犬用ハーネスとは?嫌がる理由や慣らし方

2020.02.11

犬用ハーネスとは?嫌がる理由や慣らし方

犬がハーネスを嫌がるという話をよく聞きますが、犬にとってハーネスや首輪などの装着品を着けるということは人が考えるほど自然なことではありません。人間の場合は何かしらのものを身に着けることは習慣化していますが、犬にとっては体に得体の知れないものを着けられるということであり、大抵は恐ろしいことです。嫌がっても決して叱らず、適切な方法でハーネスに慣らしてあげましょう。

【目次】
1.犬用ハーネスとは
 1-1.首輪との違い
 1-2.ハーネスのメリット
 1-3.ハーネスのデメリット

2.犬がハーネスを嫌がる原因
 2-1.着用に慣れていない
 2-2.サイズが合っていない
 2-3.嫌な思い出になっている
 2-4.装着方法が適切でない

3.犬をハーネスに慣れさせるには
 3-1.装着の仕方に気をつける
 3-2.他のもので気をそらす
 3-3.適切なサイズを選ぶ

4.目的別のおすすめ犬用ハーネス
 4-1.ハーネスの選び方
 4-2.引っ張り癖のある犬のしつけに最適なハーネス「イージーウォークハーネス」
 4-3.ペットと快適にドライブするための「ドライブベストハーネス」
 4-4.歩行補助が必要な犬のための「老犬介護用 歩行補助ハーネス」

5.まとめ

犬用ハーネスとは

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◆首輪との違い

ハーネスと首輪の主な違いは、「装着する部位」です。

首輪は首に装着するため、引っ張る犬の場合は首に集中して大きく負担がかかりますが、ハーネスは負担がかかる部位が分散されるため、集中的な体への負担が少ないのが特徴です。

◆ハーネスのメリット

ハーネスは首に装着する必要がないため、何より犬の首への集中的負担軽減ができることがメリットです。

全く引っ張り癖のない犬は首輪でも問題ありませんが、健康体の犬であっても多少なりとも引っ張る犬の場合、毎日の散歩で定期的・継続的に首に負担が集中してしまいます。

気管虚脱を中心に気管や喉などに何かしらの疾患がある犬、気管虚脱の病気予防をしたい犬に関しては、ハーネスを利用することをおすすめします。

その他、ハーネスは犬が散歩中に暴れる、嫌がるなど何かしらのハプニングで抜けてしまいやすい首輪と比較すると、脱走防止にも役立つと考えられます。

◆ハーネスのデメリット

首輪と比較すると、ハーネスは装着に時間がかかるのが特徴です。

ただし、ハーネスを嫌がる犬の場合は、飼い主さん自身が適切な装着方法でゆっくりと犬を慣らしてあげることで、それ程装着に時間がかからなくなります。


犬がハーネスを嫌がる原因

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◆着用に慣れていない

ハーネスに慣れていない犬にとってハーネスは得体の知れない物であるため、着用に慣れていなければ恐怖や不安を感じてハーネスを嫌がるのは当たり前のことです。

人は色々なものを着用することに慣れているので、何かしらのものを身に着けることは自然ですが、犬にとってはそうでないことを理解しましょう。

◆サイズが合っていない

散歩時に犬がハーネスを嫌がる場合は、ハーネスのサイズが合っていない可能性も考えられます。

人間も洋服のサイズが極端に違っていたら不快な気持ちになりますが、犬も同じで小さすぎれば体が圧迫されて不快ですし、大きすぎるとハーネスが歩くたびに体から離れたり触れたりとそれはそれで不快です。

サイズが合っていないことが理由でハーネスを嫌がる場合、散歩時の継続的なストレス要因にもなるので注意が必要です。

◆嫌な思い出になっている

犬を散歩に連れて行くとき、時間的理由で急いでいる飼い主さんも多いかと思います。

そんなとき犬がハーネス装着を拒むと、飼い主さんは焦って追いかけたり、力ずくで無理矢理ハーネスを着けようとしたりすることがありますが、それが犬にとって恐怖体験となり、ハーネス自体がトラウマになっているケースがあります。

この際ハーネスを嫌がる犬を叱ったりすると、さらに犬はハーネスに対して嫌な記憶をインプットしてしまいます。

その他にも、飼い主さんの焦りが犬の精神状態に影響していることもあります。犬は人の気持ちに非常に敏感で、苛立ちや焦り、怒りなどに対しても敏感に感じ取ってしまいますので、ハーネスを装着するときは飼い主さん自身が穏やかで楽しい気持ちでいなければいけません。

◆装着方法が適切でない

犬にハーネスを装着させる際にいきなり犬の正面に立ち装着しようとすると、犬は恐怖や不安からハーネスを嫌がるようになることがあります。

ハーネスは頭から被せるものと肢から通すものが一般的ですが、どちらにせよ犬が怖がらないように装着しなければいけません。


犬をハーネスに慣れさせるには

◆装着の仕方に気をつける

ハーネスを着けようとしたとき犬が嫌がるのに無理矢理着ける飼い主さんがいますが、これは絶対にやめましょう。

犬がハーネスを嫌がる、また慣れていないときは「ハーネスは怖いものではない」ということを犬に装着前に教えてあげることが大切です。

ハーネスを犬の傍に置いたり触らせたりしながら、ハーネスが犬に触れたときにご褒美を与えたりすることで「ハーネスに触るといいことがある」とゆっくり時間をかけて教えてあげましょう。

犬が十分ハーネスに慣れてきたら犬に恐怖や不安を与えないよう、犬の正面でなく横に座り込んで優しく声をかけたり撫でたりしながら頭、または肢にハーネスを通します。

犬の肢に通すタイプのハーネスの場合は、肢を触ることから慣れさせなければいけませんので、触らせてくれたらオヤツを与えたり大げさに褒めたりと工夫をしましょう。

通常野生界で犬同士が肢を触りあうことなどないため、犬は肢に触れられるのを極度に嫌がる傾向にあります。

◆他のもので気をそらす

ハーネスに慣れていない犬の場合、装着時のみならず散歩時にもハーネスを気にして取ろうとすることがあります。そんな時は、オヤツや音の鳴るおもちゃを利用するなど工夫して犬の気をそらしましょう。

ハーネスに執着している意識を他にそらすことによって、犬自身がハーネスを着けていることを忘れてしまうような対策が必要です。

個体差はあるものの、大抵1週間程度散歩時にハーネスを着けていれば慣れるので、慣れるまでは散歩に行く際にオヤツやおもちゃを持っていくと良いでしょう。

◆適切なサイズを選ぶ

ハーネス選びで大切なことがサイズ選びや装着時のサイズ調整です。適切なハーネスのサイズは商品によって多少異なるものの、基本的には首回り(首の付け根)や胴回り(脇の下の胴回り)、体重を正確に測ってハーネスを選びます。

首周りは指2本分程度のゆとりを入れ、他の部位は小指1本程度のゆとりがあるサイズを選ぶと良いでしょう。

装着時は、犬の皮膚に食い込むようなきつい着け方は絶対にしないように気をつけてください。


目的別のおすすめ犬用ハーネス

◆ハーネスの選び方

ハーネスはサイズをしっかりと測って選んであげることが大切ですが、それ以外にも装着のしやすさとハーネスを着ける目的(しつけに活用できる、動きやすい、デザイン性が良い、歩行補助に使用したいなど)を明確にしてから選ぶと良いでしょう。

◆引っ張り癖のある犬のしつけに最適なハーネス「イージーウォークハーネス」

イージーウォークハーネス
購入



ハーネスのデメリットとして、しつけに向いていないと考えるかたが多くいますが、しつけに適したハーネスも販売されています。

最近高い人気を集めている「イージーウォークハーネス」は、チョークとハーネスが一体化したしつけ用商品で、犬が引っ張った際に前胸に力が加わることから、犬がそれ以上引っ張らないよう「引っ張り癖の改善サポート」をしてくれます。

◆ペットと快適にドライブするための「ドライブベストハーネス」

ドライブベストハーネス
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犬用ハーネスは散歩時に装着するものだけでなく、車でのドライブの際に犬の安全を確保してくれる便利な商品もあります。

こちらのハーネスは、車のシートベルト部分に装着できるタイプで、何かしらの衝撃があった際の犬の飛び出しを防止してくれます。

◆歩行補助が必要な犬のための「老犬介護用 歩行補助ハーネス」

老犬介護用 歩行補助ハーネス
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肢が弱くなった老犬や病気が原因で歩行に支障がある犬には、歩行補助ハーネスがおすすめです。

こちらの歩行ハーネスには様々なサイズがあり、サポートする肢の部位によっても商品が異なりますので、愛犬に合った商品を選んであげましょう。


まとめ

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ハーネスについて犬が嫌がるときの原因や慣れさせる方法を中心にご紹介致しました。

体に何かを身に着けるという行為は犬にとって非常に不自然なことであり、慣れていないと嫌がるのはごく当たり前のことです。

ハーネスを装着するときに嫌がるからといって叱ったり飼い主さん自身が焦ったりするのは絶対に避け、「ハーネスは怖いものではない」ということをしっかりと犬に教えてあげることが大切です。



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smochijp

smochijp

動物看護士(日本能力開発推進協会/日本キャリア教育技能検定協会)、老犬介護士(日本キャリア教育技能検定協会)、犬の管理栄養士(全日本動物専門教育協会)、ドッグトレーニングアドバイザー(日本ペット技能検定協会)等、動物関連資格を多数保有。大型犬2頭、中型犬1頭、小型犬(保護犬)1頭、猫3頭と暮らしながら、役立つペット関連情報を提供しております。


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