猫としては異例…!?飼い主さんに従順
一般的に猫は自由気ままな性格と言われています。「猫と言えばツンデレ」と表現されるように、飼い主さんにべったりし過ぎることもなく、甘えるときと距離を置くときの境目がはっきりしているのが特徴です。
また、飼い主さんの存在をリーダーとは認識していないのが一般的な猫のライフスタイル。どちらかと言うと自分の気持ち次第でマイペースに暮らしたがるので、人間から何かをされようとするのは苦手な傾向にあります。
ラグドールは、そんな一般的な猫の性格とは少し違って、飼い主さんに対する「従順さ」を持ち合わせています。
◆抱っこされるのも苦手ではないラグドール
前述のように、一般的な猫ちゃんは「甘えモードだったかと思うと、放っておいてオーラを出す」と自分の感情で飼い主さんを受け入れたり拒否したりします。そのため、飼い主さんが抱っこしたい気持ちで近づいても、「今はイヤ!」と距離を置かれることは珍しくありません。
ひとくちに「猫」と言っても個体差があるものの、スキンシップが取れないパターンの方が多いかもしれません。
ラグドールの性格は、一般的な猫と比べると飼い主さんに従順な傾向にあり、スキンシップもあまり苦にしないのだとか。もふもふの被毛を撫でることはもちろん、腕のなかに抱っこしても喜んでくれる子が多いと言われています。
ラグドールの魅力のひとつに「もふもふした被毛」があるので、抱っこして撫でて癒される時間が期待できそうですね。「抱っこして可愛がりたい」という飼い主さんにぴったりの猫ちゃんと言えるでしょう。
温厚で静か…室内での暮らしに馴染んでくれる
ラグドールは「温厚」「静か」「おとなしい」と表現されることが多いです。
◆ハンターモードになることは少ない
野生で暮らしていた頃の猫というと、「お腹がすく=狩りで獲物を捕まえる」が必須の生活でした。敵を捕らえることは死活問題なので、本能として獲物への攻撃力は備わっていました。
飼い猫になると食料には困らないので自分で獲物を捕まえなければならないことはありませんが、本能的にハンター気質が眠っているもの。ちょっと興味のあるものを見ると「捕まえたい!」「追いかけたい!」と動き回ろうとするのが猫の習性でもあります。
室内飼いをしていても、家じゅう走り回ったりイタズラしたりと、ヤンチャっぷりを発揮する猫も多いでしょう。
そんな猫本来の「狩猟本能」は、ラグドールにはあまり見られないと言われています。比較的、穏やかに過ごしてくれることでしょう。
◆イタズラが少ない
ラグドールは狩猟本能があまりないためか、家具を引っ掻いて飼い主さんを困らせることは少なめです。そもそも飼い主さんへの従順性が高いので、「イタズラして怒られるよりも甘えた方がいい♪」とラグドールなりに思っているのかもしれませんね。
猫を飼って「ガジガジされて壁紙が剥がれた」「爪の引っ掻きでフローリングがボロボロ」なんていう心配もあまりない猫種と言われています。
◆鳴き声が小さい
飼い主さんへ従順なので、自分発信の欲求はあまりないラグドール。「機嫌が悪い!」「構ってよ!」など、自己主張から鳴きまくるケースは少ないようです。
もちろん、飼い主さんに伝えたい用事があれば鳴きますが、鳴き声の大きさで困ることはありません。鳴いたとしても「にゃ~にゃ~」という可愛らしい声でしょう。むやみに大きな鳴き声を発しないので、近所と騒音トラブルになるケースは少ないかもしれません。
集合住宅では、近所への配慮が必要なので、鳴き声の小さいラグドールは飼いやすそうですね。
人懐っこい性格で一緒に暮らしやすい
ラグドールは、人懐っこい性格です。抱っこされても嫌がらない子が多いことから、「大らか」という性格も伝わってきます。
人間との触れ合いを嫌がらないため、周囲とも上手くやっていける猫ちゃんです。
◆多頭飼いの環境にも馴染みやすい
攻撃的な部分が少ないことから、ラグドールは同じ猫はもちろん、犬との暮らしも比較的スムーズと言われています。見知らぬ動物にもフレンドリーな対応ができるので、慣れるのも早いのかもしれませんね。
ただ、注意したいのはラグドールとの相性です。荒々しくキツイ性格の動物と一緒に暮らすと、おとなしい性格のラグドールの方が我慢を強いられることも…。そのストレスが大きくなり過ぎると、病気にも結びつく可能性があります。
動物同士に任せて飼い主さんが介入しないのは大切ですが、ラグドールの気持ちを見逃してしまうと、多頭飼いが上手くいかないかもしれません。
ラグドールがストレスを抱えていそうだと感じたら、飼い主さんが仲介役になることも大事です。人間側で改善できる点があったら工夫し、仲良くできるように飼い主さんが配慮していくといいでしょう。
◆大家族でも安心して飼える
子育て世帯のパパやママのなかには、情操教育の一環としてペットを飼いたいと考えている人も多いでしょう。ペットを育てることで、「命の大切さへの理解」「お世話をする責任」などが育まれるため、優しさや責任感が養われるとも考えられています。
ただ、子供は初めから「命を扱う」ことへの理解が完全ではないものです。可愛がろうと思っていても、その加減が分からないのは当然ですよね。
時には、猫に対する行動が、ちょっとしつこくなるかもしれません。それに、愛情表現のつもりで過度なスキンシップをしてしまうことも多々あります。
そんな子供達の行動にも大らかな気持ちで受け入れてくれるのがラグドールです。ラグドールは持ち前の「忍耐強さ」で子供たちからのアクションにも寛容な対応を見せ、人間の子供たちとも上手くやっていけるでしょう。
ラグドールは、一般的な猫と比べるとおとなしい子が多いので、子供に対して攻撃的な態度を見せることは少ないかと思います。子育て中に猫の飼育を考えている家庭にも適しているのかもしれませんね。
ただ、いくら我慢強いと言っても、子供のやりたい放題にさせるとラグドールがストレスを抱えてしまうことも…。
パパやママがお手本になり、「動物の大切さ」「お世話の方法」「可愛がり方」を見せるのが大事。猫へのお世話や愛情を子供たちに見せ、家族みんなでラグドールの居心地の良い空間づくりをするようにしましょう。
ナイーブで臆病な面もある
おっとり系の猫で、周囲と上手くやってくれる器用さがあるラグドール。飼い主さんにも従順で、しつけも上手くいくケースが多いでしょう。
そんな手のかからない優秀ラグドールも、実は結構ナイーブなんです。スキンシップが好きで飼い主さんと遊ぶのも好きですが、ときには「ひとりでいたい…!」なんてこともあります。それに気づかずに抱っこばかりしているとそれはストレスに繋がります。
飼い主さんの気分だけでラグドールを支配すると、ラグドールが精神的にまいってしまうかもしれないので注意すべき点でしょう。
それに逆のパターンも気をつけたいところ。ラグドールが「甘えたい」と近寄ってきているのに、飼い主さん側が無視すると愛情不足と感じてストレスを抱えるケースもあります。スキンシップを取るときには、ラグドールの気持ちを優先させることが大事です。
また、ラグドールは「いつもと違う…!?」というような環境の変化を敏感に感じ取る臆病な性格でもあります。慣れた家から新しい家に引っ越すと「何か違う」と神経質になることも。見知らぬ人が現れると「誰~!?」と怖がったりもします。
ラグドールのためと思って無理に慣れさせようと試みると、それが重いストレスに繋がることも考えられます。
「ラグドールはナイーブなところもあるんだ」と理解し、無理強いさせないようにすると良さそうです。
活動的な面も…でも実際にはちょっと運動オンチ…!?
これまで、ラグドールの性格について「穏やか」「おとなしい」とお伝えしてきましたが、「運動が嫌い」ということではありません。穏やか系とは言え、たくさんの猫が持つ活動的な部分も秘めています。
飼い主さんが誘えば、「一緒に遊びたい」と乗ってきてくれたりもします。
ただ、そもそもアクティブではないので、「高めのキャットタワーは怖い」「猫じゃらしはあまり興味が持てない」など、運動が苦手な一面も。もともとガッシリ体型で筋肉質、運動が得意そうに見えるかもしれませんが、実は「運動オンチ」というギャップも可愛らしい魅力です。
ラグドールと一緒に遊んでいると、活動的に動きつつも、あまりスムーズではない一面も垣間見えます。「なんだかお茶目だな~」とクスっと笑顔になりそうですね。
オスorメス…性別でも性格は違うもの?
「ラグドール」という猫種全体の性格を見ると、「おとなしい」「おっとり」「従順」「人懐こい」と言われることが多いです。でも、オスとメスでは性格が若干異なる傾向にあるようです。
オスのラグドールは、メスと比べると「ヤンチャ」な部分が強くなってきます。飼い主さんとの遊びも楽しんでくれるのはオスに多いでしょう。人間とのスキンシップや抱っこもオスのラグドールの方が受け入れてくれやすいかもしれませんね。
一方、メスのラグドールはどうでしょうか。
メスは、どちらかと言えば「おしとやか」が強めに出る傾向です。おとなしく温厚ですが、ときには「構わないで」というオーラを強く発することも…。
マイペースに自分の感情次第で飼い主さんに接するので、一般的な猫が持つ「自由気まま」な感じかもしれませんね。
ラグドールの性格は個体差があり飼育環境でも変わる
一般的な猫よりも「おとなしい」「抱っこも大好き」「飼い主さんへ従順」と言われることが多いラグドール。人懐こいので、多頭飼いや大家族での飼育、1人暮らしでの飼育、初心者…など、さまざまなケースにも馴染みやすい性格と言われています。そんな魅力たっぷりのラグドールを飼ってみたいと思う方も多いでしょう。
ただ、性格には個体差があることを認識しておかなければなりません。
「たくさん抱っこをしたい」とラグドールのオスを選んでも、個体によってはスキンシップ嫌いの子もいます。逆に、自由気ままなイメージのメスだとしても、「抱っこして~」「撫でて~」と甘えん坊度が強めの子だっているでしょう。
また、飼い方次第で性格は変わってくるものです。小さいときからスキンシップ好きに育てると、成猫になってからも人との触れ合いを嫌がらないでしょう。
飼い主さん以外の人とも一緒に遊んだり、動物病院に行ってもあまり動じない猫ちゃんへと育つかもしれません。
まとめ
ラグドールはそもそもゆったりとした性格です。飼い主さんがしつこく抱っこをしたがるとそれを重荷に感じることもあります。大らかな性格なので、多頭飼いや子供との暮らしも難なくこなせますが、大人が目をかけてあげるのも重要です。
感情が高ぶって本来ラグドールが持つ「穏やかさ」を失ってしまわないように、ラグドールの気持ちを優先させながら、甘えてきたときには優しく対応してあげましょう。
– おすすめ記事 –
・ふわっふわっ!ラグドールの特徴から毛のお手入れ方法まで |
・飼いやすいって本当?ラグドールの子猫を迎えるために準備したいこと |
・【ラグドール大辞典】ラグドールを飼う前に読みたい記事23選 |
・バーマンとラグドールの違いは? |