【獣医師監修】猫の便が硬い原因はなに?元気なウンチを出す対策方法とは!?

2020.07.22

【獣医師監修】猫の便が硬い原因はなに?元気なウンチを出す対策方法とは!?

猫の便は健康のバロメーターとなり、毎日欠かさずチェックをしている飼い主さんも多いことでしょう。 そんな中、もし愛猫が硬い便を出していたら、とても心配になってしまいますよね。 便が硬いと肛門が切れて血が出ることもありますし、便秘気味になって便が出ないこともあるので、早期の対策が必要になってきます。 愛猫の便が硬い原因とは何か、そしてどんな対策をすれば良いのかを考えていきましょう。

猫の便が硬い!原因は?

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猫と一緒に暮らしていると、トイレで猫がウンチを出すために、力んでいる姿を見ることがありますよね。

その必死な表情がとても可愛らしく、排泄をしている姿をじーっと見つめてしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。

ですが猫にとって便を出すという行為は一大事で、スッキリするために渾身の力を振り絞り、集中して力んでいるので、様子を伺わないでそっとしておくのがベストです。

飼い主さんがすべきことは、排泄後のトイレの掃除や、便の状態を欠かさずチェックしてあげることが重要となってきます。

猫の便が出るサイクルは、まずは口から食べたフードが食道を通り胃に到達し、そこである程度消化した後に十二指腸で消化、分解されていきます。

その後小腸で栄養が吸収され、栄養を搾り取られたフードの残りかすが、大腸で水分を吸収して便として体の外に排出されるのです。

この一連の活動が健康な猫であれば、滞りなく毎日行われていきますが、何かしらの影響が重なってしまうと、カチカチで光沢の無い硬い便が排出されてしまうことに。

便が2、3日出ない状態が続いてしまえば、便秘の状態で猫ちゃんが苦痛を感じているはずなので、普段からそのようなサインを見逃さないことも大切ですよね。

すべての猫が同じサイクルでウンチをしているわけではありませんが、食べ物や腸内環境に個体差があれど、便が明らかに硬いと感じたときは、原因を早急に探ってあげるようにしましょう。

猫が硬い便をする際に考えられる原因は、以下の通りです。

◆病気

猫は人間と同じ哺乳類なので、内臓の構造がほぼ一緒のつくりとなっています。

私たちも健康的な便が出ない場合には、消化器官の異常や病気を疑うことがありますよね?

猫の便が硬い場合にも、まずは何かの病気で便が硬くなっているのかと疑ってみてください。

「たかが猫の便が硬いだけ」と思って、その状態を放置してしまうと、我慢強い猫は痛みをじっと堪えてしまうことが多いので、重症化してからやっと異変に気付くことも少なくありません。

愛猫に辛い思いをさせないためにも、猫の便が硬い状態は見過ごすべきではないと言えるでしょう。

硬い便が出る際に疑ってほしい病気として、「慢性腎不全」や「腸閉塞」などが挙げられます。

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◆脱水

すでに何かしらの病気を患っていて、脱水症状を起こしている場合にも、便に水分が吸収されずに硬い便が出ることが多いです。

とくに腎臓病を患っている場合、たくさん飲み水を飲んだとしてもオシッコと一緒に必要な水分は排出されてしまうので、脱水を起こしてしまうことがよくあります。

ほかにも下痢や嘔吐を引き起こすような病気を患っている場合にも、脱水を起こすことはあるので、水分が足りずに硬い便になってしまうことも。

夏の暑い季節には、室内でも熱中症にかかってしまうことがあるので、夏場に硬い便をしているのなら、体に水分が足りていない可能性が高いです。

◆ストレス

猫はストレスを感じた場合にも、硬い便を出してしまうことがあります。

ストレスは様々な病気を引き起こす元凶となるので、普段の生活環境が何よりも重要であると言えるでしょう。

私たちも極度の緊張やストレスを感じると、胃やお腹が痛くなってしまうように、猫にも感情がしっかりとあるので、人間と同じように変化を拒む傾向が強いです。

住居の引っ越しや飼い主さんに新しい家族が植える、多頭飼いで落ち着かない、トイレ環境が悪いなどは、猫がストレスを抱える原因として、よく挙げられる理由となります。

猫にとって排泄は幸せを感じる行為にもなるので、硬い便の原因が病気でないのなら、ストレスを抱えていないか原因を探ってみると良いでしょう。

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◆加齢

猫の加齢も、硬い便が出る原因になることがよくあります。

歳を重ねることに抗うことができませんが、猫は私たちよりも歳をとるスピードが早いことを普段から認識しておかないと、まだまだ若いという意識で接してしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。

猫は7歳にもなるとシニア期に突入しますので、それぐらいの年齢を目安に、体の至る箇所に衰えが出てくると考えておくべきですよね。

また、10歳を過ぎれば高齢とも言える年齢となりますので、必然的に腸の機能が低下してきますので、硬い便が出やすくなってきます。

その上足の筋力が落ち、肛門に力を入れることが難しくなってしまうと、便秘になって嘔吐を繰り返してしまうこともありますので、便の状態を見逃さないようにしましょう。


猫の便が硬い時にできる対策

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猫の便が硬い状態が長く続いてしまうと、力むときに肛門が切れて出血し、常に痛い思いをして排泄をしなくてはいけません。

内臓の疾患を患っている際にも血便は出ますので、肛門が切れて常に血が出ている状態が続いてしまうと、別の病気に気付くのが遅れてしまうことにも繋がっていきます。

そうなってしまうと長期間愛猫に辛い思いをさせることになるので、便が硬いと感じたのなら、健康的な便が出るような対策をしてあげるべきですよね。

猫の便が硬い場合、飼い主さんはどんな方法を用いて、対策をしてあげれば良いのでしょうか。

◆動物病院で相談を

愛猫が硬い便を出して辛そうにしているのであれば、すぐに動物病院に連れていくことも大切です。

専門的な知識を持った獣医さんに状態を詳しく説明することによって、生活環境の中でどんな予防をすべきか、どんなフードを与えるべきかなど、アドバイスしてくれることでしょう。

病気が元で硬い便が出ているのなら、現状を把握することができますし、早期発見に繋がれば愛猫への負担も少なくなるので、飼い主さんの不安な気持ちを和らげることもできますよ。

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◆飲水量を増やす工夫をする

猫は元々水を飲む量や回数も少ないので、犬などよりも硬い便を出しやすい動物ではありますが、これを踏まえた上で普段から飲水量を意識しておくことも大切ですよね。

飲水は常に新鮮なものを用意し、ヒゲが当たらないような飲み口の広い容器に入れてあげるようにしましょう。

また、置く場所などを変えるだけで飲水量が増えることもありますので、色々と工夫しながら愛猫が飲みやすい環境を整えてあげてください。

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◆サプリメントを与える

腸内環境を整えてくれる、ペット用のサプリメントなども販売されていますので、それらを試してみるのも良いかもしれません。

ペット用品を扱うサイトなどでの購入も可能ですが、動物病院でも販売していますので、獣医さんに相談した上で購入しても良いでしょう。

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◆療法食を与える

普段ドライフードを食べている猫ちゃんなのであれば、ウェットフードに変えて様子を見てみるのも良いですが、療法食を試してみるのもおすすめです。

便秘気味の猫に対して、食物繊維の含有量を調整した、消化器系をサポートしてくれるフードなども販売されています。

ただ療法食は獣医さんの指示に従って与えるフードとなりますので、試す際には一度動物病院に受診し、獣医さんに相談の上与えるようにしましょう。

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※獣医師の指示にしたがって与えてください。
お問い合わせ・ご相談はコジマ動物病院まで。

猫用 消化器サポートは、消化器疾患の猫に給与することを目的として、特別に調製された食事療法食です。この食事は、消化性が高い原材料を使用し、少ない食事量でも必要なカロリーや栄養素が充分に摂取できるように調整されています。また、健康的な腸内細菌バランスに配慮して可溶性食物繊維(サイリウム、フラクトオリゴ糖、マンノオリゴ糖)を配合しています。

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◆お腹をマッサージしてみる

硬い便を力むだけでも猫ちゃんは辛い思いをしているはずなので、飼い主さんにできる手助けとして、愛猫のお腹をマッサージしてあげてみるのも効果があります。

マッサージは猫がリラックスしているタイミングで行うようにし、優しく撫でてあげながらお腹全体を「のの字」を書くように、ゆっくりと撫でていきましょう。

便が出ない状態であれば、猫の下腹部あたりに下行結腸がありますので、この辺りが硬ければ便が詰まっている可能性が高いです。

優しくマッサージをして温めてあげることによって、副交感神経が優位になるので、腸の働きが活発になってくれることも。

コミュニケーションの一環として日課にしてあげれば、ストレスも軽減されますのでおすすめですよ!


まとめ

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愛猫に健康で長生きしてもらうためにも、日々の排泄チェックは欠かすことができません。

とくに猫の便には健康状態が非常に出やすく、その便が硬ければ何かしらの異常のサインだと思って受け取ってあげるべきでしょう。

猫の情報が掲載されているサイトや記事の中には、正常な便の状態などが事細かに掲載されていますので、参考にしてみるのもおすすめです。

そして硬い便の状態が続くようなら、すぐに動物病院を受診し、どのような状態なのか明確にさせる必要がありますし、飼い主さんができる対策方法を獣医さんから教わることも大切です。

猫の硬い便や便秘は放置してしまうと、重篤な病気を引き起こしてしまう可能性もありますし、ペット保険に入っていなければ、高額な治療費がかかってしまうようになります。

そのような状態にさせないためにも、健康的な便が出るようなサポートを心掛け、スッキリ幸せな排泄ができる環境を整えてあげてくださいね!

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に15医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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