日本じゃあまり知られていないクーバースってどんなワンちゃん?

2021.01.17

日本じゃあまり知られていないクーバースってどんなワンちゃん?

みなさんはクーバースというワンちゃんをご存知でしょうか?クーバースは日本ではあまり馴染のないワンちゃんなのですが、海外では人気で、とても長い歴史を持っています!今回は、そんなクーバースの歴史や特徴などについてご紹介していきます。


クーバースとは

クーバースはハンガリーで生まれたワンちゃんで、昔は家畜の群れが肉食獣に襲われないように護衛の役割をしていました。純血犬種の登録や犬籍管理を行っている「JKC(ジャパンケネルクラブ)」での、現在のクーバースの登録頭数は0匹で、日本ではレアなワンちゃんとして扱われています。

◆クーバースの歴史

クーバースの祖先犬は、9世紀頃にトルコの遊牧民によってハンガリーのカルバチア盆地に伝わり、そこを支配していたマジャール人が育種した、チベタン・マスティフ系の大型犬種のワンちゃんだと考えられています。1978年に、現在のクーバースと非常に似ているワンちゃんの骨が発掘されたため、1000年以上の歴史を持っていると言われています。 V字型のたれ耳や、ウェーブしている厚く白い被毛があるため、「コモンドール」というワンちゃんとなにか関係があるのではないかと説が立てられています。

13世紀以降のハンガリーでは、クーバースは貴族の領地で使役犬として働いていましたが、王国や帝国にいる貴族が自分を護衛させるためのワンちゃんとして城の中で飼育し始めました。クーバースを飼育していいのは王室が認めた者のみで、大きな領地を所有していた貴族はそこでクーバースを飼育し、クマやイノシシなどの大型の獣を狩猟させ、性能を競い合わせていました。王族の贈り物としてもよく用いられたようです。

15世紀後半に入ると、ハンガリーで在位していた王様が、大量のクーバースを城の中で飼育し始めました。当時は王の地位を狙う貴族が多く、城の中でさえ狙われるため、だれも信用できない時代でした。王は自分の地位を狙う城内の貴族から身を守るため、クーバースの類まれなる防御本能を生かして護身用に飼育したのです。王にとっては主人に忠誠を誓うこのクーバースは心を許せる唯一のワンちゃんでした。

王や貴族にだけ飼育が許されていた時代が過ぎ去ると、今度は農民の間で牧畜犬として活躍していくことになります。主人にとても忠実で縄張り意識が強いため、侵入してくる者や他人には警戒心が強く、市街地に散歩に行くときなどは口輪を付けることが義務付けられていました。

その後クーバースは、家族に迎え入れられるように性格の改善が計られ、大きかった体格もやや小さくなりました。

忠実で用心深く勇敢な伴侶犬として、現在では都市部での人気が高いです。クーバースは、様々な牧羊犬が生まれるきっかけになったと言われており、ハンガリーの牧畜業者は、クーバースを連れて牛をよその国まで売りに出かけました。その旅の途中で、クーバースが他のワンちゃんと交配して子どもを作ることがあったそうです。牛を売り終わると、そのまま置いていかれることもありました。

第二次世界大戦の終わりには、クーバースはたった30頭ほどに減ってしまい絶滅の危機に陥りました。そんなことはさせまいと、ブリーダーが集まって力を尽くし、クーバースはみごとに復活できました。現在でも海外で、とても愛されているワンちゃんです。

◆クーバースの名前の由来

クーバースの起源には様々な説があり、その中でも「貴族の守護者」というトルコ語の「kawasz(カバス)」が由来するのではないかと言われています。

◆クーバースの特徴

大きな体格をしている牧羊犬で、可愛らしく良い顔立ちをしています。両目の間のくぼみがはっきりとしており、鼻はすらっと先細くなっています。口は黒色で、歯はシザースバイトという形をしています。耳はV形になっていて、たれ耳になっています。目の形は可愛らしいアーモンド形のつぶらな瞳で、色は暗色になっています。

体高に対して体長がやや長いです。かつて護畜犬、およびクマやイノシシの狩りをする猟犬として用いられていたため、骨格ががっしりとしており、厳しい気候条件にも耐えられるほど丈夫な体をしています。筋肉が引き締まった均整のとれた体格で、足はネコちゃんのようにきゅっと締まっていて、たくましい印象が特徴的です。

◆クーバースの大きさ

クーバースは大型犬に属するワンちゃんで、男の子のほうが体が大きい傾向にあります。
男の子は標準体高71cm~76cmで標準体重が48kg~62kgになっています。女の子は標準体高66cm~70cmで標準体重37kg~50kgです。

◆クーバースの毛色・毛質

クーバースの毛色は、ホワイトかクリーム色のアイボリーで、夜間でもはっきりと見えます。被毛はオーバーコートとアンダーコートが生えているダブルコートで、厚いアンダーコートの上に、直毛かウェーブ状でできている粗いオーバーコートが密生しています。あごの下の毛は豊かで、首から胸までふさふさと飾り毛が生えています。冬にはさらに毛が豊かになります。 顔と足は短い毛です。四肢の後ろの毛はふわふわしています。

◆クーバースの性格

クーバースは賢くて好奇心旺盛。向こう見ずなところがあり、勇敢で意志が強く、恐れを知らないワンちゃんです。防衛本能や縄張り意識が強いので良い番犬になってくれて、飼い主さんやその家族をしっかり守ろうとしてくれます。ですが、もともと人間の指示を受けずに作業するよう育てられてきたので、独立心が強く、飼い主さんやその家族と強い絆を築いても、よそよそしい態度を取る場合があります。

警戒心が非常に強く、飼い主さんの家族のお子さんには優しく我慢強いのですが、他人の子供には気を許さない場合があります。事故を防ぐためにも、お子さんとその友だちがクーバースと遊ぶときは、目を離さないようにしてください。

ほとんどのクーバースは、知らない人にはなつかず、気を許しません。小さい頃からいろいろな環境に慣れさせてあげることによって、極端に警戒心の強い性格を直すことができる可能性もあります。経験豊かでワンちゃんのことがわかっているトレーナーが訓練してあげれば、飼い主さんの家に来るお客さんを上手に迎えられるようになるかもしれません。

このようにとても強情な性格をしていますが、叱られると傷つきます。厳しくあたったりしないようにしましょう。クーバースはただ飼い主さんやその家族を守りたいだけなのです。時にクーバースの若いワンちゃんは飼い主さんの力を試すようなことがあります。

◆クーバースがかかりやすい病気

クーバースがかかりやすい病気は以下の通りです。

股関節形成不全

股関節が正常に形成できず、歩行に異常が現れてしまう。成長期に発症することが多い。

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犬の病気はいろいろありますが、あまり聞きなれない「股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)」という病気を知っていますか?遺伝的な病気のイメージがありますが、環境によってもかかる可能性があるそうなので、愛犬の健康維持のためにも、病気の特徴や予防法などを抑えておきましょう。

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離断性骨軟骨症(OCD)

肩関節が厚くなって損傷しやすくなり、軟骨が剥がれ痛みを伴う。生後4~8か月の大型犬に多い。

胃捻転

食べたものやガスなどが胃の中で急速にたまることで胃が膨張し、ねじれてしまう病気。3歳以降の成犬がなりやすい

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外耳炎

耳の穴に急性または慢性の炎症が起こっている病気のこと。たれ耳のワンちゃんに多く見られます。

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犬の外耳炎は耳の穴から鼓膜までの間の管(外耳道)に炎症が起きることを指します。 外耳炎の症状は、痛み、痒み、耳垢の変化から始まり、悪化すると自律神経系の症状も出ます。 外耳炎を繰り返していると、耳血腫という耳の内出血も置きやすく、慢性化すると手術が必要になることもあります。 原因は細菌、真菌(カビ)、耳ダニ、外傷など様々で、治療法も原因に合わせ多種多様です。 感染率の高い外耳炎を避ける為には、毎日の健康チェックで外耳炎を未然に防ぐ事が大切です。 犬の外耳炎について、詳しく確認してみましょう。

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熱中症

体温上昇とともに脱水によって血液が濃縮し、血圧が低下してしまい、悪化すると死亡や後遺症につながることもある非常に危険な病気。クーバースは暑さに弱いワンちゃんなので、夏場は涼しい時間帯に散歩に行ったりなど、温度管理に気を付けなければいけません。

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クーバースを家族に迎え入れるには

クーバースは、「JKC(ジャパンケネルクラブ)」に登録されておらず国内にブリーダーがいるかどうかわからない状態で、日本では希少犬になっています。もし、見つかったとしても、譲ってもらえないケースが多いと考えられます。どうしても家族に迎え入れたい場合は、海外から輸入する必要があります。もしかしたら、根気よく里親募集サイトや市町村のホームページなどを検索するとヒットするかもしれません。

運よくクーバースを家族に迎え入れることができたとしても、リスクが伴います。その理由は、クーバースは希少犬なので、情報がとても少ないことです。しつけ、飼育方法、病気の症状などは、日本で馴染のあるワンちゃんであれば、調べればすぐにでてきます。ですが、クーバースのような希少犬だと調べてもすぐに出てこない場合があります。ワンちゃんごとの性質などで住みやすい環境が変わってくるので、クーバースのような希少犬を家族に迎え入れる場合は、事前に良く調べるなどをしてしっかりと迎え入れる準備をしましょう。

家族に迎え入れる目途が立った際は、できれば両親について調べた上で、子犬は注意深く選ぶようにしましょう。ブリーダーの中には、攻撃的なのをよしとする人もいるので気をつけてください。クーバースの次に新しいワンちゃんなどを家族に迎え入れる場合、クーバースが子犬の場合は受け入れやすいのに対して、成犬はかなり攻撃的です。クーバースは自分の家に新しい犬や他の動物が入ってくると、激しく怒る場合があります。新しい仲間は家族の一員なのだとクーバースに教えてあげましょう。絶対にケンカしないと確信が持てるようになるまでは、新しい犬と成犬のクーバースがいっしょにいるときに目を離してはいけません。特にオス同士はよくケンカ場合があります。


クーバースの飼い方

飼育場所

クーバースは1年中乾燥しているハンガリーが原産で、被毛が厚いダブルコートのワンちゃんなので、日本のような多湿の気候には適しているとは言えません。温度や湿度が高い季節は室内で、寒い季節の場合は外飼いをしても問題はないです。とても勇敢で信頼したものに対しての守ろうとする意識が高く、外飼いをすれば優秀な番犬として働いてくれるでしょう。

運動量

クーバースは体力がとてもあるため、多くの運動量が必要になるので、1時間程度の散歩を1日2回するようにしましょう。ただ、関節疾患にかかりやすい傾向にあるため、思いっきり走るなどの激しい運動はあまりさせないようにするのが大切です。ですが、運動不足になると問題行動を起こしやすくなるので、毎日の散歩は必須です。

室内で運動をさせたいのであれば、大きめの敷地が必要になります。室内が狭いとストレスを感じてしまうので、広さを兼ね備えていない家庭で飼育するのは難しいと言えます。

しつけ

クーバースは警戒心がとても強いので、無駄吠えをしやすいです。警戒や威嚇により吠えるのは犬の本能なので完全に抑えることは難しいですが、子犬の頃に家族以外の人に会う機会を多く持ち、いろいろな環境に慣れさせることで、必要以上に警戒心を抱きにくくなります。

体の大きいワンちゃんにいきなり吠えられると、怖がってしまう人や不快な気持ちになってしまう人もいます。そのため、吠えるのをやめさせる合図を覚えさせ、吠えないようにしつけをすることが大切です。

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まとめ

今回はクーバースについてご紹介していきました。クーバースは日本では馴染みがなく、名前だけではワンちゃんということもわからないかもしれません。今回の記事でクーバースについて少しでも知っていただけたのなら幸いです。

クーバースとの幸せな日々を願っています。



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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!

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