柴犬の黒柴より希少な黒胡麻とは?

2019.06.22

柴犬の黒柴より希少な黒胡麻とは?

柴犬は赤っぽい茶色の被毛が人気です。 それ以外もいくつかあり、近ごろでは希少な「黒柴」、さらに珍しい「黒胡麻」が注目されています。 今回は柴犬の色による違い、それぞれの特徴や魅力について迫っていきます。

【目次】
1.柴犬とはそもそもどんなワンちゃん?
1-1.小型の日本犬
1-2.昔は狩猟犬だった柴犬
1-3.柴犬人気は今でも変わらない
1-4.国の天然記念物のワンちゃん!
2.柴犬の毛色パターンは?毛色による違いって?
2-1.大きく分けて4パターンの毛色
3.それぞれの毛色の特徴について
3-1.一般的な柴犬の色「赤色」
3-2.スタンダードでは認められていない「白色」
3-3.黒柴と言われる希少な「黒色」
3-4.さらに珍しい「胡麻毛」
4.さらに希少!柴犬の「黒胡麻」ってどんな犬?
4-1.黒胡麻はどんな外見?
4-2.黒胡麻の柴犬との出会いは超貴重…!?
4-3.遺伝によって生まれる胡麻毛
4-4.成犬になると黒胡麻じゃなくなるケースも…!?
4-5.黒胡麻の柴犬の性格って?他の色と違うもの?
5.まとめ

柴犬とはそもそもどんなワンちゃん?

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さまざまな犬種があるなかでも「柴犬」はかなり知名度があるワンちゃんで、日本での飼育数は多めです。
飼い主さんとお散歩中の柴犬の姿を日常的によく見かけるという人も多いでしょう。
そのせいもあってか、「柴犬」と聞いたときにその姿をイメージしやすいですよね。
柴犬の外見はよく知っていても、その詳細についてはあまり知らない人もいるかと思います。
まずは柴犬がどんなワンちゃんなのかについて見ていきましょう。

◆小型の日本犬

性別や飼育される環境により若干の違いはありますが、体重は平均的に9キロ前後です。
大きそうなイメージがあるかもしれませんが、結構小ぶりな体型ですよね。
分類的には「小型犬」のくくりに属しています。

柴犬のほかに、5種の日本犬がいますがすべて中型から大型サイズなので、6種ある日本犬のなかでは最も小型ということになります。
また、現在、日本で暮らしている「日本犬」のうち、8割ほどが柴犬だと言われています。

◆昔は狩猟犬だった柴犬

今でこそ家庭犬として人気が高い柴犬ですが、狩猟犬として飼われていた歴史があります。
主に、寒い山岳地帯でウサギなどを捕まえる役割でした。
小動物以外の大きな敵にも立ち向かうこともあったので、小型の体でも「勇敢さ」「我慢強さ」などを兼ね備えたワイルド系の犬種だったと言えます。
山中で鍛えられたため、寒い季節のある日本の風土にぴったりな体質です。

◆柴犬人気は今でも変わらない

昔は「狩猟犬」という目的で飼われるケースが多かったようですが、時代は変わり、現在の柴犬は「ペット」として飼われるのが一般的です。
「飼い主に忠実」という純朴な魅力が注目され、日本を飛び出して世界的にも人気者となっています。

◆国の天然記念物のワンちゃん!

適度に筋肉質な体、さっぱりした短毛、素朴で愛嬌のある雰囲気、そして立ったときの凛々しい顔立ち、俊敏な動きと、見惚れるような美しい外見です。
見た目だけでも魅力が満載のワンちゃんと言えるでしょう。
昭和11年には、国から天然記念物として指定があり、「日本の犬」として大事に考えられています。

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柴犬の毛色パターンは?毛色による違いって?

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柴犬の色について、多くの人は赤っぽい茶色をイメージするのではないでしょうか。
柴犬に限ったことではありませんが、犬は犬種ごとに被毛の色や柄が多彩です。

◆大きく分けて4パターンの毛色

ペットショップで見かける柴犬の多くは赤毛ですが、そのほかにも違う色があります。
大きく分けると柴犬の毛色は4つ。
「赤色」「白色」「黒色」「胡麻色」が主な毛色で、被毛パターンが多彩な犬種と比べて少なめに思えるかもしれません。
伝統の見た目を守ろうという天然記念物に指定され、他の犬種と混ざらないようにしてきたため、毛色のパターンはあまりないのですね。

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それぞれの毛色の特徴について

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毛色が違うと見た目の印象がだいぶ変わるものです。
それぞれの毛色の柴犬の特徴について見ていきましょう。

◆一般的な柴犬の色「赤色」

赤色は昔から「柴犬」の主流の毛色です。

・茶色と言いそうになるけど実は「赤」
「赤」と聞くと、本当の赤をイメージするかもしれませんが、柴犬の毛色における赤は「茶色」に近いイメージです。
赤色といっても「濃い茶色」「淡い感じの茶色」とその濃度はバラバラ。
「濃いか淡いか」で見た目の雰囲気が少し変わりますが、全体的に暖かみのある優しい被毛色ですね。

・一番人気の毛色
柴犬のなかでも、赤毛の確率は全体の80%を超えています。
つまり、私たちが「柴犬は赤っぽいな~」と思っているのは、見かける柴犬の多くが赤色だからなのですね。
昔から定着している色で、「柴犬を飼いたい」という人に大人気です。

◆スタンダードでは認められていない「白色」

柴犬には白毛もあります。
「柴犬に白があるの!?」と、ちょっと意外に思っている方もいるかもしれません。

・真っ白で優しい雰囲気
柴犬の白色は、見た目が真っ白です。
他の色が混じらないので、柔らかく優しい印象を感じるでしょう。

「白い日本犬」と言えば白色が主流の紀州犬もいるので、見た瞬間とても似ている感じがするかもしれませんね。
ただ、中型の紀州犬は20キロ前後くらいと大きいので、違いはサイズ感で分かるでしょう。

体全体が真っ白の柴犬は、柴犬全体の割合としては、わずか10%程度にも満たなく、珍しい色です。

・スタンダードではない?!
柴犬の主な毛色は、日本保存協会によると「赤毛・黒毛・胡麻毛」の3種、ジャパンケネルクラブによると「赤・黒褐色・胡麻・黒胡麻・赤胡麻」とされています。
白の柴犬は、正式な毛色としては考えられていません。

柴犬の保存しようと考えている団体にとっては、昔からの毛色を大事にしています。
実のところ、交配の結果、黒色になれなかった個体が白色だと「ミスカラー」という呼び方さえあり、ちょっと厳しい判断となっています。
珍しく人気もある一方では、「昔ながらの柴犬の色ではない」と考えられているのが現状です。
とは言え、とても美しい柴犬の色で魅力的。
希少ながらにも「白い柴犬が欲しい」という人も増えています。

◆黒柴と言われる希少な「黒色」

柴犬のなかで赤色の次に人気が高いのが黒色と言われています。

・チャーミングな見た目
黒色の柴犬は、全体的に黒い色です。
被毛に大きな特徴が2つあり、それが大きな魅力になっています。

1つ目が「麻呂眉」と言われる目の上の眉毛のような部分です。
目の上にそれぞれ白い斑点があり、目が4つあるようにも見え、「四ツ目(よつめ)」という呼称もあります。

そして2つ目の特徴が胸周辺や耳、足元に、裏白と言われる白い被毛が生えている点です。
足元の白い毛は、まるで靴下を履いているかのよう!

このように、黒い被毛というクールな印象に、チャーミングな被毛の特徴がプラスされ、可愛らしいと人気沸騰中です。
「黒柴」という愛称のもと、たくさんの人に愛されています。

・とても珍しい
黒色が生まれる割合は、柴犬全体の10%ほどと白色と同じくらいの珍しさです。
とは言え、白い柴犬よりも黒い柴犬の方が、世間的には浸透しているような感じもしますよね。
「黒柴を見かけたことがある」という方も多いのではないでしょうか。
最近は、繁殖数もだいぶ増えてきているようです。

◆さらに珍しい「胡麻毛」

珍しいと言われている白色や黒色よりも希少なのが「胡麻毛」です。

・複数の色がブレンドされている
胡麻毛は、これまでお伝えした「赤・白・黒」が入り混じっている毛色です。
すべての色が平均的に混ざっているわけではなく、「全体的に赤色+別色の差し毛」だったり、「全体的に黒色+別色の指し毛」とパターンはバラバラです。

赤色の毛の割合が多ければ「赤胡麻」、黒色の毛の割合が多ければ「黒胡麻」と言うように、胡麻毛のなかでもパターンが分かれています。


さらに希少!柴犬の「黒胡麻」ってどんな犬?

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前項でお話した黒柴は柴犬全体の1割程度と希少ですが、さらに珍しいのが「黒胡麻」です。

◆黒胡麻はどんな外見?

赤や白、黒の毛がブレンドされている色合いの「胡麻柴」タイプの柴犬のなか、黒毛が多めなのが黒胡麻です。
少し分かりづらいかもしれませんが、「胡麻毛」という大きなくくりのなかで、さらに「赤胡麻」「黒胡麻」があるのです。
黒一色ではクールになりがちですが、それに明るめの赤や白が差し毛になることで、キュートな雰囲気にも見えますね。

◆黒胡麻の柴犬との出会いは超貴重…!?

胡麻毛は、とても珍しい柴犬の毛色です。
珍しい毛色である白色や黒色よりも少ないです。
数値に表すとほんの0.2%ほどしか誕生しないというデータもあるので、本当に希少だということが分かりますね。
「胡麻毛」というくくり自体が希少、さらにそのなかの一つである「黒胡麻」は“超”希少な柴犬と言えるでしょう。

◆遺伝によって生まれる胡麻毛

柴犬の毛色がどう決まるかは、親からどんな遺伝子を受け継ぐかによって変わります。

一般的に「①赤、②黒、③白、④胡麻」という順序で遺伝子が強いことが分かっています。
つまり、「お父さん犬orお母さん犬」のどちらかが赤毛だった場合、生まれてくる子犬は赤毛となる確率が高めです。

ただ、交配のパターンはさまざまで「この組み合わせからはこの色」とは一概に言えません。
それに、「赤&赤」などの同じ色の単純な組み合わせだとしても、生まれてくる子犬が違う色の可能性はゼロではありません。
これは、柴犬に限らず、他の犬種でも言えることかもしれませんね。
同じ親から同時に生まれてきた兄弟でも、毛色が違うケースは多々あります。

◆成犬になると黒胡麻じゃなくなるケースも…!?

子犬を迎えるときに、毛色の印象を見て飼うという人も多いかと思います。
しかし、成長するに伴って、毛の色が変わるケースも多いです。
生後2年くらいまでの若い時期に色が変わるのはよくあると言われています。
胡麻毛も「赤&白&黒」というバランスが崩れ、どれかの色が強めに出て成長するかもしれません。
「黒胡麻がかわいい!」と一目惚れして迎え入れても、数年経ったら赤色になったというケースもあるようです。
なかには、バランスを保ったまま「黒胡麻」として成長するケースもあります。

こればかりは育ってみなければ分からず、「黒胡麻の子犬⇒黒胡麻の成犬」というように、黒胡麻をそのままの状態でキープできる確率はたった1%未満と言われています。
成犬の「黒胡麻」として育っているなら、レアなワンちゃんと言えるでしょう。

◆黒胡麻の柴犬の性格って?他の色と違うもの?

「白は優しそう」「黒はワイルドそう」「赤は明るそう」「胡麻はフレンドリーそう」など、色によって見た目の印象は変わりますよね。

黒胡麻はどんな性格なのでしょうか。

実は、「赤毛だから」「黒胡麻だから」というように、毛の色が違うことで性格が変わるということはないようです。
それよりも「オス」「メス」と性別の違いのほうが、性格に差が出やすい傾向があります。

また、「十人十色」ならぬ「十“犬”十色」で、飼育環境や飼い主さんのしつけ方、さらには「お父さん犬・お母さん犬」の性質を遺伝したりなど、さまざまな影響で性格は異なっていきます。
それに、遺伝的な性質を受け継いでも、子犬から成犬に育っていく環境次第で変化していくものです。
「愛情」「しつけ」「ストレス」「コミュニケーション」など、子犬を育てていくための飼い主さんの努力も性格形成に一役かっていると言えるでしょう。


まとめ

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柴犬は、色によってはかなり希少価値があります。
希少と言われている黒柴は、最近では人気が高まって注目を集めてきています。
さらに同じ黒い毛が入っていても、ちょっとイメージの違う「黒胡麻」まで…。
それぞれ、違う特徴を持っているので迎える前には黒胡麻として生まれても、生まれて数年で色が変わって黒胡麻ではなくなってしまうケースもあることを想定しておきましょう。

色によって見た目のイメージがだいぶ変わりますが、毛色の色が違うからと言って性格に差があるわけではありません。
飼い主さんとの暮らしのなかで性格が定まってくるので、愛情を持って育てていきましょう。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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