2月の伝統行事「節分」とは?
節分は、日本で行われる伝統的な行事の1つです。
◆節分はいつ?
「季節を分ける」と書くように、本来節分とは各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のことをいいます。立春の前日にあたる「2月3日」のことを節分と呼ぶことが多いようです。
◆節分は何をするの?
一般的には「福は内、鬼は外」と声を出しながら豆を撒く「豆まき」をします。節分に撒く豆は、福豆(炒り大豆)といい、豆を撒くのは、その年の年男またはその家の主が豆まきをすると良いと言われています。
また、家の玄関に邪気除けの「柊鰯(ひいらぎいわし)」などを飾る場合もあります。地域や神社などによって、節分のやり方は変わってくるようです。
◆豆まきをする理由は?
鬼に豆を撒くということは「邪気を払う」という意味があり、1年間の無事を祈る意味もあります。
福豆は年齢の数、もしくは年齢より1つ多めに食べることで厄除けになるといわれています。また、さらに1つ多く食べると、体が丈夫になり、病気になりにくくなるといわれています。
猫に豆まきの大豆は危険!?
節分での1番の楽しみは、豆まきをすることですよね。猫を飼っている家では、飼い主さんが豆まきをすると大豆を追いかけて遊ぶなど、喜んで豆まきに参加する猫もいます。
人は豆まきをした後に福豆を食べますが、猫は大豆を食べることができるのでしょうか。
◆豆まきの大豆で消化不良
節分でよく豆まきに使われる大豆は、「炒った大豆」です。炒った大豆の表面はカラカラに乾いていて猫にとってはとても硬く、なかなか噛み砕くことはできません。噛み砕くことができずにそのまま丸呑みすると、消化不良を起こす恐れがあります。
元気な猫であれば、そのまま消化されずに排泄されるだけなので、少しぐらいなら食べても問題はありません。ただし、激しい下痢をしたり、体をだるそうにしている時は注意が必要です。
また、豆まきの大豆の大きさから、猫が飲み込んだ大豆が喉につかえてしまったり、吐いてしまうこともあります。
◆豆まきの大豆で大豆アレルギー
猫も人と同じように大豆のアレルギーをもっている猫がいます。主な原因はタンパク質といわれています。
大豆アレルギーの猫が大豆を食べると、人間と同じように下痢や嘔吐、発熱といった症状があらわれます。猫の体に異常が出た場合はすぐに吐き出させ、動物病院に行きましょう。
今まで、猫が大豆アレルギーと知らずに豆まきをしていた飼い主さんがいるかもしれません。もし、豆まきをする場合は猫の体調に気をかけながら行うようにしましょう。
猫が豆まきの大豆を欲しがる時の対策は?
猫は豆まきをした後の大豆にじゃれたりして遊ぶことがあります。豆まきの大豆をおもちゃだと思っているかもしれません。また、飼い主さんが豆まきをして大豆を食べている姿を見ると、猫も欲しがる時があります。
猫のいる家庭で豆まきを楽しむためには、どのような方法をとったらよいのでしょうか。
◆豆まきする部屋に入れないようにする
豆を撒く場所を限定して、豆まきをする部屋には猫を入れないようにすると安心です。また、豆まきをする間はサークルやケージに入っていてもらうのも良いでしょう。
豆まきが終わった後は猫のために早めに片づけるようにし、しっかり掃除をして落ちている豆がないか確認してから出してあげるようにしてください。
◆殻付きの落花生で豆まきをする
全国の豆まきでは、大豆の代わりに殻のついた落花生を使っている地域があるようです。殻のついた落花生ぐらいの大きさであれば、猫が間違って飲み込んでしまうことはありません。
ただし、落花生をかじってしまう場合も考えられますので、十分注意しながら豆まきをするようにしましょう。
◆猫用のおやつで豆まきをする
猫にも豆まきの大豆の代わりになる食べ物をあげましょう。普段、食べないおやつなどをあげると、猫も喜んで食べてくれるでしょう。
ただし、楽しいからと言って与えすぎには気をつけてくださいね。
◆猫用のおもちゃで豆まきをする
豆まきの大豆の代わりになるものは他にもあります。猫がお気に入りのおもちゃのネズミやボールを投げてみましょう。猫にはこちらのほうが楽しく遊べるかもしれません。
特に大豆アレルギーの猫がいる家では、おもちゃやおやつで代用する方が安心でしょう。
猫に大豆をあげる時は加工食品がおすすめ
大豆は畑の肉といわれるほど、質のいいタンパク質が豊富に含まれています。大豆そのままでは消化に悪いので、納豆やおから、豆腐など加工されている食べ物がいいでしょう。
◆大豆食品①納豆
納豆は大豆を発酵させた食べ物です。納豆には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていれます。また、ナットウキナーゼや大豆サポニンなどが含まれています。大豆サポニンは抗酸化作用があります。血栓を溶かし、血液や血管の働きをサポートしてくれます。
発酵食品のため、通常の大豆に比べると消化しやすく、胃腸の負担もあまり心配することはありません。食物繊維も豊富なため、整腸作用なども期待されます。
◆大豆食品②おから
大豆は食物繊維が豊富なので、ダイエットに適した食材です。おからはかさましにも使われます。ダイエットがしたい猫には、おからや豆腐はご飯のかさましにも使えます。少量のご飯では物足りないと感じているのであれば、ウェットフードにおからや豆腐を混ぜることでご飯のかさましができます。
ただし、本来猫は肉食動物なので、おからのあげすぎは注意しましょう。おからをあげすぎると、十分に消化することができずに下痢や嘔吐の原因となってしまう恐れがあります。猫におからをあげる分量は小さじ0.5杯~小さじ1杯ぐらいにしましょう。
◆大豆食品③豆腐
豆腐は大豆が主成分の加工食品です。豆腐はとてもやわらかくペースト状にもでき、消化しやすいでの胃腸にも優しいです。豆腐はペースト状になるため、猫にとってはとても食べやすい食感です。飼い主さんが思っていたよりもたくさん食べることがあります。
ただし、ペースト状になっているからといって消化器に全く負担がかからないわけではありません。初めて食べる場合は、少量から始めて、猫の体調に変化がないかよく観察してください。
人にとっても、大豆の加工食品は体にいいことばかりです。ですが、猫にも食べ物の好みがあります。また、初めて食べる物に関しては警戒心があるので、初めて加工食品をあげる時は少しずつにしてあげましょう。
まとめ
猫も大切な家族です。家族のみんなで健康や幸せを願う節分なので、猫も一緒に豆まきを楽しみたいという思いがあるかもしれません。
ただし、豆まきの大豆をそのまま食べると消化不良などの危険があるので、注意が必要です。豆まきの大豆の代わりに、猫のお気に入りのおもちゃで邪気を払うのも猫を飼っている家ならではの光景になるかもしれませんね。
また、大豆の加工食品は、人の体にも猫の体にもいいことがわかりました。無理することなく食事のコントロールができるので、ダイエットしている猫も満足してくれるでしょう。
飼い主さんは猫が楽しく節分に参加できるように工夫してあげてくださいね。
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