猫の涙や鼻水の特徴は?
◆目に細菌やウイルスが入りやすい
猫の目はとても大きく、人と比べると顔のサイズの割に目が異常なほど大きいそうです。そのため、人より細菌やウイルス感染などの病気にかかりやすいという特徴があります。また、猫同士のケンカはまずは目を狙って攻撃するため、目にケガやキズが入りやすいともいわれています。
猫が涙を流し、目やにが溜まることがあります。もし、猫がずっと涙を流していたら何かしらの病気になっている可能性が高いです。
◆鼻水や鼻づまりが起こることも
人と同じように、猫も鼻水を垂らすことがあります。猫の鼻は常に湿っていて、この状態の鼻に何かしらの刺激が加わると、粘液が分泌されて鼻水となり異物を洗い流す働きをします。
異物を体外に排出できすにいると鼻の粘膜に炎症が起きます。鼻に分泌物が溜まり、粘膜がむくんでしまい鼻づまりを起こしてしまいます。つまり、ずっと鼻水が出ているということは鼻に何かしらの異常が起こっていることをあらわしています。
猫の鼻水にもいろいろと種類があります。猫が鼻水を垂らしていたら病気のサインの可能性が高いです。
飼い主さんは、日頃から猫をよくみてあげることが大切です。
猫の涙や鼻水が出る時に考えられる病気
猫の目や鼻の症状によっていろいろな病気があります。猫が涙を流した時、鼻水が出た時に考えられる病気・その原因・治療法・予防法はなんでしょうか。
◆猫風邪(ねこかぜ)
– 猫風邪の症状 –
猫風邪で目にあらわれる特徴・症状としては、目やにがたくさんでている、角膜の炎症により涙を流す、まばたきをする回数がすごく多いなどが挙げられます。
鼻にあらわれる特徴・症状としては、くしゃみや咳を繰り返す、粘性の高い鼻水が出るなどが挙げられます。
他には、熱が出る、食欲がない、水を飲まない、脱水症状などの症状がみられます。
– 猫風邪の原因 –
猫風邪を引き起こす代表的な病原体があります。
・ヘルペスウイルス
・猫カリシウイルス
・猫クラミジア
・マイコプラズマ
これらのうち何かしらのウイルスなどの病原体が体内に入り込むことが猫風邪の原因です。涙を流す、くしゃみや咳、鼻水が出るといった炎症を起こしています。
– 猫風邪の治療法 –
抗生剤、抗ウイルス剤を投与することで治ります。重症でない限り抗生剤を使って治療をします。
また、目やにやそれによって炎症を起こして涙を流しているのを抑えるために点眼薬などをしたり、食欲が落ちている場合などは栄養補給で点滴をしたりします。
– 猫風邪の予防法 –
猫風邪の原因となるウイルスの中でも、厄介なのがヘルペスウイルスです。猫の免疫力がしっかりしていれば、猫風邪の要因になるウイルスが体の抗体だけで抑えることができます。
しかし、猫ヘルペスウイルスだけは全て打ち払うことはできません。猫の体の免疫力が高い間は、免疫が届きにくい神経細胞などに潜んでしまうからです。そして、免疫力が落ちてきたタイミングで活性化し、猫風邪を誘発します。
猫ヘルペスウイルスに1番効果的なのは、ワクチン接種です。ワクチンで抗体を作っておけば、たとえ発症しても重症にはなりません。
また、子猫のときにワクチン接種をしたから安心というわけではありませんので、成猫になってからも定期的にワクチン接種を続けましょう。
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◆副鼻腔炎(ふくびくうえん)
– 副鼻腔炎の症状 –
鼻にあらわれる特徴・症状としては、鼻水が出る、くしゃみが出る、口を開けて呼吸するといった症状が挙げられます。
鼻水に粘り気がある血や膿が混じった鼻水が出たりします。また、鼻が鼻水で詰まるので、口を開けて呼吸するようになります。炎症がひどくなると鼻筋から額の辺りが腫れて熱をもち、痛いので触られるのを嫌がることがあります。
鼻が詰まっているため、ご飯のニオイがわからなくなり、食欲低下の症状もみられます。
– 副鼻腔炎の原因 –
鼻炎による炎症が副鼻腔まで広がったときに発症します。鼻炎と同じく、細菌やウイルスなどの感染が原因です。
ヘルペスウイルスによる猫ウイルス性鼻気管炎、カリシウイルスによる猫カリシウイルス感染症などのウイルス感染が原因となります。
– 副鼻腔炎の治療法 –
鼻炎が原因の場合は、抗生物質や抗真菌薬の投与の内科療法が行われます。
症状が重く、猫の鼻水が原因で呼吸困難な時は「ネブライザー」と呼ばれる呼吸器を使い、鼻や喉に薬剤を吹き付けて炎症を抑えます。外科的には、副鼻腔に膿が溜まっている場合、チューブなどを使って溜まっている膿を洗い流す治療がおこなわれます。
– 副鼻腔炎の予防法 –
まずは、鼻炎の予防を徹底にすることが大切です。花粉やハウスダスト、イエダニなどのアレルギーで起こる可能性があります。他には煙やガス、刺激性の薬品などの吸引が原因で起こる場合もあります。
鼻炎の原因となるウイルス感染を防ぐために、定期的にワクチン接種をしたほうがいいでしょう。
◆流涙症(りゅうるいしょう)
– 流涙症の症状 –
目にあらわれる特徴・症状は、目を痒そうにしている、涙があふれて止まらなくなる、涙で目の周りの毛が常に濡れている、涙で濡れている部分の毛が茶褐色に変色するといった症状がみられます。
涙が原因で毛が変色することから「涙やけ」とも呼ばれています。飼い主さんが猫の目が気になった時、ティッシュやガーゼで目の周りを拭いてみてください。赤茶色の涙が付いていれば流涙症である可能性が高いです。
– 流涙症の原因 –
角膜炎や結膜炎をはじめとした目の病気が原因だと考えられます。他には、目に異物が入ったり、煙やガスなどの刺激物が角膜や結膜に刺激を与えたりすることによって、涙の分泌量が増える場合もあります。
また、遺伝性欠陥、後天的感染で、涙を鼻の奥へ排出する器官である鼻涙管が狭かったり、詰まってしまうことも原因の1つとして考えられます。
その他、先天的にまぶたの形成異常がある場合でも病気になる原因になります。
– 流涙症の治療法 –
角膜炎や結膜炎といった目の病気の原因の場合は、病気自体の治療を行います。異物が原因であれば、異物を除去します。
鼻涙管がつまっている場合は、その部分に極細の管を挿入して洗浄をします。狭かったりする場合は、拡張させる処置を行うことで鼻涙管が正常になり、涙の流れをよくしてくれます。しかし、再発してしまうこともあります。
涙と一緒に目やにが出る場合も多く、それが原因で目頭から鼻筋が汚れてしまい皮膚が赤く腫れてしまうことがあるので、目やにが多いようなら点眼薬を処方します。
– 流涙症の予防法 –
流涙症は鼻の低い猫の品種が発症しやすいといわれています。ペルシャやヒマラヤン、スコティッシュフォールドなどは特に注意が必要です。目の周りが湿っていると雑菌が繁殖し、炎症を起こす場合があります。
涙が出たらこまめに拭き取り、まぶたを常に清潔に保つようにしましょう。
また、感染が原因で皮膚病を発症したりすることもあります。悪化させると長引いてしまうので、早急な治療が必要になります。
◆白内障(はくないしょう)
– 白内障の症状 –
目にあらわれる特徴・症状としては、涙を流す、柱や物に頻繁にぶつかる、猫の目の色がおかしいといった症状が挙げられます。
目のレンズの役割を果たす水晶体が白く濁るため、目の奥が白く濁ってみえます。また、視力の低下がみられ、行動範囲も狭くなり、壁伝いに歩いたりするようになります。物にぶつかって歩くといった行動もみられるようになります。
行動範囲が狭くなるので、その場からあまり動かなくなり、食欲の低下なども症状としてあらわれます。
– 白内障の原因 –
先天的やケガなどによって眼球にキズがついてしまい、眼球内にある水晶体が白く濁ってしまうことが原因です。視力の低下や失明してしまう可能性もあります。
先天的な疾患である「先天性白内障」が原因で発症することもあります。発症しやすい猫の品種は、ペルシャやヒマラヤン、バーマンです。
他には、糖尿病などによる疾患や成長期の低血糖などによる栄養不足などが原因で発症する場合があります。
– 白内障の治療法 –
先天的な疾患で白内障を発症してしまった場合は、点眼薬などで白内障の進行を遅らせる治療を施すしか方法はありません。
ケガなどによって白内障を発症してしまった場合は、要因となる病気の治療が急がれますが、白内障の治療に関しては先天的と同じく点眼薬などによって症状を遅らせる治療となります。
これらの治療に関しては、白内障の初期段階での治療です。白内障が進行してしまっている場合は、水晶体の摘出手術が一般的となります。
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– 白内障の予防法 –
猫の白内障の大部分が、ケガや他の眼科疾患が原因です。白内障予防のためには、ケンカや事故を防ぎましょう。多頭飼いの場合は相性のいい猫を選ぶなどをしてください。
白内障は早期発見であれば、点眼薬によって進行を遅らせたり、症状を軽減することができる病気です。猫の目の様子を普段からチェックし、早めの対処が必要となります。
白内障を発症しないようにと先天的な疾患を減らすために、先天性白内障を発症した猫で繁殖させないなどの対策が取られています。
まとめ
猫も人も同じような病気になるということがわかりました。
猫が目から涙を流すにはいろいろな原因がありますが、人と同じように異物を排出するために涙を流したりします。常に涙を流すようであれば、早めの治療が必要になります。
鼻水も人と同じ原理ですが、鼻水の状態によって病気の可能性もあります。猫は人の言葉を話すことができません。飼い主さんが、日頃から猫の体調をチェックしてあげましょう。
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