにちなんでいます。

2016年7月1日時点では、ハンドラーの森田優子さんとベイリーが神奈川県立こども医療センターで、同じくハンドラーの鈴木恵子さんとヨギが静岡県立こども病院にて、ファシリティドッグとして勤務をしていました。
2017年の9月には、ベイリーの後任としてアニーが神奈川県立こども医療センターに着任しています。

◆今後の活躍が期待されるファシリティドッグ

現在の日本では、ファシリティドッグを採用している病院が少なく、活躍しているファシリティドッグもこれまでに3頭のみです。

国内でファシリティドッグを派遣している「認定NPO法人シャイン・オン・キッズ」は、全国の病院にファシリティドッグが居るのが当たり前となる社会を目指しています。
このファシリティドッグの日として認定された7月1日に、毎年ファシリティドッグプログラムの啓蒙活動を行う予定だそうです。


ファシリティドッグとセラピードッグのちがいとは?

人間に癒しを与える存在として活躍している犬と聞くと、セラピードッグが浮かぶ方は多いでしょう。
患者さんを癒すという点での類似点はありますが、ファシリティドッグとセラピードッグには大きな4つの違いがあります。

◆ファシリティドッグとセラピードッグの違い

①ファシリティドッグは、1つの病院に毎日出勤するフルタイムワーカーである。
②セラピードッグは、基本的なしつけを受けた家庭犬であることがほとんどだが、ファシリティドッグは専門的なトレーニングを受けた使役犬である。
③セラピードッグはハンドラーが飼い主の場合が多いが、ファシリティドッグのハンドラーは医療従事者であり、ファシリティドッグと共に専門的なトレーニングを受けた人間である。
④セラピードッグの役割は人を癒すことを目的とした「動物介在活動」であるのに対し、ファシリティドッグの役割は癒しに限らず、医療行為に関わる部分に踏み込む「動物介在療法」である。

このように、一見似たように思えるセラピードッグとファシリティドッグですが、相違点を並べると全く別種類の務めを持っていることが分かりますね。

◆長い期間同じ犬と触れ合うことが特徴

ファシリティドッグとは、ストレスを抱えた人々に対して、愛情・安らぎを与えられるよう特別なトレーニングをつんだ犬であり、触れ合いを楽しんでもらうことが主な仕事内容となります。
特に子供の場合、動物を抱きしめるというスキンシップにおいて、ストレスの軽減や元気づける効果をもたらすことが、研究で明らかになっているのです。

時々患者さんなどを訪問して短い時間内で触れ合うという活動形式ではなく、同じ施設に勤務することで、同じ犬と繰り返し多くの時間を過ごすという形で活動している、というのがファシリティドッグの大きな特徴といえるでしょう。

常勤する施設スタッフとして扱われ、患者さんや家族との交流を図ることを、重要な業務としているのです。


どんな犬がファシリティドッグになるの?


どのようにしてファシリティドッグになるのでしょうか。

◆子犬のころからのトレーニングが必要

病院という場所は、犬にとって多くのストレスを感じる環境ともいえます。この環境下で適応する為には、気質・血統を何代も遡った上で、信頼性の高い犬を選出する必要があるそうです。

つまり、子犬時代から適性を厳しくスクリーニングすること、専門的なトレーニングプログラムを実施できる施設でのトレーニングが必要不可欠なのです。

◆アメリカで経験を積んだファシリティドッグたち

国内で活躍しているファシリティドッグ達やハンドラーの方々は、全てハワイの「Assistance Dogs of Hawaii」という専門的な施設でのトレーニングを積んでいます。現在日本にはこのような施設はなく、国内での実現が難しいのが現状です。

この為、現在活躍中のファシリティドッグ達は全てアメリカから呼び寄せられています。

◆ハンドラーは臨床経験のある看護師

ファシリティドッグのパートナーとなるハンドラーには、臨床経験のある看護師が採用されています。これは、病院内におけるリスクを最小限に抑えること、患者さんや家族、医療スタッフにも安心感を与えるためです。

看護師の経験が、動物介在療法の実践・データ収集にも大きな効果をもたらします。


ファシリティドッグの仕事内容・仕事場は?


ファシリティドッグ達の病院での仕事は、子供たちの部屋訪問したり、体を触ってもらったり、時には一緒に遊んだりして、患者さんや付き添いの家族の大きな支えとなることです。
更に医療スタッフにも笑顔を届けられるという作用も助け、病院内の雰囲気が良くなったという声も挙がっているとのこと。

そんな、病院にとっても大きな存在となっているファシリティドッグの、具体的な仕事は以下のような内容となっています。

◆ファシリティドッグの具体的な仕事内容例

・入院病棟を回り、患者さんの子供たちに触ってもらうこと
・採血・点滴などの検査や処置の際に、傍について応援すること
・手術室へ向かうまでの付き添い
・ベッドでの添い寝
・リハビリへの同行
・散歩などで一緒に外出すること
・ボール遊びなどで一緒に遊ぶこと

これらのように、ストレスを抱える患者さんの子供たちを癒すことが大きな仕事の目的ではありますが、その内容は「癒し」を超越して医療の分野にまで関り及んでいることが分かりますね。

◆徐々に活動の場が広がっているファシリティドッグ

初代ファシリティドッグのベイリーが勤務を始めた頃は、まずはトライアル、そして1週間ボランティアという形での活動内容からスタートしました。最初は病棟に入れず、「犬に会いたい子は廊下まで出てきてください」という形でのレベルで触れ合いを行っていたそうです。
そもそも日本には病院に犬を入れるという感覚がないのですから、当然といえば当然の方法だったのかもしれません。

しかし、その後ベイリーは少しずつ信頼を獲得し、プレイルーム、ベッドサイド、更には添い寝までもが活動内容として認められるようになっていきました。

それからもしばらくは週3回の勤務を行っていたのですが、子供たちの直訴によって週5回のフルタイム勤務が可能となり、常勤のファシリティドッグが誕生したのです。

ベイリーがどれだけ患者さんにとって大切な存在となっていたか、大きな支えとなっていたかが、強く伝わってきますよね。


ファシリティドッグを応援するには?

ファシリティドッグ

この素晴らしいプログラムといえるファシリティドッグですが、現在国内でこのプログラムを採用しているのは、静岡県立こども病院と、神奈川県立こども医療センターの2箇所のみです。

ファシリティドッグを応援するために、支えるために、私たちにできることはあるのでしょうか?

◆ファシリティドッグの必要性を理解し、周囲の人へ伝えよう!

認定NPO法人シャイン・オン・キッズでは、ファシリティドッグの写真集(MY BEST FRIEND AT THE HOSUPITAL~こどもたちの目にうつったファシリティドッグ~)を刊行したり、ファシリティドッグを知ってもらうためのイベントを行っています。
また、小学館からもベイリーのことを取り上げた書籍『ベイリー、大好き セラピードッグと小児病院のこどもたち』が出版されています。

これらの本を手に取り、ファシリティドッグの活動内容を知ること、イベントへ足を運ぶこと、そしてその内容を口コミやSNSなどで周囲へ広めることが支援への大きな一歩となります。

◆可能な範囲で寄付をすること!

現在ファシリティドッグプログラムを行っているのは、認定NPO法人シャイン・オン・キッズのみであり、その活動の8割は寄付で成り立っています。プログラムの普及には寄付金が欠かせません。

寄付の方法はシャイン・オン・キッズのサイトに記載されており、クレジットカードでの振り込みや、年間サポート制度などの継続的支援を可能とする方法があります。他にも、チャリティイベントなどを主催したり、コラボ商品を購入するなど、様々な形で寄付をする方法はあります。

寄付をすることが、最も直接的な支援となるでしょう。是非、可能な範囲で、協力を検討してみましょう。


ファシリティドッグへの理解を深めよう

小児がんや重い病気を患っている子供たちにとって、病気の治療や病院での生活は、大きなストレスを伴うものです。そんな子供たちや家族にとって、ファシリティドッグの存在は重要な意味を持ちます。

全国的にファシリティドッグを普及するためには、大きな障害がたくさんあります。
しかし、もしも自分が患者さんであったり、その家族の立場となったら。ファシリティドッグの存在は、とても重要なものだと感じるでしょう。

動物介在療法を国内に普及させるためには、多くの人が理解すること、応援・支援することがとても大切です。まだまだ知名度の低いファシリティドッグ。もっと多くの人に知ってもらい、理解を深めてもらえたらと強く感じます。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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