猫のトイレトレーニングの必要性
猫はとても頭の良い動物で、トイレのしつけをしなくてもすぐに覚えてくれると言われていますが、それでもトイレトレーニングをした方が良いと謳っているサイトや記事をよく目にすることがあります。
そのような情報が出回っていることからも、猫にトイレトレーニングをする必要性の高さがうかがえますよね。
なぜ猫にトイレトレーニングが必要なのでしょうか。
◆砂地でトイレをしていた猫の祖先
猫の先祖は砂漠で暮らしていたので、さらさらとした砂が特徴的な場所柄から、排泄したあとはその場所に砂をかけて隠していたと言われています。
猫が自分の排泄物に砂をかける理由は諸説ありますが、自分のニオイを敵に悟られないためや、細菌やウイルスを蔓延させないためなどと言われています。
このように本能的に猫に組み込まれた行為である「排泄のあとの砂かけ」が、とくに人からのしつけは必要ないと言われてきた所以となっているのでしょう。
◆トイレトレーニングは人と共生する上で必要
猫のトイレトレーニングが必要な理由として、猫の本能に刻まれた情報と家の中の構造が異なることや、猫のトイレグッズの多様性などが挙げられます。
家の中には砂のようなものは本来置いていませんし、最近の猫のトイレグッズは砂の形状から材質まで多種多様な商品が売られていますよね。
それぞれの猫に「排泄物には何かをかぶせる」という情報が刻まれていたとしても、猫の性格や好みはすべて同じではないので、個性が生まれてしまっても不思議ではありません。
飼い主さんが用意したトイレや設置する場所が気に入らなければ、それをトイレとして使用することなく、別の場所で粗相をする行動に出てしまうこともあるそうです。
このようなことからも猫に対してのトイレトレーニングは必要であり、トイレでの失敗も少なくなるのでおすすめです。
猫のトイレトレーニングの準備
猫のトイレクリーニングを始めるにあたって、いくつか準備をしておくことがあります。トイレは動物のデリケートな部分でもあるので、いかに猫が落ち着いて排泄を出来るかが重要となってきますよね。
どんな物を用意して、どんな場所に設置するかを考えることから、トイレトレーニングは始まっているのです。まずは何を準備するべきなのでしょうか?
◆必要なグッズ
トイレトレーニングをする場合、まず準備をしなくてはいけないのが、猫のトイレ本体と猫砂です。
– トイレ本体 –
猫のトイレは大きく分けて屋根(フタ)が付いていないものと、ついているものに分けられます。屋根があるかないかは飼い主さんの好みにもよりますが、基本的に猫はニオイがこもるのを嫌がりますので、最初は屋根がないトイレが望ましいです。
屋根が取り外しの出来るタイプのトイレの場合、トイレに慣れてきたら屋根を付けてあげることも出来るので、先を見越して屋根付きのトイレを購入してみても良いでしょう。
そしてトイレの大きさですが、成猫の場合は体より一回り大きいものを選び、子猫の場合は自分で入れる高さのものを選んであげてください。
– 猫砂 –
猫砂は材質から形状まで、様々な商品が販売されていますよね。
可能ならば複数の猫砂を同時に購入し、カフェテリア形式でトイレをいくつか準備し、猫自身に猫砂を選んでもらうという方法もあります。
ですがこの方法は時間とお金もたくさんかかってしまいますので、猫が好む傾向にある、自然の砂に近い粒子の細かい無臭の猫砂を選ぶようにしましょう。
ほかにもトレーニングに失敗して粗相をしてしまったときに、ニオイを断ち切るためのペット用の消臭剤を準備しておくと安心です。
◆トイレの設置場所
トイレトレーニングに必要なグッズが準備出来たのなら、次はそのトイレを設置する場所を考えなくてはいけません。このトイレの設置場所が気に入らないと、トイレ自体に問題はなかったとしても、使用してくれないことがあります。
猫は綺麗好きな動物ですので、自分が食事をする場所の近くは避けた方が良いでしょう。
あとは排泄を落ち着いて出来る場所であるかどうかも関わってきますので、家の中で人通りが少なく、人目につかないような場所を選んであげることも大切です。
猫のトイレトレーニングの方法
トイレの設置が完了したのなら、本格的にトイレトレーニングの開始です。
まだ一度も家の中で排泄をしていない状況であれば、比較的簡単にトイレトレーニングを進めていくことが出来ますよ。
◆トイレトレーニングの手順
手順は以下の通りです。
②猫が床のニオイを嗅ぐ、ウロウロとし出したらトイレサインの合図
③トイレサインを察知したら、猫を抱えてトイレに連れて行く
④猫をトイレの中に入れて、目を反らしながら経過観測をする
⑤排泄がちゃんと出来ているか、砂をかけていたかを確認する
一番簡単なトイレトレーニングの方法となりますが、この一連の動作が猫も飼い主さんも出来ていれば、きっと次のトイレも卒なくこなせることでしょう。
◆トイレを失敗してしまった場合
もし③でトイレに間に合わずに排泄をしてしまった場合や、⑤で猫砂を自分でかけられなかった場合には、まだまだトイレトレーニングが長引く可能性があります。
もしトイレに間に合わずに排泄をしてしまったのなら、掃除の際にティッシュなどで拭き取ってあげてください(オシッコの場合)。そしてそのティッシュをそのままトイレの中に入れ、猫をトイレまで連れていってあげましょう。
ウンチの場合には、そのままウンチをトイレの中に入れてあげ、後から猫を連れていってあげてください。
もしそこでトイレの中の排泄物に、砂をかける動作をしてくれれば問題ありませんが、してくれない場合は飼い主さんが愛猫の前足を持って、砂をかけるしぐさを真似てあげましょう。
この行動を繰り返すことによって、トイレには自分のニオイがつき、排泄する場所として認識してくれるはずです。
猫のトイレトレーニングに失敗する原因と対策
頑張ってトイレトレーニングを行っていても、どうしても失敗を繰り返してしまう猫ちゃんもいることでしょう。
何度も失敗を繰り返しているのなら、しっかりとその原因を追究して、失敗しないような対策を考えてあげなくてはいけませんよね。
猫がトイレトレーニングに失敗するのには、どんな原因が考えられるのでしょうか?
◆猫がトイレトレーニングに失敗する原因
トイレトレーニングを何度行っても失敗する猫に対して、まずは飼い主さんが何を不満に思っているのかを明確にしてあげなくてはいけません。
猫がトイレで排泄しない原因として考えられるのは、以下のような理由が多いです。
・自分のニオイがしない
・トイレの形状や猫砂が気に入らない
・トイレの中の猫砂が少ない
・失敗するたびに怒られる
猫に早くトイレを覚えてもらいたいからといって、排泄物をそのままにしていると、猫はトイレを使用してくれなくなることがあります。誰だって汚れたトイレで排泄するなんて、絶対に嫌ですよね。
逆に完璧に掃除をしすぎて、自分のニオイが残っていない場合も、トイレとして認識出来ない原因となってしまうことがあります。
ほかにも飼い主さんの選んだトイレや猫砂が気に入っていなかったり、極端にトイレの中の猫砂が少なかったりするのも、失敗の原因となることは多いです。
また、失敗を繰り返すことによってその都度飼い主さんが叱っている場合、その行為は猫にストレスを与えているだけとなってしまうので効果はありません。
場合によっては排泄することそのものを悪いことだと認識してしまい、余計うまくできなくなったり、排泄を我慢してしまったりすることもあります。
おしっこを我慢してしまうと膀胱炎や尿路結石などの病気にもつながります。
失敗は悪いことではないので、原因を突き止めてすぐに対策をするように心掛けておきましょう。
◆猫がトイレトレーニングに失敗したときの対策
猫のトイレトレーニングはとても単純ではありますが、何度も失敗されてしまっては飼い主さんも困ってしまいますよね。
どんな対策がトイレのしつけとして効果的なのでしょうか?
・トイレの場所を変えてみる
・トイレを清潔に保つ
・自分のニオイのついた猫砂を若干残しておく
・上手に出来たらたくさん褒めてあげる
トイレトレーニングが失敗してしまう傾向として、トイレそのものに原因があるか、トイレの設置場所が悪いかがほとんどです。
トイレが狭かったり、猫砂の粒が小さすぎて肉球に挟まったり、逆に猫砂が大きすぎてうまく砂かけが出来なかったりすると、そのトイレ自体を使いたいと思わなくなってしまうようです。
トイレをし終わったあとの猫の様子を観察し、何に対して不満を抱いているのか察知してあげてください。
トイレの設置場所も重要で、ほかの場所で粗相を繰り返してしまうのなら、今度はその場所の共通点を探してみましょう。その共通点を参考にして、トイレの設置場所を改めて考えてみてはいかがでしょうか。
トイレを清潔に保つことももちろん大切ですが、ある程度自分のニオイが残っていないと不安になってしまう子も居ますので、トイレトレーニングが成功するまでは、ニオイのついた猫砂を若干残しておくのもおすすめです。
そしてトイレトレーニングに成功したときには、たくさん褒めてあげてください。ご褒美を与えてみるのも、効果的ですよ!
成猫でもトイレトレーニングはできる?
トイレトレーニングはいつから始めるべきなのかというと、子猫を迎えたときから始めるのが理想ではあります。それを聞くと、成猫の場合はいっそうしつけをするのが難しくなるのでは、と不安になってしまいますよね。
もし野良猫を保護した場合は、また生活環境がガラッと変わりますので、ちゃんとトイレを覚えてくれるかどうか、心配になってしまうことだと思います。
ですが猫はとても頭の良い動物ですので、間違ったしつけをしなければ、すんなり覚えてくれることがほとんどです。そして成猫ともなれば、しっかりと縄張り意識も持っていますので、一度トイレに自分のニオイが付いてしまえば、すぐに自分の場所として認識してくれることでしょう。
どうしても成猫のトイレトレーニングがうまくいかない場合には、ペットのしつけアイテムである「クリッカー」を利用してみてはいかがでしょうか。
クリッカーとは音を鳴らして、しつけを円滑に行うアイテムとなります。
まずは音を鳴らしたらご褒美(おやつ)がもらえること(チャージング)を覚えてもらい、トイレに誘導する際やトイレが上手に出来た際に利用すれば、ご褒美欲しさからトイレを失敗しないようになってくれますよ!
まとめ
人間のように猫も水洗のトイレを使用してくれれば楽ですが、なかなかそうはいきませんので、しっかりとしたトイレトレーニングは必要となってきますよね。
猫にとってトイレは健康のバロメーターでもありますので、猫らしくトイレを毎日利用して病気にかからないためにも、しつけは重要となってくるのです。
トイレのトレーニングは子猫から行うのが有効ではありますが、成猫や野良猫でも迎え入れた時点で行えば、遅いということはありません。
愛猫の性格や好みを熟知してトイレを選び、落ち着いて排泄出来るような場所を提供してあげてくださいね。
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