【獣医師監修】愛犬のうんちに寄生虫!?種類と対処法を知ろう!

2018.08.12

【獣医師監修】愛犬のうんちに寄生虫!?種類と対処法を知ろう!

愛犬に健康被害をもたらす害虫の中には、「外部寄生虫」と「内部寄生虫」と呼ばれる寄生虫がいます。主に、犬の皮膚や被毛に住みついて血液を吸う、またはフケを食べるのが外部寄生虫ですが、内部寄生虫は消化器官など犬の体内に住みつき、うんちと一緒に排出されます。愛犬のうんちに異変を感じたら、それは寄生虫の仕業かもしれません! 今回は、犬のうんちに潜む寄生虫について紹介します。しっかりと対処法を覚えておきましょう。

うんちに潜む内部寄生虫の種類・症状は?

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内部寄生虫とは、犬の小腸や大腸などの消化器官に寄生する虫で、腸内寄生虫とも呼ばれています。

寄生されると、下痢・嘔吐・血便などの症状がみられ、うんちによって排出されるのがほとんどのパターンです。寄生虫の種類も様々で、その痕跡はうんちや肛門周りの状態に残されていたり、目で見て判断できないものもあります。

どのような種類の寄生虫がいるのか、原因や症状と併せてみていきましょう。

◆うんちに潜む内部寄生虫①回虫

回虫は腸に住みつく代表的な寄生虫で、オスは4~10cm、メスは5~18cm程の大きさです。黄白色でそうめんの様な形をしているので、うんちの中に肉眼で発見することも可能でしょう。

回虫には、虫卵が腸内で子虫となり、後に体内移行しながら成長して腸内に寄生する「犬回虫」と、体内移行せずに腸内で成長してそのまま寄生する「犬小回虫」がいます。

腸内に寄生することで、炭水化物やタンパク質を栄養源とします。

【回虫に感染する原因】
経口感染の他に、母犬から子犬への胎盤感染や乳汁を通して感染することもあります。

ちなみに胎盤感染を起こすのは犬回虫のみで、犬小回虫では起こりません。このため犬小回虫の場合、幼犬時の健康被害は少なく、若犬・成犬での感染がみられます。

【回虫に感染された時の症状】
下痢・嘔吐・腹部膨満・腹痛・貧血などが主な症状です。虫の寄生数が多ければ、腸閉塞・痙攣・麻痺などの神経症状がでる場合もあります。

◆うんちに潜む内部寄生虫②鉤虫

成虫の体長は1~2cm程で、鋭い歯牙をもつ白い虫です。小腸の粘膜にしがみついて吸血し、寄生されると鉤虫症(犬十二指腸虫症)を発症します。

【鉤虫に感染する原因】
経口感染や胎盤感染、乳汁からの感染に加え、皮膚から侵入する経皮感染などが感染経路です。虫卵は、うんちと共に排泄されることで、感染子虫へと成長します。

【鉤虫に感染された時の症状】
貧血(重症化でチアノーゼ)や下痢(血便やタール状の便)・腹痛・胃腸障害などの主な症状を起こし、食欲不振や元気がなくなるなどの様子もみられます。これらの症状が重症化することで、死に至るケースも考えられるため注意が必要です。

◆うんちに潜む内部寄生虫③鞭虫

成虫は5~7cm程で、体は白く、鞭のような形状をしています。腸の粘膜中で成長し、最終的に盲腸や大腸などに寄生して粘膜から吸血します。

【鞭虫に感染する原因】
感染経路は経口感染のみで、胎盤・乳汁などからの母子感染はしません。虫卵が含まれるうんちなどを、口から摂取することで感染します。

【鞭虫に感染された時の症状】
寄生数が少なければ無症状の場合もありますが、寄生数が多いと水様性の下痢や血便、粘液便などがみられます。寄生期間が長期に渡ると、慢性の腸疾患や貧血、脱水、食欲不振や体重減少などを引き起こす可能性もあります。

◆うんちに潜む内部寄生虫④条虫

条虫には、「瓜実条虫」と「マンソン裂頭条虫」がありますが、犬の場合、感染のほとんどが瓜実条虫だといわれています。

瓜実条虫は、体長50cm程にもなるサナダムシの仲間で、その体は瓜の様な形の節が連なり、平たい紐状となっています。その節が千切れて、うんちや肛門周りに米粒程度の白い虫が付着し、発見されることが多いようです。

小腸に寄生し、腸の粘膜に体を固定することで体表面から栄養分を吸収します。

【条虫に感染する原因】
ノミが虫卵を運ぶことが感染原因です。感染動物の排泄物に含まれる虫卵をノミ類の幼虫が食べることで、条虫はノミの体内で幼虫へ成長します。このノミが付くことで痒がり、誤って噛み潰すことで経口感染します。

【条虫に感染された時の症状】
ほとんどの場合無症状ですが、寄生数が多いと、下痢や食欲不振・体重減少などの症状を引き起こす可能性があります。虫卵を含む体節が排泄されると、条虫の活動がしばらく活発化され、それを気にしてお尻を地面に擦り付ける仕草をすることもあります。

◆うんちに潜む内部寄生虫⑤コクシジウム・ジアルジア(ランブル鞭毛虫症)

いずれも原虫のため肉眼では発見できず、糞便検査にて顕微鏡で確認することができます。ジアルジアの場合、人獣感染症でもあるので、その対処法には注意が必要です。

【コクシジウム・ジアルジアに感染する原因】
感染経路は、いずれも経口感染です。コクシジウムは卵の様なオーシストを呼ばれる形態を、ジアルジアはシストと呼ばれる形態を便・水・食品などを通して摂取することで感染します。

【コクシジウム・ジアルジアに感染された時の症状】
いずれも下痢や吐き気、食欲不振などの症状がみられます。健康的な成犬の場合は、特に症状が出ないことが多いようですが、子犬の場合は脱水や発育不良を引き起こす可能性があります。

細菌やウィルスなどの二次感染や、他の寄生虫との混合感染が起こることもあり、重症化するなど場合によっては死に至る可能性が潜んでいます。

◆うんちに潜む内部寄生虫⑥トキソプラズマ

トキソプラズマは猫科の動物を終宿主とする原虫で、犬の場合は中間宿主となります。この寄生虫による症状も人獣感染症の一つで、特に妊娠初期の女性が感染すると、流産となったり、胎児の成長に大きく影響を及ぼすといわれています。

【トキソプラズマに感染する原因】
この寄生虫に汚染された動物の便を通して、経口感染します。犬は前述の通り中間宿主となるので、犬のうんちから感染することはないようですが、オーシストを排出する猫のうんちや豚・鶏などの生肉を通して感染します。

【トキソプラズマに感染された時の症状】
成犬であれば明らかな症状が出ることは少ないのですが、幼犬・シニア犬など免疫力の弱い個体の場合、水様性・出血性の下痢や嘔吐、発熱、食欲不振や元気消失、鼻汁や咳、呼吸困難、加えて眼の異常・失明、痙攣や麻痺などの症状を引き起こす場合があります。

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愛犬のうんちのなかに寄生虫を見つけたらどうする?

◆肉眼で寄生虫を見つけられる場合

内部寄生虫(腸内寄生虫)は、うんちと一緒に虫体が排出されることで発見されることが多いです。
うんちに白い紐状の物体をみつけた、肛門周辺に米粒のようなものがついているなどという肉眼で発見できるケースであれば、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

◆肉眼で寄生虫を見つけられない場合

寄生虫の中には、肉眼で確認できないものもあります。肉眼で確認できない場合、愛犬の体の異常が寄生虫の所為では?と判断するのは難しいかもしれません。

症状が疑われる場合は、うんちやトイレシートなどを病院へ持っていくことをお勧めします。
これは、飼い主さんの証言だけでは、感染している症状、寄生している虫の種類の特定に時間を要する場合があるためです。糞便検査をすれば、すぐに症状を断定できる可能性は高まります。

病院へ行くのであれば、「参考までに持っていこう」という軽い気持ちでうんちなどを持参してください。

◆うんちを持参する時の注意点

寄生虫の中には、感染力が強かったり、人獣感染症であるものも沢山あります。特に小さいお子さんのいる家庭であったり、多頭飼育している家庭では、他の人間や犬への感染予防に努めなければなりません。

うんちを持参する際には、しっかり袋で密閉するなどして、十分注意を払いましょう。


寄生虫感染の予防法は?

寄生虫

寄生虫による症状を予防するためには、日常生活で気を付けるべき点があります。一例を挙げますので参考にしてください。

◆手洗いをする

動物に触った後は、爪の間までしっかり手洗いをしましょう。虫卵も、石鹸で洗い流すことで取り除けます。

◆生活環境の衛生を保つ

愛犬が普段過ごしている場所は、特にこまめに掃除しましょう。室内の衛生保持に加えて、愛犬を加えた家族全員をホコリやカビから守ることにも繋がります。

◆定期的に皮膚や被毛のケアをする

シャンプーやトリミングは、外見が綺麗になるだけでなく、健康保持にも繋がります。汚れたまま放置すると、害虫被害や細菌の増殖を招く結果をもたらすのです。

定期的なブラッシングも、愛犬とのコミュニ―ケーションをとれる大切な時間となりますし、些細な体の異常にも気付けやすくなります。

◆外出時のうんちを持ち帰る

飼い主として当たり前のマナーの一つですが、散歩などで愛犬がしたうんちは必ず持ち帰りましょう。動物のうんちが、感染源となる事態の予防に繋がります。

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◆排泄物は早めに片付ける

室内でトイレシートなどを利用している場合、オシッコやうんちはすぐに片付けましょう。この際、直接触れないよう注意が必要です。

虫卵は長時間放置することで乾燥し、周囲に飛び散る可能性があります。他の動物や人間への感染を防止するためにも、できるだけ早く適切な処理をしてください。そして、片付けをした後は必ず手を洗いましょう。


寄生虫を追い出すには?

寄生虫を見つけた場合、治療法としては駆虫薬を飲ませることが基本的な対処法となります。

◆寄生虫の種類に合った駆虫薬を投薬する

内部寄生虫は、駆虫薬を飲ませることで犬の体内から駆除することが可能です。寄生した虫や症状の状態によっては、駆虫薬の他にその症状にあった処置が施されます。

駆虫薬にもタイプがあり、それぞれ駆除できる虫の種類が違います。フィラリア予防薬にも、同時に回虫・鉤虫・鞭虫などを駆除できるものもあるのです。

使用する駆虫薬については、獣医師に相談し、愛犬にとって適切な薬を処方してもらってください。

◆再感染を防ぐために予防しよう

駆虫薬で駆除したといっても、他の虫であったり、再び同様の寄生虫に感染することもあります。

虫卵は、乾燥やある程度の熱にも強いので、土中などで生き延びます。外出が多かったり、食糞の癖をもつ個体の場合には、再び感染する危険性は十分にあります。
普段から害虫予防に努めたり、定期的な糞便検査を行うなどして、常に警戒はしておきましょう。

また、寄生虫によってはノミが感染原因の場合もあります。徹底した駆虫を行うには、ノミ退治の方法も同時に実施するべきだといえるでしょう。

多頭飼育の家庭であれば、1匹でも寄生虫が発見された場合、全ての犬に検査を施すようにしてくださいね。


まとめ

寄生虫はただの「腹の虫」ではありません。放置すれば死に至るケースもありますし、一気に感染が拡大する可能性もあります。

もしも寄生虫を発見したら、適切な対処を行い、すぐに動物病院を受診しましょう。日常的に予防に努めることも、忘れないでくださいね。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※


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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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