1.猫の平熱はどれくらい?
1-1.猫の平熱の温度
1-2.猫の体温の測り方
2.熱がある時の対処法は?
2-1.微熱の場合
2-2.おう吐や下痢などの症状が見られる場合
2-3.40度越えの熱がある場合
2-4.水を飲まない場合
3.熱がある時に考えられる病気は?
3-1.猫風邪
3-2.熱中症
3-3.カンピロバクター感染症
3-4.消化器のリンパ腫
4.まとめ
猫の平熱はどれくらい?
猫は寒がりなイメージがありますが、平熱はどれくらいなのでしょうか。飼い猫の平熱を知っておくと、発熱した時に素早い対処ができます。猫の平熱と体温の測り方を解説します。
◆猫の平熱の温度
猫の平熱は38度から39度です。子猫の場合も38度前後でしょう。人と比べると高く感じますが、猫にとってはベストな状態です。
猫は興奮やストレスを感じると体温が上昇する傾向にあります。体温を測る時は、落ち着いている状態で行いましょう。
猫は39.5度から40度以上で発熱しています。体温を計測して平熱より高い場合は、医師に相談しましょう。
また、子猫場合は38度以下になると命の危険があります。発熱だけではなく、低体温の時も受診します。
◆猫の体温の測り方
猫の体温を測る時は、ペット用の体温計を使用しましょう。猫の体温は肛門で測りますが、猫は肛門を触られるのが苦手ですから、嫌がった時は無理をしないでください。
安全に熱を測るには2人で行います。体温計の先端にワセリンやベビーオイルなどを塗って滑りやすくする、または専用のカバーをして肛門に差し込み、検温します。測り終わったらアルコールで先端を消毒しておきます。
はじめて猫の熱を測る場合、肛門に入れるタイプの体温計だと難しく感じるかもしれません。
市販されているペット用の体温計の中には、体温計の先端を耳に入れて計測するものや、赤外線タイプも販売されています。ひとりで猫の熱を測る時にもおすすめです。
熱がある時の対処法は?
猫の発熱を確認したら、何かしらの病気の症状が表れていることになります。発熱の他にもさまざま症状が表れるので、よく確認して手当をしましょう。
症状によっては早めの受診が必要になるので、かかりつけの動物病院へ連れて行きます。
◆微熱の場合
猫が発熱をしたら、水分補給をして体温を一定に保ちましょう。
多頭飼いをしている人は、発熱している猫を隔離して感染を予防します。万が一、感染症にかかっていると他の猫にもうつりますから、トイレや寝床は消毒をして発熱している猫を隔離します。
発熱した猫に下痢や嘔吐の症状が無い場合は、消化の良い食べ物に切り替えます。
また、微熱がある訳ではないのに体を震わせている時があります。これは、これから発熱するサインなので、室内の温度を上げたり、動物用のヒーターを使って猫の体を暖めます。毛布をかけても嫌がらなければ使用しましょう。
微熱の場合でも、食欲があって必要な水分がとれている場合は極端に心配する必要はありません。微熱が続いて2~3日「おう吐」「下痢」「熱がさがらなくなる」場合は獣医師に相談します。
◆おう吐や下痢などの症状が見られる場合
猫が発熱をしておう吐と下痢の症状が見られる場合は早めに受診します。
猫の下痢は「感染による下痢」「食事による下痢」「異物による下痢」「病気による下痢」「ストレスによる下痢」があります。この中で、感染症による下痢の中で代表的なのが、パルボウイルスです。
成猫の場合は無症状ですが、子猫の場合は数日の潜伏期間を経て症状が現れます。40~41度の高熱になり、おう吐や下痢の症状があります。急性腸炎を起こし食欲不振になって激しい脱水症状になります。
パルボウイルスは他の猫にも感染しますから、多頭飼いをしている人は注意が必要です。パルボウイルスは3種混合ワクチンを接種する事で予防できます。
発熱でおう吐と下痢の症状がある場合は、脱水症状を引き起こす事もあります。様子を見ていると手遅れになるケースもあるので、早めに動物病院で受診しましょう。
◆40度越えの熱がある場合
猫が発熱をして40度を超えてくると、暗い所や狭い所に行きたがります。呼吸がハァハァ荒くなって小刻みに震えてきます。
食欲や元気が無く普段と違う様子が見られたら、早急に動物病院を受診しましょう。動物病院が診察していない時間帯は、呼吸が荒い場合はアイスノンなどを使って体を冷やします。下痢や吐き気がある場合は、水分補給もします。
◆水を飲まない場合
熱がある時に下痢をしていると、水分補給が必要になります。猫が自ら水を飲まない時は、スポイトで口に入れてあげたり、水分が多いウェットフードやちゅーるのようなおやつを与えましょう。
食欲がある猫なら喜んで食べてくれるかもしれません。氷が好きな猫は、口元に持っていってなめさせてあげる方法もあります。
熱がある時に考えられる病気は?
猫が発熱をする時は何かしらの病気のサインです。症状をよく観察して早めに受診することが大切です。
熱がある時に考えられる猫の病気はとても多くあります。代表的な病気をいくつか調べてみましょう。
◆猫風邪
猫風邪の症状として、発熱、くしゃみ、鼻水、咳などがあります。猫の体温を測って39.5度以上になり40度を超える場合もあります。1日に何度もくしゃみをするようになり鼻水が垂れてきます。
初期の猫風邪だとサラッとした鼻水でやがて黄色や緑色のドロッとした状態に変化してきます。鼻水がたまると鼻づまりになり、苦しくなって口呼吸をする場合もあります。
また、猫風邪で必ず現れる症状ではありませんが、乾いたような咳や痰が絡んだ咳をする場合もあります。猫風邪にはさまざまな症状があり、他にも結膜炎や口内炎などの症状が表れる場合があります。
発熱していたらこのような症状が無いか観察し、発症していたら獣医師に相談しましょう。
猫風邪は、気温の低い時期や季節の変わり目にひきやすいです。ストレスを感じている猫は、年間を通じてかかりやすい傾向にあります。
猫風邪の症状が出ているのに様子を見ていると慢性化してしまいます。治癒するまでに数週間~数か月かかるケースもあり、何度もぶりかえすこともあります。
猫に発熱が見られたら、早めに受診しましょう。
◆熱中症
猫の体温を測って40度以上になっていたら熱中症を疑いましょう。猫が口を開けて激しい息遣いをしており、よだれがでます。根や口腔粘膜が充血しており、ふらつきが見られるケースもあります。症状が悪化してくると意識がもうろうとして反応しなくなります。
熱中症は湿度の高い時期に風通しが悪くエアコンの効いていない部屋で起こることが多いです。猫だけで留守番させる時は、涼しい部屋に行き来ができるようにし、水を飲めるようにすることが大切です。
また、キャリーケースに入れてお出かけをする時も注意が必要です。エアコンを付けていない車内に放置したり、むし暑いキャリーケースに入れて移動をする場合は、短時間でも熱中症になる事があります。特に猫は緊張状態になると体温が上昇するので注意しましょう。
熱中症になってしまったら、猫の体を冷やす事です。風通しの良い場所に移動して、冷たいタオルで全身を包みます。氷枕で首まわりや脇の下を冷やして体温を下げます。こまめに体温を測って、39度まで下がったら冷やすのを止めます。
猫をラクな姿勢にしてあげて、一刻も早く動物病院へ連絡しましょう。
◆カンピロバクター感染症
カンピロバクター細菌症は、細菌の感染症で代表的な病気です。多くの猫はお腹の中にカンピロバクターがいても発症しませんが、免疫力が低下してくると発症します。
免疫力が低い時に発症し、おう吐や下痢、熱の症状が現れます。疫力が低い子猫の時期もかかりやすい病気です。
カンピロバクター感染症になるのは、感染動物からの感染です。感染した猫は抗菌剤の投与が行われますが、混合感染している場合は症状にあわせて治療されます。
カンピロバクター感染症は、鶏の生肉からも感染しますから注意が必要です。
◆消化器のリンパ腫
胃や腸などの消化器系の悪性腫瘍は、発熱、食欲不振重減少などの症状があります。特に猫白血球ウイルスに感染している猫はリンパ腫を発症しやすい傾向にあります。
早めに見つけるには、下痢や軟便の時に検便検査を行う事です。
消化器系の悪性腫瘍はレントゲンや血液検査で見つけることが困難です。超音波検査や内視鏡を使って検査する事もあります。腫瘍つかったら外科手術や抗がん剤投与など、医師と話し合って治療方針を決めていきます。
まとめ
猫に熱の症状が現れた時は何かしらの病気のサインです。放っておかず適切な対応をして早めに獣医師へ相談する事です。
特に子猫や高齢の猫は免疫力が低いので注意が必要です。日頃から熱を測る事に慣れるように、ペット用の体温計を用意しておくと良いでしょう。
紹介した症状を参考にして、早めに動物病院へ連れて行きましょう。
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