1.猫の夏バテと熱中症の違いとは?
1-1.猫の夏バテとは?
1-2.猫の熱中症とは?
1-3.夏バテや熱中症は早急な対処と予防が大切
2.猫の夏バテの症状は?
2-1.食欲不振
2-2.ぐったりとしている
2-3.グルーミングが出来ない
2-4.嘔吐や下痢
2-5.おしっこの減少
3.猫の夏バテ対策は?
3-1.エアコンを利用して室温を調整する
3-2.ブラッシングをする
3-3.サマーカットにする
3-4.水分量の多いフードを与える
3-5.栄養のとれるフードやおやつを与える
3-6.動物病院も視野に入れておく
猫の夏バテと熱中症の違いとは?
猫が夏にかかりやすい夏バテと熱中症ですが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
◆猫の夏バテとは?
夏バテとは、夏場の高温や多湿に身体が対応出来ずに、体調不良が長期間続くことを言います。
基本的に猫の夏バテは消化器系の症状が多く、下痢気味になったり、食欲が落ちたりといった体の不調が現れます。また、動きが鈍くなり、元気がないように見えることも。
暑さによって体がダメージを受けているものの、慢性的にその状態が続くため、夏バテの症状は気づきにくいと言えるでしょう。
夏バテに対する対処がしっかりと出来ていれば、熱中症まで症状が悪化してしまうことはほとんどありません。事前に夏バテにかからない対策を心掛け、夏バテだと感じたら適切な対処をして、熱中症にまで悪化させない必要があります。
◆猫の熱中症とは?
熱中症とは、急激な気温上昇に体が対応できず、暑さによって体温調節が出来なくなってしまう機能障害のことを言います。
人間の場合、日常生活では気温28度以上から厳重警戒という指針があります。
汗腺が少ない猫は、全身から汗をかいて体温を下げることが出来ないので、熱中症は命を落としてしまう危険さえも持ち合わせています。
普段口呼吸をしない猫ですが、息が荒く口呼吸をし出すと体温調節が上手く出来ていないと思ってください。
他にも全身の痙攣(けいれん)や、意識が朦朧(もうろう)としているなどの状態であれば、すぐにでも動物病院へ受診するレベルと言えるでしょう。
そのまま体温が下がらなければ、臓器が損傷を受ける可能性が非常に高いです。
◆夏バテや熱中症は早急な対処と予防が大切
私たち人間は自身の体調について自己判断をすることが出来ますが、猫はそうはいきません。
飼い主さんは、愛猫が夏バテなのか熱中症なのかを見極め、それぞれに合った対処をしてあげる必要があります。
また、その症状に適した対処法も必要ですが、夏の暑い時期は夏バテや熱中症にならないために、事前の対策も必要となってくるでしょう。
猫の夏バテの症状は?
猫の夏バテは消化器系の症状が多いと前述しましたが、その他にも症状が出ることがあります。
以下のような症状が見られたら、早めに対処をしてあげてくださいね。
◆食欲不振
猫の夏バテの症状で最もよく見られるのが、胃腸が弱り食欲不振に陥ることです。
人間でも夏の暑い日には食欲不振に陥り、冷たい物やさっぱりした物しか胃が受け付けてくれない、などと感じることが多くなります。
猫も同じで、いつも美味しく食べているキャットフードが、別の食べ物のように感じてしまい、胃が受け付けなくなってしまうのです。
かといってキャットフードを急に別のものに変えたり、冷たい物を与えたりするのは更に胃に負担をかけてしまうので、止めておきましょう。
◆ぐったりとしている
見るからにだるそうにぐったりしている場合も、夏バテの可能性が高いです。
夏の暑い日でもほぼ眠って過ごす猫ですが、飼い主さんの声がけやご飯の時間にも眠っているようでしたら、おやつやまたたびなどの愛猫の好物を与えて反応を見てみましょう。
反応を示さないようでしたら、熱中症に進行している可能性もあるので、すぐに動物病院に受診しましょう。
また、夏場の暑い日なのに姿が見えない場合は、よほど具合が悪く人目につかない場所に隠れて、体力が回復するのを待っていることもあります。
これは猫の本能的な習性で、弱っていることを他者に悟られ攻撃されないための行動です。
短時間ならさほど心配は要りませんが、その場所自体が暑い場所で長時間出てこない場合には、直ぐに涼しい場所へと移動させて様子を見てあげてください。
◆グルーミングが出来ない
綺麗好きな猫は一日に何回もグルーミングを行い、被毛を清潔に保ちます。被毛を清潔に保つ以外にも、唾液で被毛を濡らし、気化熱を発生させて体温を下げる役割も果たしているのです。
汗腺が少ない猫にとってとても理に適った方法なのですが、夏バテで体調が悪い状態が続いてしまうと、普段の日課であるグルーミングの回数が極端に減ってしまうこともあります。
夏バテで体に熱がこもってしまうと、唾液の分泌も悪くなってしまい、うまくグルーミングが出来ず、体温を下げる術がなくなり悪循環に陥ってしまうのです。
更に症状が悪化してしまうと熱中症に進行し、荒い息遣いやよだれを垂らして呼吸困難に陥るなどの危険な状態になりますので、普段からどれぐらいグルーミングをしているのかを覚えておくと良いでしょう。
◆嘔吐や下痢
消化器系の症状で気を付けなければいけないのが、嘔吐や下痢の症状です。
猫は元々嘔吐をする機会が多い動物ですが、夏場の嘔吐には注意が必要です。早食いや毛玉の排出での嘔吐はさほど心配は要りませんが、食欲不振の状態での嘔吐や下痢は、胃腸が弱っている状態なので危険信号と言えるでしょう。
症状が更に悪化していくと血便などの症状も出てくるので、早急に動物病院に受診するようにしてください。
◆おしっこの減少
上記の様々な症状の他に、猫のおしっこの量が明らかに減っている、または回数が極端に少なくなっている場合には、脱水症状を起こしている可能性があります。
ご飯も食べない、水も飲まない状態が一日以上続くと、身体の水分量が減ってゆき、おしっこが出なくなってしまいます。
猫の夏バテを疑う場合には、トイレの回数やおしっこの量などもヒントにすると良いでしょう。
猫の夏バテ対策は?
愛猫が夏バテで苦しまないためにも、夏場の対策は万全にしておくに越したことはないです。
しっかりとした対策を行い、快適に夏を乗り切りましょう。
◆エアコンを利用して室温を調整する
まずは部屋の温度の見直しをしてみましょう。
昼間はエアコンを利用していたとしても、外から入ってくる太陽の光で一気に室温は上昇してしまいます。一度部屋の温度が上がってしまうと、夏の暑い時期は夜になっても簡単に温度が下がってくれないのです。
連日このような日が続いてしまえば、猫の具合が悪くなってしまうのも当然のことと言えるでしょう。
急激に冷やしすぎることも猫にとっては負担となってしまうので、常に28度前後になるように、日々の対策として心掛けてみてください。
市販のクールマットをお気に入りの場所に置くことや、サーキュレーター(扇風機)などで部屋の空気を循環させるのも効果的ですよ。
◆ブラッシングをする
少しでも猫の身体に溜まった熱を放出するために、換毛期後であってもブラッシングをしてあげましょう。
長毛種は必須とも言えますが、短毛種の子でも夏場は熱がこもりやすいです。毛と毛の間に空気が入ることによって、体感温度も変化しますので、数日に一回程度の割合で、無駄な毛を取るようにしましょう。
◆サマーカットにする
ブラッシングと同様に、長毛種の子はサマーカットも検討してみてはいかがでしょうか。
ただ夏の日差しは紫外線も強いので、皮膚をそのまま剥き出しのデザインカットにしてしまうと、皮膚を痛めてしまうリスクも上がってしまいます。
カットによって部屋の環境を整える(紫外線を直接浴びない対策)必要もあるので、トリミングの際にトリマーさんに相談すると良いでしょう。
◆水分量の多いフードを与える
夏バテ対策には水分補給も必須と言えます。猫はあまり水を飲まないので、普段ドライフードを食べているのなら、夏場はウェットフードやスープを合わせて与えるようにしても良いでしょう。
ウェットフードやスープは嗜好性も高く、食欲不振の場合でも口にしてくれることが多いです。
夏場は出しっぱなしにしておくとすぐに傷んでしまうので、愛猫が残してしまった場合はすぐに処分するようにしてくださいね。
◆栄養のとれるフードやおやつを与える
食欲不振でフードを食べない場合は、高カロリーで栄養の取れるフードやおやつを合わせて与えてみるのもおすすめです。
少しの量でも猫に必要な栄養をしっかりと取れるので、いつも与えているフードに加えるなどして食欲を少しでも増進させてあげましょう。
◆動物病院も視野に入れておく
夏バテ対策は事前に気を付けて準備しておくことや、症状が見られた場合に行動に移せることも多いですが、実際判断が難しい部分もあります。
様子を見ることによって回復することももちろんありますが、症状が悪化してしまえば熱中症に進行してしまうことも。
そうなってしまうと、愛猫は更に苦しい思いをしなければいけなくなってしまうのです。
子猫や高齢の猫と暮らしている方でしたら特に、軽い症状と見受けられても動物病院に受診するという選択肢を視野に入れておいていただきたいです。
夜間や休日診療も行ってくれる動物病院を事前に調べておくと、安心して夏を乗り切ることが出来るのではないでしょうか。
まとめ
一年で最も気温の上がる夏は、人間と同様に猫も夏バテになってしまう危険性が高いです。
人間は自ら様々な対策をすることが可能ですが、猫はそうはいきません。主な症状である食欲不振や嘔吐を繰り返してしまえば、猫の大好きな食事の時間まで奪ってしまうこととなってしまうのです。
そうならないためにも、少しでも夏バテの症状があると感じた場合は、猫が快適に夏を乗り切れる対策をするようにしてくださいね。
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